Numeri 2004-8月 8/31 自由への大脱走-後編- 8/28 自由への大脱走-前編- 8/25 トールボーイ 8/23 チカラ 8/21 悪夢再び(15分トライアル日記) 8/20 あの頃君は(15分トライアル日記) 8/18 肉色片想い 8/16 祭のあと 8/14 NIKKI SONIC 8/9 三歳のパチンコ 8/6 信頼 8/4 出会い系サイトのメール 8/1 最近の流行 2004 2003 2002 12月の日記はこちら 11月の日記はこちら 10月の日記はこちら 9月の日記はこちら 8月の日記はこちら 7月の日記はこちら 6月の日記はこちら 5月の日記はこちら 4月の日記はこちら 3月の日記はこちら 2月の日記はこちら 1月の日記はこちら 2001 12月の日記はこちら 10-11月の出来事はこちら |
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8/31 自由への大脱走-後編- そうそう、結局バイト代はもらってなかった。
8/28 自由への大脱走-前編- 「ウチの弟の家庭教師なんだけどさ、やってほしいんだあ」 加奈子さんはブサイクな顔をさらに歪めて言い放った。なんでも、加奈子さんの弟の勉強を見て欲しい、そんな依頼らしいのだ。中学三年となり高校受験を控えた加奈子さんの弟、そんな多感でナイーブな時期のご子息を教えろという注文だった。 「いや、そんなの加奈子さんが教えればいいじゃん。曲がりなりにも国立大学入ってるんだしさあ、高校受験くらい教えられるでしょ」 僕も至極真っ当な反論をするのだけど、加奈子さんはこう反論する。 「ダメなのよー。あれくらいの子って身内が何言ってもダメなのよね。だからさ、他所の人が、それも男の人が言ってくれないと言うこと聞かないのよ」 なるほど。それも一理ある。 「でもさーウチってすごい山の中にあるでしょ、だから普通の家庭教師って来てくれないの。だから知り合いに頼めないかなって探してたの」 加奈子さんの実家は相当な田舎だと言うことは噂に聞いていた。もう、過疎まっしぐらと言わんばかりの容赦なしの山村で、猪とか出てきても誰も驚かないらしい。そりゃあ、そんな山村行くだけで大変だ、普通の家庭教師なんか来てくれないだろうなあ。 「行きと帰りの送迎するし、1日に1万円出すって言ってるしさ、お願い」 そう懇願する加奈子さんの顔はやっぱりブサイクで、これで断ったら自殺しちゃうんじゃないかという悲壮さを漂わせていた。 この当時、清貧学生で本当にお金がなくて、米も買えなくてフリカケだけを食べるという劣悪なる食生活を営んでいた僕にとって、1日1万円という報酬は本当に魅力的だった。 「いいよ。暇だし。そのかわりちゃんと送り迎えしてよね」 こうして、僕は加奈子さんの実家に行くことになり、そこで彼女の弟の勉強を見ることになるのでした。まさかあんな地獄が待っているとは露も知らず・・・。 「恥ずかしいなあ、すごい田舎なんだよ。ビックリしないでね」 ご自慢の軽自動車のハンドルを握りながらそう言う彼女の横顔はやっぱりブスで、どうしようもなかった。車はどんどんと容赦ない大自然の中へと走っていく。マジでビックリするほどのレベルの田舎。 眩しい緑とその木々が作る木漏れ日の中、ワインディングロードを加奈子さんの軽自動車が爆走していくのだけど、僕はその間ずっと「もしこいつと無人島で2人っきりになったら・・・あかんあかん、無理だ」などと考えていた。 そうこうしていると、車は国道から大きくはなれ、明らかに誰も通らないだろうというショボイローカルな道に出た。で、そこをさらにしばらく走ると物凄く水の流れが綺麗な川があって、そこに架かった今にも崩れそうな石の橋を渡った。 「おつかれさま。ここが私の家」 見ると、山の合間に綺麗に畑が形成され、そこに3軒ばかりの民家が点在している集落が広がっていた。四方を山に囲まれた閉鎖的な集落、なんというか閉鎖的過ぎて変な因習だとか夜這いの習慣、悪魔崇拝とかがはびこっていてもおかしくない雰囲気だった。 加奈子さんの実家は、その三軒の民家の中でも一番立派な屋敷だった。もちろん所有している畑も一番広そうで、集落のリーダー的雰囲気がムンムンとしていた。 「ちょっと待っててね、弟呼んでくるから。あ、お母さんただいまー!」 まさに実家、自分のくつろぎスタイルといった雰囲気を漂わせた加奈子さんはやけに立派な玄関をドヤドヤと上がると奥の方へと消えていった。 ポツンと玄関に取り残された僕。まさか僕も勝手にドヤドヤ上がっていって台所行って冷蔵庫開けたりしてアットホームにくつろぐわけにもいかないし・・・とかどうしていいか分からずにボーっと立っていると 「こんにちは」 と、見るからに「こんにちは」って嫌々言わされてますよ!ってな雰囲気のクソガキが立っておりまして、手にはゲーム機のコントローラー持ってるんですよ、これが。 それを見た瞬間思いましたね、ああ、コイツは強敵だな、と。だって、ゲームのコントローラーを持ってるって尋常じゃないですよ。どんだけゲーム大好きやねんって話ですよ。 しかもな、この弟の顔がすごくて、もうまんま加奈子さんのコピー。クローン人間みたいなんですよ。まあ、姉弟だから当たり前なんでしょうけど、それにしてもコピー過ぎる。違うのは髪形だけ。 でまあ、彼の部屋ってのが農耕用の牛を飼ってる牛舎の二階で、そこで勉強するんですけど、一階では興奮した牛がンモーとか柱に体当たりして牛舎全体がズモモンと揺れたりするんですよね。 で、いちおー彼も高校受験を控えた中三ってことでそれなりのレベルの勉強を始めるんですけど、これがとにかく凄い。一番得意だって言う数学からやったんですけど、分数の割り算ができない。分数の掛け算ができるのに割り算ができない。どういうこっちゃ。 「いやな、割り算は上下を逆にするんよ、で、あとは掛け算と一緒」 とか、加奈子さんと同じ顔した弟に教えるのですけど、全然出来ない。1/6を上下逆さにして1/9とかにしてましたからね。上下逆さの意味が違う。数字が逆さになってるだけじゃねえか。 で、おまけに勉強しながらゲームしたくてしたくて仕方ないみたいで、部屋の隅にあったスーファミだかプレステだかのゲーム機をチロッチロと15秒に一回くらい見てるんですよ。捨てられた子犬みたいになりながら悲しげな目でゲーム機見てるの。全然集中してない。 一番得意な数学でこれですから、一番苦手な英語はもっと酷くて、単語練習とかしながら呼吸が荒れてくるんですよ。「ぜぇぜぇ」とか走ってもないのに苦しそうで、余程英語が嫌いなんだなってのが如実に分かる。 終始そんな調子で酷い有様の家庭教師をし、隙さえあればゲームに身を投じようとする彼と「先生ゲームしようよ、俺強いよ」「ダメ」というやり取りをし、ゼェゼェと荒い息遣いで勉強する彼。ンモーという鳴き声と共に揺れる部屋。そんな調子でした。 そんなこんなで、こりゃダメかもわからんね、と思いつつも数時間の勉強タイムが終了。すっかり夕方になり、牛舎の二階から見る一面の畑が夕日に照らされ綺麗でした。 さあて、そろそろ帰ろうかな、いい加減帰らないと真夜中になっちゃうし、しっかしこれで1万円とはボロい商売だぜ、とか思っていたのですけど、なにやら様子がおかしい。 「せっかくですから、夕食も食べていってくださいよ」 そう言う加奈子さんのお母さんは加奈子さんと同じ顔でした。で、夕飯を食べて帰れ、もう用意しちゃったからというお告げ。正直早く帰りたかったのですが、さすがにそこまで言われては帰るわけにはいかない。それに、加奈子さんが運転してくれないと帰れないしね。 それにしても、加奈子さん、弟、お母さんと皆同じ顔でブサイクなんだなーと己のブサイクさも省みず夕飯の席についたのですが、そこでさらに衝撃の事実が明らかになりました。 うん、お父さんも同じ顔。 いやいや、お母さん−加奈子さんラインとかお父さん−弟ラインが同じ顔とかなら分かるじゃないですか。血の繋がった肉親ですし。でも所詮は他人の夫婦であるお父さん−お母さんラインが同じ顔をしている意味が分からない。 なんだなんだ、こりゃ。こりゃ一体どんなパラレルワールドですかな、とか思っていると料理が運ばれてきたんですけど、これがまた「うっかり作っちゃった」とは言えないレベルの豪勢さ。明らかに僕という客人に向けて照準を合わせたとしか思えないレベル。この辺からですね、何かがおかしいと思ったのは。 で、祭りの時でもこんな豪華な食事は出ないぜって言う食事を食べつつ皆同じ顔した加奈子さんファミリーと談笑してたんですけど、やはり会話の内容が何かおかしい。 さっきまで「先生」って呼んでたクサレ弟は「お兄さん」って僕のこと呼び出すし、お父さんに至っては「君は農作業に向いてる体つきだ」とかトチ狂ったこと言い出す始末。お母さんに至っては「加奈子もいい人見つけて」とか魔の呪文みたいなこと言い出して、で、当の加奈子さんは「やだもー!」とか顔を紅潮させて勝手に盛り上がってる始末。なんだこれ。 おまけに棺桶に片足突っ込んでるような爺さんが出てきて、「ええ跡取りができた」とか、それこそミステリー小説なんかで殺人が起こった後に出てきて「山神様の祟りじゃ!」とか言いそうな雰囲気で言うんですよ。 どうにもこうにも、なんか農業に興味はあるか?とか執拗に聞かれたりして、農家を継ぐとか、加奈子さんと結婚とか。ええーーーーっ! とまあ、用意周到張り巡らされた罠に気がついたときは時既に遅し、何故かビールとかまで飲まされて、「加奈子も飲んでみろ」「えー、お父さんたら」とか同じ顔した同士が言い合って加奈子さんまで酒を飲む始末。もう車を運転して帰れない。 「もう遅いですし泊まっていってください」 という言葉に甘え、クサレ弟と野球の対戦ゲームして、風呂はいって、お父さんのパジャマ借りて、さあ寝るかーって思って客間に用意された布団に入ろうとして、その前に折角だから夜の畑でも見てみよう!って思って外に出た瞬間に思ったのですよ。 「僕はこんな場所で一体なにしてるんだろう・・・」 本当、あまりにナチュラルな流れに忘れかけてたんだけど、明らかにおかしい。僕がこんな場所でパジャマ着て、なんか知らないけど団欒の時を過ごしてるのはおかしい。なんだ、何でこんな場所にいるんだ。 もしや、このままこの場所にいたら本当に農家の跡取りにされるのでは。