Numeri 2004-7月 7/29 あー夏休み 7/26 恋の始まりはライターで 7/23 最狂親父列伝-絆編- 7/20 タケトリメイズン 7/17 一回休み 7/16 スパゲッティが食べたくて 7/15 午前5時のミステリー -解答編- 7/13 午前5時のミステリー -出題編- 7/10 Happy Days 7/8 ハルク・ホーガンよ永遠に 7/6 ポスト恐怖症 7/5 ラジオの感想 7/2 楽しい科学実験室 2004 2003 2002 9月の日記はこちら 8月の日記はこちら 7月の日記はこちら 6月の日記はこちら 5月の日記はこちら 4月の日記はこちら 3月の日記はこちら 2月の日記はこちら 1月の日記はこちら 2001 12月の日記はこちら 10-11月の出来事はこちら |
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皆さんは夏の到来を何によって感じるでしょうか。 毎日とにかく暑い、セミの鳴き声がうるさい、子供達が元気に走り回っている、日が落ちるのが遅くなった、ふと夜空を見上げたら花火が上がっていた、子供達がラジオ体操に朝早くから借り出されていた、テレビ番組が急にアニメが増えた、海に行った、スイカを食べた、友達の美代ちゃんが部活の先輩と処女を捨てた、とまあ様々だと思います。 夏ってのはなんだかんだ言って特別な季節です。人々が浮かれ、社会全体が浮かれ、浜崎あゆみもライブをする、そんな季節なのです。開放的な気分にもなりますし、清純派の美代ちゃんだってちょっと冒険してひと夏の経験!ドキドキってな気分になるのです。 しかしながら、そうやって世間様が夏に浮かれているというのに、僕はというと何も夏らしいことをしていないことに気がつきました。海にも行かなければ花火も見ていない、世間とは対照的に全く持って夏に浮かれることがない。せいぜい車を運転しながらチューブの唄を口ずさむくらいです。 けれどもですね、何も夏を感じるのって花火やらスイカやら、そういった風物詩になりえるものだけじゃないんですよ。もっとね、身近なものに目を凝らしてみたって、「ああ、夏だな」と思える事柄は沢山あるんです。 出勤時、早朝からラジオ体操カードぶら下げ、眠いがあまり死んだ魚のような虚ろな目をして歩いている子供、コレを見るだけで「夏だなー」って思うことはできるのです。そう、僕らの身近には山ほどの「夏」が潜んでいるのです。 そんな僕の夏ライフの中で一押しは、「職場近くのコンビニでアルバイトする益子君を観察する」、コレに尽きます。これがもう、ビックリするくらい夏らしくて仕方ない。 僕の職場の近くにはコンビニがあり、そこに出勤時にコーヒー牛乳を買うのと昼休憩に昼飯を買うので2回立ち寄るんですけど、そこにこの夏から投入されたニューバイト益子君がとにかく熱いんです。 僕がこのコンビニに行くような時間は朝のシフトと昼のシフトに相当し、普段は生理の上がったようなオバハンや、見てるこっちが恥ずかしくなるような若作りなオバハンしかいないんですけど、夏休みなんでしょうね、見るからに高校生な益子君が急遽投入されたんですよ。 でまあ、この益子君がとにかく凄い。もう何が凄いって、その風貌がすごい。明らかに不良高校生としか見えなくて、耳にデヴィ夫人がつけそうなピアスとかついてますからね。で、茶髪で挑戦的な、尖ったナイフみたいな目をしてやがるんですよ。 普通はまあ、こんな輩はコンビニのバイトとして雇わない、それどころか高校生とか雇わないと思うんですけど、やっぱり夏休みなんですかね、店長も何をトチ狂った雇ってしまったみたいなんです。 もう店に行って益子君の姿を見るたびに、「おいおい、エラくろくでなしブルースなヤツがバイトしてんなあ」と思ったりし、夏の到来を感じずにいられなかったのです。 しかしながら、この益子君、ろくでなしブルースのくせにエラく真面目にはつらつとバイトをしておりました。ハキハキと「いらっしゃいませ!」と挨拶するし、テキパキと動く。客に敬語もちゃんと使えるし清掃とか陳列もすごく張り切ってやってるんです。 最初はね、こんな不良少年に務まるのか、とか思いましたよ。でもね、毎朝毎朝、頑張ってる益子君の姿を見ては、「うんうん不良少年が頑張って夏休みのバイトをする。いいじゃないの」と思えるようになってきたんです。 夜遊びとかしたいだろうに、ちゃんと早朝には起きてバイトに行く。それってば凄いことだと思うんです。もう、なんていうか、急遽作ったんだろうと思われる彼の名札、手書きで「ましこ」って平仮名で書かれた名札が輝いて見えたもの。 そんなこんなで、毎朝カフェラッテとか買いつつ益子君の姿を見て、「不良少年がコンビニバイトで更生する夏」というのを思い描いて清々しい気分になっていたのですが、最近ちょっとばかり異変が。 なんか、最初は益子君も張り切っていたらしく、凄く頑張っていたのですけど、日が経って慣れてくるに従って地が出始めたというか不良としてのモチベーションが上がってきたというか、どんどんと堕落してきたんですよね。 見るからに制服とか着乱れてきて、最初はカチッと着てたのに、今じゃやだらしなくルーズに着てたりする。 早起きしてハツラツと仕事していたのに、夜遊びでも始めたのか物凄い眠そうな顔でレジを打ってたりする。 茶髪でも身なりはキチンとしてたのに、今ではしげの秀一もビックリなくらいネグセがバリバリ伝説の時がある。 とまあ、物凄く分かりやすく堕落していったんですよ。もう見るに耐えないというか見てて面白いというか、とにかくそんな感じ。で、そんな益子君の堕落っぷりを観察するうちにですね、途方もない驚愕の事実に気がついてしまったのです。 いやね、彼は急遽バイトに入ったじゃないですか(たぶん)。夏休みを利用してやってるじゃないですか。だからね、店としてもちゃんとした名札を作ってなかったんですよ。さっきもちょっと触れたけど、画用紙みたいな紙切れにマジックで「ましこ」って書いた名札を胸の所につけてたわけ。 最初こそは輝いてましたよ。ハツラツと働く益子君。そのハツラツっぷりを代弁するかのように名札も輝いてた。「ましこ」の文字が燦然と輝き、頼もしさすら感じるほどだった。 でも、日を追うごとに堕落していく益子君。それに比例するかのように彼の身なりもクシャクシャに堕ちていく。そして、それはあの頼もしかった名札すら例外ではなかった。 元々、画用紙に手書きで「ましこ」と書かれていた彼の名札、それがシワクチャになってる。うん、「し」の部分が狙ったんじゃないの?ってくらいテクニカルに折れ曲がってて、うん、どっからどう見ても「まんこ」にしか見えないんだよね。 「まんこ」と書かれた名札をつけてダルそうに店内の掃除をする ろくでないブルース店員、益子君。彼のその堕落っぷりを象徴しているとしか思えない。 いやいや、そんな性器ネームをつけてバイトとか、新手のセクハラかな?とか思うのですけど、そういった高校生ならではの「最初は張り切ってたけど、そのうち堕落した」っていういい加減さに夏の到来を感じずにはいられないのです。 夏が到来し、夏休みがスタートしました。最初は皆さんも、7月中に宿題全部終らせる!お盆休みまでに仕事を片付ける!とか息巻いていたかもしれませんが、もうそろそろ堕落してくる時期です。益子君のようにならないように、十分に留意して夏をエンジョイしてください。 益子君の「まんこ」名札を見て感じる夏の到来、今年の夏は何かが違うぜ!と新たなムーブメントの到来を予感し、彼のセクハラ名札を見るのを毎朝楽しみにしてたのですが、どうもここ2,3日彼の姿を見かけません。変わりに真面目そうな大学生が入ってます。うん、なんか「まんこ君」バイトやめちゃったみたい。いくらなんでも堕落しすぎだ、それは。 patoさんこんにちは。Numeriキャラバン2004ではお世話になりました、覚えてますでしょうか?実は、今日はpatoさんにお礼を兼ねて報告があります。実はキャラバンで出会った○○さんと付き合っていたのですが、このたび結婚することになりました。出会いのキッカケを与えてくれたpatoさんとNumeriに感謝したいと思います。ありがとうございます。 このようなメールを頂きました。Numeriで出会って恋に落ち、そして結婚する。なんとも物凄い展開に動揺が隠せないのですが、とりあえずおめでとうございますと言いたいです。 それにしても、Numeriで出会った夫婦ってのも物凄いものがありますよね。何かアレでしょ、新婚生活とかNumeri一色で、旦那が仕事を終えて帰宅すると 「ただいまー」 「おかえりなさい、ダイナソー高志」 「おいおい、いい加減、ハンドルネームはやめてくれよ、芳江」 「そうだね、えへへ、メンゴメンゴ」 「うん、もう夫婦なんだしさ」 「じゃあ、あらためて・・・。お帰りなさいアナタ。お風呂にする?ご飯にする?それとも・・・」 「んー、そうだなあ。今日はこのまま・・・」 「あ、ちょっとまって、そういえばね。Numeriのpatoさんからメール来てたよ」 「またアイツかよ。で、なんだって?」 「うーん、メールすらも長文過ぎて訳分からなかったんだけど。要するに結婚おめでとうってことみたい」 「デカイ顔しやがって。アイツ、俺らが出会ったキッカケみたいに思っていい気になってるよな」 「あら、そんなことないわよ。いい人じゃない、わざわざメールくれて」 「おいおい、おまえ、やけにpatoの肩持つじゃねえか」 「そんなことないわよ」 「まさか、あいつと・・・!?」 「ないってば!」 「そういや、オマエ・・・アイツのファンでオフに来たんだよな」 「なにもないってば!」 「でも・・・」 「あんなキモイヤツ、考えるだけでじんましんが出る!私は高志が好き!だから結婚したんじゃない!」 「芳江・・・・」 「あんなキモイ変態の話はやめて!私は高志だけ!」 「芳江っ!」 「あんっ・・・」 「でるっ・・・!!」 「中に!中に!だしてーー!ダイナソー!」 とまあ、こんな夫婦生活が営まれているに違いありません。うん、誰か散弾銃持ってこい。 それにしてもまあ、以前にも書いたのですけど、恋のチャンスってのはどこに転がってるのか分かったものじゃないですね。こんな変態サイトのオフ会に来て恋に落ちたり人生の伴侶を見つけたりするんですから。 