Numeri

ipato@mcn.ne.jp


 2003-12月

12/30-2 ぬめぱと変態レィディオ48時間スペシャル

12/30 大阪散策シリーズ1 なんば編

12/24 ぬめぱとクリスマスレィディオ

12/23 現代版一杯のかけそば

12/21 過去ログサルベージ12

12/20 過去ログサルベージ11

12/19 ある日突然に

12/18 炎の記憶

12/16 最狂親父列伝〜拳銃編〜

12/15 過去ログサルベージ10

12/14 手作り忘年会

12/13-2  巨星落つ

12/13 習慣という名の病

12/11 幸せ家族計画

12/9 過去ログサルベージ9

12/8 トラとライオン

12/5 BAAD

12/4 過去ログサルベージ7

12/3 緊急指令

12/2 過去ログサルベージ6

12/1 過去ログサルベージ5


2003

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2002

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2001

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過去の出来事

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12/30-2 ぬめぱと変態レィディオ48時間スペシャル

放送開始 12/31 16:00
放送終了 1/2 16:00
放送URL (終了しました)
放送用掲示板 (終了しました)

放送を聴く際のお約束
この放送はサーバ管理者さん、お手伝いさんの強烈な協力の下で成り立っております。この協力がなければ放送自体が成り立ちません。リスナー数が多い場合、サーバーが飛ぶことが考えられますので、その際にはイライラせず、まったりとした気分でお待ちください。また、管理者さんおよびお手伝いさんが掲示板で指示を出すこともありますので、その指示に従ってください。

録音はサーバーへの負荷を上げることになりますので、できればご遠慮ください。どうしてもという場合は、誰か代表者が録音するという形式でなるべく負荷を減らしてください。また、サーバーが落ちた場合、むやみにヘッドラインをリロードしますと逆に復旧が遅れますので、アナウンスがあるまでじっくり待ってやってください。

掲示板上でNumeri以外の場所のことをネタにしたり、むやみに中傷したりするのはおやめください。ただでさえ各所に迷惑をかけているNumeriですので、謙虚な気持ちで、小さくなりながら楽しく年末年始を過ごしましょう。

放送用タイムテーブル
12/31 

16:00-オープニングトーク&フリートーク
17:00-私の48時間
18:00-2003年を振り返ろう1
19:00-テレビを見ながらトーク
20:00-テレビを見ながらトーク2
21:00-テレビを見ながらトーク3
22:00-2003年を振り返ろう2
23:00-新年カウントダウン

1/1
0:00-新年の挨拶
1:00-お正月だよ!patoさんクッキング
2:00-初めてオッパイを触った時の思い出
3:00-patoさん恋愛相談室
4:00-ひとことネタコーナー
5:00-リスナーさんとオセロ対決
6:00-代打ラジオ
7:00-ひとことネタコーナー2
8:00-代打ラジオ2
9:00-ひとことネタコーナー3
10:00-代打ラジオ3
11:00-泥酔ラジオ
12:00-初体験告白コーナー(女性限定)
13:00-patoさん恋愛相談室2
14:00-誰かゲストさんコーナー
15:00-代打ラジオ4
16:00-リスナーさんとオセロ対決2
17:00-フリートーク
18:00-ひとりDEテレクラ(収録)
19:00-心霊スポット訪問-総集編-
20:00-patoさん恋愛相談室3
21:00-未定
22:00-未定
23:00-未定

1/2
0:00-怖い話
1:00-お正月だよ!patoさんクッキング2
2:00-初体験告白コーナー(男性限定)
3:00-誰かゲストさんコーナー
4:00-童貞タイム
5:00-ひとことネタコーナー4
6:00-ひとことネタコーナー5
7:00-ひとことネタコーナー6
8:00-リスナーさんとオセロ対決3
9:00-未定
10:00-座談会ラジオ
11:00-未定
12:00-未定
13:00-未定
14:00-初めてオッパイを触った時の思い出ファイナル
15:00-フィナーレ ラジオ中に作った新世紀料理
酢餅シチューミカン風味



酢餅鍋男味


pato式蝋燭目覚まし

12/30 大阪散策シリーズ1 なんば編

忘年会話はもう少しお待ちください。ちょっと忙しくて書ききれそうにないので。ということで、今日は画像ネタを絡めた魅惑の新シリーズです。題して「大阪散策シリーズ」です。

僕はこれまでに何度となく大阪の地を訪れているわけですが、往々にしてロクな目に遭っておりません。それはそれは可哀想な、とほうもなく無慈悲な目に遭っております。

初めてオフ会をやったら参加者全員が終電で帰ってしまい、夜の街に独り佇んでウンコ漏らしたり、リザーブしたホテルでは「門限なし」と書いてあったにも関わらず、朝に帰ったら見事に締め出されていたり。新大阪駅のマクドナルドではオツリがもらえず、他サイトのオフ会に参加すれば待ち合せ場所に誰も現れず1時間半仁王立ち。最近では、なけなしの一万円をはたいてタクシーで酔っ払い娘を送り届け、名も知らぬローカル駅のシャッターの前で始発を待って震えたり。

これらは全て大阪という場所で起こった悲劇たちです。

ここまで有り得ない悲劇ばかり巻き起こってしまうと、僕としても悪魔の存在だとか「大阪は鬼門」という話を信じないわけにいかなく、「大阪死ね死ね!地図からなくなればいいのに」などと憎しみを燃やすことになるのですが、ここでちょっとした疑問が生じてくるのです。

いやな、大阪ってそこまで悪い街じゃないんじゃないか?

確かにね、僕にとっては嫌なことばかり巻き起こる狂ったマッドシティですよ。でもね、人情の街だとか活気溢れる街だとか、独自の文化を発信する街だとか、そういった高評価を得てる側面もあるじゃないですか。

だから、僕としても、決して大阪が悪い街だとは思わないんですよね。暖かくて活気があって人間くさい、そんな近代都市であると思っとるんですよ。でも、そういったことを思ってても発言できないじゃないですか、あんな不幸な出来事ばかり巻き起こってたら、全然良い所とか言えないじゃないですか。

だからここは一発ですね、何の目的もなく大阪の町をブラブラと散策し、今一度大阪の良いところを再発見し、それを発信して行こうと考えとるわけなんですよ。大阪って街は、僕が書いてるように悪い場所じゃない、こんな良いところだってあるんだぞーって。

ということで、普段は何かを目指して大阪の街を歩いているのですが、全く何の目的もなく、ランダムに選んだ駅の周辺をブラブラと散策していと思います。

そこで僕は大阪の街の本質を見るのか、良い場所を発見できるのか、そしてその先には何が待ってるのか。そういったシリーズにしていきたいと考えております。

ということで、シリーズ第1弾は大阪の中でも魅惑溢れる魔都市として君臨する「なんば」でございます。JR、私鉄、バス、地下鉄、大阪の交通網が集約し、沢山の商店がとめどない人の流れを生み出している街、「なんば」。その街を一日かけてブラブラと、何の目的もなく散策してまいりましたので、是非ともご覧ください。

大阪散策シリーズ1 なんば編

「大阪のいいところ再発見」その合言葉を胸に地下鉄「なんば」駅に降り立った僕。改札を抜け、「みつけちゃうぞ、なんばのいいとことろ」と意気込んで地下街を歩く。

すると、目の前に突如としてオッサン登場。何の前触れもなく、明らかに異形の姿をした小汚いオッサン登場。しかもなんか、怒声をあげながら大暴れして歩いてくるんですよ。


画像中央の白い人なんですけど、この画像では髪の長い女の人みたいに見えるんですが、実際には無様に長髪になったオッサンです。このオッサンが酔っ払っててひどく上機嫌、通行人を激しく威嚇しながら

「お父さんはな!看護婦なんだぞ!」

と大声で連呼していました。明らかに意味が分からない。

「なんば」駅に降り立ってからこの間2秒。まさに瞬殺といった按配でクリーチャーが登場したことに動揺を隠せない。

「さすが大阪、ありえない」

と呟きながら興味津々でオッサンの後を追うのでした。しかしながら、オッサンに興味があるのは僕だけらしく、周りの通行人どもは別に何の興味もなく、「こんなクリーチャー見慣れてるわ」といった涼しげな顔で歩いておりました。「おれ、なんば」と言いたげな顔で歩いておりました。どうやら、こんな光景は大阪ではひどく当たり前のことのようです。

そんなこんなで、地下街を抜け、まずは繁華街とは逆の方、比較的閑静な街並みが並ぶ方面へと歩いていきます。それにしてもゴミのポイ捨てが酷く、とても汚い街でした。

画像中央の異形の建物がOCATとか言われるヤツです。この中にJRなんば駅もあるみたいです。ちなみに、OCATの裏口の方の道路の電柱には、

電柱に貼られた不動産屋の広告に、何のためらいもなく「悪」と落書きされていました。よほどこの不動産屋が憎いのか、それとも不動産屋が悪徳なのか知りませんが、バイオレンスマッドシティ大阪らしい落書きです。さすが大阪、ありえない。

