蚊と並んで夏の大敵といえば、ゴキブリ。夏の長い西表でヤツらとのたたかいを制するには、東京で桜が咲くころから対策を始めなくてはなりません。
北風が弱まり、気候が回復する3月、4月。地元の婦人会ではホウ酸ダンゴ作りを行います。材料はホウ酸、おろしタマネギ、小麦粉。香りづけに牛乳と砂糖も少々加え、よくこねます。それを直径2cmほどに丸め、平たくつぶして天日干し。乾いたらできあがりです。
婦人会で配られた説明書きによると、置く場所は「台所、トイレ、お風呂場、部屋の隅」。それから、「食器棚、押し入れ、タンスの引き出し、タンスの裏、天井のはり、畳のすき間、下駄箱、ミシンの中」など。「ゴキブリは紙が好きなので、本棚にも」と書いてあります。つまり、家中あらゆるところに念入りに、ということです。それだけゴキブリに悩まされているのです。
なぜこの季節にダンゴ作りなのかといえば、ヤツらがふ化する前だから。ダンゴを食べたゴキブリがたとえ卵を産んでも、かえった幼虫たちはそのうち死ぬそうです。
このゴキブリダンゴの威力を過小評価していた私は、今シーズン、大失敗してしまいました。昨年は大してゴキブリも出ず、見かけても案外トロかったので、丸めた新聞紙で退治できていました。ところが今年は5月になると、やっつけてもやっつけても、威勢のいいゴキブリが毎日なん匹も出現するのです。
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ゴキブリにかぶりつくヤモリ。
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婦人会で作ったホウサンダンゴ。 |
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