やっぱ、転がってる恋のチャンスを逃さないハンターの目って大切だと思います。何がどう転んでどうなるのか分かったもんじゃないんですから。 つい先日、こんなことがありました。 僕は仕事に行くのにバスを使うことがあるんですけど、ちょうどその日も停留所でバスを待ってたんです。 そこに小股のきれあがったナイスな女性がやって来ました。どうやら彼女も今からご出勤みたいで、バリッと高価そうなスーツに身を包んでおりました。 いい女だなあ、すげえナイスバディでセクシーだ。こういう女と寂れた旅館でしっぽりと身悶えるようにまぐわいたい。できることなら、アナルとか舐めて「腰が抜けちゃう」とか言わしめてみたい。そう考えてました。 しかしながら、今の僕と彼女の間柄は、停留所でバスを待つ他人同士。今すぐ日本沈没クラスの天変地異が来て、「仕方ない、子孫を残すしかない!さあ、脱いで!」ぐらいの状況じゃないと交われそうにない。現時点ではそういう状況なのです。 コレはチャンスだ。コレを逃してはならない。そう思いましたね。これは神が与えたもうた絶好の好機だ、コレを逃したら何のドラマも始まらない。なんとかせねば。とりあえず、何かきっかけを作り、お知り合いくらいにならねば。 与えられたチャンスを逃さず、ガッシリと両の手で鷲掴みにする、その姿勢が大事なのです。 何かキッカケはないものか。なんでもいいキッカケはないものか。早くしないとバスが来てしまう。どうしようどうしよう。キョロキョロと挙動不審に辺りを見回す僕。 美女は停留所に備え付けられたベンチにアンニュイに座っています。で、何かバッグをゴソゴソしだしたかと思うと、中からタバコを取り出してました。さすがナウな美女らしく、見たこともねーよーなデザインのシャレた銘柄のタバコで、これまた気だるくタバコを咥えているんです。 ええなー、タバコが似合うスタイリッシュな美女か。あのタバコのようにチンポ咥えて欲しい。とか悶々と考えてました。まあ、間違いなく今夜のオカズに使いそうな勢いで視姦してました。 すると、美女がおもむろにベンチから立ち上がり、僕のほうにやってくるではないですか。やばい、下劣な空想をし、頭の中で裸にひん剥いていることがバレたか!そう思いました。 「すいません、火かしてもらえますか?」 なんと、美女はライターを忘れてきたらしく、貸してくれと頼んできたのです。キッカケが欲しい、キッカケが欲しいと熱望していたのですが、まさか向こうから話しかけてくるとは。 このチャンスを逃したら一生後悔する、そう思いましたね。とにかく、どうドラマが展開するか分からないけどライターを貸して話しかける、これでいこうじゃないの。なるべく男前の顔でジェントルマンに渡す、で、気の効いた一言でも言えば大丈夫だろう。 ゴソゴソと各ポケットを漁り、必死で僕のライターを探しました。あれ、ないな・・・?どこやたっけな?あ!あったあった!よかったー! 「はい、いいですよ。どうぞ!」 物凄い男前な顔をし、なおかつジェントルマンにライターを差し出しました。 いや、ちょっと、なんですか、これ? いやね、ポケットまさぐって出てきたライターがコレなんですけど、なんでこんなクリーチャーな逸品が僕のポケットに入ってるのか分からない。男が笑顔でこんなライター差し出した日にゃ、間違いなく向こう側の世界の人間だと思われるじゃないですか。 ああ、そうか。そういやこのライター、先日のオフ会で飛び交ってたんだ。で、タバコ吸うのにライターがないからコレ使って火をつけて、忘れてそのままポケットに入れてしまった。そういうわけか。 と気付いた時には既に遅し。受け取った彼女は顔は硬直し、ワナワナといった擬態語が聞こえてきそうなほど小刻みに震えてました。出産直後の子牛みたいだった。 その彼女の表情を見て思いましたね。ああ、この恋、始まる前に終ったな。と。 結局、僕は恋のチャンスをモノにすることはできませんでした。うまくモノにし、幸せを掴んだNumeri夫妻には最大限の祝辞を述べると共に敬意を表したいと思います。 でまあ、出会うキッカケになった僕に感謝しろとは言わないからさ、あの、その、まあ、なんだ、夫婦の営み?あれをさ、動画にして僕に送ってください。したら、結婚祝いにライターを進呈しますんで。 とにかく、おめでとうございます。お二人さん。末永く幸せに。
7/23 最狂親父列伝-絆編- 怒りつつ、ブツブツと文句を言いつつ車を走らせる僕。ウチの近所はスラム街もビックリなほどのゴチャゴチャした路地になっていたのですが、その路地を慎重に走ります。車の車幅と路地の広さがほとんど同じくらいという熾烈な条件でのドライビングは初心者の僕には厳しく、何度か肝を冷やしながらジリジリと進んだものでした。 「ったく、あの酔っ払いは、なんでいちいち迎えに行かなきゃいけねえんだよ。タクシー呼べ、タクシーを」 などと、怒りを再燃させたその時でした。 ガリガリガリガリ 機械的なサウンドが車の左側から聞こえてくるんです。なんか何かを抉り取るような、むしろ僕の心を抉り取るような不愉快極まりないサウンドが凄い勢いで聞こえてくるのです。 即座に車を停車し、降りて様子を見ると、そこには我が目を疑う光景が広がっていました。うん、思いっきり車のボデーが電柱にめり込んでた。こすちゃった!ちょっとぶつけちゃった!といったレベルのお茶目なものではなく、完全に電柱が車体にめり込んでた。挿入くらいのレベルやった。 あわわわわわわ、やばい、やばすぎる。寝ぼけていた頭が覚醒し、それと同時に血の気が引くのが分かりましたね。ヤバい、下手したら殺されると。 ウチは軽自動車しか持ってなかったんですけど、何をトチ狂ったのか親父が急に普通車を買ったんですよ。まあ、どうしようもない安いファミリーカーで、晩年は、バリバリのファミリーカーのクセに峠の走り屋と化した僕の手によって天に召されたのですが、当時は買いたてホヤホヤのバリッバリの新車だったんです。 殺される、殺される。この車が届いた日、親父と母さんは心底笑顔だった。ずっとずっと軽自動車や軽トラばかり乗っていた我が家。普通車を買うのは念願だった。普通車特有の白いナンバープレートは間違いなく富める者の象徴だったし、目標だった。そして、ついに我が家はソレを手に入れた。両の手でそれを鷲掴みにした。さぞかし幸せだったに違いない。 そんな我が家の幸福の象徴とも言える車を、瞬殺といっても過言でない勢いでベコベコにした僕。あーあ、ドアがベコベコ、塗装が剥げて地肌みたいなのが見えてるよ。こりゃ、ダメかもわからんね。 とりあえず、後のことを考えると恐怖のあまり失禁とか脱糞とかしそうになるので考えないことにして、親父の待つ飲み屋へと車を走らせます。 でまあ、かろうじて電話では「駅前のせっちゃんでのんでる」という部分が聞き取れたので、駅前にある「せっちゃん」という名前のスナックか何か飲んでるんだろうと推測。駅に向かって車を走らせました。 しかしここで大問題発生。駅に到着し、それっぽい場所や周辺をくまなく探したのですが、「せっちゃん」という名前のスナックがカケラも存在しない。そのものズバリの店名どころか、それに似たような店なんかもあ皆無。全く持って見つからない。 当時は携帯電話なんて普及していない時代でした。ですから、親父と連絡とりようがありませんので、何処の店にいるかなんて皆目わからない。 「くそっ!あのクサレ親父め!どこにいるかわからねえじゃねえか!オマケに車ぶつけるしよー」 とまあ、ハンドルを握りながらご立腹。なんとか冷静さを取り戻して交番に駆け込み、スナックせっちゃんを探してもらいました。 でまあ、全然駅前じゃなく、むしろ駅から数キロ離れた場所にスナックせっちゃんがあったので、とりあえずそこに向かうことに。またもやブツブツ言いながら車を走らせました。 スナックせっちゃんは、港の近くの寂れた裏路地にありました。怪しい紫色の看板が並び、明らかに入りにくい雰囲気を醸しだしたスナックが軒を連ねる場所に佇んでいました。 「スナック せっちゃん」 何を食って育ったらこんなセンスになるのか知りませんけど、オドロオドロしいフォントで書かれた看板は電球が切れ掛かっていて怪しさを一層のこと醸し出していました。 チョコレートみたいな重厚なドアを開け、ゆっくりと中に入ります。 そこにはまあ、酔いつぶれたウチのクサレ親父が寝ていたのですけど、皆さんは酔いつぶれるってどういうのを想像しますか。それは、カウンターみたいな所で突っ伏して寝てたりとか、座敷やソファーでグロンと横になってるとか、ゲロ吐きに行ったままトイレから帰ってこないとか、そういうのを想像するかと思います。けれどもな、ウチの親父はそれらを軽く超越してた。 うん、寝てるには寝てたんだけど、床って言うの通路って言うの?タイルの貼られた冷たい場所に寝てた。それもグデーンという感じじゃなくて、死んでる人みたいに健やかに、まるで買って来たばかりのダッチワイフみたいに天を仰いで寝てた。 普通に客がいて、サラリーマンとかカウンターとかでママと話をしながら飲んでるのに、そんなのとは別次元で、床に寝転がるオッサン一人。死んだ人みたいに胸の所で両の手を組んでたからな。神々しくすらあったよ。この人の息子だとは思いたくないけど。 店のママに謝り、金を払い、親父を起こして帰らせます。親父はたいそう上機嫌で 「おうおう、フィリピンパブ、フィリピインパブ!」 とか、知能ゼロ丸出しなことを喚いていたのですけど、なんとか抱えるようにして店の外に連れ出しました。 「息子が迎えに来たー、わはははいはい」 とか、終始、殺したくなるようなことを叫んでましたが、とりあえずこの世のものとは思えないほど酒臭かったのを覚えています。 ウチの親父はキチガイでバカで明らかに狂ってるんですけど、酔うとさらにそのパワーが上がるらしく。 「なんらあ、この車わああああ」 とか漆黒の夜の街で叫びながら、違法駐車してある車をガンガンと蹴ったくってました。どういう無法者なのか知りませんけど、見ず知らずの人の車が凹むくらい蹴ってました。 通報されて親子で逮捕!とかマジで勘弁なので、早々に親父を車に押し込み、家へと帰ります。車内で親父は、「気持ち悪い」と急に借りてきた猫のようになり、ゲロゲロと助手席に悪霊みたいなものを吐き出してました。すげえ酸っぱい匂いが車内に充満して、もらいゲロしそうになった。 息子に飲み屋に迎えに来てもらう。それがウチの親父の望みだったようです。でも実際にその望みが叶ったと思ったら、念願の思いで買った車はガリガリにされるわ、車内はゲロまみれになるわ。ご本人はあまり分かってないみたいですが、考えうる限りでかなり悲惨な状態になってます。 次の日、「おい!車がメチャクチャじゃないか!」と怒る親父に対して、「ゲロは自分で吐いたんでしょ、左側の傷も、店出た時に自分で蹴ったくってたよ」と言いましたところ、なんとも淋しそうなやるせない顔をしてました。 親父が望む、息子の将来。それが息子に対する期待の押し付けになっては良くないですが、子供を育てにくいと言われる昨今、子育てをしたご褒美として望むのもいいのではないでしょうか。世の息子さんや娘さんも両親の願いを叶えてあげてください。 ちなみに僕は、息子が産まれ、大きくなったら、一緒に日記サイトやりたい。
