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平成17年1月25日 毎日乗るとは言っても、あまり遠出をすることもなく、稼動のほとんどの場合がパーソナルユースの軽自動車にとって本当に必要な要素とは? R1の開発背景には、必要以上に大きくないボディサイズ、親しまれるデザインとクオリティ、期待通りの優れた経済性、そして、小さいことが不利にならない高い安全性を確保するという、軽自動車としての“本質”の部分をカタチにしたいというスバルの思いがある。 平成16年12月26日 R2の弟分にあたる『R1』が遂にデビュー。軽自動車の規格寸法を使い切ることなく“ボディサイズが小さいこと”に価値を見出す作りは、画一化が浸透してしまった軽自動車界に対する新たな提案だと思う。スタイリッシュなデザインと高い質感、快適で機能的な室内空間、優れた燃費、高次元の衝突安全性、そして必要なときには4名乗車も可能なシートレイアウトを持つスモールカーは、クルマに対する価値観を変える存在になれるだろうか。 平成16年12月1日 レガシィやインプレッサは外国のメーカーと同じく『年改』と呼ばれる年次改良を毎年行う。どうやらR2も年改していく方針らしい。11月29日に一部改良とお買い得グレードの追加、そして特別仕様車を発表した。変更点はエクステリアがフロントバンパー。インテリアは前席のヘッドレストを高さ方向で5cm小型化して後方視認性を向上させ、後席のヘッドスペースも2cm大きくしている。追加グレードの『iカジュアル』は90万8250円(税抜きだと86万5000円)。『i』からシートリフターとリアシートピローを取った程度。 平成16年10月29日 10月29日に日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の一次選考会が行われ、R2は10ベストに残った。毎年COTYに数車種ノミネートされる軽自動車ながら、ほとんどトップ10に残れず。軽自動車にとって超「狭き門」なのだ。ちなみに10ベストは順不同でクラウン/クラウンマジェスタ、フーガ、R2、レジェンド、ベリーサ、アウディA6、オペル・アストラ、BMW1シリーズ、VWゴルフ/トゥーラン、ボルボS40/V50。本選で点数を取ることは難しいだろうけれど、10ベスト獲得は軽自動車にとって最大級の栄誉だと考えていい。 平成16年10月6日 顧客満足度(CS)を調査しているJ.D.パワーアジア・パシフィックが発表した2004年の日本軽自動車初期品質調査(IQS)によると、モデル別ランキングで『R2』がトップの座を獲得した。 調査方法は、2003年12月から2004年5月に軽自動車を新車で購入した一般ユーザー2326人を対象として、購入後2〜7ヶ月を経過して発生した不具合の指摘件数をカウント。その結果、R2の不具合発生件数が最も少なく、調査対象となった軽自動車10モデルの中でもR2の品質の高さが証明されたと言える。 R2以下の順位は、2位『アルトラパン』、3位『ライフ』、4位『モコ(MRワゴンは調査対象外)』、5位『タント』、6位『ミラ』、7位『ekワゴン』、8位『ワゴンR』、9位『ムーブ』、10位『バモス』となっており、このうち5位までが業界の平均レベルとされる。注目すべきは、5位までにニューモデル(フルモデルチェンジ)が3車種(R2、ライフ、タント)入っていること。普通新車の初期モデルには品質的なバラツキが多いと言われるが、各メーカーともスタートから高い品質を得る環境が整いつつあるようだ。 平成16年8月16日 4月にオールアバウトの企画でR2の燃費テストを行ったけれど、23,1km/Lというデータだった。この結果、どうにも納得できない。雨や強い向かい風だったこともあり伸び悩んだんだと思う。ちなみに同じ日にテストしたレガシィは途中で「こら本当の実力じゃない」と判断。