2009年4月17日11時14分
休刊したサントリーの広報誌クォータリー
企業広報誌としては異色の執筆陣と充実した内容を誇ったサントリーの季刊誌「クォータリー」が今月発行の88号を最後に休刊した。同社広報部は「経費節減が理由ではない。事業が多角化する中で、新たな広報媒体のあり方を模索するため」という。
「飲酒文化の創造」を目指して1979年に創刊。村上春樹さんの紀行文や松本清張さんのインタビューなど、著名人や文化人の記事が毎号を飾った。毎号1万5千部を発行し、取引先への配布のほか書店で500円で販売。「角瓶70年」の特集記事を組んだ昨年春号は最多の8万5千部まで増刷した。
前身ともいえる月刊誌「洋酒天国」(1956〜64年)には、同社(当時の社名は寿屋)の宣伝部に所属した開高健さんや山口瞳さんらが携わった。クォータリー創刊から14年間にわたって編集長を務めた早稲田大参与の小玉武さん(70)は「当時の佐治敬三社長から『お酒の宣伝なんて考えなくていい。読者の話題となるいいものを作れ』と励まされた。休刊を区切りに、よりいいものを再出発させてほしい」と話す。(池田孝昭)