アットホームな雰囲気の中、自然な出産ができると人気が高まっている助産院が、新たに広陵町三吉に開設された。県内では奈良市や天理市、生駒市にある施設に続く7番目。念願を果たした3人のベテラン助産師は、お母さんやお父さん、赤ちゃん、みんなの心の友になればと、「心友(こと)助産院」と名付けた。【山本和良】
院長の織田智子さん(48)=平群町、勢力陽子さん(48)=奈良市、西川佐稲子さん(47)=川西町=の3人。共通の恩師を通じて知り合った友だちだ。
助産院(助産所)は医療法で、助産師が分娩(ぶんべん)の手助けのほか、妊婦や新生児の保健指導などを行う施設と定められている。織田さんらは、務めていた助産院が閉院したため、2年ほど前から赤ちゃんとお母さんが安心できる助産院を開くことを検討。10年前から、妊婦教室や新生児の訪問、乳幼児の健診に協力していた広陵町で、町や町民の協力を得て、かねてよりの念願をかなえた。
施設は木造2階建て、延べ約190平方メートル。入院床は3床。緊急の場合は、嘱託医を務める「なんのレディースクリニック」(斑鳩町)の南野英隆院長が対応する。既に7人の予約が入っていて、順調な滑り出しだ。
16日にあった開院式では平岡仁町長が「若いお母さんが安心してお産ができる場所ができて、町としてもうれしい。町民らにアピールするなど、支援していきたい」とあいさつ。織田さんらは「三人寄れば文殊の知恵ではないが、3人で力を合わせて頑張りたい」と意気込んでいる。
日曜、祝祭日は休診。問い合わせは電話0745・55・8700。
毎日新聞 2009年4月19日 地方版