中止している(2日後、同じコースで計測したけれど、中止した時点の燃費は1km/Lくらい悪かったことが判明)。今までの経験上、スバルのクルマは高速道路を丁寧に走れば、必ず10・15モード燃費は凌げる。となれば再テストでしょう、と考えていたのだが、スケジュール取れずに伸び伸びになってた次第。夏休みで帰省した知人のR2/Rを借り、テストしてみた。試験車両の走行距離は10850km。タイヤを含め全くノーマル(モーターレブだけ入れました)。 燃費計測は前回と同じ関越と北陸、上信越道の周回コースで行った。これならスタート&ゴール地点の標高差無く、風向きにも影響されない(どちら方向からの風でも、向かい風と追い風は同じ条件になります)。今回「満タンで何kmは知れるか?」という企画じゃないため、越後湯沢をスタート。長野で一旦高速を出て小休止。そこから越後湯沢までというコースで計測した。さすがに昼間エアコン無しじゃ厳しいし、夏休みの渋滞に巻き込まれると正確なデータにならないため、越後湯沢を涼しい風が吹き始める17時に出発。80kmペースで坦々と走る。特殊なエコランテクニックは使わない。 CVTということもあり、巡航時の回転数はノンターボの軽自動車としちゃ低い。高速道路を走っていて全くストレスを感じないほど。これならロングドライブも楽チン。やっぱり小排気量エンジンとCVTのマッチングって素晴らしいと思う。キューブなども4ATとCVTでクルマの印象から違うほど。もちろんキューブを買うなら迷わずCVTの方です。加えて、追い越しや登坂車線に掛かった時の変速や加速もスムース。自動車好きが軽自動車の買う場合、基本的にターボエンジン車をすすめているけれど、ハイパワーのNAエンジン+CVTのR2/Rなら問題なし。ちなみにテストコースでアクセル全開にすれば、簡単に140kmのリミッターが作動する。 30分の休憩を含んだ所要時間6時間20分。距離計の誤差を修正した総走行距離463、8km。どのくらいガソリン入ったかというと、17,7Lでした。26,2km/Lというデータ。10・15モード燃費の24km/Lは楽にクリア。東京から大阪まで走って20Lくらいというイメージだろうか。もちろん真剣にエコランすれば、もっと良い数字は出る。軽自動車で強烈な燃費を出そうとすれば、空気抵抗の少ない60km以内がベストだからだ。しかし一般道だと交通状況によって正確な燃費は取りにくいし、そんなデータ取っても意味ありません。とりあえず80km巡航燃費は26km/Lくらいだと思っていただければよかろう。 何回かR2の燃費を計ってきたが、今回のテストでR2の実力は”ほぼ”判明したように思う。大ざっぱなイメージでいうと、毎日10kmくらいの通勤で使うと15km/L。日帰りのドライブなら19km/L。これくらい走ってくれれば、ガソリンの値段が多少上がってもダメージは少ないんじゃなかろうか。軽自動車の平均的な使い方を見ていると、ほとんど1〜2名の移動。加えてファーストカーを別に持っているケースが多い。だったらR2のように燃費の良いモデルを選んでおけば環境とオサイフにやさしいと思います。
平成16年7月9日 R2に特別仕様車「iプラス」が設定されました。経済性の最も高い「i」をベースに、市場からの要望が高かった装備を充実させ、快適性と利便性の向上を図っています。 ○「iプラス」特別装備 ・99万7500円(2WDi-CVT)←「i」95万5500円(同) 内容を考えるととってもお得だと思います。 Report:山崎 R2が燃費トップの座を獲得した。これはレスポンスというサイトにある携帯電話を使った燃費比較“e燃費”のコーナーで行われた特別企画≪新車で買える軽自動車ランキング≫でのこと。 総合的順位では惜しくも3位に甘んじてしまったR2だけど、1位のツイン(MT)は御存知通りの完全なる2人乗り。他の軽自動車と比べても極端に軽い560kgという車重だから20.8km/Lは当たり前という感じ。