未納年金:時効超え2300件納付 04~05年度

2009年4月18日 12時46分

 国民年金保険料は過去2年分しかさかのぼって納められないのに、社会保険庁がそれを超えて納付を認めた疑いのあるケースが04~05年度だけで2300件あることが分かった。舛添要一厚生労働相が17日、衆院厚労委員会で長妻昭議員(民主)に答えた。

 国民年金法では、保険料の未納分は支払期限から2年分しか納められない。現役加入者が毎月納める保険料で高齢受給者への年金支給をまかなう仕組みとなっており、無期限にさかのぼり後でまとめて払えるようにすると、財源不足になったり、きちんと払っている人との公平さを欠くことになるためだ。

 社保庁などによると04~05年度、2年の時効を超えて納付されていたのは4万4000件で、9割近くは強制徴収の対象として、督促を受けるなどにより時効が中断した正当な納付だった。しかし、2300件は正当な理由を示す証拠が見当たらず、具体的な納付状況を調査中という。

 この問題は06年6月の衆院厚労委で、元大阪社会保険事務局職員の妻の未納保険料3年9カ月分を奈良社保事務局が受け入れていたことが発覚。当時の村瀬清司長官が調査や職員の処分を約束し、社保庁は07年1月、同3月を期限に各都道府県の社保事務局あてに調査を依頼していた。また、関係した職員も処分されていない。【野倉恵】

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