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顔認証方式自販機識別ミス…小4顔パスたばこ買う

◆ 京都・城陽市 ◆

 京都府城陽市に設置された成人識別カード「taspo(タスポ)」のいらない顔認証方式のたばこ自販機で今年2月、同市の小学校4年(現在5年)の男児(10)が自転車を使って背伸びし、たばこを購入していたことが17日、分かった。府警や自販機のメーカーは「10歳児が認証された例は聞いたことがない」として原因を調べている。

◆ 自転車の上に背伸び…大人に"変身" ◆

 京都府警少年課などによると今年2月27日、男児がたばこを所持しているのに気付いた父親が問いただすと「自販機で買った」と男児が話した。同行し、実際に自販機で男児に試させたところ簡単に買えたため、驚いた父親が府警に相談した。

 少年課は今月7日、男児に立ち会いを求めて再現実験。左足を自転車のチェーンカバー、右足をフレームに乗せて立ち、自販機上部にあるカメラに顔を近づけて確認ボタンを押すと機械は3回中1回、男児を成人と認証した。男児は身長1メートル40で「特に老け顔とかいうこともない普通の少年」(同課)という。

 顔認証方式の自販機は自販機メーカー「フジタカ」(同府長岡京市)が07年11月に発売。府内だけで約120台、全国で約5200台が設置されている。財務省が、たばこ自販機の成人識別が義務化された08年7月に成人識別装置と認定。カメラで利用者の顔の骨格や目の動きなどの特徴を読み取り、入力されている数十万人分の顔のデータと比較し、年代を判断する仕組みになっている。

 少年課は府内の中学生が成人と誤認証された例を昨年7月以降に5件把握していたが小学生は初めて。これまで財務省には「未成年が自販機で購入できないよう措置を取ってほしい」と申し入れていたという。

 今回、男児がたばこを吸った事実は確認されておらず「ゲーム感覚で買ったよう」(同課)で、父親は「子供が簡単に買える販売機は問題」と憤っていたという。財務省たばこ塩事業室は「メーカーに誤認証が発生しないよう改善を指導した」とコメント。フジタカは「ソフトのバージョンの古さが原因だった可能性がある」と説明した。問題となった城陽市の自販機については今月11日、誤認証したケースがない最新バージョンに切り替えたとしている。

[ 2009年4月18日付 ]

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