いつのまにか加奈子さんと既成事実を作ることになり、彼女と同じ顔した子供を作る。で、農作業に勤しむ僕。ひえーーーー! そう思った瞬間、ふいに思い出したのです。そういえばココに来る時、加奈子さんはやけに大きなバックに荷物を大量に詰め込んでいた。今考えると日帰りで実家に帰るにしては多すぎる荷物・・・。間違いない、ヤツは何日も実家に居るつもりだ。そして、僕を帰さないつもりだ。で、いつの間にか既成事実とか同じ顔をした子供とか作る気だ。 そう思った瞬間、僕は決意しました。「逃げよう」と。 このままココにいたのでは間違いなく何日かは帰れない。その間に変な事実が出来てしまう前に帰ろう。チャンスは全員が寝静まってる今しかない。これは自由を賭けた戦いだ! こうして、閉鎖された山村からの僕の大脱走作戦が始まるのでした。 つづく 僕は今でこそ身長が188センチあって長身な部類、初めて会う人には「背高いですねー」くらいしか言われないのだけど、なんていうのかな、本音を言うともっと背が低い方が良かった。 そりゃ背が高い方がカッコ良くて、ハンサムで背が高い、オマケに白のエナメルの靴が似合うとか無敵の感があることは否めないのですけど、僕のようなブサイクが背が高くたって何も意味がないんですよね、じつは。 「いいよねー、背が高いとー」とか、頭の悪そうなアッパッパー姉ちゃんに言われたりするのですが、ハッキリ言って背が高くて良いことなんて一つもない。むしろ嫌なことの方が多いくらい。 歩いてればガンガンあちらこちらに頭をぶつける。看板から何から日本ってのは何でも175センチ前後を基準に作ってるみたいで、とにかく何かすれば頭をぶつける。 この間なんて、自宅で音楽かけて「イヤッホー」とか飛び跳ねながら踊り、モーニング娘。の振り付けの練習をしていたんですけど、そこで悲しき惨事が起きたのですよ。 ウチはワンルームタイプの部屋で、台所みたいな通路部分と部屋の部分が基本的には繋がってて同じ空間のように見せかけてるんですけど、どういった種類の罠なのかガコッと繋がってる部分の天井が低くなってるんです。 たぶん、ココからが部屋、ココからが台所!みたいに分かれている事を示したいんだと思うんですよ。いくら繋がってるからといって区別する事は大切!そういった部分曖昧にしがちだけどケジメだけはつかねいとね!なんていう製作者の良心みたいなのが見え隠れするんですけど、これがもう途方もない悲劇を演出するんですよ。 もうお分かりの方が殆どだと思いますけど、部屋でピョンピョン飛び跳ねてモー娘。を踊る、そいでもって罠のように一部低くなっている天井。それらから導き出される答えは勿論、頭ゴチンですよ。 イエー!とか飛び跳ねた瞬間に、低くなってるところで頭ゴチン。もう首から上がなくなったんじゃないかって衝撃で、目の前に星が飛んでるのが見えたもの。 でまあ、頭打って痛いだけならまだしも、その数分後には気持ち悪くなっちゃってゲロ吐きそうになってからね。 これもね、背がそんなに高くなかったらいくら罠みたいな天井でも頭は打たないし、いくら飛び跳ねたって打たないんですよ。ホント、背が高いってのはそんなに良い事じゃない。僕はもう、その事実に中学生ぐらいの頃に気がついていた。 僕は小学生ぐらいの時は背が低い男の子で、背の順で並ぶ時も前の方で、危うく前ならえの権利を剥奪されるところだったのですけど、中学になってメキメキと背が伸びました。それこそ一年で何センチも伸びたりして関節が痛くて、もう中学時点で180近かったですからね。 それでね、背の順で並ぶのも最後方になったり、背が高いねーとか言われたりして誇く、憧れの高身長を手に入れて天狗になっていたのですけど、実は良いことってそんなになかったんですよね。 急激に背が伸びたことにより制服も買いなおさないとサイズが合わなくなってきちゃったし、親戚筋からもらってた従兄弟のお古の服とか着れなくなったんですよ。ウチは貧乏だったから、それが何よりの痛手だった。 おまけに背が高いってだけの理由で途方もない不幸に見舞われたことがあったんですよ。 ある日のことでした、放課後になり、さあ帰ろうかなと帰る支度を始めていると教室に不良グループがどやどやと入ってきました。もう、ろくでなしブルースと言わんばかりの不良っぷりを見せ付けていた彼らは一目散に僕の席へと駆け寄ってきました。 「今日の放課後、西中と喧嘩するから」 不良グループのボス格の男はそう言いました。もう不良のボス格だけあって中学生にして酒もタバコもセックスも経験済みみたいな輩だったのですけど、なんか意味分からないこと口走ってるんですよね。 僕は不良でもなかったですし、このグループに属してもいませんでした。もちろん、このボス格と話しするのも始めて。どちらかというとコミカルなお笑い系グループに属していた僕ですから、全く無縁のお話でした。 「えっ!?それで!?」 全く率直な反応でした。そんなのとは無縁の世界で生きている僕、それにいきなり「西中と喧嘩」とか言われても意味が分かりません。 「今日の放課後、西中と全面戦争することになったから。それに参加しろよな。ウチの中学の一員として参加しろよ」 ウチの中学はお隣の西中と仲が悪く、不良同士のイザコザが絶えなかったんですけど、それがとうとう臨界点に到達、ついに今日全面戦争に発展し雌雄を決することになったようなのです。 「いや、そう言われても・・・」 全面戦争は理解できたのですが、それに僕が参加する理由が分からない。必然性も必要性も全く感じない。例えて言うならサラブレッド集まる競馬レースに柴犬が悠々と出走するようなものですからね。明らかに場違い。 「いや、でも、何で僕が・・・」 と困惑する僕にリーダー格の一言ですよ。 「背が高いから、なんか戦力ありそうに見えるやん」 まあ、この辺がシンナーばっかり吸ってる中学生の発想なんでしょうけど、全面戦争ってことで自軍の戦力を巨大に見せたかったのでしょうね、ただ背が高いというだけで僕が選抜されてるんですよ。全面戦争という単語を不良が真顔で言ってるのも笑えるのですが、この発想もまた笑えすぎる。 今考えるとお笑い種なのですが、当時は深刻で、このボス格に逆らうなんて事はできませんでしたので、当然ながら僕も決戦の地に赴きましたよ。 道中、不良どもに囲まれて 「西中なんて俺がぶっ殺してやる、ゲハハハハ」 「ヤニ吸いたい、ヤニ吸いたい、ブヘヘヘヘヘ」 という至極朗らかな会話を聞きながら思いましたよ、何で僕は背が伸びてしまったのだろう、と。背さえ伸びなければこんな場違いな不良大戦争の場にいることもなかった。ああ、背が高くたって何もいいことなんてない。殴られたりするんだろうな、痛いだろうな。今思い返しても可哀想になるくらいですよ。 結局、決戦の場に行くと西中の連中が不良のオールスター戦みたいに横一列に並んで待ち構えてて、赤い髪やら奇抜な髪型などなど北斗の拳のザコみたいに一流どころの不良ばかり集めていたんですよ。 でまあ、決戦の場である畑で両校が睨み合ってる状態で全然喧嘩とかに発展しなくて、「ばーかばーか」とか「西中はダサい」とか口喧嘩みたいな状態になって、そうこうしてると畑の持ち主の爺さんが血相変えて走ってきて「畑を荒らすな」とクワ振り回して大暴れ。両校共に散り散りになって逃げ出すという未曾有の展開に。なんだこれ。 喧嘩になって全然ならなくて、西中と口喧嘩になっただけで終っちゃったんですよね。で、最後に不良皆で駄菓子屋でアイス食って帰ったんですけど、そこでボス格が言った一言 「西中のヤツラ、ビビってたよな」 っていうのが、未だに何なのか全く持って意味が分かりませんでした。 この場合、喧嘩とかにならなくて被害は無かったのですけど、背が高いというだけで場違いな喧嘩の場に駆り出された僕。この時ほど背が伸びたことを悔いた事はありませんでした。 今でも、「背が高いね」なんて言われたって嬉しくもなんともなく、逆に「おいおい、それしかねえのかよ」とか思っちゃうくらいですから、背が高くて良かったって思った事は実は一度も無いのかもしれません。 背が高いというのは身体的特徴です。言うなれば身体的特徴が標準的規格から抜き出てるということなのです。この点から考えると背が低いも高いも根底は同じなのかもしれません。 背が人より小さく、それを気にしている人は「背が低い」と言われると傷つきます。それと同じで、背が人より高く、それを気にしている人だっているのです。僕のように。 多くの人が背が高いと言われて悪い気はしないかもしれませんが、少なくとも僕は嬉しくありません。それどころか「何もいいことなんかない」と思ってるくらいですから、下手するとムッとするかもしれません。 つまりは、身体的特徴をあまり指摘するのは良くないなってことなのです。背が低い人に会ってそれを本人に指摘する人は少ないと思います。それと同じで、背が高いこともあまり指摘してやらないでやって欲しいのです。 他人の身体的特徴を指摘する、できればそれはしてあげないのが円滑な人間関係を営む最良の方法なのです。 それにしても、今日、交差点で見た女の人はすげえ巨乳でビックリした。たわわに揺れてたよ。 「殺してやる〜!」 「うわーーー!」 先日の休日のことでした。遥かアテネの地ではフレッシュに頑張る日本選手団がいて、その中には金メダルとか取っちゃう人とかいて世界レベルで大活躍しているというのに、僕はというとダメ人間っぷりをいかんなく発揮して昼過ぎまで寝ておりました。 燦燦と照りつける太陽の光を感じつつ、今時「日本むかし話」でも出てこないぜっていうようなボロ布団の中でまどろんでおりましたところ、冒頭のようなセリフが聞こえてきたわけです。 暑くて暑くて寝苦しく、かといってクーラーを入れたのでは寒すぎる(リモコンをなくしたので温度調節が出来ない)。それで窓を開けて寝たわけなんですが、どうやらアパートの前の道路で叫んでる様子なのです。三階の部屋まで聞こえてくるんですから相当大きな声で叫んでいたのでしょうね。 「殺してやる」「おたすけー!」ってな感じの尋常でないレベルの修羅場に起き抜けに遭遇し、僕も焦ってるんだか眠いんだか夢見てるんだか訳分からない状態だったのですけど、それでもやっぱり驚くじゃないですか。殺してやるだなんて普通じゃない、何事かとベランダに出て声がするほうを見ましたよ。 