7/20 タケトリメイズン 土曜日の朝っぱらから意味不明に怪しげな薬品やら豆乳やらをかき混ぜ、一人でウヒウヒしてました。まあ、何をやっていたかと言いますと、ほら、その、あれ、ねえ・・・。 7/2の日記「楽しい科学実験室」で僕は爽健美茶ブルーなる奇妙奇天烈な飲み物を作成しました。 これがまた薬品をテンコ盛りに使っていて、500mlのペットボトル分だけで人間を2,30人くらい殺せそうな代物なんですが、これが一部では大好評でしてね、続編をやろうとしていたんです。 でまあ、ペプシブルー、爽健美茶ブルー、ときたなら次は豆腐ブルーだろ!と意味不明な天の啓示が御座いまして、朝っぱらから豆乳かき混ぜて豆腐を作ってたんですよ。 でまあ、その過程で色々な物を添加し、最初はナチュラルな原料で豆腐を綺麗な青色にしようとしていたのですが、どうにもこうにも綺麗な色が出ない。こうなってくると僕は止まらないもので、モリモリと薬品を入れだします。 でまあ、また殺傷能力の高そうな豆腐が出来上がりつつあったのですが、その、ええ、まあ、なんていうんですかね・・・。早い話がですね、作成途中でとある薬品を床にこぼしちゃったんですよ。ええ、はい。 したらさ、ブシャー!とかいってフローリングの床が溶けちゃって。ええ、はい、もう、聖水かけられた悪魔みたいに溶けちゃいましてね。敷金が帰ってこなくなるー!とか異臭がするー!とか大パニックですよ。 ということで、見事、豆腐ブルーの製作は失敗。床が溶けてかなり落ち込んでますので今日の日記は手抜きでご勘弁。しかも明日からオフのために大阪に行きますので、もしかしたら更新あるかもですが、ないかもです。 ということで、一回休み! まあ、最近は一回休みどころじゃなくて、日記が飛び飛びなんですけど。それにしても床、どうしようかなあ・・・。 僕はただ、スパゲッティが食べたかった。それだけだった。 僕のアパートから徒歩3分くらいのところに、僕の行きつけのセブンイレブンがある。朝に一回、夕方に一回、夜に一回、深夜に一回、日に4度もヘビーローテーションで使い続けるコンビニだ。たぶん、店員にはモロに顔を覚えられていて、エロ本大王などと僕が聞いたら深く傷つくようなあだ名をつけられているに違いない。 そのコンビニに行く途中、丁度大きめの道路を横断するための信号の場所になるんだけど、そこにオシャレなスパゲッティ屋がある。もう見るからにオシャレというかシャレオというか、現代風の佇まいで、おいそれと敷居をまたぐことが許されない店構えだ。 僕はオシャレなものが蛇に睨まれたカエル以上に怖い。たまに服屋なんかに行くと店員さんが無尽蔵にオシャレに見えて怖いから、いつもビクビク逃げ回っている。それもジャスコレベルでそうだ。それほどにオシャレが怖い。 だから、いつもビクビクしながらそのスパゲッティ店の前を通っている。コンビニに行くにはその店の前は通らねばならない。微妙に足早になり、意識的に視界に入らないよう、もしくは存在する認知しないようにビクビクと通り過ぎる。オシャレな店だけはどうしても避けたいのだ。 普通、客が入りやすいように店の入口は通りに面した場所に設置しがちだが、オシャレなこの店は違う。入口は店の裏手側にあり、通りに面した場所は丸々客席が見えるようになっている。壁一面がガラスみたいな構造で、とにかく見通しがいい。逆を言えば、客がスパゲッティを食いながら通りを見通せるようになっているのだ。 いつもは意識しないように通っているのだけど、たまにふとそのスパゲッティ店を見てしまうことがある。見まい見まいと思うがあまり見てしまうというか、怖いもの見たさで見てしまうというか、とにかく見てしまうことがある。 店の中は僕の予想以上に物凄くて、オシャレなツボみたいなのとか意味不明の絵とか飾ってあって、これでもかってくらいにオシャレ。店員も妙におしゃれな服装で、もう我が物顔でスパゲッティとか運んでるの。食ってる客もオシャレカップルで、たかがスパゲッティー食うだけなのにデパートに行くみたいなオシャレしてんのな。 もうさ、通りを歩いている僕と店内を隔てる物はガラスだけ何だけど、まるで海の向こうみたいに遠くて遠くて、明らかに住む世界が違うなって思うの。うん、コンビニの行き帰り、目に付く度にそんな気持ちで眺めてた。 分かってた。自分とは世界が違うって十分に分かってた。間違っても足を踏み入れちゃいけない場所だって分かってたし、そこでスパゲッティーを食べるなんて考えもしなかった。この世は所詮身分差別の激しい階級社会。身分と身分のパワーゲーム。どんなに人間は平等だって言ってもそれはまやかしで、歴然としか差別が数多く存在する。そう、ここでは、オシャレとそうでない者の差別、それが歴然と存在している。 確かに、大っぴらに店に入るなとは言わないだろう。お前のような卑しい身分の非オシャレは入るなとは言わないだろう。けれども、僕のようなウンコのカス以上にカスな人間が入ろうものなら、店員、客の視線が一斉に注がれ、無言の圧力に押しつぶされてしまうことだろう。うん、きっとそうに違いない。所詮この世は差別だらけなんだ。 だから、僕は場違いにもその店に入ろうだなんて思わなかったし、スパゲッティを食べようとも思わなかった。そう、自分の身分は分かってるつもりだったのだ。 しかし、先日の夜のことだった。 いつものようにコンビニで買い物を終え、トボトボと歩いてアパートに帰る時のことだった。袋をぶら下げ、小さい声で大塚愛のHappyDaysを唄いながら帰路に着く。ふと信号で止まり、視線を上げたその瞬間だった。 目の前に飛び込んできたのは眩いばかりの光を放つスパゲッティ屋。辺りが暗く、ここだけ煌々と明かりが灯っていた。で、通りから見える側面は全てガラス張りなので、その光も鬼のように漏れてくる。 誘蛾灯に誘われるクソ虫のごとく、しばらくその光に見惚れていると、楽しそうにスパゲッティを食べるカップルの姿が見えてきた。みな、オシャレで幸せそうな笑顔で、美味しそうに食べている。 光の中のカップル達はこの世の物とは思えないくらい楽しそうで、その外で暗闇の中佇む僕が急に哀れに思えるようになってきた。店の光によって伸びた僕の影が悲しげで、それだけで泣きそうになった。 カップルは眩い光の中でオシャレで身奇麗に食事、半面僕は変なジャージを着て手にはコンビニ袋。ジャージなんて紐が固結びになってて解けなくてシッカリと止められない。ポッケに入れた財布の重みでズリズリとズレ落ちた状態。半ケツに近いからな。で、コンビニ袋の中には「別冊 本当にあったHな話」というエロマンガ雑誌が入っている体たらくぶり。もう落差とかそういった次元のお話ではない。 なんか、戦後の日本の、優雅な米兵に憧れる貧しい少年みたい。トランペットに憧れてガラスに張り付く黒人少年みたいで、急に悔しくなった。急に口惜しくなった。 食ったろうじゃねえか、ああ、食ったろうじゃねえか。そう思いましたね。いつもガラス越しに見ていたオシャレなスパゲッティ屋、僕もココで食べてやると。 早速、入口のある店の裏手に回り、早まる鼓動を抑えながら入口に向かいました。開き直ったとはいえ、ずり落ちて半ケツに近い状態のジャージと意味不明に「裸」と書かれたTシャツを着て入店するのは勇気が要ります。おまけに手にはコンビニ袋、エロ本がシースルーで見えてるしな。 恐怖から来る緊張を誤魔化すため、あまり関係なさそうなことを思い浮かべながら歩を進める。機関車トーマスはよくよく考えると、機関車に生々しい顔がついてて不気味だ、などと考えながら進む。 ウィーン! オシャレでポップな自動ドアが開く。すかさず出迎える洗練された店員。 「お一人様ですか?」 「はい」 見渡すと、こういう店に一人で来てる客などいない。まあ、定食屋じゃあるまいし、一人では来ないわなあ、などと「ひとりDEデート」などにチャレンジしたことを思い出して少し懐かしい気分に。 なんだ、怖い怖いと思っていたけど普通じゃないか。オシャレなスパゲッティ屋、入ってみるとなんてことないじゃないか。親切に席に案内してくれるし、誰も半ケツに近いジャージを笑うわけでもない。 席に座り、隣の椅子に置いたコンビニ袋からエロ本がこぼれ落ちそうになって慌てて仕舞い込むのだけど、ハッキリいいって楽勝。こりゃあ、普通に食べて帰れるな。というか、この店の常連になっちゃおうかなー。とか考えてたその瞬間でした。 「ねえ・・・(ヒソヒソ)・・・あの格好・・・(ヒソヒソ)」 と、隣のテーブルに座っていたギャル2人が。なんかセクシャルな服装で、二の腕とかタプンタプン、乳なんかこぼれ落ちそうでぺロッとめくったらエライことになりそうな服を着た2人組みでした。もう全身クリトリスとか性の解放区とか、そういう言葉がピッタリなくらいセクシーセクシーだったのですが、そいつらが僕の異様なファッションを見てヒソヒソやってるんですよ。 バッキャロウ、服なんてなチンコと乳首が隠せればいいんだよ。あんまうるさいとお前ら、俺はレイプも辞さない構えだぜ?とまあ、すっかり強気になっていた僕はそう思っていました。しかし、この後にとんでもない魔物が潜んでいた。 「ご注文は?」 颯爽と訊ねてくる今風の店員。イキナリの攻撃に動揺を隠せなかった僕は、とりあえず一番安いものを食べようと 「えっと、あの、その、スパゲッティください!」 とメニューも見ずに注文していました。 で、それを聞いていたアバンギャルドなギャル2人 「ぷっ!