ちょっと驚きなのが、ターボ付きで16.0km/Lを記録した2位のKei。ただし、これもMTで車重770kgだということを考えれば「おかしいっ!」というワケでもない。 そして、それらに続く3位のR2(i/CVT/800kg)が、AT車としてはナンバーワンなのだ。15.4km/Lという燃費を見ると「このページのデータとだいぶ差があるじゃないか!」と思う人もいるかもしれないけど、ユーザーひとりひとりの条件差を平均して15.4km/Lなら十分現実的だし、合格点与えられるんじゃなかろうか。 「日常生活のアシなら軽で十分」という理由で軽自動車に乗っている人も少なくないと思うけれど、「軽自動車じゃなきゃダメ!」って理由でも需要の多い軽自動車。購入を考えている人からすれば、実生活で燃費が良いのはどのクルマか? というデータは大いに参考になるだろう。これで、またひとつR2の燃費の良さが証明されたと思う。 Report/山崎 オールアバウトの企画で、R2の満タン走行距離をチェックしてみました。ただテスト当日は周回コースの半分が嵐に近いコンディション。レガシィの燃費計測は中止したほど。強行したR2にとっちゃいささか厳しかったと思う。近々このサイトで再チャレンジします! 果たしてリッター何km走ったか? 詳細はこちらで! 軽自動車の制限速度は白いナンバーの普通車と同じ100km。そして140km以上出るエンジンを搭載していれば、速度リミッターの装着が求められる。国交省の装着命令でなく、タテマエはメーカーの自主規制ですけど……。ただ軽自動車にとっての140kmって、けっこう高いハードル。様々なモデルにテストコースで試乗してきたが、新規格になってからターボエンジン搭載車でも140kmはギリギリ。以前CT誌の取材でスーパーチャージャー付きサンバートラックの最高速を計ったら、134kmくらいだったように記憶してます。 R2のおすすめグレードの話でした。R2にはベーシックな46馬力のシングルカムエンジンを積む『i』と、54馬力の新開発ツインカム搭載の『R』、そして64馬力のスーパーチャージャー搭載の『S』がある。価格的な魅力からすれば『i』なのだが、いかんせん46馬力のベーシックエンジンじゃ物足りないイメージ。実際、私も「買うならRかな」と思っていた。しかし先日テストコースで『i』に乗ってビックリ! 46馬力なのに140kmのリミッターが付いてるのだ。逆に考えると、それだけ出るということ。どれどれ、とばかりにアクセル踏んで見たら、本当にリミッターが作動しちゃいました。 スバルのエンジニアに聞いてみたら「一般的にCD値と呼ばれる空気抵抗計数のみ小さいだけでなく、車高も低いため絶対的な空気抵抗が小さいんです」。さすがに120km以上になると元気良くは加速しないものの、フランス車の如くジワジワ伸びていく。加えてギアレシオがワイドなCVTとあって、街中での加速感もなかなか良い。もちろん御予算あれば軽自動車なのに電子スロットルを採用する”スバルらしい”56馬力のツインカムを選ぶべきだけれど、街中主体で乗るなら『i』で何ら不満無いと思う。スバルにとっちゃ嬉しい話じゃないかもしれないがリーズナブルな『i』を積極的にすすめたい。 ちなみに装備内容も大差なし! 『R』になるとアルミホイールを標準装備したり、オーディのグレードが高くなったりするが、質感高いシートやインテリアはそのまんま。オーディオに不満を感じたならレスオプションとしてもらい、気合いの入ったタイプを装着しちゃえばいいと思う。また、軽自動車のベーシックグレードは性能低いタイヤを履くケースが目立つけれど、R2は155/65R14という奢ったサイズ。これまた何の不満も無い。オプションでABSを付けておけば(全グレードでサイドエアバッグも選べる)安全性だってトップクラスに並ぶ。 じゃ『R』や『S』は魅力無いかといえばそんなことない。