骨は静かに減っていく
骨量とは、骨全体に含まれるカルシウムの量のこと。その数は20〜30代がピーク(最大骨量)であり、30代からは誰でも少しずつ減っていきます。
特に女性は、50歳前後の閉経から、がくんと骨量が減る傾向があります。早い人では50代から「骨量減少」、60歳すぎから「骨粗しょう症」になる危険もあります。
骨の減少には、痛みなどの自覚症状はありません。骨量を定期的に測り、運動や食事などのライフスタイルに気をつけることが重要です。また、ホルモン補充療法でエストロゲンを補充することは骨形成を促す効果があります。
■まず、骨量測定から
メノポーズフォーラムでは、参加者の皆さまに「QUS法(超音波法)」による骨量測定を行なっています。骨粗しょう症の正確な診断まではできませんが、「最近計っていないけれど」という方はぜひどうぞ。
婦人科クリニックの看護師さんらボランティアスタッフによる解説、アドバイスも受けられます。
■骨量はどこで測っても同じ?
骨量とは、骨全体に含まれるカルシウムの量のこと。一定体積あたりのカルシウム量を見る「骨密度」として測定数値を出します。
以下のように、骨量にはさまざまな測り方があり、測る部位も違います。そこで、腕で計ったら105%だったが、かかとで計ったら90%だった。というようなことも起こります。これは、骨量減少の初期には、体の各部位で骨の減り方が違うことによります。もっとも正確に骨粗しょう症の状況を確かめるには、腰椎をはかる必要があります。
心配な数値が出たら迷わず専門医を受診しましょう。
■主な骨量の検査法
【QUS法(超音波法)】
測定装置にかかとをのせ超音波で骨量を計る方法。X線被爆がなく、短時間で安全に検査ができるので、妊婦検診や集団検診でもよく使用される。但し、骨粗しょう症の正確な診断には不向き。
【DXA(デキサ)法】
エネルギーレベルの違う2種類のX線を照射し、その透過率の差により骨密度を測定する方法。腰椎や大腿骨など重要部分から全身の骨までを計測でき、より正確な結果が得られる。装置が大きく高価なので検査できる医療施設に限りがある。
【MD法】
手指をX線撮影し、コンピューターの画像の濃淡から骨量を算出する方法。腰椎や大腿骨に起こっている骨量減少は、この方法では正確に判断できない。
【QCT法(定量的CT)】
CT(コンピュータ断層撮影)により、海綿骨の骨量だけを正確に測ることができる。主に橈骨(とうこつ:前腕)や脛骨(けいこつ:すねの骨)で測定される。