そんなこんなで、さらに住宅が密集する閑静な方面へと歩いていくと、目の前にとんでもない光景が飛び込んでまいりました。

道路のど真ん中に投げ出されているバイク。本気でゴロンと左車線を何の手加減もなく塞いでいました。

しかも、事故で転倒してそのままだとか、誰かが不要バイクをココに捨てたというわけでなく、ただ単にこうやって単車を停めるのが俺流!文句あるのか!と言わんばかりの佇まいでバイク様が鎮座しておられました。

ハート様ばりに行く手を遮るバイク様の出現に同様を隠せない僕ですが、当の住民は全くそ知らぬ顔。なに?バイクがあるのなら避けて通ればいいじゃない、と言わんばかりの見知らぬ顔でした。通行人も車も何の疑問も持たず、普通に避けて通ってた。怖いよな、これが大阪って街だぜ。

そんなこんなで、住宅街方面は諦め、今度は「なんば」の繁華街方面へと歩いていきます。

南海電鉄のなんば駅ですね、この辺はとても栄えており、なんだか画像を撮るのも人目についてしまって恥ずかしかったです。

でまあ、この辺で腹が減ったので商店街みたいな場所にあったマクドナルド、関西風に言うとマクド、関東風に言うとマック、広島風にいうとマッキントッシュに入りました。

僕がモソモソとテリヤキチキンバーガーセット、ポテトとコーラをLサイズという、神をも恐れぬワンパクなセットをモソモソと、スポーツ新聞のエロいページを見ながら食しておりましたところ、隣にホスト風の二人組の男性が座りました。

「やっぱさ、金か愛どっちもってのは無理なのな」

「俺なら間違いなく金だな」

「あーあ、そろそろどっちか決めなきゃな」

などと、イケメン二匹が物凄くアンニュイに言い放っておりました。愛と金なら金を取る、至極当たり前のことかもしれませんが、大阪の街でこういった発言を聞くと妙にうなずいてしまいます。世の中金やわ。

さてさて、腹も膨れましたし、そろそろ日が落ちてまいりました。今日の最終の新幹線で広島の地へと舞い戻らねばならない僕は、早めに電車に飛び乗る必要があります。

ということで、このなんば散策の最後の締めとして少し狂おしい通りを歩いてみました。

何やらラブホテルやら風俗店が微妙に多いゾーンがあるのですが、そこを歩いていたら

「ノーブラ喫茶 コーラ1000円」

とか書いてある怪しげな看板の店がありました(怖くて画像撮れず)。僕が子供の頃、地元で1000m超の一番大きな山に登山したことがあるのですが、山頂にある売店では250mlのコーラが1本400円で売られてました。子供心に、「ああ、山頂ではコーラが高いんだ。1本400円なんて暴利もいいところじゃないか」と思ったものです。

しかしながら、こんな山頂でも何でもない、普通の繁華街に出現する山頂以上に暴利なコーラ。1000m超の山の山頂以上の暴利が許されるコーラ。一体なんだろうと思い、そのノーブラ喫茶なる店に入ってみました。

入ってみるとなんて事は無い、普通に怪しい店内で、上半身裸の女性店員が無愛想な顔してウェイトレスをやってて、それを見て楽しむだけの店だったのでした。ちなみに、僕の1000円コーラを運んできたのは、山下君のお母さんみたいな人でした。1000円返せ。

「また大阪に騙された。あんなオバハンの乳を見るだけのコーラが1000円なんて・・・」

と失意のままトボトボと繁華街を歩いておりますと、

「お兄ちゃん!お遊びは?」

と見るからに怪しげな、この人に着いていったら尻の毛まで抜かれるんだろうなーって感じさせてくれるオッサンが妙に馴れ馴れしく話しかけてきました。まあ、あれですな、こういった繁華街に付き物の風俗店の呼び込みですな。

「えー、お遊び?いい子いるんすかー?」

とか、僕もいつもの調子で行く気も無いのに話に応じていましたところ、

「なんでもいるよ。学生から人妻、ギャルからロリコンまでなんでもいるよ」(本当はキツイ関西弁)

と、すごく自信満々に言ってました。

「じゃあ、加護亜依みたいな子いますか」

と、間髪いれずに、モーオタ丸出しで切り返したのですが、

「うーん、加護亜依は難しいけど、辻っぽいのならいるよ」

とか、怪しげな呼び込みのオッサンが言ってました。何いってんですか、この人。

いやね、このぐらいの年齢のオッサンになると加護と辻の区別がつかない場合がほとんどなのですが、シッカリと区別がついているオッサン。怪しさは相当なものですが、この部分だけは賞賛に値します。

「そこまで言うなら案内してもらおうか」

と、僕もジェントルに、それでいてエロスな風味を漂わせつつオッサンに案内してもらったのですが、案内された店がこれまた凄い。

店の看板は無いわ、明らかに朽ち果てそうなボロさだわ、とんでもない裏路地だわ。どっからどう見ても風俗店とかそういった類のものではなく、どちらかといえば民家に近い外観。さすがの辻もこれでは裸足で逃げ出すに違いない。

こんな場所に入ってしまっては明らかに危険、尻の毛まで引っこ抜かれて、消費者金融で借金させられかねません。いくらなんでもこの店に入るのは危険すぎる。パンドラの箱を開ける以上に危険すぎる。

「冗談じゃない、僕はココで失敬させてもらうよ」

と呼び込みのオッサンに告げ、部下が盛り上がってバーで飲んでるのにワイフのために勘定だけ置いてソソクサと引きあげるナイスミドルな部長みたいなノリで言って逃げました。

それでも諦めきれないオッサンは、

「顔だけでも見ていってよ、おねがい」

と、僕の腕を掴んで離さないのです。離してなるものかとガッチリとキャプチャード。このシツコサこそが正に大阪と言わんばかり。

さすがに、こんな店に連れ込まれては生命すら危険なので

「ほんとに勘弁してください。新幹線の時間があるんで」

と懇願して逃がしてもらいました。

それから地下鉄の駅を探して徘徊してたら道に迷ったり、意味不明にスラムみたいな場所に出てしまったりして、すっごく時間を消費してしまいました。

そいでもって、物凄い勢いで広島に帰るべく新大阪駅へと走ったのですが。

山陽新幹線 博多方面 (終了しました)

と無情なる電光表示板。正確には目の前で最終の新幹線が発車していきました。この世に神なんていない。

悪魔の街と言われる大阪、その大阪の良い場所を再発見しようと飛び出した今回のなんば周辺散策。

結果的には、酔っ払いに恐れおののくわ、放置バイクにビビルわ、山下君のお母さんのコーラに1000円取られるわ、明らかにボッタクリな風俗店に引きずり込まれそうになるわ、道に迷うわ、最終の新幹線を逃すわ。ふんだりけったり。全くいい場所が発見できませんでした。ホント、地図からなくなってしまえばいいのに。

もう大阪になんか二度と行かないぞ!と、最終新幹線の出た後の新大阪駅を背中に、ネオンの街へと向かいながら堅く心に誓うのでした。

大阪散策シリーズ1 なんば編 おわり

シリーズ第2弾は西成周辺の予定です。


12/27 決戦はクリスマス

さてさて、12月25日は僕の将来を決する「最終プレゼン」および「B子プロデュース大忘年会」の2大イベントが押し寄せるという途方もない日でございました。まさに決戦はクリスマス。世間様がクリスマスに浮かれ、非モテが自虐し、恋人たちが変な棒出したり入れたりする中にあって、仕事仕事、プレゼンに職場の忘年会、まさに仕事の鬼でございました。

11月下旬あたりからの一ヶ月間、死ぬ気で狂おしいほどにこなしてきた仕事の数々、それの集大成とも言える最終プレゼントを終えれば、現在の職場ともおさらばです。後は2月まで適当に仕事をこなして退職するだけ。そして、このプレゼンが次の新しい職場の採用試験みたいな物になっておるのです。

そんなこんなで、このプレゼンは非常に重要なポジションを占めることは皆様も想像に易いと思うわけで、僕もサイトをほったらかす勢いでこの一ヶ月間、万全の体制で望んでいたのです。しかしながら、最終プレゼンの前日、つまりクリスマスイブの夜になるのですが、そこで僕は途方もない大ポカをやらかしてしまったのです。

「ぬめぱとクリスマスレィディオ」

もはやクリスマスイブの恒例行事、クリスマスイブを寂しく独りで寂しく過ごす人のために僕がネットラジオを放送するという企画があったのですが、これが非常によろしくなかった。

やはりプレゼンの前日ですから、まだ完成していない資料作りとか、プレゼン練習とかして己を高めたいじゃないですか。高めないまでも安息の時を過ごし、体を休めて万全の体調で本番を迎えたい、そう思うのが人情ってもんじゃないですか。

でも、前々からやるって宣言しちゃてたし、イブにやってこそのクリスマスレィディオだから日程をずらすわけにもいかないしで、しょうがないから放送することにしたのですよ。それがクリスマスイブの夜10時のお話。

最初こそはですね、遅くとも2時か3時くらいには放送を終わらせ、そこから職場に舞い戻ってプレゼン資料の直しや練習をしようと思ってたのですよ、よし、軽やかに放送を終わらせてプレゼンに備えるぞーと思って放送準備を整えたいたのですけど、

