(cache) ●あしたをつかめ●学校放送●

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目指せ憧れのアクションスター！
都内の俳優事務所に所属する伊藤教人さん（２５）は、アクション俳優になって３年目。子どもの頃からの憧れだったＡ・シュワルツネッガーやＪ・チェンのようになりたいと、秋田市から単身上京した。
最初の年は、事務所の養成部で、アクションの基本や殺陣（たて）などを学んだ。２年目からは、テレビや映画のヒーロー物の戦闘員の役をもらえるようになっていった。しかしそこは厳しい世界。３年経った今、伊藤さんの同期２１名うち、６名しか残っていない。さらに現在、主役のヒーローを演じ活躍しているのは、いずれもキャリア２０年を誇るベテラン勢だ。
そんななかでも未来のアクションスターへの夢を追いかける伊藤さんにチャンスがやってきた。まもなく公開されるライダーの映画で大役がまわってきたのだ。悪役ではあるもののライダーの中に入って演じる事ができるのだ。着ぐるみを着て、動きづらく周囲が見えにくい悪条件のなかで、どんな演技を見せるのか。正義の味方との一大決戦に密着する。

◇アクション俳優とは？
　大きな身振りや格闘など、派手な“動き”のあるシーンを演じる俳優の事。観客の目やカメラ位置を計算して、“リアルに”“格好良く”なおかつ“自然に”演じる事が求められます。
　芝居や映画の“見せ場”をつくる大切な仕事です。

◇全国の状況・今の状況
　昭和３０～４０年代の「アクション映画」全盛時代には、希望者も多かったが、現在は漸減傾向にあると言われています。ただ、「特撮ヒーローもの」「時代劇」など、アクション俳優が活躍する世界は根強い人気を誇っています。

◇どんな人が向いているの？
　映画の場合、撮影は早朝から夜遅くまで、しかも連日続く事も多い。それに耐えられる基礎体力は最低限必要です。
　さらに運動能力もある程度は必要ですが、それ以上に、撮影現場で求められている能力は“演技”。映画の場合は、監督がどんな映像を欲しがっているのか、短時間で理解して、画面のなかで、他の役者とのバランスも考慮しながら、いかに効果的に“芝居”ができるかが求められます。
　“体操選手”が求められている訳ではなく、あくまで“演技”ができる役者が必要とされているのです。

◇どうすればアクション俳優に？
　全国の主要大都市には、アクション俳優養成コースを設けた専門学校があります。
　都内には伊藤さんの俳優事務所のように、「養成部」を設けた所もあります。その後、映画やテレビ、舞台などでの活躍をめざすのなら、都内にある俳優事務所と契約するコースが一般的です。

◇ステップアップの道すじ
○伊藤さんの事務所の場合
　最初は先輩俳優の着替えの補助業務などを手伝いながら、撮影現場の状況に慣れる事からスタート。回数を重ねるうちに、１～２年後から少しずつ戦闘員、さらには怪人の役などに挑戦。演技の腕を磨いていきます。
　その後は、本人の努力次第。現在、ライダーなどの主役級の役は、４０歳前後の世代が担っています。

◇収入のめやす
　その人の経験、与えられた仕事によって大きく違いますが、伊藤さんの事務所の場合、初任給は１５万円～２５万円です。

◇アクション俳優のある一日
　伊藤教人さんの一日（３月）

◇生活サイクルと休日
　芝居、テレビ、映画などで仕事の内容は大きく異なります。「特撮ヒーローもの」の映画の場合、当日の撮影内容によって開始～終了時刻も変わってきます。
　大勢のスタッフとの共同作業のため、休日などは仕事のスケジュールが優先されます。また仕事を「受ける側」である事が多いため、いつも仕事があるとは限りません。

◇おいしさ
　自分が出演したテレビや映画を観たときの満足感、達成感が大きい。監督をはじめ大勢のスタッフと、一体になって作品を創造する充実感も大きい。
　体を使った技術であるため、新しく特殊なアクションができた時などの喜びも大きい。

◇苦さ
　監督やアクション監督の指示に従いながら、短い時間で最高の演技が求められます。
　時には、大声で怒鳴られる事も。肉体的、精神的にもその試練に耐えていく必要があります。