そしたらですね、遥か階下の道路では頭の悪そうな子供が2人、何だか知らないけど物凄い勢いでじゃれあってましたわ。ランニングを着て真っ黒に日焼けした男の子が色白なもやしっ子に襲い掛かり、「殺してやる!」と凄んでいたのです。 まあ、ここまでなら、おうおう元気な子供達よのーと思うだけで終るのですが、それだけでは終ってなかった。なんかですね、よくよく目を凝らしてみるとですね迫ってる男の子の方、どっから持ち出したのかサバイバルナイフみたいなの振り回してるんですわ。 もう刃渡り15センチはあるんじゃねえの?っていう凄く切れそうなサバイバルナイフで、下手したら攻撃力以外に道具として使ったら別のアビリティまで使えそうなナイフを持っておりました。 いやね、いくら夏休みだからって子供がサバイバルナイフ振り回しちゃイカンですよ。そろそろ夏休みの宿題も追い込みの時期、差し切れるか刺し違えるかという修羅場のはずなのに、こんな別の場所で修羅場を演じてやがる。 最初こそは「おうおう、じゃれあってるなー、元気があってよろしい!ワンパクでもいい逞しく育って欲しい」とか思ってたのですが、片方がサバイバルナイフを手にしているとなれば話は別です。急速に「殺してやる」というセリフが現実味を帯び、抜き差しならぬ修羅場であることが間違いなくなるのです。 まあ、なんとかその場はどっかから大人が出てきて鎮めていたのですが、下手したら休日の寝起きにバイオレンスな殺人現場を見ていたのかもしれません。 それにしても、最近の子供ってのは怒りっぽいですね。つくづく思います。食い物が悪いのか環境が悪いのか知りませんけど、とにかく怒りっぽい。いやいや、怒りっぽいというよろはキレやすいのかな。とにかく感情の沸点が低すぎるんですよね。 それこそ一時期流行した少年少女による凶悪犯罪やら傷害事件やら感情の沸点が低いとしか言いようのない事件も数多くありますし、日常でも数多くのキレやすい子供を目撃します。 何でもすぐテレビアニメやゲームに原因を持っていくのは好きではないのですが、どうにもこうにもああいう物の影響が少なからずあると思えて仕方ない。 いやね、マンガとかゲームでもそうなんですけど、主人公が追い込まれたりするじゃないですか。圧倒的力量差がある相手を前に追い込まれる。そこでキレるわけですよ。民衆が無残にやられたり、知ってはならない事実を知ってしまったり、それでキレるわけ。 でさあ、キレると強くなるじゃん。大抵のキャラが強くなるじゃん。ふおおおおおおおお!とかなっちゃったりしてさ、相手も「ば、ばかなっ!」とか言っちゃったりして、スカウターとかぶっ壊れるの。もう見てらんない。 キレた主人公が敵を倒してめでたしめでたし。やっぱキレると強いのね、ってなるじゃないですか。ああいうのってね、ホントいい加減に止めた方が良いと思う。ああいうのって間違いなく悪影響だよ。 人間はね、キレたって強くならない。ふおおおおおおと戦闘能力が上がるわけでもないし、強くもならない。それどころか冷静さを欠いたりして正常な判断が出来なくなり、どっちかというと弱くなるんじゃないかな。 僕が小学生だった頃、梅津君の家で梅津君とアーバンチャンピオンという闇雲に殴り合うだけの野蛮なファミコンゲームをしてたことがあるのだけど、梅津君が持ち主とは思えないくらい弱いの。 で、僕が何度も何度も対戦に勝っちゃって、梅津君が操るキャラをバンバンとマンホールに落としてたんだけど、そのうち梅津君が怒り出しちゃってさ。やっぱ持ち主というプライドだとか譲れない何かだとか色々あったんだと思うよ。 ぐおおおおおおおおおおおおお! とか声に出して叫ぶくらい必死になってAボタンを連打してキレてたんだけど、やっぱ弱いのよね。もう見るからに弱い。キレる前より数段弱くなってるの、これが。 「もう一回!もう一回!」 負けるたびに大塚愛さくらんぼみたいに連呼していた梅津君、もう鼻から目からグチョグチョした液体出してさ、汚いったらありゃしないんだけど、何がそこまで彼をアーバンチャンピオンに駆り立てるのか、って思いながらバシバシ勝ってた。 結局ね、人間はキレたって強くならない。それどころか弱くなる。だからね、マンガとかゲームとか、キレて強くなってドカーンと勝つとかいい加減やめた方がいい。 そういうのばっか見てるとキレると強くなるだとかキレるのカッコイイだとか、頭の悪い子だったら勘違いしちゃうからね。 影響されたキレやすい子供達がナイフ片手に簡単にキレて人を傷つける。なんとも末期的な世の中だけど、人間はそんなに簡単にキレちゃいかんよ。ましてや人を「殺してやる」だなんて簡単に言うもんじゃない。 なんてことを考えながら、アパートの前だから別にいっかと寝起き姿の、つまりはパンツ一枚の状態でアパート入口のところにある自動販売機にお茶を買いに行ったのですが、そしたら朝帰りだか昼帰りだか知らない濃厚なセックスを営んでそうなブサイクカップルが手を繋いで帰ってきて 「やだ、あの人、パンツだけ」 「うわー、終ってるなあ」 と、せせら笑うように会話していました。 なんていうか、キレた。2人まとめて散弾銃で殺したい。 今の住まいに引っ越してきて4ヶ月。引越しを機にちゃんとしようちゃんとしよう、マトモな生活を営もう、と考えていたのですがダメでした。そろそろ危険な時期になってきたなーと考えていたのですが、ついにきました。 さっき風呂に入ろうとしたのですが、ガス止められたらしく、水しか出ませんでした。 たぶん、そのうちネット止まって電気止まって水道止められるぜ。もう死にたい。 前にいた職場にお中元を贈った。たしかバベルの塔みたいにテクニカルに積み重なったエビスビールを1ケース送ったはず。送る時に記入する住所、すっかり忘れててデパートのお中元コーナーで恥かいたよ。 僕が前いた職場はちょっと変わってて、辞めようがリストラされようが寿退社しようが問答無用でお中元お歳暮は贈らないといけないといけないというのが暗黙の了解で、最低でもいなくなって1年間は贈らないと末代まで悪口を言われるという諸行無常の職場だ。 さすがの僕も、そんないない場所で悪口とか言われると切ないものがあるので贈ったのだけど、ハッキリ言って手痛い出費だった。で、本日、その前の職場からお礼状が届いた。 これもまた慣例という名の鉄の掟で、お中元を贈ってくれた人には職場のメンバー全員でお礼状を書いて送ることになっていたのだ。そういや、自分が所属していた時、名も知らぬOBだかなんだか相手に「素敵な品物ありがとうございます」とか心にもないことを書いた気がする。 いつもそのお礼状を書いてると、クサレ上司のヤロウが近寄ってきて 「彼は伝説的OBなんだぞ。あいつの残した実績は凄い!」 とか聞いてもないのに、その名も知らぬOBの伝説を語りだして、そいでもって「それに対してお前は・・・」と哀れみの目で見られたものだった。 そうだ、思い出した! そういえば、僕が前の職場を去る時、お中元とお歳暮も当然贈る気でいたから子飼いの後輩に頼んだんだった。お礼状を書く時、クサレ上司は僕のことを何と紹介するのか。まさか伝説的OBだとか、ヤツの抜けた穴は大きかったと涙したりとか、そういうのを期待して・・・。 その結果を後輩はお礼状に書いてくれる手筈になっていた。この手紙の中にその結果が書いてあるのだ。ドキドキし、。それでいてワクワクしながら封を開いた。 「patoさん、こんにちは。とても素敵な品物をありがとうございます。みんなで重宝しながら飲んでます」 やはり礼状は心にもないセリフから始まっている。で、あとは個別に職場メンバーが何行かのメッセージを書いているのだけど、問題の後輩の部分を読んでみる。 「上司ですが、礼状を書く時、patoさんの名前を連呼しながら、「だれだっけ?」って連呼してましたよ」 忘れられてる。 記憶の片隅にすらなかったことにされてる。おいおいそりゃないぜーと思いながら手紙を読み進めてみると、色々な職場の状況を説明してあった。 チンコヘッド君は髪を切って短髪になったらしい。 ウンコ上司は投資信託に失敗して大損、毎日機嫌が悪いらしい。 大崎は筋肉増強剤でも打ったんじゃないかというくらいマッチョに磨きがかかったらしい。 ヘルスズキはまた変な病気もらってきたらしく、深刻に性病関連のサイトを見てるらしい。 みんな相変わらずだなーと思いつつ手紙を読むと、後輩の記述に「B子」という文字が登場してきた。 僕と同時期に退職したマッスル事務員B子。ヤツはいったいどうしてるんだろう、などと感慨に耽りながら読み進めてみると 「ちなみに、B子さんお中元はアワビの干物でした」 みんな夏らしくビールやらジュースを贈るというのに、B子のヤツはアワビ、それも干物。相変わらず何考えてるか分からないクリーチャーだぜ、と思いながら、僕はそっとその手紙をしまいこむのでした。 「おい、おまえ買えよ。いいから」 「やだ、恥ずかしい!」 「いいからいいから」 「もー、じゃあさ、一緒に行こうよ!」 いつものコンビニでエロ本のビニールを破って立ち読みしていたら、こんな会話が漏れ聞こえてきました。ふと見ると、年齢は20歳前後でしょうか、よく日に焼けたフレッシュなアベックがイチャイチャネチャネチャと恋の逢瀬を重ねておりました。 一体何をそんなにキャンキャンじゃれあっているのかと見てみますと、おやまあなるほど、コンドームを前にして買う買わないを言い争っているわけですな。若いって素晴らしい。 僕が高校生くらいの時だったでしょうか、好きだった女の子に土下座するぐらいの勢いで頼み込みましてね、あと一歩で初体験って所までこぎつけたことがあるんですよ。これ、前にも書いたんですけどね。 でまあ、相手の子が「避妊具がなきゃダメ、ゼッタイ!」って言うものですから夜の町を疾走し、鬼のような勢いでコンドームを買い求めたのですよ。田舎町だったからマニアックなコンビにしかなくて、怪しいエロビデオとか販売しているコンビニに駆けていったんですけど、そこで大失敗をしたんですよね。 ええ、物凄いイボイボの付いた職人仕様みたいなグロいコンドーム買っちまいましてね、「こんなの嫌だ!何かエロい!」とか「キモイ!」とか相手の子が泣き出す始末、挙句の果てには苦労して買って来たイボイボコンドームの箱を投げつけられましてね、涙がこぼれないように夜空を見上げて帰りましたよ。