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B型肝炎 全員救済の道開きたい(4月15日)B型肝炎訴訟で国の責任を認めさせた元原告たちと面会する意向を、舛添要一厚生労働相が示した。 二〇〇六年に最高裁で勝訴して以来、元原告たちはB型肝炎患者全体の救済に向けて、厚労相との面会を繰り返し求めてきた。しかし、歴代の厚労相は応じてこなかった。 舛添厚労相は「時間が許せば、お会いしたい」と話している。その姿勢をまず、歓迎したい。ぜひとも実現してほしい。 面会の場では、厚労相として国の責任を率直に認め、元原告に直接、謝罪すべきだろう。その上で、B型肝炎問題について、舛添厚労相の認識を述べてもらいたい。 元原告は札幌在住の男性ら五人(うち二人は死亡)。B型肝炎にかかったのは、集団予防接種で注射器を使い回ししたためであり、国は注意義務を怠ったなどとして、札幌地裁に提訴、十七年もの長い裁判闘争の末、国の賠償責任が認定された。 B型肝炎患者は全国に百十万−百四十万人いるとされる。多くは幼少時の集団予防接種が感染の原因とみられている。 元原告たちは勝訴をてこに、自分たちと同様に苦しんでいるB型肝炎患者全体の救済を厚労省に求めた。ところが、厚労省は国の責任の範囲を元原告に限定し、患者全体への責任は認めていない。 国の責任をあらためて問うため、昨年三月の札幌地裁を皮切りに、全国のB型肝炎患者二百八十五人が、九地裁に同様の訴訟を新たに起こしている。 これらの訴訟でも、集団予防接種と感染の因果関係などをめぐって、国は争う姿勢を崩していない。 しかし、接種から数十年もたち、因果関係の明確な証明は困難になってきた。母親が亡くなって母子感染の疑いの否定が難しかったり、集団接種を受けたことを示す母子手帳をなくしたりした人もいる。 一方で、原告の中には肝硬変を患う人もいる。国はいたずらに裁判を長期化せず、患者全員の苦しみを救う道を探るべきではないか。 面会がそのための第一歩になることを期待したい。舛添厚労相は元原告の声に真摯(しんし)に耳を傾けてほしい。 国は昨年、薬害C型肝炎問題の解決を受け、肝炎治療特別促進事業として、肝炎患者のインターフェロン治療への助成を始めた。ただ、インターフェロンはC型肝炎には効果が期待できるが、B型にはむしろ抗ウイルス剤の方が有効だ。 国会でも抗ウイルス剤への治療費助成について、与野党が協議を進める。厚労省もこの助成策を真剣に考えるべきだろう。 |
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