スパゲッティだって!いつの時代だよ!」 とまあ、箸が転げても橋が転げても可笑しいといった年頃の娘さんのようにカラカラと笑っておりました。 うん、メニュー見ると全部「パスタ」なのな。最近のヤングはナウにパスタって言うのな。「シェフの気まぐれ洋風パスタ」とかなのな。顔から火が出るほど恥ずかしかったわ。 結局、失意のまま、味なんて分からないままパスタをかっ込み、半泣きになりながら店を後にしました。しかも半ケツ。二度と来るか、と思いつつ。 ガラスの向こうは夢の国。憧れのオシャレの国。そこに安易に足を踏み入れてはいけないのです。憧れは憧れのままが一番。分不相応なことはしてはいけないのです。 これからもずっと、コンビニに行くたび、トランペットに憧れる黒人少年の如く、ガラスの向こうの華やかなパスタ屋を覗いていようと思います。もちろん半ケツで。 7/15 午前5時のミステリー -解答編- 先日の「出題編」の解答です。まだ読んでない方は出題編の方から先にお読みください。 おかしい・・・。何かがおかしい。交差点内に放置される大破した乗用車。運転手もいなければ周りに人っ子一人いない。ただ朝の静寂だけが辺りを包んでいた。 ざっと考えるだけで不可解な点は山のようにある。「どうして大破した車が放置されているのか」「運転手は何処に消えたのか」そして「この車は何にぶち当たって大破したのか」、謎が謎を呼び、僕の好奇心はジョルジョルとくすぐられた。この謎を解いてみせる!じっちゃんの名に賭けて! とりあえず、通りはしないけど他の車の邪魔にならないように破片を拾って集める僕。そこで、一つ重大な事実に気がつきました。 あれ?ランプの破片が落ちてる。 そうなのです。オレンジ色の、方向指示器の部分のランプの破片が幾つか道路上に転がっていました。よくよく大破している車を見てみると、確かに車の前方は壊れていますが、方向指示器の部分は割れていないのです。 ライトと方向指示器が一体となった感じの車ですから、ベローンとライトごと外れて痛々しい姿を見せていますが、方向指示器の部分は割れていない。なのに、現場にはオレンジ色の破片が・・・。これはつまり・・・。 なんて推理に頭を働かせているその瞬間でした。 ダダダダダダダダダダ! 遠方から物凄い勢いで走ってくる男がひとり。作業服姿にネグセだらけの頭。おまけに少しばかり右足を引きずりながら汗だくになって走っています。これがまた凄い勢いで現場に向かってくる。 なんだなんだ。とあまりの展開の早さに戸惑いながら、現場に接近してきてどんどんと姿が大きくなってくる彼を見つめていました。もしかしたら事故関係者かもしれない。もしかしたら姿をくらましていた運転手かもしれない。 彼は右足を引きずりながら懸命に走っています。で、心配そうに彼を見つめる僕の横をまるで気付かなかったかのように素通りし、大破して放置されていた車の助手席に乗り込みました。 ほう、なるほど。ということは彼が運転手かと思い、少しばかり安心するのですが、そのただならぬ雰囲気に僕は少々ブルってしまったのでした。普通に考えて、僕を素通りして運転席に乗り込むとか考えられない。おまけに彼、少し狂ったように車検証やらの書類を運転席で出してしまい、出してはしまいしてるのです。なんというか、雰囲気が異様すぎる。 でもまあ、これで彼に話を聞けば謎は解けるというものです。一体どうして車が大破したのか、どうして現場から姿を消していたのか。早朝の交差点に放置された車の謎が解けるのです。ちょっとキチガイっぽい人で怖かったのですが、謎を解くべく、勇気を出して話しかけました。 「あの・・・大丈夫ですか?」 僕の問いかけに対し、ガサッと小動物のように振り返ってマジマジと僕を見つめる運転手。しばらく時が止まり、僕と運転手が見つめあう時間が続きます。怖い、怖すぎる。何だこの人、明らかに目がイッちゃってるじゃないか。もしかして僕は関わってはならないものに関わってしまったのか?とドキドキしていると。 「あああああああああぁぁああああぁぁぁあああああ!!」 と物凄い勢いで雄叫びを上げるキチガイ。突如の出来事にビックリした僕は二歩ほど後ろに下がってしまいました。 それからキチガイは運転席から飛び出し、僕を押しのけて交差点の真ん中に行くと、左右をマジマジと見た後にまた、 「うけええええええええええええぇぇぇぇえええええええええ!!」 と雄叫びを上げました。で、ガックリとうなだれ、交差点の真ん中で膝と手をついてこの世の終わりみたいな状態になってました。もう、何が起こったのか理解不能。間違いなくこの人は狂ってる人で、触れてはならない領域に手を出してしまったと思いました。 「まあまあ、落ち着いて、何があったんですか?」 凄くジェントルマンに彼に問いかけました。すると、彼はつたない言語ですが切々と状況を語ってくれたのです。 近くの工場に勤務する彼は、三交代勤務の早朝の部担当で5時までに出社せねばなりませんでした。時間は5時前、急いでいかねば遅刻します。遅刻だけは上司に死ぬほど怒られますので急がねばなりません。自然とアクセルを踏む力も強くなります。 問題の交差点にさしかかった時でした。黄色の点滅信号だった彼の方はそのまま交差点に侵入。しかし、赤点滅信号であるはずの右側から軽トラックが飛び出してきたそうです。 スピードを出していた彼は避けられませんでした。そのまま車は軽トラの後部、荷台部分に衝突したそうです。で、スピンしつつ彼の車は前方が大破。相手の軽トラも荷台部分がベコベコに凹んでいたそうです。 とりあえず、相手の軽トラ運転手と話し合いを持とうとした彼、間違いなく赤点滅信号なのに確認もなく出てくる軽トラの方が悪いですから、彼は余裕だったようです。 しかし、彼も追い詰められた状況でした。工場に遅刻だけはしてはならない。たとえ事故とはいえ、無断で遅刻などご法度。とりあえず上司に事故に遭ったので遅れる旨を連絡しようと思ったようです。 「すいません。僕そこの工場で働いてるんです。で、上司に遅刻するって伝えてきますので、ちょっとここで待っててください」 そう軽トラ運転手に告げ、工場に向けて走り出す彼。で、上司に報告急いで帰ってきたようなのです。 で、最初は僕のことを相手の軽トラ運転手と思い違いしていたみたいなのです。帰ってきて、誰か一人の男がいる。そんな事はどうでもいい、とにかく事故処理の準備を・・・とやっていたら話しかけられた。なんだよー、オメエが飛び出してくるからいけないんだらーとマジマジと僕の顔を見ると・・・ 何かが違う! 雄叫びを上げた彼は交差点の中央に行き、辺りを見回します。ない、何処にもない!相手の軽トラがない!ここでまた雄叫びですよ。まあ結局、逃げられちゃったみたいなんですよね。相手の軽トラに見事にトンズラかまされたみたいなんです。 優先度の低い方から飛び出した軽トラ、そこで事故。あちゃー、こりゃあコッチが悪いわ、過失割合的にも不利だなー、とか思ってたら、相手が工場に行くとか走って消えてしまう。まてよ?と考えたはずです。おれ、連絡先も身分証明もなにもしてない。あのバカそうな青年だ、ナンバーも覚えてなさそう。今逃げてもバレないんじゃ?うんうん、バレねえよ。そう思い、脱兎の如く軽トラは逃げたに違いありません。幸い、ぶつけられたのは後部だったから自走可能だったのでしょうね。 で、現場には大破した黒い車が残され、そこに誰もいない状態が作り出された。そこを僕が通りがかったという按配です。謎は全て解けた!ってなもんですよ。 「あの、ここに軽トラとかいませんでした?」 泣きそうな顔で僕に言う運転手。あいにく、僕が来た時には軽トラの姿などなく、壊れた車が一台ポツンと投げ出してあるだけでした。っていうか、明らかに相手が悪いのに、連絡先も何も確認せず現場を離れる。しかもナンバーすら覚えない。これじゃあ誰だって逃げると思います。というか、彼はバカなんじゃないだろうか。 「あの・・・?とにかく警察は呼びましたか?」 「いえまだです。とりあえず上司に報告しないと怖いので」 うん、この人やっぱバカだわ。 「はやく警察呼んだ方がいいですよ」 「ですね、携帯電話貸してもらえますか?」 うん、この人やっぱバカだわ。 しょうがないので携帯電話を取り出し、僕が110番してあげます。で、どうも事故して当て逃げされたっぽいことを伝え、現場の場所を伝えようとしたその瞬間でした。 ブツッ! ナイスタイミングで充電が切れる僕の携帯。これからという時にタイミングよく切れました。 「すいません、僕の携帯、充電が切れちゃいました」 必死で破片を集めているバカにそう告げると。 「そうですか、あとは場所伝えるだけですよね。じゃ」 と、自分のポッケから携帯電話を取り出して110番し始めるバカ。おいおい、お前携帯電話持ってるじゃねえか。最初からテメーで110番しろよ。というか、持ってるなら携帯で上司に連絡すれば良かったんじゃねえか?わざわざ現場を離れて走っていくこともなければ、逃げられることもなかった。やっぱこの人、バカだわ。 警察が到着するのを待つ、僕とバカ。どうも事故した時に足を怪我したのか、彼は足を引きずっています。「大丈夫ですか?」との僕の問いかけに「大丈夫大丈夫」と答える彼。明らかに怪我してるのに、どうして事故直後の人って強がる傾向にあるんだろう。 なんて思っていると、そこに彼の上司が登場。彼が死ぬほど恐れ、わざわざランニングで報告しに行った上司が登場。これがまた見るからに怖そうな上司で、マッスルボディーにパンチパーマ、見るからにろくでなしブルースみたいないでたちでした。 で、いきなりこの上司、バカな彼に説教始めるわけですよ。 「いつもいってるだろ。ギリギリに出勤してくるからこうなるんだって。もっと余裕持って出勤して来いって言ってるだろ!」 とか、バリバリ説教トークですよ。すげえ雰囲気が悪い悪い。というか、何で僕はこんなことにいるんだろう・・・?とか疑問に思っていたら、颯爽とパトカーが到着しました。 で、手際よく「事故処理中」とかの表示を出し、手際よく現場写真とかバシャバシャと撮影していました。で、バカの彼に事情聴取開始ですよ。 「で、事故の状況は?」 「いや・・・あの・・・その・・・事故して遅刻報告で、戻ったらいなくて・・・」 さっぱり要領を得ないバカ。もう支離滅裂で何を言ってるのか分からない。