放送前の段階でリスナー数過多で放送サーバーがぶっ飛ぶ

という未曾有の大ハプニング。いやいや、どんだけの人数が聞いてるねん。あんたらクリスマスイブにんいやってるねん。もはやこれには泣きそうになったね。パソコンの前で必死に設定しながら泣きそうになった。

サーバーを提供してくださった管理人さんやお手伝いさんが必死になって復旧策を講じてくれたのですが、それでもサーバーが落ちる落ちる。結局、三つのサーバーを用いて放送を行って、負荷の分散を図り、まともに放送できるようになったのは日付が変わって12月25日になったころでした。

この時点で大幅に予定がずれ込んじゃってて、プレゼンに対する不安度が上昇してくるのですけど、それ以上にその後の展開が酷かった。

あのさ、クリスマスに独りで寂しくラジオ放送だー!って言っても、それでもやっぱ妙にやさぐれたりクリスマスを呪ったりしたくないじゃないですか。それでまあ、僕としてもクリスマスケーキとかシャンパンとか買ってきてですね、わーいクリスマスーと独りシュールにパーティーをしたかったのですよ。

それでまあ、ラジオも普通に放送できるようになったし、パソコンの前で聞いてくださってるリスナーさんのためにもクリスマス気分を盛り上げよう!ってシャンパンを開けたのですよ。シュポン!とか音をたててですね、ジョルジョルと飲み始めたのです。これがもう、明らかに失敗だった。

僕はもともと酒を飲めない人間でして、ものすごく酒に弱いんですよね。でまあ、放送を聞いていた方なら分かると思うのですが、それはそれはあり得ないペースで飲んじゃったんですよね。たかがシャンパンですけど、一杯目の時点で酔いがまわって言動がおかしくなってるのに、そんな人間があり得ないペースでじゃんじゃか飲んでるの。

そりゃあ当然ヘベレケになるわな。もうあり得ないぐらいヘベレケになってラジオ放送するわな。

リスナーさんが放送を録音してて、そのファイルを僕に送ってくれたので聞いてみたのですけど、激しく自己嫌悪に陥ったもの。誰これ?って問いただしたくなったもの。酔っ払いがくだ巻いてるだけのとんでもねーラジオだった。ラジオ放送として成立してないですよ、これは。

クソみたいに酔っ払ってて何言ってるんだかわからねーわ、ネタを投稿してくれたリスナーさんに激しくダメ出しするわ。挙句の果てに真剣に恋愛相談を送ってくれたリスナーさんに対する返答が「ソープ行け」ですからね。なんというか、こんな酔っ払いラジオ、やまだかつてない。

でまあ、当然ながら酔っ払いなもんですから、時間の概念とか時のベクトルとか、そういったものとは別の次元で存在していて、夜が明けようとしてるのに放送を終わらせようとしない。

気がついたときにはもう4時半とかそんな時間で、明らかに終わってました。全てのものが、あらゆる意味で終わってました。結局、プレゼン準備も練習もまともにやっていない状態なのに、そのプレゼン前日に徹夜でラジオ放送、しかも大泥酔。という途方もない状態。

放送終了後、六畳一間のアパートに独り佇みながら思いましたもの、今日のプレゼン、終わったなと。

でまあ、そっからプレゼンはスーツ着用なのにまたもスーツがシワクチャなのでアイロンがけをやったり、吐いたゲロの後始末をしたり、そんなあり得ない状態を経て軽い眠りについたのでした。プレゼンに対して計り知れない不安を抱えつつ。

しかしな、人間てすごいな。なんというか人間って未知の力があるよな。やらなきゃどうしようもないとか、やるしかないとか、そう思うことでどうしようもない状態から起死回生の力が出るもんだわ。

明らかに泥酔、しかも徹夜でラジオ放送、おまけに準備も練習もできていない、四面楚歌で、あきらかに終わってる状況であるにもかかわらず、ここから奇跡の大逆転。

酔っ払ってそのまま寝込んでしまったのに、30分後にはムクリと起き上がる僕。まだぜんぜん酒も抜けてなくて、しかもすっげえ眠いのに、「起きなきゃ、やらなきゃ」と起き上がる僕。

で、這うようにして職場へと向かい、オフィスで何者かに憑依されたような鬼気迫る勢いでプレゼン資料の修正を始めたのです。もう、普段なら直すだけで7時間ぐらいかかりそうな膨大な資料を、1時間ぐらいで修正しきってました。

で、そこから、発表の練習ですよ。プレゼン原稿を手にオフィスの隅でお経のようにブツブツと発表の練習を始めやがったのです。プレゼンにおいて原稿を読みながら発表するってのはカッコ悪いですから、原稿を暗記するためにとにかくブツブツと。数十分におよぶ壮大なプレゼンの内容の暗記し始めました。

で、出勤してくる同僚どもは、鬼気迫る僕が酒の匂いをプンプンさせながらお経のように原稿を読んでいるものですから、「一体彼に何が・・・」と恐れ戦いていたのですが、集中力を高めている僕には関係ないことでした。

で、プレゼン開始直前には資料も完璧、原稿の暗記も完璧といった状況で、あれほど最悪な状況だったのに人間やればできるものなんだなーとつくづく思ったのでした。

で、スーツに着替え、プレゼンに備えるのですが、ここで大問題発生。準備は完璧に整ったというのに、大問題発生。

いやね、シャックリが止まらないんですわ。

もうあと5分ほどでプレゼンが始まる、大型スクリーンの前でスーツ着てC-C-Bのドラムの人みたいなマイクをつけてスタンバッてるというのにそういう宇宙の意思みたいな状態でシャックリ大連発。しかも全然とまらない。Romantic以上に止まらない。誰かと・め・て。ってな状態。

でまあ、

「ですから、この部分のデーターの再現性につきまして・・・ヒャック!」

「市場のニーズを考えた場合、この部分での減少は必ずしも悲観すべき事象ではなく・・・ヒャック!」

「その指摘はごもっともです。ですからそれを改善するために・・・ヒャック!」

とか、マイクが全部シャックリを拾うもんだから、本当に酔っ払ってプレゼンをやってるような状態でした。どっかの立ち飲み屋で喋ってるオッサンみたいになってました。どんなプレゼンやねん。

でもまあ、シャックリなんて人間の生理から考えれば仕方のないこと。それ自体はあまり問題ではなかったようで、肝心のプレゼンの内容自体は問題なかったらしく、

「うん、しっかりまとまってていいんじゃないかな」

と、途方もなく雲の上の存在で至上の存在であるお偉いさんに褒められました。あんな状態からプレゼン成功まで持っていく、人間やればできるものです。

僕も僕で

「ありがとうございます。ありがたき幸せです!ヒャック!」

とお偉いさんにお礼を言ってました。

で、「やっとおわったー」と気が抜けちゃった僕がオフィスへと舞い戻ると、そこでは同僚たちが「おつかれさま!」などと拍手で出迎えてくれたのでした。

普段、僕を褒めることなど全くないウンコ上司も、「なかなか頑張ったじゃないか、いいプレゼンだったよ」とか、柄にもなく優しい言葉を投げかけてくれたのでした。

こんなクリスマスの日にプレゼンを設定したのは他でもないウンコ上司で、こんな日にやるんじゃねえよ、と憎んだりもしたのですが、なんだかとても優しい気持ちになりました。

苦しいことを乗り越え、すべての人が優しい気持ちになれるクリスマス。きっと、プレゼントを渡したり綺麗な夜景を見たり高級なホテルに泊まったりするのがクリスマスではないのです。

サーバー落ちまくりの泥酔者ラジオ放送を温かく見守ってくれるリスナーの皆さん。聞きながらも「おい、patoのヤロウ、すげえ酔ってるけどプレゼン大丈夫なのかよ」と言葉は悪いながらも心配してくれるリスナーさん。放送に協力してくださった管理人さんおよびお手伝いさん。そしてプレゼンを手伝ってくれた同僚たち。労ってくれた同僚や上司。沢山の声に支えられながら僕は生きている。

誰もが普段より少しだけ優しい気持ちになれるクリスマス。その気持ちが僕には何よりのクリスマスプレゼントでした。僕自身も、いつもよりちょっとだけ優しい気持ちになれる、そう感じたのです。

でもまあ、いくら優しい気持ちになれるとは言っても、プレゼンの成功に気をよくした上司が

「やっぱクリスマスにプレゼンをやるようにしてよかた。わしの手柄だわい。プレゼンだけにクリスマスプレゼント、がはははは」

と言った時には、17インチのCRTディスプレイで後頭部を殴打したくなりました。

誰もが少しだけ優しくなれるクリスマス。その気持ちに感謝しながら来年もまたこの優しさに包まれることを祈って僕は少しだけ涙するのでした。全ての人に優しさを、メリークリスマス。

そんなこんなで、決戦はクリスマス第一弾「プレゼン編」はこれにて終了。そして第二部、「B子プロデュース大忘年会編」に続く。

次回予告 「B子さん、コンドーム持ってきましたよ!」
「わたし・・・わたし・・・」
涙するB子、そしてあり得ない出し物たち、一体この宴はどうなってしまうのか!次回、B子の涙とコンドームの謎が解き明かされる!乞うご期待!!