初体験がイボのせいで消えたんですよね。 あと、使う当てもないのにコンドーム持ってて、仕方ないからコンドームを装着したより実戦に近いオナニーをしたことがあるんですけど、やってる最中に「おれ、ちんこにゴムつけてなにやってるんだろう」と急に覚めちゃったことありましてね、そのままパンツとズボンはいてパチンコいったんですよ。 したらまあ、ああいうのって最初は違和感あるけどつけてるうちにチンコの皮と同化しちゃうんですね、クロスを装備してることをすっかり忘れましてね、パチンコ屋のトイレで大騒ぎですよ。オシッコ入りの水風船が突如股間に現れ、僕もビックリ隣でオシッコしてたオッサンもビックリですよ。 そんな自分のコンドームにまつわる大失敗を思い返し、普段ならこういったコンビニでいちゃつくアベックは条例で取り締まるべき!とか思っているんですけど、なんだか応援したくなっちゃいましてね、心の中で頑張れ、頑張れって応援してた。 やっぱさ、ピュアなカップルがそうやって頑張ってる姿っていいじゃないですか。やっぱ恥ずかしいものですよ、純なカップルがコンドームを購入するなんて、僕ら汚れからしたらアナルのキスマークを色紙につけるくらいの辱め。とにかく恥ずかしいんだと思いますよ。 それでも頑張って購入しようとするアベック。それが冒頭の会話ですよ。なんていうか、すごく微笑ましい気持ちで眺めちゃいましたよ、その光景を。エロ本片手に。 「じゃあ、一緒に行こうぜ」 意を決し、ついに動き出すアベック。がんばれー、がんばれー、まるで我が子の運動会を見守る親の気持ちで見てましたよ。そしたら、 アベックの男の方、棚にあるコンドームの箱を一列鷲掴み。 ついで、女の方、同様に隣の列のコンドームを一列鷲掴み。 もうなんていうかね、1ダースくらい二人で買ってた。あれって1箱に1ダースくらい入ってるものじゃないですか、ってことは12×12=144、144個のコンドーム!おいおいお前ら144回もするのかよ、と天文学的数値に一人震え上がりました。 そんなに買ってどうするのか疑問ですが、とりあえず僕も久々により実戦に近いオナニーでもするかと1箱買って帰りました。したら、7時間もかけてダウンロードしたエロ動画がニセモノで、再生したら香港映画が流れ出しまして、チンコにコンドームを装着したまま呆然とPCの前に立ち尽くしましたとさ。 やっぱコンドームよりも立ち読みしてたエロ本買えばよかった。 みんな、素敵な恋してるかい。 おっけーおっけー、初っ端から恥ずかしすぎるセリフをのたまい、とてもじゃないがシラフとは思えないんだけど、まあ、なんていうか、素敵な恋をする経験って大切だなって思うわけなんですよ。 恋ってヤツは色んなことを勉強させてくれる。やっぱ他者あってのことだし、色々なことが自分の思い通りにはならない。他人に恋することで初めて自分に向き合えるというか、見つめ直せるというか。それよりなにより、恋をしてる時って恐ろしいほど浮かれてるじゃん。それって素敵なことだと思うよ。 そりゃね、嬉しいことばかりじゃないよ、恋ってやつは。苦しくて死にそうになることだってあるし、胸を掻き毟りたくなる事だってある。バルコニーから夜空を見上げてそっと涙する事だってある。でもな、そういうのを経て成長していく、そういうことなんじゃないかな。決して不毛な恋なんてない。成就しなかった恋だってきっと何かのプラスになるんだから。 書いてて自分で恥ずかしくなってきたのだけど、やっぱ素敵な恋ってするべきだと思うし、恋ってのはすべからず素敵でなきやダメって思う。そういうのを経て人間って成長していくんじゃん。うん、それが言いたかっただけ。 ウチの弟は、今でこそチャラチャラしたモテ男子なんだけど、幼少時代は、それこそ超几帳面で真面目、勉強と貯金しか趣味がないような冷徹な子供だった。それこそロボトミー手術受けた人みたいに心を閉ざしていたかのように見えた。 そんな氷の心を持つ我が弟も恋をした。僕も弟も小学生くらいの頃だったかな、ウチの弟は甘くて切ない、それでいて苦しい身も心も焦がすような恋に落ちてた。 弟が恋をした!ってのは当時としてはセンセーショナルな大スクープで、家族の誰もが震撼し、心の底から喜んだものだった。 うん、本当にウチの弟は幼少期は他人に対して心を開くってことがなかったから、友達が家に遊びに来ただけでも大騒ぎだったのに、それがイキナリ恋だからな。親父なんて目玉がこぼれ落ちるんじゃないかってくらいカッと瞳を見開いて驚いてた。 いやね、普通だったらさ、あまり好きな子のこととかバレないようにするじゃない。小学生の頃って自分の恋心とか好きな子のこととか隠したがるし、バレようものなら国辱物の想いをするじゃない、だから、その年代の子って必死で隠したがるんだけど、ウチの弟は恋に慣れてなかったんだろうね、見てたら一発で分かった。 なんか、クラスの集合写真とか見ながらポーッとしてたり、溜息ついてたり、みるからに様子がおかしい時間が増えていって、魂の抜けて人形みたいになってた。かと思ったら一心不乱にノートに何か書き殴ってたりして、明らかに挙動不審。 そんな弟の様子を見て、何かおかしいなーって僕かて兄貴ですから心配になるじゃないですか。それでまあ、弟がいない時部屋に忍び込んで彼の机とか漁ったんですよ。 そしたらさ、引き出しの中に何やら意味深なノートが置いてあって、思い返してみると「ああ、これ、いつもアイツが何か書き殴ってるノートか」と、パラパラとめくってみたんですよ。 そしたらアンタ、ノートにはビッシリと「大野光子大好き、大野光子大好き、大野光子大好き、大野光子大好き、大野光子大好き」とかさ、ビシーッとfont size=2くらいの大きさで、分かりにくいから実際にそのサイズにしてみると「大野光子大好き」って15ページくらいに渡ってビッシリ書いてあった。 震撼したね。間違いなく全米が震撼した。ウチの弟はサイコだったのかって震撼した。いやいや、そうじゃなくて、「おお、我が弟は大野光子に恋をしてるのか」って驚いた。 とにかくこの快挙を家族に伝えねば!漠然とした使命感に駆られた僕は、さらに彼の机を漁り、クラスの集合写真と名簿を入手しました。この集合写真は名簿順に並んでますので、名簿を見て問題の大野光子を探します。 で、その写真と問題のサイコノートを抱えて階下へ。急いで親父と母さんに報告、ついでに半分ボケてる爺さんにも報告しときました。 「あらまあ、最近様子がおかしいと思ったら、好きな子ができたのね」 母は満面の笑みで言いました。 「おうおう、なかなかカワイイじゃねえか。もうチューとかしたんかいな」 親父はエロいオッサン全開で言いました。 「ほえ」 爺さんはボケてて分かってませんでした。 そんなこんなで、家族一同、弟に訪れた春に大喜びしてたわけなんですが、母親のひょんな一言から事態は急転直下、怒涛の展開を見せたのです。 「あら、この子、大野さんとこの娘さんじゃない」 やはり田舎町なんて狭いものです。クラスメートなんて大概が親同士が知り合い。なんか、母親は弟の愛しき人である大野光子さんの親を知ってるみたいなんです。 母曰く、大野光子さんは商店街で肉屋を営む大野精肉店の娘さんだそうでした。で、母がよくこの肉屋に買いに行ってると。 「あの子はね、よく家のお手伝いしていい子なのよ。ウチの嫁にふさわしいわ」 まだ弟は好きなだけで、怨霊の如くノートにその名を書き綴っているだけ、ストーカーになる素質抜群だと言うだけなのに、嫁とかナントカと大暴走が止まらない母。まさにブレーキの壊れたダンプカー。 「そういえば、ほらステーキハウスを開店したじゃない、大野さんのところ」 そして母から提供される衝撃の新情報。なんでも、大野精肉店は持ち前の肉屋スキルを駆使してステーキハウスを開店したそうなのです。もともと大野精肉店のほうは祖父がやってる店なわけで、大野光子さんの両親は晴れて独立、それもステーキハウス経営を始めたわけです。 考えてみるとこれってば中々理に叶ってて、祖父が肉屋だから肉なんていくらでも安く仕入れることができるのです。おまけに「ステーキハウス」なんて単語なんて聞いたこともないような田舎者ばかりが住まわす街。こりゃあヒットしないわけがありません。 「そうかあ、アイツは切ない片想いをしてるわけだな・・・」 親父が神妙な面持ちで言います。この人がこういう表情をしてる時はロクなことがありません。きっと、とんでもないことを言い出すに違いありません。 「こりゃあ、そのステーキハウスに家族で行くしかないな」 やはり言い出しやがりました。なんか、弟が片想いする大野光子さん、その家族が経営するステーキハウスに家族で行こうとか言い出しやがるんですよ。 「したらな、ま、素敵なお父さん!とか言われてアイツの片想いも成就すると思うんだよ」 何食って育ったらこんな都合のいい思考回路になるか知りませんが、とにかく親父は決めた様子。こうして、弟が帰宅してくるまでにノートや集合写真を元の位置に返却し、彼の帰りを待って夕食へと出かけたのでした。いざ、ステーキハウスへ。 ハッキリ言って嬉しかったですね。とにかく嬉しかった。動機こそは「弟が恋する子の両親がやってるステーキハウスに行こう」なんですけど、とにかく貧乏一家だった我が家、外で食事するなんて考えられないことだったのです。 「なあ、どこに食いに行くんだよ」 何も知らない弟がぶっきらぼうに言います。 「ええもん食わしちゃる」 親父が不適に笑います。 こうして貧乏一家は場違いにもできたてのステーキハウスへと赴いたのでした。 店に入ると、いきなりレジのところに大野光子さんのお母さんでしょうか、妙齢の品の良い婦人が立っておりました。ウチの母と仲の良い夫人ですから、母と適当に軽口を交わしています。 で、その横に問題の大野光子さんは立っておりました。家族経営のステーキハウス。店舗は自宅も兼ねているようでしたから、きっとお手伝いか何かしてたんでしょうね。偉い子です。 お互いに家族という考えうる限り最高に気まずいシチュエーションで弟とその片想い相手が対峙する、見ると弟のヤツ、トマトみたいに真っ赤な顔して俯いてやがった。うんうん、その気持ち分かるぞ、死ぬほど嫌だよな。 「おい!コッチの席空いてるぞ!早く座れや!」 高級感抜群のステーキハウスで大声を張り上げる親父。