警察の人も困惑顔。仕方ないので、僕が間に入って状況説明をしてあげます。 「ですからね、報告しに行って、帰ってきたら相手の軽トラが逃げてたんですよ」 「ふーん、で?アナタはどんな関係?逃げた軽トラ?」 バカか!俺が逃げた軽トラだったら今頃家で布団かぶってブルブル震えてるわ。こんなところで状況説明してるわけないだろ。この警官もバカなんじゃないだろうか。 「いやいや、第一発見者です。僕が来たときはもう軽トラが逃げた後で車だけがポツンと残されてて・・・」 と説明しました。したら、警官の人もやっと状況が飲み込めたみたいで、唯一逃げた軽トラを見ているバカ運転手に事情聴取を再開します。 「逃げた軽トラ、どんな軽トラでした?」 「いや、もう、すっごい軽トラな感じの軽トラでした」 やっぱこの人、性根の入ったバカなんじゃないだろうか。 「軽トラの運転手と話したんですよね、どんな人物でした?」 「中年のおじさんでしたね」 「中年と。どんな感じの人でしたか?人相とか服装とか」 「もうとにかく、オッサンって感じのオッサンでした」 おいおい、そんなんで逃げた犯人が見つかったら世話ないぜ。やっぱこの人、おかしいわ。 ちょっと遠くで彼の上司とタバコを吸いながら僕と彼のバカ上司。「あの人、いつもあんなんですか?」と僕が問いかけると「そうなんよ、困ってるんだよね、俺も」と微笑ましい会話が交わされたりしたのでした。 で、僕も警察に事情聴取され、最初の方に発見したオレンジ色の破片などの話をして、仕事に遅刻しそうになったので現場を離れました。なんか警察さんは真剣に逃げた相手を探す気はなさそうな印象でした。まあ、死亡事故じゃねえし、そんなに真剣にならないのかもしれませんね。 早朝の交差点に放置された一台の車の謎。その解答は、事故によるあて逃げでした。どんな謎でもこの俺が解いてやる!じっちゃんの名に賭けて!と思ったのですが、よくよく考えたら僕も何一つ謎を解いていないことに気がつきました。 その日、異常に早起きした僕は朝もやの中を仕事場に向けて車を走らせていた。大して好きな仕事でもなかった。そこまで情熱をかける仕事でもなかった。けれども起きてしまったものは仕方ない。出勤時間より大幅に早く車を走らせていた。 どこ薄暗く、それでいてどこか明るい。まるで空気が澄んでいるかのように清々しい通勤経路は、普段のソレとは大幅に違う。なんとなく心踊る気分にさせてくれるのだった。 早起きは三文の得とはよく言ったもので、それだけで爽やかな気分にさせてくれる。心なしかアクセルの踏み込みも強くなり、スピードが早くなるが気にしない。こんな早朝だ、他に車もいなければ信号も全部点滅信号、パトカーだっていやしないんだから。 いつもの道路をいつも以上の速度で駆け抜け、まっしぐらに職場を目指す。見通しの良い直線道路、左右は畑のみ。ふと前方を見ると、はるか1キロほど先だろうか、どうにも理解できない光景が広がっていた。 最初こそは、あれれ何か辺だな?と思う程度だったが、猛スピードで接近するにつれてその光景は徐々にハッキリと見えてくる。おかしい、何かがおかしい。 前方の交差点には、とてもじゃないが理解しがたい光景が広がっていた。なんか、交差点のど真ん中に黒っぽい車が止まり、ピクリとも動いていないのだ。1キロ先から見えていた時から微動だにせず止まっていることを考えると、もう数分は交差点のど真ん中に車が止まっていることになる。 おかしい。なんであんな場所に車が、それもずっと止まってるのだろうか。いくら早朝で車通りがほとんどない時間帯だといってもおかしい気がする。 警戒心を強めながら、スピードを緩めて問題の交差点を通過する。やはり交差点の真ん中には微動だにせず黒い車が止まっている。一体なんだろう?そう怪訝に思いながら、ゆっくりと車の左側を通過する。そこで衝撃が走った。 ずっと見えていたのは止まっている車の後ろ部分だったのだけど、前に回ってみてビックリ。車の前方部がグシャグシャに潰れているのだ。もう車の跡形もないといったレベルで大破しており、あたりにライトやらバンパーだの部品が散乱。おまけに変な液体がベチョベチョと流れ落ちていた。 こ、こりゃあ事故や!きっと事故や! こういうこと言っていいのかどうか分かりませんけど、僕は大変興奮しました。ここに置いてある車は明らかに事故によって交差点に横たわっています。しかも、警察やら野次馬の姿が皆無ということから考えて、おそらく発生直後。僕が第一発見者である可能性が高いのです。 しかも、普通なら事故車の横に運転手なり何なりが立っていて「参っちゃうなあ」といった味のある表情を見せてくれたりするものなのですが、それもない。もしかしたら、瀕死の状態の運転手がいまだ運転席で気を失っているかもしれません。 こ、こりゃあ、早く助けねば! 早速、路肩に自分の車を停めた僕。慎重に左右を確認してから事故車に近づきます。僕は第一発見者として運転手を救う義務がある、大丈夫任せろ、俺に任せておけ、もう安心だ。 「大丈夫ですか!?」 スモークが貼られた運転手側のドアを勢いよく開け、そう呼びかけました。ハッキリ言って、この時の僕は大変男前だったと思います。ムチャクチャカッコよかったと思います。 しかしながら、運転席はもぬけのから。車内に誰もおらず鍵は挿したままでした。 おかしい。何かが明らかにおかしい。言い知れぬ恐怖が僕を襲いました。 早朝、誰も人通りのない農道。信号だってまだ点滅信号なローカルな交差点の真ん中に一台の大破した車。おまけにその中にも周囲にも運転していたであろう人はいないのです。一体何が起こったのか。まさにミステリー。 呆然と立ち尽くす僕。とりあえず、誰もいないんじゃ話にならないのでそのまま帰ろうかとも思ったのですが、この早朝のミステリーに興味津々だった僕。とりあえず事の成り行きを見守ろうとその場で待つことにしました。 で、他の車が来た時に交通の邪魔にならないよう、交差点内に散乱した車の破片を拾い集めます。しかしながら、その破片を拾い集めながらある事実に気がついてしまったのです。 この車、どこにぶつかったんだろう? 見るも無残に大破している車です。かなりのスピードでどこかに衝突し、そのまま大破したのは一目で分かります。しかしながら、その衝突した物がどこにもないのです。 前述したとおり、見通しのよい農道の交差点。衝突するようなガードレールや塀などはどこにまりません。おまけに、放置されている車は一台だけ。相手になるような車も存在していません。 午前五時。 全てがミステリーで不可解でした。一体、この事件の真相はなんなのか。真実は一つだけ。ただただ壊れた部品を片手に、交差点に立ち尽くす僕がいました。 ということで、次回、「謎解き編」に続く。途方もない事実と真実がそこにある。みなさんも推理してみてくださーい。 次回予告 何もない土曜日の休日になるはずだった。 久々に何も予定のない休日の到来に喜び勇んだ僕は、朝っぱらから近所のパチンコ屋に並んでやろうと目論んでいた。狙うはここ1週間不発が続いている225番台。今日こそは吹くはずだ。 予定では、朝6時に起きてパチンコ屋の前に仁王立ち、そいでもって開店と同時に225番台へキックエンドダッシュ。クソガキどもを蹴散らしてお目当ての台をゲット。あとはバカスカと信じられないくらいの出球。もしかしたら店長あたりが「もう勘弁してください」と土下座するかもしれん。 そんなことを考えながら眠りについたところ、普通に夕方まで寝てました。うん、朝から並ぶとかお目当ての台とか、休日のライフプランとか、そういうのが全て別次元の世界のお話になる勢いで寝坊。起きた瞬間、自分が何処にいるか分からんかった。 仕方ないので、あてもなく夕暮れの街をブラブラしてみるんだけど、やっぱり大切な休日を夕方まで寝て台無しにしたのが痛かったらしく、後悔の念しか湧き上がってこない。 トボトボと、缶コーヒーを飲みながら見慣れぬ住宅街を歩く。すると、どこからともなく祭囃子が聞こえてくる。ピーヒャラピーヒャラと、どこか遠い記憶の中に置き忘れてきた楽しげなサウンドが。 そういや、大人になってから祭って行ったことないな。 大きな花火大会とか、有名な祭とか、そういうのは行ったりするのだけど、町規模で行われる小さな祭りにとんと行かなくなっていた。子供の頃は近所の神社である夏の祭が一大イベントだったのに、大人になるに連れてそれすら忘れていた。気がつくと自然と祭囃子のほうへ足が向かっていた。 何もかもが懐かしい。小さな神社にゴチャゴチャに詰め込まれた出店たち。浴衣を着た女の子や、変なオモチャを持ったクソガキたち。普段は厳かな神社に明かりが灯り、活気に満ち溢れている。 なんか懐かしいな。子供の頃は大興奮で祭りに来たもんだった。で、数字当てとかいう出店に夢中になって、当たりなんか入ってないのに必死でスーパーファミコン狙ったっけな。祭り用に特別にもらえる小遣いも瞬殺でなくなったなあ。 そんな風に思い出に浸りながら出店たちを覗いて周る。小さな祭りなんてガキと年寄りくらいしかいないと思ったが、ところがどっこい年頃の若者もちゃんといる。少しヤンキー入ったバイオレンスなお姉ちゃんやら、モニカ・ルインスキーさんみたいなセクシャルなお姉ちゃんもいる。 とりあえず、たこ焼きでも買ってみるか。 さすがにこの年にもなって数字当てとかに熱中するのはアレなので、祭りの定番であるたこ焼きを買おうと出店に向かう。さすが祭りの定番だけあって一つしかないたこ焼きの出店は長蛇の列。めんどくせえなあと思いつつも列の最後方に並ぶ。 たこ焼きは1パック500円とかインフレとしか思えない高値なのだけど、これも祭りの醍醐味と割り切って自分の順番が来るのを待つ。 すると、5人くらいだろうか、鎖をジャラジャラとつけた頭の悪そうな若者不良グループが、何か考え事したらすぐに知恵熱とか出しそうな若者グループが、さも当たり前のように列に割り込んだ。 ハッキリ言って、僕はそういうのマジ殺しですから。マナーを守らない行為って大嫌いだし許せない、猿山の大将みたいな顔してナチュラルに列に割り込みやがってー、と怒りに震えました。 「おい、みんなちゃんと並んでるだろ。食いたいなら後ろに並べ」 不良グループのボス格の男の肩を掴み、ジェントルマンに言う僕。そこで逆ギレした彼らが襲い掛かってくるわけですよ。