12/24 ぬめぱとクリスマスレィディオ

ぬめぱとクリスマスレィディオ -グノーシスナイト-

放送開始 12/24 (終了しました)
放送終了 12/25  (終了しました)

放送URL (終了しました)
放送ヘッドライン (終了しました)
放送用BBS (終了しました)
最終プレゼン(終了しました)

サーバー提供管理人さんに感謝しつつ放送します
聞き方 
この辺をご参考に

募集テーマ

1.クリトリスの思い出

クリスマスの思い出じゃないですから注意してください。弄ってたら取れちゃってファミコンのボタンみたいになってた、とか肉感的で生々しい思い出を待ってます。

2.初めてオッパイを触った時の思い出

どういうシチュエーションで、どんな感触だったか。その時何を感じたか、宇宙を感じたのか。小宇宙(コスモ)を燃焼させたのか、詳細に教えてください。

3.patoさん恋愛相談室

クリスマスを寂しく過ごすサムライどもの真剣な恋愛相談待ってます!今から好きな人に告白しようと思います!お薦めのセリフを考えてください!など、特攻隊のような勇ましい相談を待ってます。また、大好きな人がきっと今日のヌメリラジオを聴いてるはず、という方はその方だけに分かる形でメッセージを送ってもらっても構いません。読み上げます。

全てのテーマはp1bgm@polka.plala.or.jpまで、題名に募集テーマを書いて送付してください。フォームから送ってもらっても構いませんが、こちらのほうが僕としては助かります。

そんなこんなでイブの夜にお送りするクリスマスレィディオ。基本的にはクリスマス死ね死ね!カップル死ね死ね!ですが、今は独り身でも頑張る人を応援するようなラジオにしたいと思います。

あと、放送中に流れるヌメリ公式ソングについて歌詞を載せて欲しいという問い合わせがありますので、一応歌詞を掲載しておきます。

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恋はランバダ

[恋はランバダ] word by pato/music by リーダー

熱く照りつける太陽 君の笑顔ほどマブシイ
そんな君のラヴビーム サングラスで遮るほどヤボじゃないぜ

許せねえやつは殴り倒せばいい
好きな奴なら抱いてしまえばいい
我慢して生きてたって 何の意味があるっていうんだ?

カモン カモン
アイツのドコがいいんだい?
俺のほうがイカスぜ 黙って俺について来い
渚のパラダイス探しにいこうよ

恋はランバダ 君はランバダ 夜はランバダ        
甘く切ない抱擁くりかえせば たちまち俺はメロメロさ
恋はランバダ 君はランバダ 夜はランバダ
優しい言葉だけじゃ 伝わらないことだってあるんだ

ベイビーイェイ!

厳しく吹きつける北風は 冷たく君の視線みたい     
そんなものは欲しくない 熱視線を焦がすほどに飛ばせよ

いろいろな愛情の形が欲しくて
何を求め町をさまよったのだろう
求めつづけて生きていたって 楽しいことはありゃしないんだろ?

カモン カモン
アイツを殴っていいのかい?
俺のほうが強いぜ 俺にひれふしろ
最強の男を決めようぜ

恋はランバダ 君はランバダ 夜はランバダ        
激しい戦い たどり着くもの全て
恋はランバダ 君はランバダ 夜はランバダ
本気でやりあった奴はみんな友達なんだ


オー!イエス!
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恋のパンチドランカー music by hikaru /word by pato

恋のパンチドランカー
揺さぶられてる、私のこ・い・ご・こ・ろ
ノックアウト 寸前だよ

愛するあの人の 愛する瞳を
見つめていると 私の心クラクラ(クラクラ)

アナタの白い歯が キラリと光ると
光瞬きすぎて 私の心クラクラ(クラクラ)

ずーっと前からアナタのことが 好きでした
影からずっと あなたの姿を
目で追いながら ずーっと追いかけてた
恋のロードワーク 「ズキュン」

恋のパンチドランカー
揺さぶられてる、私のこ・い・ご・こ・ろ
ノックアウト 寸前だよ

手紙を書きましょう 愛するあなたへ
心臓バクバク 私の心クラクラ(クラクラ)

だけども渡せない 怖くて怖くて
振られちゃったら めまいでクラクラ(クラクラ)

恋をするのってずいぶん体力 いるのね
走って思って あなたの全てを
何度も夢見て デートを夢見て
恋のスパーリング 「バキュン」

恋のパンチドランカー
やっぱり怖いわ 勇気を出してガ・ン・バ・レ
ノックアウト 寸前だよ

恋のパンチドランカー
揺さぶられてる、私のこ・い・ご・こ・ろ
ノックアウト 寸前だよ

だって素敵な恋心
倒されたって かまわない全てを
ぶつけて 全てをだして 
全てを投げつけて
アナタをノックアウト
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恋はズンドコ 〜ドス恋LOVE〜  word by pato/music by リーダー

濃い恋よ来いなんて いつも嘆いたりするけど
故意に恋に恋してる 受身な自分 ダメだよね

欲しいなら自分から動きださなきゃ ぶつからなきゃ
恋のテッポウ 恋のツッパリ ぶちかまし
いつだって真剣 ガチンコよ(Yo!チンコ!)

フンドシ締めて さあいこう
恋の土俵に待ったなし 待ったなし 待ったなし

はー!もっこす ドス恋 女は度胸
はー!もっこす ドス恋 男は根性
恋はズンドコ ドンドコ どこまでいくの
巡り巡ってドス恋LOVE (Ya!)

恋はいつだってActionとReaction
だけどCautionいつだってRation
夜明けのStationアナタとPassion
もうとまらない 絶え間ぬLOVE Motion
Do・Su・Ko・I LOVE

カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモンベイベー


(Yo!チンコ!)(Yo!チンコ!)(Yo!チンコ!)

カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモン
カモンカモンカモンカモンカモンカモンカモンベイベー


ワタシの恋模様 ごった煮ちゃんこ鍋

はー!もっこす ドス恋 女は度胸
はー!もっこす ドス恋 男は根性
恋はズンドコ ドンドコ どこまでいくの
巡り巡ってドス恋LOVE (Ya!)
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クリスマスのバカヤロウ word by pato/music by リーダー

君の吐く息が 澄んだ空気を白く染める
12月の優しい街の光が
暖かく君の頬を染める

イルミネーションサーカスを
君と 手をつないで くぐりぬけ
綺麗だね と呟いた

赤と白の町並みに
粉雪が降り注ぎ 祝福するよ
Merry Christmas

So...Merry Merry Christmas
Happy Happy Christmas
今宵 君の頬に触れる 雪になるよ

Merry Christmas

なんてふざけたこといってんじゃねえ
クリスマス?ああん?
うかれてんじゃねえよ

死ね死ね!クリスマス死ね
愛をささやくカップル死ね

イブの夜はラブホも満室 特別料金 わお

ファック!キリスト オーイエー
キルユー!サンタ

トナカイまでぶっ殺してやるぜ
死のベルを鳴らせ

メリークリスマス、メリークリスマス
メリークリトリス

クリスマスのばっきゃろおおおおおおおおお
ベイベー

死ね死ね クリスマスのバカヤロウ

So...Merry Merry Christmas
Happy Happy Christmas
今宵 君の頬に触れる 雪になるよ

Merry Christmas
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「剛毛ラバーズ」  word by pato/music by リーダー

英字プリントTシャツの
襟から覗く あなたのMUNAGE
いったいどこま続いてるの?

水着になったアナタの足は
真っ黒茂る 魅惑のSUNEGE
どうしてそんなに生えてるの? 

アナタの茂った胸毛を見つめると
恋のハートが モシャモシャ
一本たりとも 逃せない 逃せない

夕焼けに、焦がれるあなたの体毛
針金のようなその強さ
私の心はモンテスキュー

そうよ、いつまでも
その毛を私に 絡み付かせて 絡み付かせて
もう逃れられない そんな気持ちで
剛毛ラバーズ

お願い、いつまでも
その毛を私に 絡み付かせて 絡み付かせて
窒息するほど 捕まえていてね
剛毛ラバーズ


恋をする度 密かに伸びる
白い指に ワタシのYUBIGE
指輪をするのに邪魔だよね?

裸になったワタシの脇は
鼻が曲がるよ 匂うよWAKIGE
どうしてこんなに匂うの?

ワタシの茂った体毛は、他でもないよ
アナタとお揃い モシャモシャ
絡み合いたい いつまでも いつまでも

夕焼けに、焦がれるワタシの体毛
綿毛のようなその柔らかさ
私の心はマッキントッシュ

そうよ、いつまでも
この毛をアナタに 絡み付かせて 絡み付かせて
もう逃さない そんな気持ちで
剛毛ラバーズ

絡み合う 2人の剛毛
いつまでも 永久に 永久に
複雑に絡み合うわ
剛毛ラバーズ

剛毛ラバーズ モシャモシャ!
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放送中は、買って来たケーキを丸ごと食し、鳥の足を食らいながらシャンパンをがぶ飲みして泥酔状態でお送りする予定です。プレゼン?なにそれ?といった構えも辞さない覚悟ですので、イブの夜に寂しく過ごしている方は聞いてやってください。

それでは、ラジオ放送でお会いしましょう。メリークリスマス!


