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欽ちゃんが「ちょんまげワールド」再生に挑む
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【芸能・社会】最後の欽ちゃんファミリー 拠点は名古屋だ!2009年4月19日 紙面から
お笑いの大御所、欽ちゃんこと萩本欽一(67)が、18日までに芸能界発展へでっかい構想をぶち上げた。名古屋、中京圏でコメディアンを育てあげ、将来は名古屋にお笑いの拠点を置こうというのだ。いままで培ってきたお笑いのテクニックを中部圏の若者たちに伝授し「最後の欽ちゃんファミリー」誕生へ意気込む。 (愛智辰生) 三重県伊勢市の「ちょんまげワールド伊勢」の村長・欽ちゃんが、ずっと納得できないことがある。「なんで名古屋からコメディアンが生まれないの。こんな大きな都市なのに。不健康じゃない」と首をかしげる。以前、名古屋のテレビ局にコメディアンの調達先を尋ねたら主に大阪からという返事を聞いてあぜんとしたという。 芸所といわれる大都市にコメディアンを育てる場所がないのは、不思議に思うと同時に、持ち前のチャレンジ精神に火が付いた。「ゆくゆくは名古屋に事務所を置くなど、拠点を構えたい。いよいよ日本のど真ん中から東京、大阪に出て行くよ」と力を込めた。 活動拠点を名古屋に置き、修業の場は、もちろん村。欽ちゃんは、月に1、2度訪れ劇団員にけいこをつけている。「ここには舞台が6つもある。それが大きな魅力。こんないい環境、日本中のどこにあるの」。育ててくれた浅草には、かつての劇場街のにぎわいはない。「ちょんまげ−」こそ舞台で観客の反応をじかに感じ取りながら成長できる絶好の場と太鼓判を押す。 焦りに似た気持ちで後進を育てようとするのはお笑い界の現状を憂いているからだ。欽ちゃんは、高校卒業後、浅草の劇場からスタートした。体で覚えられるのは22歳までといわれ、切迫感に包まれながら夢中で修業に励んだ。たたき上げの身から芸能界を見渡せば、いまの若手芸人は、しっかりした基礎もなく、一瞬のおもしろ芸で笑いをとっているだけ。当然、タレント寿命も短い。安易な風潮に、本物のコメディアンを育て上げたい欲求は募るばかり。 子どものときから修業するのが、一番の成功の道という。SMAPを引き合いにだして「彼らは子どものときから踊っている。だから息も長いんだよね」。理想は、学校に通いながら15歳くらいから「ちょんまげ−」の舞台を踏み、夏休みに主役をとり、春休みの舞台をファンに待ちわびさせる劇団員の誕生。「最後の欽ちゃんファミリーだよ」と位置付ける。 タレント養成学校へ入校すれば、2年間で2、300万円かかるという。「うちは劇団員になれば、ぼくが教えて、給料も出すんだよ。こんなところほかにないよ」とアピール。考え通りになれば、村のブロードウェー構想は大きく前進する。 ◆直々に演技指導 3カ月コースを新設「ちょんまげワールド伊勢」では、1週間の体験コースと1カ月コース、そして欽ちゃんの演技指導を受けられる3カ月コースを新設した。すべて要予約で、通学も可。宿泊施設もある。 問い合わせ「舞台のある学校」事業部(電)0596・43・2300(午前9時から午後5時まで)
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