気持ちよいエンジンフィールや高回転域でのパンチ力が欲しければ『R』。コンパクトカーに匹敵する動力性能をお望みであれば『S』しかないと思う。こらもう他の商品と同じく、高いほど機能は増えていく。また、4WDは日本一安い10万円高。AWD(オール・ホイール・ドライブの略。最近スバルはAWDとネーミングするようになった)をセールスポイントにするスバルの意地かもしれない。私もネスタ(スーパーチャージャー付きRGの4WD)からR2に乗り換えようと考えているが、グレード選びで悩んでます。候補は『S』なれど、燃費いいなら『R』のAWDもいいかな、と。も少し迷います。 <R2の燃費は?> 燃費計がないクルマの燃費を正確に計測するのは案外難しい。基本的には満タンにしてなるべく長い距離を走る。そして満タン。で、走った距離を入れた燃料の量で割ったのが燃費なのだけれど、問題となるのは満タン度合い。私は必ず同じスタンドの同じポンプを使う。クルマの姿勢は給油口が若干高くように。でないと本当の満タンにはならない。 給油はセルフのスタンドが最も正確なデータを取れる。空いている時間帯に行けば自分で納得行く満タン状態が出来るからだ。スタンドマンに給油を任せた場合、相当の距離を走らない限り私は正確なデータとしない。ちなみに僅かでもクルマが斜めになっていれば、簡単に2〜3リッターの誤差でます。 今回は練馬から関越道を走って新潟県の越後湯沢まで往復してみた。巡航速度95〜100km。ベーシックエンジンの『i』にとっちゃ速めの速度だったと思う。燃費ベストな速度はおそらく50〜55km。それでもCVTのためエンジン回転数が低く、全くストレスなくイッキに180kmくらい走れました。やっぱりCVTって軽自動車にゃ合う。ちなみに379、5km走って19,84リッター消費。燃費は19,13km/Lだった。 R2の開発目標の1つが燃費。しかしR2の燃費に関する情報、ありません。そこで計測してみることにした。今まで計測出来ているのは3回。まずスーパーチャージャーエンジンを搭載するスポーティグレードの『S』。山崎君が練馬から自宅のある群馬県の太田まで、流れの良い時間に往復した時のデータは「16,5km/L」(内訳は一般道90km/高速道路80km)。10・15モード燃費が18,8km/Lということを考えるとまぁまぁか。 続いて同じコースを最も燃費の良い『R』で走ってみた。ただし下りは練馬を夕方6時に出発。上りが練馬に朝10時到着という渋滞モード。しかし案外と健闘し「18,5km/L」というデータ。3回目は「一般的な休日のドライブモードは?」ということで、都内から東名道で御殿場へ。そこから乙女峠を越え、仙石原まで行くコースの往復237kmで計測。結果は「19,2km/L」。特に燃費に気を使った運転モードでなかったことを考えれば十分納得出来る燃費じゃなかろうか。
軽自動車は絶対的なサイズが決まっているため、これまで「可能な限り室内を広く取る」というのが普通だった。だからこそミニバンのように背を高くしている。しかしダイハツ『タント』に乗ると、頭の上が20cmくらい何も無い。これをもって「広い」と感じるか「だったらムダを無くして空気抵抗を低くしたり重量を減らして燃費を改善させるべき」と思うか、人によって違ってくるだろう。スバルの新型車『R2』はハッキリ後者である。 スバルの新しい軽自動車である『R2』は「適当な広さの空間を確保しながら、環境にやさしい=燃費の良いミニカー」を追求している。確かに普通車顔負けの室内空間を持つダイハツのタントは広い。でもその代償として重量増や、空気抵抗の増大を招いてしまった。重心も高いためカーブでハンドルを切れば、ぐらりと傾く、乗用車と明らかに違う乗り味。