もうなんというか、この人は場所をわきまえるとかないんだろうか。他の客は優雅にナイフとフォークを操りクラシックの世界で談笑して食事しているというのに、ウチの親父だけ魚市場の気配。もう目立って目立って、弟もさぞかし死にたかったことと思う。 家族で席に着くと、コックの姿をした大野さんのところのお父さんが挨拶に来ました。 「いつも娘がお世話になっています。今日はゆっくりとおくつろぎください」 親父に挨拶をする大野さんのお父さんもまた品が良さげで貫禄がある。さぞかし立派なお父さんなんだと思う。 「よっしゃ!肉モリモリ食ったろ」 そう返答するウチの親父は間違いなく下品だった。 で、そう言った親父が、そっと僕に耳打ちしてきた。「あの子だろ、恋の相手は。ココは一発景気がいいところ見せないとな」とまるで悪だくみするかのように言った。で、家族全員に向かって 「よっしゃ、お前ら今日は何でも好きなもの食えや!」 とまあ、貧乏なくせに大盤振る舞い。ホントに良いのかよー、一番高いの食っちゃうぜー!肉だ肉だー!と思ったりもしたのだが、それも見る見る事態が悪い方へと流れていった。 一人で百人分ぐらいうるさい親父。弟の恋相手大野光子さんに素敵でダンディズム溢れる親父とか、太っ腹の親父とか思わせようとしてるのか、とにかく喋る喋る。しかしながら、その饒舌トークもすぐに止まるのだった。 「おい、高すぎるぞ・・・」 メニューを開いた親父は絶句した。そして、大蔵省である母親もまた絶句した。弟は弟でもう恥ずかしくて死にそうになっているため、最初から絶句していた。そう、元気なのは久々に肉が食えると大騒ぎの僕だけだった。 「じゃあ、僕はこのサーロインディナーセットにしようかな!」 そう言った瞬間だった。 「黙れ!」 僕のオーダーを一蹴する親父。そして何やらヒソヒソと母親と相談し始める。その内容はあまり聞こえなかったし子供の僕には分からなかったけど、「お金が足りない」だとか「値段が四桁のものしかないなんて」「かといって何も食わずに帰るのは・・・」とか、そんなネガティブでシリアスなワードが踊っていたような気がする。 「ねえ、僕、サーロインステーキのディナーセットを・・・」 とすがる僕に対し、親父は 「すっこんでろ!」 と千尋の谷に突き落とすがの如く一喝。で、意を決して店員を呼び寄せると、 「カレーライスを4つください」 と、最初の威勢の良さなどどこ吹く風、もう借りてきた猫みたいになりながら一番安いカレーを4つオーダーしていた。もうスゴスゴと逃げるって表現が適切なくらいに。 ステーキハウスに威風堂々とやってきてカレーをすする貧乏ファミリー。太っ腹なアピールとか素敵なお父様とか、素敵な家族とか、そういうのを弟が恋するあの子に見せ付けるなんて別次元。なんていうか、早く食って帰りたかった。 それはもう、僕でさえ死ぬほど恥ずかしかったんだから、弟なんて自殺物の恥ずかしさだったに違いない。片想いしている好きな子の目の前で衝撃の現場が展開しているのだから。 結局、レジにて4人分のカレー代金を母親が払ってる時、ふと弟の顔を見てみると「この恋終わったな」って言いたげな顔してた。 カレーを食って華麗に散った弟の恋。家に帰ると加齢で半分ボケた爺さんがボンカレーを食っていたのはご愛嬌。とにかく、弟の恋は無残にも消え去った。結果的には僕と親父がよってたかってムチャクチャにしたような形になったけど、それで良かったんじゃないかな。 彼にとっていい経験になったのだろうし、この悲しき恋を経験して彼は間違いなく成長していた。で、今は恋愛経験豊富なヤリチンなんだからたまらない。弟がモテだと兄の立場がないよ、ホントに。 そんなこんなで、偶然にも季節は恋の季節、夏。みんな素敵な恋を経験してどんどん成長しよう。それこそ、ステーキハウスで華散るようなステーキな恋を。(またやっちまった) ということで、8/15に開催されたNIKKI SONICが終了しました。我がNumeriが分不相応にも大トリを務めるという未曾有の事態となった同イベントですが、いくつか読んだ参加サイトさんの日記は大変面白く、1時間ごとにアップされる日記を閲覧者としてかなり楽しませて頂きました。 しかしながら、問題は自分の出展作品ですよ。数々のサイト様がジョイフルな文章をアップし、閲覧者が「まさに真夏の日記フェス!」と酔いしれているその時、大トリのNumeriは自分の自費出版本を宣伝するという大暴挙に。 あいにく、僕の出番であるところの15日夜9時半から10時半までは、なんか知らないけど監獄みたいな居酒屋でタコワサビをモリモリと食ってました。ですので全く知るところではないのですが、閲覧者の皆様もさぞかし騒然としたことと思います。 その反応はメールフォームから寄せられた感想メールからも窺い知ることが出来るのですが 「宣伝してんじゃねえよ、死ね」 「お前は守銭奴か、死ね」 「文章長すぎ、死ね」 「あの文章自体がボッタクリ、死ね」 「そもそもお前がトリってのが無理があった、死ね」 とまあ、非難轟々、地獄へGOGO、ゆうゆのクイズでGOGO!な状態で御座いました。あまりに率直すぎる意見が寄せられたため、僕もソッと自らの手首を切り刻むことも辞さない構えだったのですが、僕、頑張ったよ、グッと堪えて生きようと思った。 でもまあ、ああいった沢山の人々が登場してパフォーマンスをするって場面で自サイトの本を宣伝するのって万死に値すると思うんですよね。例えるなら年末の紅白歌合戦の大トリに北島三郎が出てきて歌うんじゃなくて、ジャパネットの高田社長が出てきてパソコン売ってるようなもんですからね。そりゃあ、スキャナにプリンタ、デジカメつけてる場合じゃないし、金利分割手数料を負担してる場合じゃない。やっぱ万死に値する。腹を切って死ぬべきだ! でもまあ、ちょっと聞いてくださいよ。僕は言い訳とかそういったのが大っ嫌いなタチで、いいわけとかするつもりは毛頭ないんですけど、僕もちょっとね書く時間なかったんですよ。そう、絶対的に時間が足りなかった。うん、今言い訳した。 なんで時間が足りなかったかというと、ここ1週間ほどお盆休みやら有休やら無断欠勤、仮病などを駆使して9日間ほど東京名古屋大阪にいったんですけど、連日恋に遊びに大忙し、しかもその間の移動を普通電車で強行するというトチ狂ってるとしか思えない蛮行に出まして、とてもじゃないが書く時間がなかったんですよ。 NIKKI SONICは締め切りが設けられてまして、何日も前に日記を書いて主催者さんに送る必要があったのですが、そんな締め切りなど余裕でブッチギリ、開催当日の朝まで余裕で書いてる体たらくぶりでしたからね。 僕はまあ、いつでもどこでも日記を更新できるようにノートパソコンを、それこそとてもじゃないがモバイル目的ではない激烈に重いパソコンを常にリュックに入れて出かけており、暇を見つけてはカタカタと日記を書いているのです。しかしながら、今回の旅路ではコレがとにかく難しかった。ほんのちょっと書く時間すらなかった。 それでもまあ、この企画への参加を引き受けてしまったものですから、「書く時間がなかった」でブッチするほど僕も子供ではありませんので、いちおーそれなりに書こうと努力したんですよ。全く時間がない中、それでも前進しようと涙ぐましい努力は見せたんです。 東京名古屋大阪と訳の分からない移動をしていた時でしょうか、ちょっとだけ時間が空いたんですよね。なんかのどかな田舎な場所の掘っ立て小屋みたいな待合所で待ってたんです。ちょうど30分くらいだったかな、待つ時間。 それでまあ、人間の温かみとか微塵も感じられないプラスチック製の椅子に腰掛けて待ってたんですけど、やっぱさ、僕だって努力するじゃないですか。リュックからパソコン取り出して、NIKKI SONICの原稿を書こうとしたんですよ。 パチパチと膝の上に乗せたパソコンのキーボードを叩いて書いてたんですけど、なんていうかほら、僕ってばすごく集中して日記を書くじゃないですか、それこそ凄く静かな避暑地とか和風旅館とかじゃないと書けないくらいナイーブでセンシティブなんですけど、なんかね待合室が凄くうるさかったんですよ。 他に待って、る客ってば一人しかいなくて、全然静かなんですけど、なんていうか、待合室に置いてあるテレビがムチャクチャうるさかったんですよ。もう尋常じゃないレベル、下手したら夜の繁華街で、キチガイみたなスピーカーを登載してガンガンやってるバカくらいの音量があった。 それでもまあ、そんな音量も物ともせず、いじらしいほど健気にNIKKI SONIC原稿を書いてたんですよ。もうこの健気さは涙無しには語れないんですけど、もうホントよく頑張ったってくらい書いてたんです。 テレビの爆音にも耐えて執筆する僕。しかし、意外なところに落とし穴が待っていたのです。それが待合室にいたもう一人の客です。ヤツが僕の執筆を妨げる最大のハードルでした。 待合所にはもう一人客がいたって書きましたけど、その客ってば爬虫類みたいなオッサンだったんですよね。もう、前世はトカゲか何かか?っていう顔で、そういった生物特有の感情のない死んだような眼をしてた。 でまあ、それはそれでいいのですよ。別に待合所にいるオッサンが爬虫類だろうが哺乳類だろうが爬乳類だろうが、なんでもいい。でも、そのオッサンがとにかく僕の集中を乱してくるんです。コレはあまりにも頂けない。 待合室のテレビは、なんだったんだろう、確かネプチューンがやってる番組を爆音で放映していました。ネプチューンのメンバーとゲストがクイズの回答者になり問題に答えるというものでした。 僕はあまりテレビを見ないのでアレなんですが、これがちょっと変わった形式のクイズで、回答者が五人、クイズの答えも5文字というシステムで一文字ずつ回答して5人で答えるというものでした。 クイズ自体は至極簡単で、誰でも答えれるものなんですけど、4文字目まで正解なのに5文字目でボケて間違えるとか、そういったので笑いを得てるようなものでした。 「アメリカが合衆国の前大統領は誰でしょう?」 そんな、渋谷でたむろしているアッパッパーな姉ちゃん以外なら誰でも知ってるような問題が出されたその瞬間でした。 「クリントン!クリントン!」 待合所にこだまする地味な声。なんだなんだと思い辺りを見回しますが、やはりココには僕とオッサンしかいない。これはもうどう考えてもオッサンが発しているとしか思えない音声。 