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原発配管溶接データ改ざん 浜岡・島根の2基、日立発表

2009年4月13日12時16分

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 日立製作所と日立GEニュークリア・エナジーは13日、納入した中部電力浜岡原子力発電所5号機(静岡県御前崎市)の蒸気配管の溶接データと、中国電力島根原子力発電所3号機(松江市、建設中)向けに製作中の配管の同様のデータに改ざんがあった、と発表した。

 浜岡5号機は現在、定期検査のため運転停止中。中部電力は放射能漏れなどの危険性はないとしている。

 改ざんがあったのは「湿分分離加熱器」と呼ばれる機器の配管のデータ。原子炉で発生した水蒸気を加熱するとともに湿り気を飛ばす機器で、熱効率を上げるため、高圧タービンと低圧タービンの間に設置されている。両原発はともに沸騰水型で、原子炉でつくられた蒸気が直接、タービンに流れ込む構造だ。

 3月、中国電力が島根3号機のデータを確認していたら、この加熱器を熱処理したときのデータの一部に消されたところが見つかった。

 熱処理を請け負っていた日本工業検査に日立が確かめたところ、浜岡5号機の加熱器の配管でも同様の改ざんが見つかった。熱処理は配管を溶接後、溶接部の強度を増すために行うが、その際、基準よりも速い速度で温度が下がった疑いがあるという。

 日立などによると、二つの改ざんは日本工業検査の同じ作業員によるもので「機器の操作ミスで温度が下がった。翌日から休暇の予定だったため、追加作業をしたくなかった」と話しているという。

 浜岡5号機の加熱器の熱処理は01年7月に、島根3号機の加熱器の熱処理は昨年12月に行われた。

 浜岡5号機は05年1月に営業運転を開始した。問題の加熱器を抱えながら、運転を続けていたことになる。

 経済産業省原子力安全・保安院は、13日午後、日立と日立GE両社長に対し、厳重注意文書を手渡す。

 中部電力は13日、この問題で、データ改ざんの疑いがあることを、日立製作所などから6日にあった連絡で確認した、と発表した。同社は配管の強度を確認するため、超音波検査などを実施する予定。

 中国電力は13日、島根3号機の他の個所や、運転中の同1、2号機には改ざんがないことを確認したと発表した。今後、日立GEに再発防止を申し入れ、改めて湿分分離加熱器の熱処理を実施させるという。

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