説明はこのあたりにして試乗と行こう。R2の「スバルらしさ」はエンジンに出ている。今や軽自動車の主流となっている低コストの3気筒に興味を示さず、スムースな4気筒をさらに改善。燃費と静粛性を一段と向上させてきた。凄いのは、マニュアルミッション仕様よりAT車の方が燃費いいこと。 普通の軽自動車として使うなら、91万円(AT)の『i』で何ら不満無い。装備は運転席&助手席エアバッグに、エアコン、CDオーディオ、電動ミラー、リモコンドアロックなど全て標準。3万5千円のオプションとなるABSを付ければ、ホンダ・ライフの95万円と同等。98万円のスズキ・ワゴンRより3万5千円も安いから凄い。 R2のデビューでカタログモデルからなくなってしまったが、プレオにあったホットモデルも四輪独立懸架サスペンションを採用しており、走りの質はかなり高いという印象を持っていた。しかし、R2に乗ってみるとすぐにそれがワンランク上のモノへと進化していることを感じた。 その理由の最たるものは軽量化だろう。プレオでは軽自動車でリッターカーの走りを目指そうと頑張った結果、確かにほかの軽自動車よりもしっかりとした質感のある走りと、限界域での高いコントロール性を持つものに仕上がった。しかし、その代償として乗用タイプの軽自動車としては重量級の900Kgに迫る車重になってしまった。当時はワゴンRなどが売れまくり、軽自動車はハイト系ボディでなければ勝算が立たなかったというのが実情だろうが、欲張ったパッケージングゆえ本来目指した走りの質感の高さを若干スポイルしてしまった感があった。 きっとスバルの中でも、コペンなど新しい提案をする軽自動車が好調な売れ行きを見せている今、高く広くというコンセプトを脱ぎ捨て、本当に楽しい走りができる軽自動車を作ろうという機運が盛り上がったに違いない。もともと、走りに対しては他のメーカー以上にこだわりを持っているメーカーだから、GOサインが出れば突き進むのみ。結果R2という往年の名車の車名を復活させるまで思い入れの深いモデルとなって登場と相成ったのだ。 軽量化の効果はDレンジを選んで走り出すとすぐに体感できる。CVTを介してエンジンパワーを路面に伝えているので、滑らかなのは当然なのだが、CVTのネガティブな部分としてありがちな軽快感がしっかり備わっているのだ。イマイチできの良くないCVT車に乗ると、アクセル開度と加速感のミスマッチによる違和感が気になり、スペックで見る限り軽快な印象のクルマが、乗ると意外に鈍くさかったりするものだがR2はその逆。 正直言うと軽なりの加速感でしょと思って乗ったのだが、本当に660ccなの?と思うくらい鋭い出足。キッチリ人間の感覚とリンクする加速感は、今まで乗ったCVT車の中でもトップクラスといっても過言ではないと思う。しかも、それから先はCVTの利を活かした途切れのない加速。スーパーチャージャーの力強い加給音がやや大きめだが、高速道路への合流も余裕でこなし、そのまま追い越し車線をリードするような走りにも対応可能。100Km/h巡航程度ならエンジン回転も3500rpm前後。流線型のモノフォルムなので風切り音もしっかり抑えられており静粛性も問題なし。15インチのポテンザが発するロードノイズも思ったほどではありません。 楽しい走りを目指して開発されているのだから、やっぱりワインディングロードに持ち込んで見たいところ。ということで、行って来ました箱根ターンパイク。 料金所を通り大観山を目指します。登り区間は軽自動車など絶対的パワーのないクルマにとっては最大の難所。でもそんなときこそのCVT。しっかりとパワーの出る回転域を維持できるので、コーナーの立ち上がりでもたつくこともなし。 感心したのがCVTをマニュアルモードで操作したとき。本来はDレンジのまま無段階変速に任せるのが最も効率がいいのは承知の上。それよりむしろ、Dレンジのままの方が気持ちよく走れるなんていう、おもちゃ感覚的にマニュアルモードを付けているATが多いのが現実だったりする。しかし、R2のそれは正にスポーツシフト。他メーカーにありがちな、レバー操作をしてもトルコンが滑っている感覚が残るようなモノとは違い、即座に次のギアへ変速。 