というか、僕と同じくオッサンもまた一人。なのになんで彼はクイズの答えを言う必要があるのか。そんなもの心の中で連呼していれば良いのでは・・・。まさか・・・もしかして僕に言ってる? 「正解は、クリントンですねー」 テレビから朗らかに回答が流れる。オッサンが言った答えは当たり前に正解で、まあ間違えるほうがアホなんだけど、一体オッサンは何を考えて声を大にして答えを言ったんだろう、と彼のほうを見ると、オッサンもまた僕のほうをチラリと覗き込み 「どーよ、正解だろ?」 といわんばかりの得意気な顔をしていた。いやいや、そんなクイズに正解したくらいで得意気な顔されても困りますがな。僕もどう反応していいか困りますがな。 やっぱさ、凄いですね!とか彼の自尊心をくすぐるような褒め言葉を言ったほうが良いのか。いやや、彼は別に僕に話し掛けてるわけじゃない。回答も独り言だし、得意顔だって話し掛けてるわけじゃない。 どうしよう、どうしよう。どうするのが最善なのか。 もう悶々と身悶えてしまいとてもじゃないが執筆するどころの話ではない。ハッキリ言って5文字くらいしか書けなかった。 「さて次の問題。これの名前は何でしょう」 そんな僕の狼狽など知ったこっちゃないと言う勢いでテレビは次の問題に映ります。見ると、そこにはオリンピックの聖火リレーでしょうか、時節を反映したタイムリーな画像が数枚並んでいました。 当然ながら、このクイズの正解は5文字なので「聖火リレー」となるのですが、ここでまたオッサンが独り言を発します。 「アテネオリンピック!アテネオリンピック!」 いや、それ5文字じゃないやん。どう好意的に受け取っても9文字あるやン。というかですね、テレビに出てたのはアテネ五輪だけじゃなくて、どうも違う五輪の時の聖火リレーも映ってるんですよ。ハッキリ言って、このオッサン、自信満々の癖に間違えやがった。 もう笑いを堪えるのと、この後の展開が気になって執筆どころの騒ぎではないんですよ。で、 「正解は聖火リレーですね」 無情にも正解を流すテレビ。その瞬間オッサンは自分が自信満々に言い放った言葉が不正解であることを知りました。 チラッとオッサンのほうを見ると、今度は自分が不正解なのは納得いかない。間違ってるのはテレビのほうだと言いたげな、趣と味のある顔をしておりました。 そんなこんなで、待ち時間の間中ずっと、オッサンのクイズの回答に一喜一憂する恐ろしく不毛な時間を過ごし、とてもじゃないが執筆できない状態。全てがこんな状態で執筆などできず、なんとか急いで書きあげたのが当日の朝、そりゃあアレになるのも仕方ないし、宣伝に逃げるのも仕方ないってもんです。うん、すごい言い訳した。 でもまあ、NIKKI SONICも終わりました。そのために頻度落ち気味だった日記ももう少し更新できるようになると思います。まあ、今度はその宣伝した本である「ぬめり2」の執筆で大変ですが、なんとか頑張ろうと思います。
おいおい、また宣伝しやがったぜ。 更新が飛び飛びで申し訳ありません。お盆休みを利用して東京名古屋大阪と渡り歩き、各地の漫画喫茶と吉野家を満喫するという蛮行を行っており、風呂に入ってなくて臭いわ腰は痛いわそろそろ金も尽きてきたわという人間としての最底辺を満喫しております。まさに、連日漫画喫茶いわゆる漫喫で満喫。今うまいこといった。 でまあ、一応パソコンを担いでオタクヨロシクで移動しているのですが、なんとも更新する時間がない。おまけに夏の一大日記フェスというかフェチであるところのNIKKI SONICの大トリをいつのまにか任されるという、名誉なのか罠なのか分かりにくい状況に突入しております でまあ、このNIKKI SONIC、各ジャンルから集められたサイト様が時間ごとに登場して文章を公開するわけですが、もう当たり前のごとく締め切りを過ぎているという体たらくぶり。今現在も必死になって大阪は道頓堀にある漫画喫茶で猛烈に執筆しております。 開幕は8/14今日から。Numeriの登場は15日の最後になります。追い込まれた僕は途方もない日記を書いておりますのでお時間がありましたらぜひぜひ読んでやってください。そんなこんなで、さすがに風呂に入りたいのでサウナでも行ってきます。 8/9 三歳のパチンコ 病室に置かれた小さなパチンコ台、覚えているのはそれだけだった。 僕が三歳だった時、どうにもこうにも覚えていないのだが、僕は喉が異常に弱い子供だったらしい。何かにつけて喉に炎症を起こし、病院の世話になる、そんな手のかかる子供だったようだ。 親父は22歳の時に母親と結婚し、それから3年間、何度かの流産を経験して僕が生まれた。やっと授かった長男は喉が弱くてすぐに病院にゴー。なんとも大変だったと思う。 ある日のこと。うちの母親は僕を連れて街の商店街に買い物に来ていた。公共の交通機関は何もな田舎町、車がなければ生活できない。オンボロの軽自動車を駆り出してのショッピングだった。 車の中で僕を遊ばせて買い物に行く母。今では考えられないことだけど、当時としてはわりと普通だった。で、買い物を終えて車に帰ってきた母は、その中の光景を見て腰を抜かすほど驚くことになる。 青白い顔をして助手席で倒れている僕。 喉に何か詰まったのか、全く呼吸をしていなかったらしい。時折ひきつけのような形で反応は見せるので死んではいないことは分かったらしいが、それでも確実に生命の危機。このままでは死に至ることが容易に分かったそうだ。 パニックになった母。救急車を呼びたいが、あいにく当時は携帯電話など陰も形もない時代。手の中の息子は今にも息絶えそう。とてもじゃないが救急車を呼んでいる暇などない。なんとかこの車で息子を病院に連れて行かねば、そう思ったそうだ。 しかしながら、もう首に力がなくなっている僕。抱きかかえていないと首がコテッとなってしまい、呼吸停止がさらに深刻な状態になってしまう。とてもじゃないが僕をほっぽり出して運転というわけにはいかない。 早く病院に向かわねば、かといって運転できない。パニックになって困り果てている時に救世主が現れた。 「おい、どけ。わしが運転しちゃる」 運転席を覗きこんでいたのはねじりハチマキに作業服姿の典型的な威勢の良いオッサン。小さな田舎の漁港だった僕の故郷にはこんなオッサンがあちこちに存在していた。どうもこのオッサンが様子のおかしい僕ら親子を見るに見かね、自分が運転してやると名乗り出たそうなのだ。 「おねがいします」 僕を抱きかかえ、助手席に移る母、手には呼吸停止し青い顔をした僕。運転席には名も知らぬねじりハチマキのオッサンが座る。客観的に見て物凄くおかしい光景なのだけど、事態は一刻を争う時。 「しっかりつかまっとけやー!」 呼吸困難であの世に行く前に親子共々あの世に行っちゃうんじゃないかという途方もない運転、下手したら軽自動車がひっくり返りそうな有り得ない荒々しい漁師っぽい運転で病院に到着。僕はなんとか一命を取り留めたらしい。 命の恩人である漁師は名前も告げず、ゴタゴタの中で姿を消したらしく、母親はいつまでもこの漁師を探したのだけど見つからなかったらしい。 さて、一命を取り留めたものの、その病院に入院することになった僕。母親も勿論だが、あのクサレ親父ももちろん心配したらしい。そりゃあやっとこさ授かった長男が齢3歳にして死に掛けたのだ。もちろん心配だろう。 僕は三歳という幼き年齢だったので死にかけたことや、その命の恩人の漁師、ましてや入院生活に関する記憶などサッパリなく、何も覚えてないのだけど、冒頭で述べた「病室に置かれたパチンコ台」この光景だけを鮮明に覚えている。 なんで病室にパチンコ台なんだろう。なんでそんなものが置いてあるんだろう、と思い返してみるのだけど、どうもこれ、ウチの腐れ親父が持ってきた臭い。 カワイイ息子が入院したのだから、何かしてやれないか。そう考えたのかもしれない。やはり三歳と言えば遊びたい年頃だし、入院生活は退屈で苦しいものだろう。そう考えた親父はどこから入手したのか朽ち果てたパチンコ台を背負って病室にやってきたようだ。 もうこの時点で何箇所か大幅に間違っており、おそらく看護婦さんとかに凄い怒られたのだろうと思うけど、まあ、親父も親父で若かったのだろう。若気の至りで息子のためにパチンコ台を背負うなどと言う蛮行に至ったのじゃないだろうか。 今のように電動で沢山のランプがつき、画面などが煌びやかなパチンコ台とは違い、手動でビンビンと玉を飛ばしてチューリップに入れるチャチなパチンコ台だったけど、幼き僕は大層喜んでプレイしていたらしい。 25歳で僕という息子をもうけ、そのためにガムシャラに働いてきた親父。3歳になった僕にパチンコ台を与えてご満悦な28歳の親父。どうも未だに僕がいくら負けてもパチンコをやめれないのはコレが原因じゃないだろうか。3歳の時に教えられたパチンコが原因じゃないだろうか。 8月9日、誕生日を迎えた僕は、あの日3歳の息子のためにパチンコ台を抱えてきた親父と同じ28歳になった。どうも未だにちゃんとしてなく、あの日の親父には勝てそうにないけど、今生きているのは多くの人の力があるのだからと感謝し、何とか頑張って生きていこうと思う。 生まれた年と同じ年に作られ、一生懸命働いてきた原発が蒸気漏れの事故を起こし、多数の死傷者を出した。28年間検査も点検も何もされなかったパイプが破談したのが原因のようだ。そりゃあ28年も何も点検しなければ事故にもなる。 同じ28歳の誕生日にこのような事故が起こったことを厳粛に受け止め、自分の人生の点検と言う意味も込めて、そろそろパチンコを止めようかと思う今日この頃だ。 8/6 信頼 タイトルは忘れたが、ある漫画を見た時だった。自分の主張が誰からも認められない辛さ、誰からも信頼されない苦しさをひどく痛感したものだった。少年犯罪における冤罪、その裁判の様子を描いた漫画だったが、なんとも考えさせられるものだった。 素行の悪い主人公の少年はある殺人事件の容疑者として検挙される。警察は彼を犯人と決めてかかり何とか自白させようとするのだ。周りから誰も信頼されず、自分の言葉を信じてもらえない。少年は諦めの境地に達し、犯行を自供してしまう。 少年犯罪においてはろくな捜査も行われず、裁判自体も形骸化したものである。冤罪を防ぐシステムが構築されていないと言え、さらに少年犯罪では再審制度がない。