でも、僕は的確に彼らのパンチをかわし、5人を相手にちぎっては投げちぎっては投げ。その姿を見た浴衣ギャルも「素敵、浴衣の着付けなんてどうでもいいから抱いて」と股間をグチャグチャにして言うわけですよ。 まあ、怖いからそういうことできず、普通にブルブル震えながら自分の順番が来るのを待ってたんですけどね。イエス!チキンボーイ! そこまでして買ったたこ焼きは、タコなのかキャベツの芯なのか良く分からない物が中央に入っていて、すげー不味かったりしてテンションも下がる下がる。おまけに、やらないって言ったのに数字当てにチャレンジ、クソみたいなペンギン型のキーホルダーとか貰っちゃって再下降。祭りなんか参加するんじゃなかった、と早くも後悔するのでした。 すっかり日の落ちた街をトボトボと歩き、来たときと同じ道のりを歩いてアパートに帰る。パチンコに行こうとしたら大寝坊し、たこ焼きを買おうとしたらヤンキーに割り込みされる。おまけにそのたこ焼きもマズイマズイ。ロクなことなかった休日だけど、まあ、こういう休日も平穏でいいものかな、などと思ったのでした。 良い事も特にないけど大きな悪いこともない。そんな時間がユックリ流れる土曜日の休日、それこそがハッピーディなんじゃないかなと思ったのです。 そんな風に休日を振り返りつつ、風呂にでも入ろうと準備をしていると、突如として僕の携帯電話が鳴りました。 着信中 父 ちくしょうが、嫌なタイミングで攻撃してきやがる。せっかく人が平穏な休日の締めくくりに風呂にでも入ろうかとしてるのに、最狂親父からの電話、ハッキリ言って彼からの電話はろくなことがない。 でもまあ、意図的に電話に出ないとそれ以上の攻撃が予想されるので渋々と電話に出る。 「はい、もしもし」 「あー、ワシや、ワシ」 ワシや!とか名乗らなくても電話番号通知で親父からの電話だって分かってるのに・・・。とか思いつつ早く切り上げようと用件を聞く。 「何の用?」 「いやな、いつになるか分からんのだけど。行くかどうかも分からんのだけど、近いうちにお前の所に遊びに行こうかと思ってな」 親父がやって来る! 以前、広島に住んでる時に親父がやってきて大変なことになったのを思い出した。部屋が汚いとか、文化的な生活をしていないとか、エロ本とエロビデオがいっぱいあるとか、そういうのはウチの親父はマジで怒りますから、以前は仕事を休んで朝っぱらから親父の到来に備えたんですよ。 それこそ、大型台風が来る時以上に万全の備えをして親父の到来に備えたのに、それでも大車輪の勢いで怒る親父。隠したエロ本がドサドサと親父の上に落下してきたりとか大変な惨劇でした。 いつになるか分からん、行くかどうかもわからん、とボヤかしているものの、親父がやってくるかもしれない。いや、ヤツがそういう時は確実にやってくる、きっとやって来る。 受話器を握りながら、「くーるー、きっとくるー」とかリングの歌が延々とエンドレスループで流れていました。もう、全てを捨てて逃げ出したい。 そんなこんなで、もはや平穏な休日とかそんな次元のお話ではありませんので、とりあえずまた貯まり始めたエロ本類を紐で縛って捨ててこようかと思います。全然ハッピーディじゃない。 最近では「ハルク」というと緑色の化け物を思い出す人がほとんどらしい。普通の青年が怒りに触れた時、緑色のモンスターになって大暴れする。かの有名なハリウッド映画の主人公を思い描く人がほとんどだ。 けれども僕らプロレスで育った世代は違う。ハルクといえば超人ハルク・ホーガンだしIWGP初代王者だしアックスボンバーだ。緑色のモンスター?なにそれ?ちゃんちゃらおかしい。 まあ、本当はハルクホーガンの方がアメコミのハルクから名前を拝借している訳なのだけど、僕の中でハルクといえばハルク・ホーガン、最強に強くてカッコいい、このレスラーしか思い浮かばないのだ。 身長201cm体重115kgのヒゲ面のアメリカンレスラーは、アックスボンバーを武器に80年代の新日本プロレスを駆け抜けた。最近ではすっかりプロデューサー気取りのアントニオ猪木との死闘も記憶に新しいところだ。 少年だった僕にとってハルク・ホーガンは強い憧れで、同じくプロレス好きの友人とよくハルク・ホーガンごっこをしたものだった。まあ、アックスボンバーの真似をしたりとホーガンの真似をするのがほとんどだたけど。 そんな僕たちホーガン大スキ少年グループの中でどうしても許せないものがあった。考えるだけで腹立たしい、存在さえ許せない、忌み嫌う対象となるものがあった。それがボンボンという少年月刊誌で連載されていた「やっぱ!アホーガンよ」というマンガだったのだけど、とにかくこれが酷かった。 内容はギャグマンガで、ホーガンをパロッたアホーガンなる主人公がギャグをかます。それが鼻水ベロンベロンだったり脱糞物だったり、少年の僕らですら苦笑いするしかない下劣なるものだった。ウンコとかだけでバカウケするガキですら苦笑い、その事実から内容の物凄さを悟って欲しい。 ホーガンに強く憧れていた僕らにとってこのマンガは冒涜でしかなかった。「なにがアホーガンだ、バカにするな」と怒り狂い、ボンボン不買運動を展開したほどだった。まあ、不買運動なんてしなくても当時の主流派はコロコロコミックで、ボンボンはほとんど売れてなかったのだけど。 ギャグレベルに貶められるアホーガンに怒りを感じつつ、それでも僕らはホーガンに憧れていた。たぶんきっと、あれはホーガンの持つ強さだだけに憧れていた訳ではなかったのだと思う。 なんというか、ホーガンは華やかだった。今でこそK-1やPRIDEなどに代表される格闘技の世界はショーアップされた華やかさがあるが、当時のプロレスはどれもこれもどこか地味だった。特に入場シーンなどは散々たるもので、気持ち程度にスポットライトが踊り、チンタラと音楽が鳴る。で、アホなファンが死に物狂いで手を伸ばして花道を作る、そんなもんだった。本当に地味。 それに比べ、ホーガンの入場シーンは華やかだった。完全にショーアップされていた。日本流ってことで多少は抑えていたようだが、アメリカで試合をする時などはもっと凄くて、入場に15分ぐらい時間をかけることもザラだった。もう、完全にショーの世界。 そんなホーガンの華やかさに憧れる、戦後教育を受けた僕ら少年。やはりクッキリと焼け付くものがあったし、異人さんコンプレックスをグリグリとえぐられた者だった。 特にカッコ良かったのが、入場してきたホーガンが着ていたシャツをビリビリに破って脱ぐシーンで、オレンジ色のシャツが破られてその下から鋼の肉体が現れる度に興奮したものだった。男の肉体を見て興奮する少年達。傍目にはいささか危ないように感じるが、それでもやっぱり興奮した。 当然、その入場シーンやシャツ破りシーンすらも取り入れてホーガンごっこをする僕らだったけど、どうしてもシャツを破る部分だけは真似できない。非力で虚弱な子供にとってシャツを破り裂くなんて無理だった。どれだけ力を込めても丈夫なシャツはピクリともしなかった。 ホーガンは僕らより厚手のシャツをもっと簡単に破っている。力の差が歴然とあるとはいえ、どうしてこんなにも違うものなのだろうか。実際にホーガンの入場シーンをビデオで見て何度も何度も研究した僕らは、ある一つの事実に気がついた。 ホーガンのシャツ、最初から破れてやがる。 よくよく見てみると、ホーガンが着てくるシャツには最初から切れ込みが入れてあった。破りやすいよう、背中に大きなバツ印で切れ込みが入れてあったのだ。なるほど、これなら簡単に破ることができる。 シャツ破りのカラクリに気がついた僕らは、早速それを真似し始めた。仲間内で最もホーガン狂いだった浩介くんを後ろ向きで立たせ、真一君が目いっぱいにカッターの刃をめいっぱいに出して切り込みを入れる。バツ印になるよう慎重に切れ込みを入れていく。そこで途方もない事件が起こった。 「やべ、肉切れちゃったわ」 カッターを持つ真一君が、ものすごく冷静に言う。 「うそ!なんか痛いと思った!」 見ると、シャツは確かにバツ印に切れているのだけど、浩介君の背中にも見事なほどにバツ印の傷が出来ており、そこからダラリと血が垂れていた。 シャツを切ろうとしてついでに背中まで切っちゃう真一君もどうかと思うし、冷静に言われても困る。そこまで切られてても全然気がつかず、「うそ!なんか痛いと思った!」で済ませる浩介君もアホだと思った。 傷に気付いたら急に痛み出したらしく、鬼の形相で怒る浩介君。先ほど切り込みを入れたシャツを簡単に破り捨て、真一君に襲い掛かる。もちろん、背中には血の刻印を背負ったまま。 「お前ら全員、同じ傷をつけてやる」 逝っちゃった目でカッターの刃をチリチリとやり、次々と仲間に襲い掛かる浩介君。その怒りっぷりは、今思えば緑色のハルクみたいだった。で、そんなハルク浩介をアックスボンバーで迎撃する僕たち、という訳の分からない遊びに変わっていた。 半泣きでカッターを持って襲い掛かる浩介。背中には血の十字。容赦なくアックスボンバーで返り討ちにする僕ら。バカのように舞う僕らは、最初はホーガンに憧れただけだったのに、間違いなくアホーガンになっていた。うん、やっぱアホーガンよ。 なんてエピソードを、引越し荷物を整理していたら古い週刊プロレスが出てきたので思い出した。色褪せた週プロの表紙は若かりしホーガンで、僕はしばし懐かしい気持ちに浸った。 もちろん、あの日のようにシャツに切れ目を入れて破り捨て、柱にアックスボンバーして思い出に浸ったのだけど、そしたら腕が二倍ぐらいに腫れて上手に曲がらなくなった。うん、27歳になった今でも、僕はアホーガンだった、やっぱアホーガンよ。 日常生活に潜む小さな恐怖。それは知らず知らずのうちにアナタの側に忍び寄っているものなのです。それは徐々にアナタの神経を蝕み、いつか崩壊させてしまうかもしれません。 小さな恐怖と侮ってはいけません。小さいからこそ知らず知らずに蝕まれる。言うなれば日々少しずつアナタの心は削られていってるのです。 その恐怖は人それぞれです。例えば、上司の視線が恐怖という方もいます。彼に見られるたびに肝が冷える。また怒られるんじゃないかとヒヤヒヤする。そうやってアナタの心は削られていくのです。 世の中には小さな恐怖が沢山あります。