地球温暖化論者の意見が正しい、ということも考えられる。その場合には、どうするべきか? 実は、うまい対処法がある。炭酸ガスを、地中に固定することだ。ただし……
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炭酸ガスを減らすため、炭酸ガスを地中(または海中)に固定化する、という方法は、すでに知られている。技術的には、実用化の段階に達したとは言えないが、将来的には十分に実用化可能だ。というか、現在でもすでに部分的に実行されつつある。
方法の例は、こうだ。
・ 油田や天然ガスを取ったあとの空洞に注ぎ込む。
・ 深海底に送り込んで、高圧でガスを海水に溶け込ませる。
・ 寒い南極の氷の下に送り込んで封じ込む。
(この「南極案」は私が今考えたもの。他は、ネット情報。
→ その1 ,その2 )
これらの方法は、安定性という面ではイマイチだが、数百年ぐらいなら、大丈夫だろう。その間に、未来の人類が対策を考えてくれればいい。たとえば、500年だとしたら、ルネッサンス時代からコンピュータ時代への進歩があった。これくらいの進歩が将来も予想されるから、今のわれわれが心配することはない。
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実を言うと、「炭酸ガスの固定」というのは、炭酸ガスを削減するための唯一の方法である。
なぜか? それ以外の方法のすべては、「増加率を抑制する」だけであって、「削減する」ことはないからだ。IPCC の各種予想でも、「省エネで増加率を下げよう」と唱えられるだけだ。サミットで「半世紀で半減」というのも、途上国を込みにして考えれば全体では増加する。どんな省エネ策をやっても、炭酸ガスは増加する。
しかるに、「炭酸ガスの固定」という技術だけは、炭酸ガスを削減する効果がある。
環境保護論者は、「太陽光発電」や「風力発電」を主張するが、いくらそんなことをやっても、炭酸ガスの増加は抑制できない。なぜなら、次のことが依然として残るからだ。
・ 既存の火力発電所の石油消費
・ 自動車の石油使用
・ プラスチックを使ってからゴミとして焼却すること
「太陽光発電」や「風力発電」は、石油の消費の増加を抑制することができるが、石油に消費そのものを全廃することはできない。とすれば、炭酸ガスの増加を止めることはきない。増加の程度をやわらげるだけだ。
しかるに、炭酸ガスの固定は、増えたものを食ってしまうことになるから、炭酸ガスの総量を減らすことができる。それも、大幅に。
とすれば、炭酸ガスを削減するための唯一の方法は、炭酸ガスを固定することなのだ。
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ただし、である。それで「万事解決」と思うなら、早計である。
なるほど、「炭酸ガスの増加で地球温暖化」というシナリオが成立するなら、「炭酸ガスの固定化で万事解決」となる。
しかし、そのシナリオが成立しないのであれば(温暖化論者の主張が間違っていれば)、
「炭酸ガスをいくら削減しても、地球温暖化は止められない」
となる。なぜなら、その場合、地球温暖化は、ただの自然現象であって、人類の排出した炭酸ガスは、影響していないからだ。当然、炭酸ガスをいくら削減しても、それとは関係なく、地球温暖化は進む。
そして、そうなる可能性が非常に大きい、と思える。つまり、
「炭酸ガスをいくら削減しても、それはただの無駄である」
となる。その場合、炭酸ガスを地中に埋めるだけでなく、お金を地中に埋めているようなものだ。まったくの無駄。
(金貨ならばあとで掘り出せるかもしれないが、この場合は紙幣のようなもので、埋めたお金はみんな腐って消えてしまう。 (^^); )
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私が思うに、将来、人類はこの愚かな道を進むだろう。次のように信じながら。
・ 地球温暖化は、炭酸ガスのせいだ。 (現在)
・ 炭酸ガスの排出を、抑制するべきだ。(現在)
・ 炭酸ガスの排出を、抑制できない。 (近未来)
・ 炭酸ガスを(地中に)固定するべきだ。
・ 炭酸ガスを固定すれば、削減できる。
・ 炭酸ガスの固定のために補助金を出せ。(朝日)
・ 炭酸ガスの固定のために補助金を出す。(政府)
・ 炭酸ガスの補助金を、食い物にする。 (経団連の企業)
・ 炭酸ガスを固定します、と大宣伝。 (G8)
・ 炭酸ガスの固定が実際になされる。莫大な金で。
・ 炭酸ガスの濃度が急激に低下していく。
・ 地球温暖化は、何も変わらないまま。
以上が、将来のシナリオだ。そのときになって、私は「ほら見ろ、やっぱり私の言ったとおりになった」と言いたいところだが、残念ながら、私はもうそのころは寿命ですね。愚かな人類の大失敗の顛末を見られないのが残念だ。 (^^);
