岡山放送局

2009年4月19日 12時26分更新

マウスiPS細胞から肝細胞分化


岡山大学の研究グループが、あらゆる組織や臓器になるとされる「iPS細胞」から、肝臓の細胞を作り出すことにマウスを使った実験で成功しました。
研究をしたのは、岡山大学の小林直哉・講師らのグループです。

グループでは、京都大学の山中伸弥教授の研究で作られたマウスのiPS細胞を使って、どんな条件のとき、肝臓の細胞を作り出すことができるか、さまざまな物質を使って試しました。

そして、生物の体の中で肝臓の細胞の成長を促したり、血管を作ったりする「肝細胞成長因子」と呼ばれるタンパク質をiPS細胞に加えたところ、肝臓の細胞と同じような形の細胞に変化しました。

細胞の働きを調べたところ、アンモニアを分解したりアルブミンと呼ばれるタンパク質を作り出したりするなど肝臓の細胞と同じ機能があることがわかり、iPS細胞が肝臓の細胞に変化したことが確かめられたということです。

小林講師は、「将来、肝硬変など重い肝臓病の患者に、iPS細胞から作った細胞を移植する治療法につなげられるのではないか」と話しています。
この成果は4月20日から岡山市で開かれる国際細胞移植会議で発表されます。