年中無休、24時間体制で電話相談を受け付ける社会福祉法人「大分いのちの電話」(大分市)が、ボランティア相談員の確保に頭を悩ませている。景気悪化の影響などで深刻な相談が増える一方、相談員は減少傾向にあり、5月に開講する相談員養成講座の受講希望者も定員50人の半分に満たない状況という。
■ボランティア養成 受講生を募集
1986年に開局した大分いのちの電話は、1日五交代制で、仕事や対人関係などの相談にのっている。世相を反映した相談も多く、小河清三事務局長は「最近では派遣労働者や失業者から、雇用不安を訴える相談も目立つ」という。
昨年1年間の総相談件数は1万6175件。うち、自殺をほのめかすような深刻な相談は、開局以来初めて1000件を超える1122件で、総相談件数全体の6.9%を占め、過去最高の比率となった。
一方、相談員数は1998年の約230人をピークに減っており、現在は180人にとどまっている。毎年、50人前後の新規相談員を養成しているが、高齢や家庭の事情などを理由に辞退する人も多いという。
常時、電話2台で対応しているが、近年は相談員が1人しかいない時間帯もあるという。小河清三事務局長は「深刻な相談が増えているのに、電話がとれず十分な対応ができない時もある」と漏らす。
養成講座は前期(5‐9月)で、カウンセリングの基礎などを学び、後期(9月‐2010年1月)でさらに専門知識を深める。受講希望者は今月30日までに、大分いのちの電話事務局に申し込む。同事務局=097(537)2488。
=2009/04/18付 西日本新聞朝刊=