12/23 現代版一杯のかけそば

年の瀬押し迫るこの時期になると思い出すエピソードがあります。「一杯のかけそば」と呼ばれる余りにも有名すぎる短編小説、これがどうしても僕の頭から離れないのです。

ちょうど今から15年ほど前でしょうか、おそらく平成元年だかそういった時期で、昭和から平成へと移り変わった激動の時期だたような気がします。たぶん、今のように不況の真っ只中だとかそういった風潮ではなかったと思います。

そんな時期に爆発的にブレイクした「一杯のかけそば」。人々の優しさだとか貧しさに耐える姿だとか、そういったものが多くの人の心に響き、日本中が涙したとまで言われたものです。

この話のストーリーは、僕自身もおぼろげにしか覚えていないのですが、確か、雪の降る大晦日の夜に貧しそうな母と子供2人の親子連れがソバ屋にやってきて

「あの・・・かけそば・・・一杯・・・よろしいでしょうか・・・」

と、3人で1杯のソバを、しかもメニューの中で一番安い「かけそば」を頼み、1つのドンブリを囲んですする、といったものだったような気がします。この貧しき姿が人々の涙を誘ったのです。

で、毎年毎年、大晦日になるとその親子連れは表れ、そして1杯の「かけそば」を頼むのです。不憫に思ったソバ屋の主人が、ソバをこっそり半玉多めに入れてあげたりして、優しさを見せる。そこでまたオーディエンスは涙ですよ。

でまあ、ある年から親子連れは現れなくなって、何度か普通の大晦日が過ぎて行ったのですが、その数年後、あの時の子供が成長したのでしょうね、なにやら身なりのよい格好をした2人の青年と、年老いた女性が店にやってきたのです。あらら、貧しさに耐えて息子達は立派になったのね、よかったね、お母さん。ということでハッピーエンド。

確かこんなストーリーだったように思います。

貧しさに耐えて立派になる子供達、子供達に年越しソバを食べさせたくて、恥ずかしいのに勇気を出して一杯のソバを頼む母親、そしてコッソリと優しいソバ屋の主人、それらが3人でソバをすする姿と相まって、絶え間ない感動を人々に与えたのです。

しかしどうでしょう、今こうやって「1杯のかけそば」のストーリーを書いてみましたが、よくよく考えてみるとそこまで感動するような話じゃない気がしませんか。

なんというか、そこまで感動するような、ましてや当時のウチの母みたいに感動してオロロンオロロンと泣くような、そこまでの感動話じゃない気がします。なんというか、現代になってこの話が初めてドロップされたとしても、あまり民衆の感動は得られないような気がするのです。

これはきっと、僕ら民衆が置かれている立場が当時とは大きく異なっているからだと思います。

この「1杯のかけそば」が大ブレイクした時代、バブルが崩壊し、東証平均株価が物凄い勢いで下落し始めていた時代とはいえ、人々の生活は今よりは格段に裕福でした。

バブルの名残と言うかなんというか、それよりなにより、底なしの平成大不況である現代に鬱積する閉塞感のような物がありませんでした。「不景気でもいつか景気が戻るさ」、そんな楽天的な思想の下、まさか今日の日本のように先の見えない時代に陥るとは、誰も思っていなかったのでしょう。年金制度が崩壊することも、社会保障費が増大することも、国が返せないほどの借金を背負うことも想像できなかったのです。

そんな今よりも幾分と裕福な時代にあって、「1杯のかけそば」は大ブレイクしました。それは正に自分たちが裕福であり、貧しい人を見てお安い感動を得るのにうってつけだったのです。

人は、自分達が裕福であるほど、貧しさとか貧困とか、すいった感動話に涙します。自分達が限りなく安全であるほどリスキーな話や、海の向こうの戦争の話に目を向けます。きっとそれは、自分達にないものをどこかで求めているという側面もあるかと思いますが、それ以上に自分の裕福さ、安全さを再確認したい、感動に涙しつつ自分が恵まれているということを実感する、そういった側面が強いのではないでしょうか。

自分よりやや恵まれている、けれども世間的には恵まれていない、という人に対して「可哀想」と思うことはないですし、そういった人のエピソードに感動することも少ない気がします。誤解を怖れず言ってのけますと、可哀想だとかそういった感情を抱くということは、対象を下に見てる部分が多少なりともあると思うのです。言葉が悪いですが。

こんな貧しい時代にあって、親子3人で1杯のソバを食っていたって、誰も「わ、貧しい家族だ、可哀想」なんて思いません。恰幅の良い中年男性がマクドナルドの60円ハンバーガを求める行列に並ぶ時代です。そんなものじゃあ誰も感動しない。この人たちより自分は裕福だって感じないし、下手すれば、「3人で1杯でも食えるだけマシ、俺なんてここ3日ほど・・・」といった人もたくさん出てくる可能性があるのです。

こんな時代にあって、3人で1杯のかけそばなんて貧しくない。全てはこれに尽きるのだと思うのです。貧しいとも可哀想とも思わないから、自分の裕福さを実感できないし、さして心も動かない。だから「一杯のかけそば」は現代では通用しない。きっとそういうことなのだと思います。

ということで、本日のNumeriでは、今日、今まさに巻き起こった悲惨で悲劇的な出来事を元に、現代版「一杯のかけそば」をお送りしたいと思います。誰もがこの主人公な悲惨な姿に涙し、ああ、コイツに比べれば俺なんてマシなんだ、と感動すること間違いなしです。圧倒的に悲惨で可哀想な男の物語に全米が泣いた!そんな謳い文句でいよいよ公開です。

現代版一杯のかけそば「1個のファイル」

これは、1つのファイルを巡る物語です。

12月になり、街のあちこちでクリスマスイルミネーションが灯る頃、patoと呼ばれる男は1つの仕事に没頭していました。自分の将来を決する一世一代の大仕事、それに一ヶ月あまり没頭していたのです。

その仕事の成否を決する最終プレゼンテーションの日付が12/25に決定し、「決戦はクリスマス!」を合言葉にpatoは何日も徹夜して、大好きなオナニーの回数も半分に減らしてプレゼン用資料の作成に没頭したのでした。

そして、決戦のクリスマスの3日前、本人も驚くぐらい頑張った甲斐がありました、なんと、その最終プレゼン用の資料がいち早く完成してしまったのです。

パソコンのデスクトップに誇らしげに鎮座するプレゼン用資料のファイル。いつもは自分にちょっと自信がもてない控え目な男でしたが、その彼に「我ながら会心のできだ!」と言わしめるほどそのファイルの完成度は高かったのです。

やはり、プレゼントは視覚的に分かりやすくなければいけません。分かりやすいように山盛りでカラフルなイラストを掲載し、動きのある部分はダイナミックにアニメーションで表示されるように作ったのです。それほど手の込んだ、まさに仕掛けだらけのカラクリ箱のようなプレゼンファイルでした。

絵を多用し、ダイナミックにアニメーションを加え、数十枚におよぶスライドをまとめたファイルは約49MBにもなったのです。これはもう、ファミコンのカセットなら10本分に相当する容量です。ポートピア連続殺人事件10本分、ダウ・ボーイ10本分です。

「やっと完成した。発表の3日前に完成した。俺もやれば出来るじゃねえか」

男は感慨深くそのファイルを開いてスライド表示させ、少し涙目になりながらパシュパシュとスライドの切り替えやアニメ表示を眺めていたのです。

「いいえ!テレビで言ってましたもの!絶対にいないんです!」

「バッカだなー、よくニュースになってるの見ないの?山菜取りの人が襲われたとか」

すると、何だか知らないけど、横の方から激しい口論が聞こえてきたのです。見ると、オフィスの端の方で大崎とB子が激しく口論していました。

「ですから、当の昔に絶滅したんですよ。ニッポンオオカミとかと一緒に」

「まさか。ついこの間も冬眠前のヤツが出たってニュースになってたよ」

「それは何かの見間違えですよ」

なんだか、2人ともいつになくエキサイトしていたのですが、肝心の口論の内容は「日本に熊はいるのか、いないのか」というもの。アカデミックにプレゼン資料を作っていた僕に比べ、随分とショボイ議題です。

で、B子のヤツは決定的に勘違いをしているらしく、「日本の熊は絶滅した。絶対にいない」と主張して譲らないのです。頑固なのは己のマッスルだけにして欲しいのですが、どうしても日本の熊が絶滅したことにしたいようなのです。

そして、その相手がまた悪い。妥協することを知らない鬼の大崎ですから、普通なら「はいはい、もしかしたら絶滅したかもね」とかお茶を濁し、真実を捻じ曲げてB子の機嫌を取ったりするのですが、大崎はそういった曲がったことが大嫌い。

「絶滅するわけないじゃん。今でも山とか行ったら出てくるわ」

と冷徹に、離婚協議に臨むアメリカ人女性のように言い放ってました。

「いる!」

「いない!」

「じゃあ連れてきてください!今ここに!」

「アナタはバカなのですか?」

「証明して下さい!」

「いるといったらいる。間違いない」

「いーえ、いません!」

とか、もうあまりに大崎が冷徹なもんだから、B子さんちょっと涙目になってた。口喧嘩に負けた後の小学生みたいになってた。いい年した大人のどうでもいい口論とはみっともないものです。いい歳したオッサンが女子高生のサイトに狂ったように粘着質に書き込むくらいみっともないものです。見てて精神衛生上よろしくない。