( ※ 最終的に、どうなるか? 何も変わらないか? いや、変わる。第1に、人類は、莫大な金を無駄遣いするので、大幅に貧しくなり、生活が苦しくなる。第2に、マスコミと政府と利権産業は、莫大な金を食い物にして、焼け太り。……今だって、そうでしょ。)
[ 付記 ]
本項から得られる副次的な結論として、次のことがある。
「排出権取引は、なすべきではない」
仮に、排出権取引がなされたならば、次のことをする人(企業)が現れる。
「炭酸ガスを固定して、莫大な金をせしめる」
しかし、このようなことは、ほとんど詐欺に近い。理由は、次の通り。
・ 植林をするのは、環境を改善する効果がある。
・ 化石燃料の使用削減は、需要低下による価格低下の効果がある。
・ 炭酸ガスの固定は、何の効果もない。
初めの二つは、効果があるから、お金をもらってもいい。
しかし、「炭酸ガスの固定」だけは、違う。これは、「炭酸ガスの削減」という意味だけはあるが、そもそも「炭酸ガスの削減」というというのは何の効果もない(温暖化を阻止する効果がない)のだ。こんな無効なことをやった人(企業)に、莫大な金を与えるなんて、馬鹿げている。
ただし、そういう馬鹿げたことを「馬鹿げたこと」と理解できない人が多い。なぜなら、「炭酸ガスは地球温暖化をもたらす」と信じている(錯覚している)からだ。
だからこそ、馬鹿な道に踏み込まないように、錯覚を脱して、真実を知るべきなのだ。それが私の言いたいことだ。
【 オマケ 】
「どうしようと地球温暖化を止められないなら、地球はいったいどうなるんだ? われわれは破滅するしかないのか?」
と心配する人もいるかもしれないが、それは杞憂である。それは地球温暖化論者の洗脳キャンペーンに踊らされた心配にすぎない。
地球温暖化を止める方法は、たった一つだけある。それは、
「何もしないこと」
だ。 (^^);
何もしないで無為無策でいれば、地球はいったん温暖化したあとで、そのあと自発的に寒冷化していく。そんなことは地球の歴史を見れば明らかなとおり。だから、何もしないのが、最善の策なのだ。 \(^^)/
( ※ 寒冷化の件は、次項でも述べる。)
2008年07月10日
◆ 炭酸ガスの固定
posted by 管理人 at 18:38
| Comment(4)
| エネルギー・環境1
二酸化炭素を、少量の原油と細菌により燃料に変える研究があるそうです。テレビでは、応用例として、残り少ない油田に二酸化炭素を送り込んで細菌を仕込み、しばらくするとそこから石油のような燃料が取り出せるというようなことをあげていました。
まだ研究段階ですが、このような技術が実用化されると嬉しいことがありそうですね。
私は、コメントでそれに疑問を呈したのですが、結局、聞き入れてもらえなかったと記憶しています。
2007年06月01日◆ バイオ燃料の問題
2007年06月30日◆ バイオエタノールと砂漠化
これは間違いだったと認められたんでしょうか?
熱帯雨林が吸収するなら地中に固定化しなくてもCO2の総量を減らせるはずだし、固定化がCO2を減らす唯一の方法でもなくなるし、今回の話と矛盾するように見えますが。
生態系の維持
http://openblog.meblog.biz/article/88867.html
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> 熱帯雨林が吸収するなら地中に固定化しなくてもCO2の総量を減らせるはずだし、
そんなことを言い出したら、「雑草一本があればCO2の総量を減らせるはずだから、あとは何もしなくていい」ということになります。
要するに、量の認識が欠落しています。相手に質問する前に、もうちょっと自分の頭で考えてください。
なお、矛盾というなら、私は前は「炭酸ガスの削減は温暖化阻止のために必要だ」と思っていたし、そういう趣旨の記述もチラホラと散見されるから、そういう記述と、最近の記述とを比べて、「矛盾しているぞ」と指摘することもできます。鬼の首を取ったみたいに。
人間の思想というものは日々少しずつ進歩していくものですから、過去と現在とで食い違うことがあるのは当然です。そうでなかったら、「進歩がなくて停滞したまま」であり、「老人状態」でしょう。
「矛盾」という言葉は、一つの記述のなかでのみ有効なのであって、過去と現在との食い違いを意味するものではありません。強いていうなら「変化」や「発展」でしょう。
とにかく、「相手の矛盾を突つこう」とばかり考えているから、「相手の言い分を理解しよう」という態度が欠落して、誤読するようになるのです。そういう態度だと、結局、自分が損しますよ。物事を理解する能力がない、と見なされてしまいます。
「熱帯雨林さえあれば地球上の炭酸ガスを固定できて問題は解決する」
こういうふうに受け止めて、それを批判しようとしています。しかし私はそんなことは述べていません。「熱帯雨林は必要だ」と述べていますが、「熱帯雨林があればそれだけで地球温暖化は阻止できる(十分条件だ)」とは述べていません。
つまり、必要条件と十分条件を混同しているのです。自分で勝手に誤読して、ありもしない対象を想定して、それを批判しているのです。