そんな状況の中で少年を信頼し、無罪を勝ち取るために戦う少年弁護士の姿を描いた作品だ。 こういった社会派路線としての見方をしても面白いし、ストーリー自体が練りこまれていてスリリングに読むことが出来る作品だ。しかし、僕はそれよりも別に「何を言っても信じてもらえないため、全てを諦めてしまい自供をした少年の気持ち」に思いを馳せ、なんとも切なくなったものだった。 信頼を得るのは大変なことだし、一度失った信頼を取り戻す事は難しい。件の漫画でも、常日頃から素行が悪く評判の良くなかった少年に信頼がなかったことが原因の一つになっている。自分に一因があるとはいえ、自分の言葉が誰にも伝わらない苦しみ、それは想像を絶するものかもしれない。 僕が小学校低学年だった頃、水泳の授業後にある事件が起こった。 小学校低学年というとまだ性的区別が曖昧な時期で、水泳の授業前と後の着替えは教室で、それも男女一緒にが当たり前だった。そんな男女共同の着替えにおいて、ある事件が起こった。 まあ、男どもはバカばかりなので、女子と一緒だろうとなんだろうと、未発達で毛も生えてなく、皮でシッカリとディフェンスをしたチンコをブラブラさせて着替えていたのだが、女子は違っていた。 やはり性的に先に発達するのは女子らしく、タオルを改造したテルテル坊主の王様みたいなツールを駆使し、なんびとたりとも見れないようにして完璧に水着に着替えていたものだった。なんというか、お前のなんか誰もみねーよ、というようなブスほど防御力が高かったような気がする。 僕は鼻が悪く、プール開き前の耳鼻科検査でいつも鼻炎と診断され、最初の数回はプールの授業を見学することを余儀なくされていた。小学校低学年の子供にとってプールの授業ってのは最高に楽しい授業なので何とも口惜しく見学していたのを今でも覚えている。 事件のあったその日、プールの見学をしていたのは僕ともう一人、松下君という男の子だけだった。特に取り立てて仲が良かったわけじゃないので、何も言葉を交わすことなく、漠然とクソ熱い炎天下のプールサイドで二人並んで体育座りをしていた。 他の生徒は楽しく涼しげに水と戯れ、僕ら見学者は炎天下の中体育座り。ホント、時代が時代だったら児童虐待になるんじゃないかというレベルで過酷な見学だったと思う。見学の方が辛いってどうなってるんだ。 そんなこんなで、プールの授業は終了し、プールに入っていた全員がタオルで体を拭き教室に戻る。僕ら見学二人組みも熱射病一歩手前でフラフラになりながら教室に戻った。事件はその時起こった。 「美由紀ちゃんのパンツがない!」 クラス中に衝撃が走った。 美由紀ちゃんとは、まあそこそこかわいい感じの比較的お嬢様っぽい雰囲気を漂わせる女の子だった。で、その美由紀ちゃんのパンツが煙のように姿を消していたのだ。水着に着替えるために脱ぎ、机の上に他の服と一緒に置いてあったパンツが消えたのだ。 女の子の下着とか、今ではあればムチャクチャ興奮するんだけど、当時の僕らは何が良いのかわからなかった。でも、誰かが性的な目的で美由紀ちゃんのパンツを盗んだんだろうなってのは漠然と分かってた。 当然そうなると、プールに入ってなくて見学していた僕ら2人に疑いがかかるわけで、しかも、僕はずっとプールサイドにいたのだけど松下君は一度だけ「トイレに行っていいですか?」と先生に告げてプールサイドから姿を消していたのだ。しかも悪いことに、松下君が美由紀ちゃん事を好きっぽいという噂が前々から飛び交っていた。 「おい、松下。お前、パンツ盗んだだろう」 心無い男子がそう松下君に詰め寄る。もちろん松下君は。 「そんな、取ってないよ。取るわけない」 と弁明するのだが、誰も信じなかった。 松下君の家は貧乏だった。まあ、ウチのクラスはごく一部の富める者を除いて大半が貧乏だったわけだが、その中でもAクラスに松下君の家は貧乏だった。いつだって同じ服を着て学校に来ていたし、給食費や修学旅行の積立金もしょっちゅう遅れていた。 そういった松下家の貧乏列伝と同時に、松下が万引きしてるのを見ただとか、同級生の消しゴムを盗んだだとか、彼の手癖の悪さも同時に報じられていた。 「お前変態だよな。返してやれよ、パンツ」 「どうせお前が盗んだんだろう、お前貧乏だもんな」 たぶん美由紀ちゃんに気があった男子達だろう、執拗に松下君に詰め寄ってた。僕はその光景を見て、パンツ盗みが変態なのは確かだけど、貧乏だからパンツ盗むってのはちょっと違うだろうと思った。 「信じてよ、僕じゃないって」 そんな言葉、誰にも届いちゃいなかった。前評判の悪い松下君に対する信頼など、だれだってこれっぽちも持っちゃいなかった。それはある程度仕方ないと思う反面、もし本当に彼がやってないとするならば、言ったどんな気持ちなんだろう、そんな考えが頭をかすめた。 やったことを証明するのは簡単だ。明白なやった証拠や自供があればいいのだ。ただ、やってないことを証明するのは難しい。やってないと言ったって誰も信じてはくれないし、やってない証拠ってのもなかなか難しい。信頼がないヤツとなると尚更だ。 本当にやっていなくて、全ての言葉を誰にも信じてもらえないとするならば、松下君は今一体どんな気持ちなんだろうか。そう考えると少しだけ目頭が熱くなるものを感じた。 たしか、この騒ぎは予想以上に大きなものになり、美由紀ちゃんは泣き出すわ、何の関係もないのに一緒に泣き出すブスがいるわで大騒ぎ。ついには担任まで出てくるのだった。うん、なんか担任が上手くまとめ、「証拠もないのに人を疑うのは良くない」と松下君を疑う男子どもを一喝して丸く収まったように思う。 そしてその日は帰宅。僕は松下君の気持ちばかり考えていた。この辺が当時の僕の幼さと純粋さで何とも可愛らしい。今にして思えば、あの日パンツを盗まれた美由紀ちゃんは間違いなくノーパンで授業を受けたはずだし、ノーパンで帰ったに違いない。そこに着目せず、興奮に変えれないとは、幼いとはいえ情けないものだ。 次の日。 朝から前日担任に怒られた男子達は息をまいていた。 「あのやろう、絶対に盗んでるに違いない。今日こそ白状させてやる」 何をそんなに一生懸命なのか知らないが、彼らは今日こそ決める意気込みだった。「もうやめてくれ、本当に松下君がやってなかったらどうするんだ」、僕はそう思ったが声に出して言うことは出来なかった。 そこに松下君が登校して来た。あいも変わらず昨日と同じ服装のジャージ姿。汚いジャージ姿だった。 「おい、盗んだんだろ。返してやれよ」 朝の挨拶がこれだ。そもそも松下君が盗んでるとしても、一晩中ねぶったであろうパンツを返却されても美由紀ちゃんも困るだろうに。それよりなにより、本当に松下君が盗んでいなかったらどうするつもりなんだろうか。 「返してやれよ、この泥棒!」 信頼というのは大切なものだ、そう思った。信頼がないだけでこういう時に大変な目にあう。誰にも意見を聞いてもらえず一方的に決め付けられてしまう。本当に大切だと思った。でも、松下君はそんなに悪いことをしたのだろうか。 もういいよ、やめてやれよ。証拠もないのに疑うのは良くない。そもそも、もっと松下君を信頼してあげてもいいんじゃないか。確かに評判は悪かったりするだろうけど、僕には涙目で「やってない」って訴える彼が嘘を言ってるようには思えなかった。 我慢しきれなくなり、いよいよ彼をかばおうと一歩だけ身を乗り出したその時だった。想像を絶する、遥かにインパクト極大の事実が僕の目の前に飛び込んできたのだ。 「おい、松下君。そのポケットからはみでてるのはなんだい?」 見ると、彼のジャージのポケットからは、白い柔らかそうな布がチョコンと恥ずかしそうに顔を覗かせていた。 そう、それは間違いなく女児用のパンツで、前日に煙の如く姿を消した美由紀ちゃんのパンツだった。 ありえねー。 コイツやっぱ盗んでやがった!という事実もさることながら、なんで前日に盗んだ戦利品を次の日もポッケにしまってるのか。いくら前日と同じジャージとはいえそのまま所持は余りにもお粗末。お粗末過ぎて泣けてくる。彼をかばおうとした僕はなんだったんだ。 もちろん、その場で男子にボコボコにされ、先生に引き渡された松下君は、「パンツ泥棒」という至極直球なニックネームを賜り、小学校から中学校卒業までの数年を信頼が低いというよりは0の状態で過ごす暗黒の青春時代を送ることになったのだった。 信頼というのは大切だ。この事件で信頼を地に落とした松下君は、その後もことあるごとに疑われ、クラスで飼っていた亀が逃げ出しただけで疑われていた。でも、それは仕方のないこと。 信頼は自分の手で勝ち取り守っていくものだ。信頼がなく理不尽に疑われることもあるかもしれないが、それはそれまでに信頼がない行動を繰り返した自分が悪いのだ。幼心にそう痛感した事件だった。 そうそう、冒頭で述べた漫画だが、タイトルを思い出した。確か「勝利の朝」というひどく建設的なタイトルの漫画だ。事件の次の日の朝にパンツ盗みが発覚し、信頼を地に落とすという「敗北の朝」を演じた松下君とは正反対のタイトルだ。 あいも変わらず全てに対してやる気がなくて、起きるのも食べるのも億劫で、下手したらウンコの後に尻すら拭かない勢いなんだけど、なんだろう尻の穴が痒いです。そんなわけだから、今日も短めに。 外に出るとクソみたいに暑くて、かといって部屋に帰ると意味不明に異臭がして、コンビニに行けば若いバイトの娘に投げるようにして釣りを渡される。仕事に行ってもすることなくて寝るかオナニーするくらい。なんだろう、生きてるのに死んでるみたいだ。 誰か他人と会話することなんて、「お弁当温めますか」「はい」くらいのもの、日本語すら忘れそう。それは良くないと誰かと話したくて実家に電話すれば親父が出て、「今、尻の周りの毛を抜いてた。忙しいんだから後にしろ、パンツはいてないねん」とガチャ切りされる始末。なんだろう、この虚脱感は。 この無力感というか、全てに対してやる気ないってのは言い方を変えると弱ってることに他ならず、普段は気にならないことでも物凄くセンシティブに反応してしまう。普段ならフンッと鼻で笑うようなことでも深く考えてしまう。 僕の携帯電話に次々と着信される出会い系サイトの宣伝メール。これが非常に厄介。僕の携帯のアドレスは聞いた誰もが驚くほど簡単なので鬼のように送られてくる。日に50通は楽勝で越える。 