でまあ、こんなアホの子のような風景もいつもの職場の日常でして、こんな強欲な親族による骨肉の遺産争いもビックリの口論も、特に気にすることなく聞き流してプレゼンファイルを閲覧していたのですが、

「おい、pato君。日本にも熊がいるってこと見せてやってよ」

とか、大崎のヤロウが僕に話題を振ってくるものだからさあ大変。

「絶対に絶滅してますよね!」

と猛牛の如く、むしろキサマが日本に住まわす熊じゃないのか?と言いたくなる勢いでB子が突進してきたのです。

でまあ、僕も「しかたねーなー」という勢いで、「山菜取りに行った人が熊に遭遇して命からがら逃げてきたニュース」とか「熊と格闘した農家の人のニュース」とか「熊殺し大山倍達」とか「ウィリー・ウィリアムス」とか見せてやろうと、インターネットブラウザを立ち上げたのです。そんなもの検索すればいくらでも出てきますから、バリッとブラウザを立ち上げ、ちょっと来い、と、大崎とB子を呼び寄せたのです。

その瞬間でした。

ブラウザを立ち上げたその刹那、「ピコッ」とか訳の分からないコミカルでファニーな音がパソコンから発せられ、しかも無造作に再起動とか始まっちゃったんです。

「うわー、プレゼン資料の細部直しして保存してなかったー!」

ちょっとずつ直しを入れていたプレゼン資料ファイル、その作業を保存していないのに再起動されてしまったのです。うわー、1時間ぐらいかけて直したのやり直しかよー、やっぱこまめに保存しなきゃダメだなー、とかブルーになりながら、再起動の行方を見守っていたのですが、再起動後のデスクトップには驚愕の事実が

ファイルがない・・・。

もう、なんというか、作業前の状態に戻ったとか、ファイルが壊れちゃった、テヘッとか、そういうのを超越してファイル自体が存在しないのです。

バカなー!こんなことってありえるのかー!もう何年もパソコンをやってるが、こんなの初めてだぞ!俺の1週間を!連日連夜の徹夜はどうなるんだー!

と叫びつつ、ハードディスク全体を4回くらい検索したのですが、プレゼン資料のカケラすら見当たりませんでした。

「テメエらが熊とかどうでもいいこと言うからパソコンが壊れたんじゃねえか!俺の資料返せ!」

「頼んでもないのに、自分でブラウザを立ち上げたんじゃないですか」

「勝手にブラウザを立ち上げてフリーズさせたのは君じゃないか」

「うるせーバカ!フリーズじゃねえ、勝手に再起動したんだ、ボケが!」

「とにかく、俺は悪くない」

「わたしも」

「死ね、七回死ね!部屋の照明をピンク色にして七回死ね!」

とまあ、3人で熊以上の醜さで責任のなすりつけあい。もう、なんていうか、人間の醜さというかみっともなさというか、そういうのを全て曝け出してたからね。

でまあ、さすがに可哀想だと思ったのか、少しは責任を感じたのか

「言い争っていても仕方ない。作り直そうや。俺らも手伝うから」

「そうですね、3人でやれば早いですよ」

「ん・・・、だな。ごめん、死ねはちょっと言い過ぎた」

と冷静になり、なんとか三人で作業するのでした。

僕は持ち前のキータッチスキルを駆使し、鬼のような速さで文章を。B子はゴミ箱を漁り、プリントアウトしていたプレゼン資料を必死になって復元、大崎は、必死になってイラストを復元していました。

こうして、3人でたった1個のファイルを復元する作業が続いたのです。大の大人が3人で、1個のファイルを。その姿を見てあまりに不憫に思ったのか、店の主人(上司)もこっそりと打ち直しを手伝ってくれました。

それから数時間後、全員の力を結集して復元されたプレゼン資料は、なんとか体裁だけは整いました。

しかしながら、時間がなかったため、イラストなんてほとんど白黒、しかも大幅に枚数をカットしています。それにアニメーションとかそんなもの作り直す余裕もありませんでしたから

復元ファイルのサイズは約4MB。最初の1/10以下、もはやファミコンのカセット以下です。

「3人で力をあわせればなんとかなるものだな」

「ええ、わたし、なんだか感動しちゃった」

満足そうに顔を見合わせるB子と大崎。その光景を「友情って素晴らしい」という顔で上司が見つめていました。

僕も僕で2人に感謝しつつ、「ありがとう、素敵な同僚がいて僕は本当に幸せだ」と・・・・

言うはずもなく、ただただ涙を流しながら「あんだけ徹夜して作ったファイルがこんなショボショボに・・・死ね死ね、B子死ね、大崎死ね、熊も絶滅しろ」と、まるで戦時中を思わせるかのように白黒なスライドを見て嘆くのでした。

「で、日本の熊はやっぱり絶滅して・・・」

「だーかーらー、普通にいるって」

と、また言い争いを始めたB子と大崎に対して、「山の中にいるとか論点がズレてる、熊なら動物園に行けば普通にいる、俺、この間も見てきたよ」

と見も蓋も無いことを言うことしかできませんでした。

決戦はクリスマス、最終プレゼンはクリスマス。その3日前にして自らの武器であるプレゼン資料が火縄銃並の装備になったことに対し、僕は一抹の、いやいや溢れんばかりの不安を抱くのでした。

凍てつく寒さの12月、窓の外にはチラチラと粉雪が舞っていました。

現代版一杯のかけそば「一個のファイル」おわり

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どーよ、この感動巨編。

あれでしょ、もう明らかに可哀想でしょ。うわ、俺より可哀想!とか、すごく優越感で感動に浸れるでしょ。もう涙でディスプレイが見えないでしょ。やっぱね、こういった誰よりも可哀想な人って感動物には必要だよね。

でまあ、結局何が言いたかったのかといいますと、これからこの火縄銃並のショボショボ資料を、色つけたり絵を描いたりアニメにしたりしますから、こんな長編で日記を書いている暇なんてないということ。これが言いたかったのです。

どんなに時間がなくても、あまりに我慢できなくて事の顛末を日記に、しかもかなりの長文で書いてしまう僕。ファイルが消えたことよりもこの事実の方が可哀想なのかも知れない。

決戦はクリスマス、プレゼン中に猛り狂った熊が襲ってきて中止にならないかなー、と本気で思いつつ、今日も徹夜で作業します。


12/21 過去ログサルベージ12

11月下旬から狂ったように仕事が忙しくなり、それこそ当サイトの更新をかなりおざなりにしてしまっていたのですが、いよいよその僕と僕のサイトを苦しめる仕事の終焉が見えてきました。

12月25日午後4時

この時間に行われる最終プレゼンを終えれば1ヶ月余り続いた多忙期間が終了いたします。プレゼン用スライド80枚に及ぶ壮大な最終プレゼン(約1時間)を終えれば全てが終了。この日が来るのをどれだけ待ちわびたか。

ということで、少しばかりその前後のスケジュールを確認してみますと

12/24夜 ぬめぱとクリスマスレィディオ
12/25夕方 最終プレゼン
12/25夜 大コンドーム忘年会

最終プレゼンの前の夜。最終プレゼンに向けて集中力を高め、己を高めなければならない前日夜にネットラジオとか、どういうつもりなのか自分を激しく問い詰めたいです。

そんなこんなで、早めにプレゼン準備を終わらせるべく、大車輪の勢いで頑張ってますので今日も過去ログサルベージ。ほんとすいませんねぇ、今の仕事さえ終われば鬼のような勢いでまた更新しますので。それではどうぞ。

2002FIFAワールドカップ(2002/5/16)

いやはや、ドイツ在住のヌメラーさまから手紙でエアメールが来ました。なんとも手紙とは趣があってよいものです。何度も言うように、手紙ってのは相手が書いた文字です。相手がセッセと便箋を封筒に入れ、ポストまで出しに行ったものです。なんとも狂おしい。なんというか手紙から相手の姿が見えるようです。とても趣があってよい。

しかもなんか、ドイツからですからね。遠い遠いドイツからやってきた手紙。なんともロマンではありませんか。もう感動した。というわけで、僕も手紙で返事を出しちゃったりとかしようかと思っちょります。字は汚いけど頑張るぞ。ところで、エアメールってどうやって出せばいいんですかね?