それが対人関係によるものだったり、心理的圧迫だったり様々ですが、そういった心の削られ行為がエスカレートすることにより、他人が怖いという対人恐怖症や尖った物が怖いという先端恐怖症に繋がっているのではないでしょうか。 そういった種々の恐怖の中、言うなれば僕は郵便受け恐怖症であります。毎日仕事を終えて帰宅し、アパート入口のところにある郵便受けを開いて確認する。その度に僕の心は削られ恐怖に震える、そんな状態になっているのです。 ハッキリ言いまして、僕にとって郵便受けとは魔性の箱でしかありません。一昔前なら郵便受けを開ける際に心弾ませ、恋人からのラブレターが届いてるかな?海外に行ったあいつから絵ハガキ来てるかな?そうそう、アイツら結婚したんだよなーなどとワクワクするような場面もあったかもしれませんが、情報化社会が発達した昨今、そんな手紙は全てメールや電話などに取って代わったのです。 で、そうなるとどういった現象が起こるかというと、郵便受けに届けられる手紙は請求書のみ、というなんとも殺伐とした魔性の箱が誕生してしまうのです。電気水道ガスなどの各種料金の「早く払え!停めるぞ!」といった請求書という名の脅迫状。電話・ネット・携帯などの通信費、家賃の督促、そういった世知辛い請求書しか我がポストには届かないのです。あと、架空請求とか。 そんな請求書の類を見るたびに僕の鼓動は早まり、膝はガクガク、「ああ、また請求が来た、いつ停められるんだろう」などと口をパクパクとさせながら目が泳ぐ状態となるのです。本当に郵便受けを開けるのが怖い。いつもいつも心を削られてしまう。 先日の話でした。 いつものように仕事を終え、疲れた体で我がアパートに帰ってきました。もう辺りはすっかり暗く、アパート入口を照らす蛍光灯が切れかかっているのか怪しく瞬いていました。そんな中、不気味に佇む郵便受け。僕はゴクリと息を呑みました。 やばい、また郵便受けだ。やだな。できれば開けたくないな。どうしようもない現実など見たくない。水道止めるとか電気止めるとか、そういう世知辛いのは見たくない。ああ、でも見ないわけにもいかないし。葛藤する心を抑え、チラリと隙間から郵便受けの中を覗いてみました。 何か入ってる・・・! 郵便受けの中には何かの手紙が鎮座しているのが見えました。何か入ってる、何らかの請求書が入ってる。ここに越して来てそろそろ三ヶ月、そろそろ何かを止められても何もおかしくない。きっとあれは脅迫状だ。何かを止めるぞという慈悲のカケラもない請求書だ。 震える手で郵便受けの重厚な扉を開ける僕。鼓動が更に早まり、嫌な汗が噴出してきました。 そこには、NTTからの請求書が入っていました。 「至急」重要書類在中 紅で彩られたその表記は、この手紙が只事ではないこと、ただのお知らせの手紙ではないことを物語っていました。ゼッタイに何らかの脅迫状に違いない。 手紙を開けてみると、やはり脅迫状でした。何度も請求書を送っているのに支払われていない。もう一回送ってやるから早く支払え。コンビニで払えるからよー、とっとと払っちまったほうがいいんじゃね?といった内容の手紙でした。 やはり不安は的中した。どうしよう。電話を止められたらネットも何も出来ない。ここは大人しく払った方がいいのだろうか。くぅ、やはり背に腹は代えられない。どうせ支払わなければならないのだ。彼らは僕が払うまで許してはくれない。所詮世の中は金だ。 くっ、いくら、いくら払えばいいんだ。請求額はいくらなんだ。直視し難い現実に向き合い、請求額を確認しようと手紙を読み進めました。そして、そこには驚愕の事実が。 5月分=35円 そ、そんなバカなー!請求額が35円だなんて!そんなんだったら郵便代の方が高いじゃないか!おかしい、これは明らかにおかしい、きっと何かの間違いに違いない。別の意味で震える手を抑え、コンビニ支払い用の伝票の方も見てみました。 やっぱり35円。 内訳も35円。 どうやら本気で請求額が35円らしく、どういった理由なのか分からないけどその金額の低さに拍子抜けしたのでした。こんなショボい金額に僕はあれほどビビっていたのかって。 怖れていることなど蓋を開けてみれば大したことでない場合が殆どです。本気で怖れて心配しているものほど、実は中身はあっけない。そう、まさに郵便受けの蓋を開けるかのごとく、勇気を出して開けてみる。あんなのただの箱じゃないか。そんなものなのです。 請求書を握り締め、あまりのバカらしさに一人で高笑い。こんなの速攻で払えるわー、怖れていた自分がアホみたいだぜーと思ったのですが、よくよく考えるとコンビニでこの伝票を出して35円払うのって恥ずかしすぎるという事実に気がついてしまったのです。 物々しく払うくせに35円。そんなの恥ずかしすぎる怖すぎる。一緒にエロ本とか買おうものなら「エロ35円」とか店員にあだ名をつけられるに違いない。 怖れていたものは蓋を開けてみるとあっけない。けれども、真に恐ろしいのは予想外のところから来る恐怖だ。コンビニで払うのが恐ろしいという真の恐怖に触れた僕はそう思うのでした。 こうなったら、このまま払わず、35円でも払わなかったら電話を止められるのか!?という実験にしたいと思います。 ということで、7/3,4と24時間に渡ってお送りした「ぬめぱと変態レィディオ24時間生放送-pato vs 24人の美女スペシャル-」も、なんとか無事放送終了しました。 最大瞬間リスナー1950人、のべリスナー数4万人オーバー、放送スレの書き込み数12000、放送中に頂いたメール3000通という意味の分からない状態になっておりました。お聞きくださった方ありがとうございます。 聞けなかった人のための録音ファイルですが、各ゲストさんの了承が取れれば取れた部分をアップしていただけると思いますので、それまで今しばらくお待ちください。 さてさて、1時間ずつゲストさんを迎えて赤裸々トークをしていったわけですが、みなさんそれぞれ個性があって1時間があっという間、なんか放送しながら大変楽しくやれました。そんなこんなで、各ゲストさんごとの感想などを書いてみようかと思います。 1.春子さん/じーらぼ いきなり美女じゃなくて男が登場したわけなのですが、さすが場慣れしてらっしゃるので大変楽しいトークでした。トップバッターとして最高でした。良いアフロ悪いアフロ、初ブラに関するドラマ、母乳の有無などについて語り、アフロはTPOを選ばなくてはならないという名言まで。本当にありがとうございました。 Numeriラジオで御馴染みの挿入歌を歌うみーさんに出演してもらいました。萌え声にエロ話に狂喜乱舞したものです。ちなみに、「天井のシミを数えていれば終るよね」と言った僕は明らかにオッサンだと思った。とにかく、ありがとうございました。 3.jun2さん/ライブラ 放送中にブチブチ落ちまくってくれるという三次元技を見せてくれました。3回くらい心臓が止まるかと思った。この人とのトークは慣れたものですから、粛々と進めさせていただきました。ウィンクバチンとか。彼女が落ちてる間に場つなぎで歌った僕のラップ「俺のオマル」ですが、近々完璧版で発表します。 4.ユカリさん/ココロノコエ 風邪で喉の調子が悪かったようですが、相変わらずの萌え癒しボイスでした。電池切れの使用済みウェポンの破壊力が凄まじかったわけなのですが、当方はいつでもそのウェポンをリスナープレゼントする準備があります。至急連絡ください。 5.あややさん/primrose とあるサイトのオフ会後で超絶に酔っ払った状態で出演。しかも親に隠れて放送するためトイレからオンエアー。「バキューム!」「好きな体位は宝船!」など、変態系ネットアイドルの名に恥じぬ大車輪の活躍でした。 6.りん☆さん/RINRINRIN 落ち着いた癒し系ボイスでリスナーさんにも大好評。ナースさんならではの色々な話が聞けて大変嬉しかったです。24時間放送の中でもかなりエロ抜きな時間帯だった気がします。というか、話し上手聞き上手すぎる。 7.ケイさん/サプリ 2人目のトイレ放送者。しかも要求に応じて適宜水を流してくれる。便座に向かって喋りながらパイズリの真実など語っていただきました。まさに女の子の本音。個人的には天童よしみプレイが大変ツボでした。 8.ララさん/AGAIN いつもどおり気だるくアンニュイなボイスで登場。ストーカーの話やら何にやらでした。というか、ラジオ始めてだったような気がするのだけど、それにしてはやけに喋り慣れているように感じた。もうちょっとエロに食いつかせることができなかったのが心残り。 9.桜樹さん/さんぽみち 最初は乳の話やら出会い系サイトの話やらをしていたのですが、途中から放送スレで若林パニックが勃発。それを2人で実況中継するラジオに変わってしまいました。包茎手術をした過去を本名で投稿した若林。それに「若林君って、私の同級生かも・・・でも、そんな感じの人じゃないし」とリアルで彼を知る人物が光臨。普通に固まる若林君が生々しくて面白かった。 10.38さん/しょっぱめ エロ女子大生が光臨。母乳発言やらバイブの電源をONなど大車輪の大暴れ。というか、最近の若い子ってのは凄いのですな。とりあえず、マイクを通してバイブの音を聞くと蚊が接近してくる時の音に似ているということが分かった。ここで若林君が自サイトのURLを晒し、出来立てのサイトのカウンタがグルングルン回る祭り状態に突入。若林、自サイトに自分のポコチン画像をアップ。やりすぎだろう、という批判の声が高まる。 11.かれんさん&まみたんさん(TicTac&まみたんマンション) 2人タッグの登場。繋がった瞬間のサンバカーニバル並みのハイテンションに、僕の心が一時間持つのか心配だったのですが、夜通し起きていて疲れたのか後半は落ち着いてました。事前に釘を刺されたらしく、エロ話はちょっと厳禁だったみたいです。若林のサイト1時間チョイで1万ヒット達成。 12.なごさん/でじょに 現役女子高生登場、しかもかなりのロリ&アニメボイス。水玉のブラやら、女子高生の乱れた性の話など。しかし、萌えセリフを萌えボイスで読み上げるコーナーが好評だった気がします。てか、家族が近くにいるのに萌えボイスは酷だよなって思った。 13.若林/穴の中 奇跡的にマイクを所持していた若林が空き時間にゲストとして登場。包茎手術の体験談を切々と語る。個人的にはお母さんの強い希望でナイロンの糸になった場面が最高に面白かった。あと、オナニーに関する話題で精液飛び散る熱きトーク。 