でまあ、この勧誘メールってのが最近は特に巧妙で、「私のシャメです」とか「はじめまして!メールから始めましょう!」とか、一見するとサイトの広告ではなく普通のエロスなメスのメールを装ってやってくる。 でもまあ、「今メールが受信できないの、できたらコッチから返信してくれる?無料だから」とかURLが書いてあって、クリックするとモロに出会い系サイト。無料だからとか言われてるけど、規約をよく見てみると3ページ目くらいの目立たない場所に「1セット300ポイント30000円です」とか書いてやがる。暴利もいいところだ。ふざけるな。 普段元気な僕なら、こんなクソみたいな詐欺メールは無視、もしくはいかに面白く相手するか考えるのだけど、いかんせん弱ってるもんだから死にそうになる。 メールを受信すると、「メールだ!」と誰かが僕にメッセージをくれたと大喜び、小躍りしそうな勢いで受信メールを開くと出会い系サイトの詐欺メール。詐欺の匂いプンプンの腐臭を放つ詐欺メール。この心理的ダメージ、相当なもんだぜ。 そんなこんなで、メールが来るたびに「子猫ちゃんからメールだ!」と喜んでは詐欺メールでガックリするなんて日常を繰り返しております。 そんな折、こんなメールが僕の元に舞い込んでまいりました。 件名:★ついに大人気★ミ で、気になる内容を見てみるんですけど、そこには驚愕の事実が。 本文 すげーなー30000万人か! コレを見た瞬間、驚愕しましたね。もう腰が抜けるかと思った。気力がないとか言ってられない、今すぐ登録せねばって思ったね。だって会員数が30000万人ですよ、30000万人。3億人ですからね。日本中どころの騒ぎじゃない。 へ、下手したら金髪の外人とかいるんじゃないかな。ロシアとかいるのかな、と気が気じゃない状態。勢い余って登録するところだったぜ。 そんなこんなで、あまりにスリリングな出会い系サイトのメールに、冒頭で述べた虚脱感など忘れ、一人でエキサイトしていたのですが、そこに親父から着信が。 「わしやー。あのな、抜きにくいからカミソリ使ったんだけど、そしたら尻のヒダが切れたわ、がはははははは」 なんだろう、この虚脱感は。 ------------------------------------------ pato画伯が描くソウルフルなトップ絵を各サイトにプレゼントするこの企画。500万ヒット記念企画で募集したのに、一向に書く気配がないまま600万ヒットを越えてしまいました。 ということで、お待たせしました!誰も待っちゃいませんが、ついに書きましたので公表したいと思います。ただし、何でなのか知りませんが画伯の過去の作品を見たにも関わらず、トップ絵をほしがる自殺志願サイトが136サイト。 ということで、とてもじゃないが一気に紹介できませんので、数サイトずつ日替わりで紹介します。ということで、pato画伯のソウルフルなトップ絵、とくとお楽しみください。 作品No.53 サイト名「親指」 親指に贈るトップ絵 ロマン、それはトップ絵に欠かせない大切な要素だ。人はトップ絵にロマンを見る。膨大に広がるインターネットの世界、何かときな臭い話が多いけど、そもそも個人サイトにはロマンがあった。いや、浪漫と書くべきか。少年は素晴らしいサイトを見て自分もサイトを作ってウハウハだぜと夢見ていたし、サイト管理人は夢の提供者であったはずなのだ。そう、そんな古きよきインターネットの世界を取り戻すため、この方はトップ絵に浪漫を求めたに違いない。そんな意味合いを込めて、浪漫をふんだんに描いてみた。製作時間1分 作品No.55 サイト名「N.U.D.E._| ̄|○」 ごめん、何も浮かばなかった。製作時間5秒 作品No.56 サイト名「ザリガニ通信倶楽部」 確かに依頼者の意見は良く分かる。世の中には頼まれたトップ絵にマンコマークだけを書く不埒な輩が存在するようだ。何とも嘆かわしい限りだ。それを心配してか、依頼者は「マンコマークだけの絵はちょっと・・・」と申し訳なさそうに書いている。心配する必要はない、マンコマークだけの絵など私は書かない。ここで、「マンコマークの絵だけは」ではなく「マンコマークだけの絵は」になっているのに着目し、ソウルフルに描かせてもらった。製作時間4分。 ザリガニ通信倶楽部に贈るトップ絵 なんだか、長いこと日記サイトってもんをやってると、どうしても気分的に乗らないことってあるもんで、現在は何を書いても消し、何を書いても消し、3行以上の文章が書けなくなってしまっている。いわゆるスランプってやつかもしれない。いっちょ前に。 今までもまあ、何度かこういった状態に陥った事はあるのだけど、そのたびになんとか上手く誤魔化しながらやってきた。もうこのサイトを開設して2年と10ヶ月。もうすぐ3年目です。 そんなこんなで、もう何度目かも分からないくらい「書きたくない病」が勃発したので、今日は短めに日記を記します。 昨日の土曜日のことなのですが、7/31という夏真っ盛りの日程であったためか、全国各地でイベントやら祭が執り行われたようです。僕の住んでいる街も地元の一大イベントであるところの祭があったらしく、朝から大賑わい。みんな幸せそうに街を闊歩しておりました。 僕はまあ、そんなの関係なしに昼過ぎまで寝たり目覚めたらパチンコ行ったり、夜からネットラジオ放送をしたりとクソっぷりをいかんなく発揮していたわけです。 でまあ、ちょっと小腹が空いたのでコンビニに行ったのです。 コンビニの雑誌コーナーの一番隅っこに陣取り、エロ本やら人妻の不倫告白の本なんかを熱心に熟読していた時でした。 「あー。疲れたー!」 と浴衣ギャルが2人、店内へと入ってきたのです。時間的にも祭が終了したであろう時間。多分きっと、ナンパ目的かなんかで2人で祭に行ったのでしょうが、誰にお持ち帰りされることもなく失意のまま帰路に着いたのではないでしょうか。そんなテンションの低さが感じられました。 恥ずかしながら、エロ本に熱中時代だった僕はそんな浴衣ギャルの存在を最初は気にもしていませんでした。むしろ埼玉県在住の人妻小百合さん(36)が隣の家の夫婦と一緒にキャンプに行ったら隣のご主人の一物が水筒ぐらいあって我慢できなくて・・・こっそりテントに・・・。というテントでテントを張ったという不倫体験告白に夢中でした。 でまあ、告白を読み終わり、チロッと後ろを振り返ると、そこには途方もない光景が広がってたんですよね。 ちょっと前に、ミニ浴衣ってのが流行したことがあったじゃないですか。普通に浴衣なんですけど、丈がすげえ短くて、生足がモロンと出ているセクシーな浴衣なんですけど、あれを見た時は心底日本古来からの文化の崩壊を感じずにはいられませんでした。 しかし、コンビニに入ってきた2人のギャル。そんなミニ浴衣とは次元が違うレベルでの文化の崩壊っぷりを見せ付けていた。うん、振り返ってさ、やっぱ浴衣のギャルがいると目を奪われるじゃん。僕の後ろを通り過ぎた時にほのかに良い香りもしてたし、やっぱ気になるじゃん。 で、視界に入ってきた浴衣ギャルを、ズーッと足元の方から眺めていくんだけど、浴衣のクセに物凄いヒールの高い靴はいててな、なんか職人が作ったみたいなビーズ飾りの靴を履いてるんだよ。 でまあ、ずずずいと視線を上方にやっていくと、モロに生足で、すごい日に焼けた部族みたいな黒い足が飛び込んでくる。もうデフォルトでミニ浴衣みたい。 物凄い日焼けした肌に高いヒールのド派手な靴、そいでもってミニ浴衣とまあ、この時点で日本文化の崩壊を嘆かざるを得ないんだけど、そこからさらに上方に視線をずらすともっと凄かった。 なんか、浴衣がはだけるって表現で合ってるか知らないけど、ベロンパと浴衣がなってることってあるじゃん。ちょっと着崩れたみたいなさ。このギャル2人はもう着崩れたとか言うレベルのお話ではなくて、帯の部分までは普通に浴衣なんだけど、帯から上がもう裸なんだよね。 なんて言ったら良いのか分からないんだけど、賭場とかでサイコロを振る人みたいな感じかな。もしくは、桜吹雪の刺青を見せるときの遠山の金さん、あんな感じでモロンと上半身裸なのよ。浴衣ギャルが。 でまあ、今はまだ後姿しか見えてないわけなんですけど、もちろん上半身が完全に裸でオッパイもろってわけじゃなくて、上には水着が装着されているわけなんですけど、その水着がまたショッキングピンクの目に痛いヤツでさ。もう凄いわけよ。 こういうのが流行してるんだか、このお姉ちゃん2人がトチ狂ってるんだか知りませんけど、さすがにこれはもう浴衣じゃねえだろ、とか思うんですけど、やっぱ帯から下はミニ丈の浴衣なんですよね。 あまりにもセックスアピールが強く、日本文化のカケラも存在しないギャル2人の浴衣姿を呆然として見ていたわけなんですが、そうなってくると顔とか見たくなるじゃないですか。今は後姿だけで、髪型が金髪のソバージュっていうんですか?焼きソバみたいでテリーゴディーみたいなんですけど、やっぱ見たくなるじゃないですか。 で、レジの時のギャル二人の前に回って顔を確認したんですよ。 うん、すっげえブスだった。 ブスだね。うん、ブスっぽい。いやー、ブスだー。ややブス。とかそういう言葉が浮かんでこないレベルのブスで、「ブス」の二文字しか形容できないレベル。なんだろう、日に焼けて真っ黒で、物凄い岩石みたいな造作をしたブス。うん、彼女らが鼻に動物の骨とか突き刺してても全然違和感がないレベルだった。 そんな歴史に名を残しそうなブスが2人、ものすごいう日本文化を崩壊させた、上半身ビキニの水着なんていう途方もない浴衣姿をしているのを見て、さらにレジ後、出口に向かう彼女らが 「これからどうする?」 「ロータリーにさ、ナンパ待ちでもいく?」 と会話しているのを見て、なんだろう、強く生きるって大切なことだなあと思ったのでした。 書きたくない病だとか、スランプだとか言ってられない。あんなブスだって、奇抜でセクシーな浴衣姿をして頑張ってるんだ。なおかつナンパ待ちなんていうプリンセス天功もビックリのイリュージョンを見せてるんだ。僕だって、もうちょっと頑張っていいんじゃないかな?そう思ったのでした。 とりあえず、がんばろう。(ちなみに人妻の不倫告白を収録したエロ本は買いました) |
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