絶滅が心配されているオサガメ。回遊ルートを調べるための発信機が背中に付いている=コスタリカ(共同) レジ袋食べる海亀が急増 生息状況悪化の一因に現存する最大の海亀で、絶滅の恐れが極めて高いとされるオサガメのおなかからレジ袋などのプラスチック製品が見つかる割合が1960年代後半以降、急増していることが、カナダ・トロント大などの研究グループによる20日までの調査で分かった。 世界各地の海岸に死骸で打ち上げられるオサガメの40%近くからプラスチック製品が確認され、中には消化管に詰まって直接の死因と疑われる例もあった。 クラゲを主食とするオサガメは、海面に漂う袋などを餌と誤認して飲み込むことが多いとみられる。研究グループは「海に浮かぶ大量のプラスチックごみが生息状況を悪化させる一因となっている」と指摘した。 グループは1885年から2007年まで、死んで打ち上げられたオサガメの解剖記録に、自らの調査結果を加え、計408匹の胃の内容物などを調べた。 胃の中からプラスチック製品が見つかったとの最初の報告例は1968年。見つかる割合はそれ以降10年ごとに13%、23%、40%と急増し、68年から2007年までの平均でも37%だった。 レジ袋のほか風船、たばこやお菓子の包装、釣り糸などが多く、袋のような大きなプラスチック製品が消化管に詰まっていた例が12件確認されている。 研究グループのニコラス・ムロソフスキー・トロント大教授(現名誉教授)は「消化管に詰まらなくても、栄養の吸収を妨げている恐れが強い」と指摘。「オサガメが減ることが、クラゲの大発生につながることも考えられる」とプラスチックごみ削減を訴えている。 【共同通信】
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