14.片瀬さん/静電気ラヂオ またもや萌えボイス登場。若林で汚された後に心地よいボイスで癒していただきました。途中、アクシデントで接続が切れてしまって肝を冷やした場面もありましたが、いい感じでトークできたように思います。というか、やはりラジオに慣れてると思った。 15.dandanさん/歩く下半身 京大生との合コン話を語っていただきました。で、その中の一人と放送終了後にデートするという話でしたので、皆でその彼に送るメールの文面を考えたりしました。「恋したい。恋したい。恋したい。」などと、なかなか意味深で面白げなメールに決まったのですが、普通にかわされてしまいました。 16.jun2さん/ライブラ 1回目の登場で接続ミスが多くてトーク時間が短かったので空き時間に2度目の登場。2回目ということで双方共に肩の力が抜けてリラックス。pato暴露話などヒヤヒヤする場面もありました。僕の眠気がマックスになったので乳首に洗濯バサミとか、親が見たら泣くようなことしてました。 17.cananaさん/kisschocolate 出番直前まで連絡付かず、しかも接続テストもなしの状態でぶっつけ本番で登場。淡々とした上品な喋りの中に織り交ぜられたエロ。過去の赤裸々トークを聞いたリアル彼氏が放送スレに光臨。一瞬、心臓が止まるかと思った。まあ、仲が良い事はいいことです。 18.cimさん/テキスタイルポップ 下ネタからは逃げまくる!と豪語していたcimさん登場。しかし、そう宣言していたcimさんにあそこまで言わせたのだから、ある意味僕の勝利だと思う。個人的には「土下座する勢いで頼まれてしかめっ面」が、目に浮かぶようで死ぬほど面白かった。 19.ifさん /if→itself 萌えボイスで冷静に淡々とトークするifさん。僕は昔っからifさんにだけは下ネタが言えない子なのですが、結構頑張りました。というか、メガネ好きと下着好きの共通点の話は目から鱗がバリバリ剥がれ落ちる勢いでした。くるぶしオナニー。 20.小日向さん/AtoB 耳をすませばのはなしなどで燃え上がりました。萌えボイスに悶え狂うリスナーが急増。インターネット初体験の話やら、サイト開設の経緯やら朝食の大切さや、エロ抜きで面白い話が出来たので僕は満足でした。若林のサイト2万ヒット突破。 21.はむえもんさん/HAMUEMON33 出番10分前までメッセが上がらなかったので内心ヒヤヒヤしていました。セクシーなお姉さまボイスにノックアウトされたわけですが、そんなボイスで長州力のモノマネをするギャップに笑い殺されるかと思いました。 22.あき姉さん/4コマ日記サイトakinee 超絶に綺麗過ぎるボイスにテスト接続の時からドキドキしたわけですが、トークスキルもかなりのもんだった。というか、強すぎた。完全に攻守交替し、僕がゲストみたいな状態でした。うん、手玉に取られてた。あき姉さん主導で進行したので24時間連続トークで疲れ果てていた僕は大変助かりました。ありがとうございます。 ということで、総勢22人で24人でもなんでもないのですが、全てのゲストさんで個性のある放送ができたのではないかと思います。全てのゲストさんにもう一度感謝したいと思います。 また、今回は物凄いリスナー数だったにも関わらず一回もサーバーが落ちなかったわけで、ぬめらじ製作委員会の方々の本気の凄さを思い知らされました。製作委員会の方々、メンテナンスの方々、本当にありがとうございました。 24時間不眠不休は勿論だったのですが、満足に飲み食いもせずに喋り続けていたものですから体はボロボロでした。放送を終えた僕は、とにかく何か喰わねば・・・、とコンビニに歩いて行ったのですが、信号待ちで立ったまま眠るという偉業を達成しました。 普通に数十分は立ったまま寝てた。で、その間僕は夢を見てたのですが、夢の中ではブリトニー・スピアーズが出てきてて、カウンセリングルームみたいな場所で彼女の悩みを聞いていました。 「怖くてインフルエンザ予防接種の注射ができないの」 と頭を抱えて悩む彼女に、「針を見ないで楽しいことを考えてればいいんですよ」と優しくアドバイスしてました。うん、目が覚めた瞬間、色々な意味で自分の限界がきてることを悟った。 そんなこんなで、本当に楽しく24時間やれました。関わった全ての人々、勿論リスナーの皆さんにも感謝したいと思います。本当にありがとうございました。 次回は「ぬめぱと変態レィディオ-pato vs 24人の非モテスペシャル-」でお会いしましょう。 7/3 ぬめぱと変態レィディオ24時間生放送 ぬめぱと変態レィディオ24時間生放送-pato vs 24人の美女スペシャル- 終了しました
放送用スレ http://jbbs.shitaraba.com/computer/8183/
4.その他
タイムテーブル
時間通りに進行しない場合があります。不慮のトラブルによりゲストさんが出演できない場合があります。ご了承ください。 Special Thanks はーい、みんな元気にしてたかなー?今日も元気に科学実験しちゃうぞー。良い子のみんなに日常のちょっとした科学を紹介する「楽しい科学実験室」、今日も元気にブリバリ紹介しちゃうぞー。 最近ね、テレビなんかみてるとイッパイ宣伝してるよね。うん、ペプシの新製品、ペプシブルーだよね。なんだアチコチで話題になってるよね、お姉さんもビックリ。 これは容器が青いんじゃないよ。飲み物が青いんだよ。とってもケミカルだよね、青い飲み物って。お姉さんも不健康覚悟で飲んでみたいな。 でもね、こんな話題の飲み物だけど、喉から手が出るほど飲みたいけど、飲めない人って沢山いるの。例えば糖尿病の疑いが強くて禁コーラ宣言を出した人とか。そういうの人はね、ペプシコーラやコカコーラC2とか話題のコーラを全然飲めないの。可哀想だよね。 でね、そうなると大抵は、体に悪影響のなさそうな爽健美茶ばかりを飲みまくっちゃうの。こんな風に 確かに体には悪くないだろうけど・・・大好きなコーラを我慢してコレじゃあ精神的に悪いよね。うんうん、可哀想。もっと話題のコーラ、青いコーラを飲ませてあげたい気にもなるってものだよね。 そこで、今日は体に良い青い飲み物を作る方法を紹介するよ。題して「爽健美茶ブルーを作ろう!」、これで今日の楽しい科学実験室行ってみよう! 楽しい科学実験室-爽健美茶ブルーの作り方- 用意するもの 爽健美茶の元々の色はこんな感じ、ブルーには程遠いね。これをナチュラルな方法を使って青色にするよ! みんなは指示薬って知ってるかな?溶液がアルカリ性になると青色、酸性になると赤色になったりする薬品だよ。他の色になる薬品もあるからみんな調べてみようね。簡単に説明すると、液体が酸性かアルカリ性か調べるのに良く使われる薬品、みんなも学校の理科の実験で使ったことあるんじゃないかな。 お茶はね、元々軽いアルカリ性なの。だから、アルカリ性で青色を示す指示薬を入れてやれば簡単に爽健美茶ブルーができちゃうね。 じゃあ、その指示薬を入れちゃう?ダメダメ。そんなのダメ、ゼッタイ。だって指示薬って薬品だよ。そんなの入れちゃったらナチュラルじゃなくなっちゃう。ケミカルになっちゃうよ。 そんな薬品なんか使わなくても、もっと身近に指示薬は転がってるわ。それもナチュラルなのが。 みんなは赤キャベツって知ってるかな?そうそう、赤いって言うより紫色したキャベツね。アレを買って来て、1センチ四方の小片に切断。それをビニール袋に入れて塩もみして赤キャベツから液を搾り出そう。 赤キャベツにはアントシアニンという色素が沢山含まれてるの。この、アントシアニンは指示薬の働きをして、酸性では赤、アルカリ性では紫青色を示すようになるよ。うん、身近にある指示薬だよね。これを塩もみで赤キャベツから取り出すんだよ。 さあ、早速赤キャベツから搾り出した汁を爽健美茶に入れてみよう。アルカリ性だからきっと青色に変わるよ!なるべく深い青を出すため、ここでも爽健美茶に塩を添加するとなお良いよ! んんんー、確かに色は変わったけど、これじゃあ青というよりどす黒い紫だね。っていうか、ヨモギみたいな色になっちゃった。横においてある本物のペプシブルーと比べるとその差は歴然!全然爽健美茶ブルーって呼べる代物じゃないね。 これはきっとね、元々のお茶の色が悪いんじゃないのかな。青とお茶の茶色が混ざってヨモギみたいな色になっちゃったのかな? じゃあね、茶色みたいな色を取っちゃおう!ここでXXXXXXXを加えてXXXXして、生じた沈殿を除去してXXXXXすると・・・(真似して本当に飲む人が出てくると責任問題になるので伏字) こうなったよ!ちょっと量が増えてるのはXXXXXを入れすぎちゃったから。本当はもっと少量でもいいよ。でも、本当に綺麗な青色ができたね。これならそろそろ爽健美茶ブルーって呼んでもいいかも! でもね、本物と比べるとまだまだ色が薄いよね。だったら青を濃くしてみよう!ってことで一回容器から取り出してXXXXXXXXXを添加してXXXXXしてみるよ。 わー、本物みたい! まさに爽健美茶ブルー、やった本人も驚くほどの青さ。凄いよね、科学の力って。 光にかざしてみたよ! ね、ちょっと薄いけど本物と大差ない。見事な爽健美茶ブルーだね!しかも元がお茶だからカロリーも限りなくゼロ。コカコーラC2も真っ青だね。あ、今上手いこと言った。 ということで、今日の楽しい科学実験室「爽健美茶ブルーを作ろう」はこれでおしまい。みんなもやってみてね。 そうそう、でもね、赤キャベツ液を入れたヨモギ色の爽健美茶まではマズイなりに飲める物体だけど、それ以降の青いヤツは飲めないよ。飲んだら確実に死ぬよ!うん、死ぬほどマズいって比喩じゃなくて、飲んだら確実に生命を失う物質が入ってるからね、もはやお茶と呼べる代物じゃないから、絶対に真似しないでね!良い子は真似しちゃダメ、ゼッタイ! この実験をやってみたpatoさんはね、比較のために買った本物のペプシブルーを、糖尿病のため飲むわけにもいかず、泣く泣く流しに捨ててたよ。可哀想だよね、飲めないって。 ということで、次回の楽しい科学実験室でまたお会いしましょう。それまで良い子にしてるんだぞ。じゃあねー。
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