絶対的なソリッド感はMTには及ばないが、7速という多段シフトのため各ギアのつながりが抜群。楽しくてついついガチャガチャとやってしまい、クロスミッションを積んだラリーカーを運転しているような気分でご機嫌になってしまう。 登り区間なのでアクセルを深く踏み込むんだ時のフロントタイヤの接地感が心配だったが、コーナーリング中でも大きなアンダーステアが出ることもなくほぼオンザレール。もちろんハイグリップタイヤを履いているということもあるけれど、外側リアタイヤの踏ん張りがシートを通してお尻にしっかり伝わってくるので安心感はとても高い。 続いて下り。足回りにお金をかけていないクルマだとすぐに弱点が見えてしまうターンパイクの下り。強めのブレーキングで進入するコーナーも多いのだが、そんな時でもR2はビシッと安定した姿勢でクリアできた。決して舗装状態がいいわけでもなく、所々荒れていたりもするのだが、やはり四輪独立懸架サスペンションを採用した効果は大きく、それぞれのタイヤがしっかり機能していることが伝わってくる。 ときどき、左コーナーで左リアタイヤが全く機能しないようなクルマがあるが、R2は強めのブレーキで大きな前荷重状態をつくっても、突然リアが破綻をきたすというようなことはない。もし、テールが流れそうになってもその時の挙動変化には一連の流れがあり、穏やかにさえ感じるほどだ。この足回りならば、腕の立つドライバーが乗っても相当楽しめると思う。タイヤを鳴かすまで攻めるとスピードメーターの針は結構なところにあります。 ハンドリングを総合すると、街中ではキビキビと小気味よく、解き放った時にはしっかりと言うことができると思う。始めは、結構重めの設定なんだなと思って乗っていたのだが、後で電動パワステだと知ってビックリ。ただ軽いだけでインフォメーションが希薄なものが多い軽自動車の電動パワステだが、R2のステアリングからは路面状況がしっかり伝わってくるのだ。 加えて、ステアリング自体の質感がコスト削減のためか妙にプラスチックっぽいモノが多いなかで、デザイン・質感ともワンランク上のレベルで仕上げられており好感が持てる。やはり常に手に触れるところはケチって欲しくないです。 今回乗ったのはホットバージョンのSだったので、どうしても気合いの走りをしてしまいがちだったのだが(高速道路では90km/hで17km/L位走った)、ベースモデルでも基本構造に変わりはない。むしろ新しいミニカーの提案という趣旨から言えば、ベースモデルこそが本流だろう。しかし、クルマは走ってナンボのもの。気持ちのいい走り、人間の感性に合った走りをしてこそ、積極的にクルマを運転しようという気持ちになる。これは、決してクルマ好きだけが持っている特別な感情ではないと思う。厳しい目で見るとスタイルや内装デザインなどに早急に改善して欲しいところもあるが、今後の軽自動車のあり方を問うクルマの先駆けとして、販売面でも頑張って欲しいと思う。 女性のクルマへの関心度というのは、男性のそれと比べて圧倒的に低いと思う。同年代の友達と話すときにクルマの話題なんてほとんど出ることはありません。話すとしたら「将来買うならこういうクルマがいいよねー」という話。だけどそのクルマっていうのもBMWだったりワーゲンだったり、MINIだったりと外国の有名どころの名前しか挙がりません。理由はただひとつ。その位しか知らないからです。クルマを持つのは清くタダシイ女子学生にはちょっと難しい問題。ウチとは違うような優しくておサイフの厚いお父様が居ないと不可能であるわけです。だから余計に女性の間でクルマは「男が持ってるもの」で「移動手段」という概念がはびこったままです。そんな中で今回スバルが発表した「提案型軽自動車・R2」が20代の女性にとってどのような存在になるのでしょうか。
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