さてさて、のっけからドイツからエアメールがきた、などと国際色豊かな話題から入った、ちょっとインターナショナルテイストなNUMERIですが、インターナショナルといえば、もうすぐ日韓共催ワールドカップがやってくるではないですか。

世界最大のスポーツイベント。ワールドカップ。数多くの国と地域が参加した予選を勝ち上がった世界の強豪国と開催国の日本と韓国がサッカーで火花を散らす。なんとも心ときめくイベントではないですか。

いやね、僕はサッカーのサの字も知らないようなドシロウトですよ。試合とか見てても面白くもなんともありません。なにせ「オフサイドってなに?」ってなレベルですから、ルールを知らなきゃ面白くもなんともない。でも、ワールドカップは楽しみ、と訳の分からん状態です。

いやね、祭りってのは祭りが楽しいのではなく、祭りの準備が一番楽しいんですよ。若かりし頃、文化祭の準備に夜遅くまで学校に残り、普段はあまり接点のないクラスメートと協力して準備をしたりとかしませんでしたか?なんともドキがムネムネするじゃあないですか。新たな恋も生まれちゃったりなんかしてね。ああ、狂おしい。

で、やっぱ祭りってのは準備期間がアレコレ考えたり、想像したりして一番胸が躍り心ときめくんだと思うのですよ。ああ楽しみだ、祭りが楽しみでしょうがないってね。ワールドカップかて同じですよ。しかも今回は我々が開催国ですよ。なんとも準備気分が味わえるではないですか。

着々と整備される会場施設。テレビが伝える日本代表の近況。さらに、各放送局の広報活動。フーリガン対策のアピール。そしてチケット未到着の苦情殺到。便乗して売ってやろうと次々に出されるサッカー商品。なんとも胸がときめくではないですか。こういった、なんていうか、一つの事柄に向けて全体が突き進んでいく非日常な日常というのがなんとも狂おしい。なんか台風がやってくるのと感じが似ています。ビバ非日常。

このようにサッカーを知らない僕かて勝手に心ときめかせてるわけですから、もうサッカーファンな人々は尋常でない狂おしさではないかと思います。やはりワールドカップってすごい。たぶん日本戦がある日などは皆が仕事もソコソコに引き上げて早めに帰宅すると思います。僕は祭自体には興味ないですのでコソコソと日記を書いてそうです。なんて非国民な。

さらにワールドカップの重要なポイントとして、国際交流が挙げられるかと思います。世界中が注目するイベントが行われる日本と韓国。世界中から押し寄せるサポーター。いまだ鎖国的である日本をもっと国際色豊かに、そこまでとは行かなくとも異文化触れるチャンスではないかと思うのです。異なる文化との接触は視野を格段に広げる。

いやね、海外旅行に行っても必死でブランドバックや幼女を買い漁るのが日本人。旅行に行っても文化に触れようともしない。ならば、向こうから大量に押し寄せてくるワールドカップは大チャンスなのですよ。来るなって言っても向こうからやってくるのですから。合言葉は近所で異文化交流ですよ。

で、先日何の気なしにテレビを見ていたら、なんかどっかの街にどっかの国の代表チームがキャンプインしたという話題でした。どこの街でどこの国だったか忘れましたが。そういや全国の自治体が必死でキャンプ誘致してましたものね。なんか僕の故郷鳥取ではエクアドルチームがキャンプするそうですよ。あんな砂しかない所でサッカーして彼らは何を得るのつもりなのか甚だ疑問です。

で、そのどっかの街にキャンプインしたどっかの国の代表チームは、それはそれはもう大変な歓迎ぶりでした。商店街には「がんばれ!なんとかチーム」とか掲げられてましたし、物凄く盛大な歓迎レセプションとか行われてました。その模様をテレビでやってたのでボーっとみてたのですよ。

で、自治体の偉いさんとか出てきて挨拶とかあったと思うのですよ、で、歓迎の花束を地元の小学生女子が代表チームに渡したのです。緊張の面持ちで、少々怖がりながら花束を渡したのです。その瞬間に事件は起こったのです。

花束を受け取ったどこぞの国の代表の人は、

「オー!サンキュー」

と言わんばかりに渡してくれた少女にkiss。狂おしいほどにキッスですよ。何も知らない少女はビックリしてのけぞってました。かなりビックリしたでしょうなぁ。で、その後にちょっと照れつつはにかんで見せてました。萌ェ。

ハァハァ・・・・何も知らないいたいけない美少女に、花束にかこつけてキッス。ハァハァ・・・一歩間違えたらレセプションにかこつけたセクハラではないか。セクハラマニアとしてはなんとも興奮する。

いやね、海外では感謝と同時にキッスって極めて一般的な風習ではないですか。しかし、いくら日本が海外文化に侵されているといっても、あまり浸透していないのです。この少女は何もしらずに花束を渡し、キッスされたのです。コレこそが真に異文化に触れるということではないでしょうか。この少女はとてもよい経験をしたと思う。とホノボノと見ていたら途方もないことに気づいたのですよ。すごくコロンブスの卵のようなことに気が付いたのです。

異文化なら何をしても許される

いやね、先の小学生キッス事件にしたもそうなのですが、異文化だから少女も驚きつつも理解して照れ笑いなのですが、これが校長先生とかだったらどうだとおもいますか?全校朝会で作文コンクールで優勝した少女に賞状を渡しつつ校長のヒヒジジイがキッスとかしたらどうなりますか。たぶん少女は泣き叫び、狂ったようにシャワーを浴びます。その少女の両親は怒り狂い校長に苦情を。そうなってはPTAも教育委員会も黙っちゃいません。ワイドショートかも来て「キチガイ校長、全校朝会で美少女にセクハラ」とか報じられます。で、校長は懲戒免職と。たった一度のキッスで全てを失うことになりかねません。

そこで異文化ですよ。それがキッスなどという破廉恥行為であっても「あれがあの国の文化なのだから」と皆が理解できる。キッスされてもいいや、あの国の文化は挨拶代わりにキッスだしね!と小学生でも理解できるのです。

ならば日本の文化は挨拶代わりにセックスにしましょう。

感謝の意を表す時は相手の服をひん剥いて、変な棒出したり入れたり。感謝の意を込めて出したり入れたり。なんとも狂おしい。普通ならレイプで逮捕されかねませんが、大丈夫です。それが日本の文化なのだから。諸外国でパツキンと変棒出し入れ。金髪は嫌がりながらも「デモ、コレガ ニッポン ノ ブンカ ダカラ」と涙を堪えて納得してくれるはずです。ハァハァ・・・。

とまあ、変な方向に行ってしまったのですが、とにかく異文化に触れるまたとない機会です。試合だけでなく、外国から来るサポーターに話しかけたりして、交流を図ってみてはいかがでしょうか。言葉が通じなくてもきっと大丈夫だと思いますよ。

というわけで、僕もサッカーにはあまり興味はないのですが、国際的なイベントという側面で楽しもうかと思います。交流を図り、異文化に触れてみたいなぁ、などと思うのです。ビバ!ワールドカップ!

と、思ったら我が広島にはワールドカップの試合も各国のキャンプも来ないそうです。どうなってんだ。

もうワールドカップなんてどうでもいい。
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もう一本

レッツ・パーティ!(2002/2/14より)

今日はアレですね。なんかチョコ貰ったり、頬を赤らめたり、放課後の教室で初チュ-したり、給湯室でハメ撮りしたりする愛の日のようですね。僕も非モテ戦士として「チョコのバカヤロウ」とか「バレンタインのウンコ」などと言いたいのですが、朝から中途半端にチョコを貰ってしまったためにそういうわけにもいきません。

なんですかね、もっとバレンタインを汚してやろう汚してやろう、とか昨日から楽しみにしてたのですが、いざ貰ってしまうと後味の悪いものです。なんかクラスで嫌ってた奴が、実は案外イイヤツだったと判明した時のような尻が痒い感覚があります。

というわけで、ホントはもっと悲しいバレンタインセレナーデ的な日記を書いて女性読者の同情を買い、あわよくばネゲットといきたかったのですが、今日は急遽予定変更。なんら関係ないのですが「誕生日」について書こうと思います。ほら、なんか「バレンタイン」と「誕生日」ってなんか似てるし。というわけでどうぞ。

僕の誕生日は夏なんですが、まあ誕生日近くに誕生日ネタを出したら「誕生日近いんです、みんな祝っておくんなまし」なんていう僕の心のドロドロした部分を吐露することになりかねませんので、あえて無関係な季節に誕生日ネタを出したいと思います。

ま、僕は今年で26になる立派な中年なわけですが、さすがにこの年になると誕生日も嬉しくはありません。さすがに、仲間達が僕に内緒で誕生日会の準備をしていて、不意打ちでパーティなんかはじめられて、僕は嬉しいやら驚いたやらで感動して涙する。そんなおセンチなことは間違ってもない。っていうか、そんなアホらしいことやってられん、いい歳こいて。

子供の頃は、誕生日というと一歩一歩、大人の階段を昇ってるようで嬉しかったりもしたのですが、さすがに最近ではあまり嬉しくもない。普段と変わる事のない一日だなと感じる。よくよく考えて見ると、それはウチのかーちゃんも同じだったなぁと思う。

僕がまだ鼻を垂らしてるようなガキだった頃、「今日はかーちゃんの誕生日だ!!」とか何故か使命感に燃えてしまい、道端に生えてるペンペン草みたいな植物を学校帰りに採取し、かーさんにプレゼントしたことがあるが、あんまり喜ばれなかったという切ない思い出がある。そこで、かーさんに言われたのが、「大人っていうのは、あまり誕生日を嬉しがらないんだよ」ってことだった。

あれから何年か経ち、あの時のかーさんの気持ちも分からんことはない。やっぱり大人というのは子供と比べ誕生日は嬉しくないのだろうか。自分が老いていくことを実感する、ということもあるかもしれないし、子供の頃は「成長」だが、大人になると「衰退」になるのかもしれない。まあ、そこのところは個人によりけりだと思う。で、あまり思想的に話を展開してもアレなんで、皆さんお待ちかねの思い出話。子供の頃の誕生日に想いを馳せてみようかと思います。

