2回連続の出直し選となった兵庫県宝塚市長選は19日、元社民党衆院議員の中川智子氏(61)が、6人が立候補する乱戦を制し、初当選を決めた。現職市長が2代続けて汚職事件で逮捕される異常事態で失墜した市政への信頼をどう取り戻すか。新市長の手腕が注目される。
「クリーンな宝塚市政をつくる市民の願いが私を市長にしてくれたと思います。その責任の重さに身が引き締まります」。集まった支援者を前に中川氏は抱負を語った。
衆院議員を2期7年務めた中川氏は今回、社民党を離党して選挙戦に臨んだ。「宝塚に女性市長を」とのキャッチフレーズを連呼し、連日、選挙カーを降りては熱心に辻立ち。衆院議員時代の人脈を生かし、秋葉忠利・広島市長や上原公子・前国立市長なども応援に駆けつけた。保守分裂で票が分散する中、社民、共産両党の市議らの支援もあり、勝利につなげた。
全候補者が「市政刷新」を掲げた選挙戦だったが、投票率は前回を下回る44・20%と低調な結果だった。就業者のうち市外への通勤者が65%を占め、「大阪府民」とも評される市民の市政への関心は、2度目の出直し選でも高まらなかった。
市政や教育の問題に取り組む市民団体「みらいネット」の西崎佳子代表(54)は「新市長には市民の無関心を変えるべく市政の課題に取り組んでほしい」と話した。
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