小学生の頃、自分の誕生日に友人を招いてホームパーティってのは一種のステータスだった。金持ちのボンボンや、いいとこのお嬢様などは、誕生日ともなると、これまた上品な友人達を豪邸に招いて、おごそかに誕生日会を催していた。当然、俺はそういった上流階級とはあまり縁がなく、もっぱら下品な同程度連中とつるんでいたため、誕生会には呼ばれることはなかった。

一度だけ、ファミコン関係でお世話になっていた御曹司に誕生会に呼ばれた事がある。そこはさすが御曹司、まったくの別世界だった。食ったことないような料理もジャンジャンでてきたし、ケーキだって豪勢なもんだった。恥ずかしながら、かなりのカルチャーショックだった。

こんなパーティ、貧乏な俺の家では絶対無理だな・・・。

そう思い、少し切ない気分になったものだった。いや!!そんなことはない、俺だって御曹司だって同じ人間だ!!やってやれないことはない。俺だってきっと誕生パーティをやれるはずだ。僕にしてはやけに前向きな発想だが、これが全ての悲劇の始まりだった。

さっそく、僕の誕生日が近くなると、親に誕生会がやりたいとオネダリした。さすがに、友人を呼んで誕生会をやりたい、これも友達付き合いには大切だ、なんて言ったら拒否する親もそうはいないだろう。あっさりとOKをいただいた。仲のよい友人を数人我が家に招き、ささやかながらも誕生会のはじまりだ。

かーさんも、俺に恥をかかしてはなるまい!と頑張って料理を作ってくれたし、ケーキだって奮発して良いヤツを用意してくれていた。僕は非常に満足だった、こんなに楽しかった誕生日は今までにない、と・・・・・。

しかし、世の中というのはそう甘くはない。永遠に続く幸せなどない。この楽しい誕生会の会場(といっても我が家の居間だが)に、幸せをぶち壊す悪魔が登場する。ウチの親父だ。 彼の最狂ぶりはリアルタイム更新の時に何度か書いた、とにかく狂ってるの一言に尽きる父親だ。

この誕生会での彼の素振りは本当に目に余るものがあった。誕生会は親父が絶対に家にいない時間を見計らって開催した。クレイジーな親父に乱入されてはたまったもんじゃない。どうしてもそれだけは避けたかった。しかし、親父はどっからか今日は誕生会をやるという情報を聞きつけていたらしく、フラフラと我が家へご帰還してきた。誕生会の邪魔をしにやってきたのだ。

親父は、勢いよく居間に入ってくると、ジッと俺の誕生日を祝いに来てくれた友人達を睨んだ。猛獣が獲物を見定めてるかのようにも見える。ヤツは開口一番、友人達にとんでもないことを言いやがった

「よう!お前達、チン毛生えたか??」

たまらん・・・。どこの世界に子供の友人にこんな挨拶をする親がいるだろうか?既に友人達は引きつった笑みを浮かべている。なるべく上品な友人を招いたのが災いしたようだ。イカン・・・彼らは完全に引いてしまっている。しかし、親父は彼らの反応とは無関係に話を進める

「よし!お前達に麻雀を教えてやろう」

どっから麻雀がでてくるのか分からないが、彼は既に麻雀セットをスタンバイし始めた。もはや暴走特急、鬼に金棒。 こうして、俺は自分の誕生日に、引きまくってる友人達と、暴走親父に囲まれて夜遅くまで麻雀をしました。二度と誕生会なんてやるもんか、そう思った12の誕生日でした。

この誕生会親父乱入事件以来、僕は誕生会なるものをやってはいない。それどころか人並みに祝ってもらったことさえない。特に意識もしなければ誕生日だって普通の一日であるし、祝われなくても淋しくも悲しくもない。気付いたら終わってたという感じだろうか。

これはバレンタインにも言えることで、男性諸君、特に非モテの方たちはバレンタインというのをあまりに意識しすぎていないだろうか。「もらえるかな」「もらえないかな」とギンギンに意識し、放課後も用もないのに教室に残ったり意味もなく残業したり、帰り道でもまだ希望を捨ててなかったり、そういう風にバリバリに意識するから結果が伴わなかった時に淋しく虚しくなる。

むしろ2/14というものを意識せず。普段通りに過ごせばいいのではないか。2/16あたりに「あ、バレンタイン終わっちゃった」と思い出されるぐらいがベストだと思われる。

とにかく僕はもうハート型のチョコやら高級そうなチョコやらを貰いました。義理の妹(加護似)からもカワイイチョコが届きました。既に僕は無関係ですが

貰えそうにない人、頑張ってバレンタインを意識しないようにしてください。

応援しています。

 

読み返してみたら、すげえ感じ悪い日記だ・・・。
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今が仕事のクライマックスですので、もうちょっとサルベージが続くかもしれません。ホント、すいません。


12/20 過去ログサルベージ12

この間、ちょっと電気屋に行ってみたのですけど、すごいですね、最近は。なんというか、とにかく技術が進歩している。

一時期は、電器機器業界の間では「プラズマテレビ」ってのが重大なキーワードのようでした。そして、その前は「DVD」「マルチメディア」だとかそういったのがキーワード。とにかくいつでも電気機器業界にはキーワードが存在するようです。

それでまあ、並べられた電化製品をブラリと眺めていたのですけど、どうやら最近のキーワードは「HD(ハードディスク)」みたいですね。

HDレコーダーなるものが登場し、ビデオテープなどのメディアに頼らずともテレビ番組の録画などができるようになりました。さらにはPSXなるゲーム機能とDVDデッキ、さらにはHDレコーダーを兼ね備えた化け物みたいな物も登場します。

とにかく電化製品コーナーは「HD」の名の元に大変盛り上がっており、猫も杓子もHD。とにかくHD!みたいな状態でござりました。

鬼のように並べられるHDレコーダー

HDレコーダー内臓PSX!予約受付中!

HDレコーダー内臓液晶テレビ

とにかくあらゆるものにHDが付属する。それが今の電化製品業界のトレンドのようです。もしかしたら、そのうち炊飯器にHDレコーダーを内蔵しました!とか、冷蔵庫にHDレコーダー内臓200GB!とか途方も無い状態になるかもしれませんね。

で、悪乗りしちゃったメーカーが、HD内臓電気カミソリにHD内臓心臓ペースメーカーとか出しちゃうかもしれません。最終的には、HD内臓パソコンとか出るかもしれませんね。

といったところで、あまりに仕事が忙しい、僕の頭にもHDを内蔵して欲しいなどと思う昨今ですので、ここはモリッと過去ログサルベージ。それではどうぞ

先達たち(2002/6/13より)

うちの職場には社内報みたいなやつがあるんですよ。結構規模の大きな職場ですので、職場の全体像って中々見えてこないではないですか。そこで職場内の情報交換や、伝達事項などを円滑に周知するために社内報というものがあるようなのです。

なんていうか、内容はお偉いさんどもの言葉だとか、リクリエーション大会の概要だとか、小学生の学級新聞の域を出ないウンコのようなものなのですが、体裁だけは立派です。

艶々した紙で冊子状になった社内報。表紙なんかカラー写真ですし、規模の大きな職場全体に配布するだけあって、印刷屋が数千部発行してるみたいです。なんとも金かかってます。その一部でも給料に還元しろとか思うのですが、そんな声を知ってか知らずか、毎月毎月似たような内容で社内報は作られていくのです。

まず、表紙をめくると、バシーンとお偉いさんの小汚い笑顔が写真つきで紹介されてて、「先輩の言葉」とか称して、私が若手の頃はこんなに苦労しただとか、どれだけ仕事に身を捧げただとかが連々と書いてあります。読むのもメンドウ。

で、またページをめくると、ズババーーーンと小汚いお偉いさんが登場。私の「海外出張日記」とかいうどうでもいい題名がつけられ、海外での仕事の内容などが書かれています。

まあ、テキストとしての価値はゼロに限りなく近いです。読んでてちっとも為にならないし、面白くもない。尻拭く紙ぐらいにしかなりゃしない。

で、他にも社内アンケートだとか、決算報告、ソフトボール大会のお知らせ、だとか色々とウンコみたいな内容の記事が続くのですが、たった一つだけ、僕が注目するコーナーがあるんです。

「若手社員の声」

お偉方のウンコのようなテキストがひしめく社内報にあって、唯一、たった1ページだけ若手に開放されたこのコーナー。毎回、若手社員が登場し、若者という立場から仕事のことですとか息抜きの方法などのテキストを書いているのです。

まあ、若手といっても無鉄砲で命知らずといった豪傑などはいません。みんな自分の身が可愛いものです。当然内容は批判めいたものではなく、「先輩達の教えはありがたい」ですとか「お偉いさんの言葉には重みがある」とか根も葉もないお世辞を書き連ねているものがほとんどです。お前らそんなに出世したいのか。そんなにお偉方が怖いのか。

もっとこう、普段飲み会で話してるようなお偉方に対する不平不満をテキストにぶちまけられる勇者はいないものなのか、などとこのコーナーを読むたびに思っておりました。

で、遂に先日、この「若手社員の声」コーナーの執筆依頼がワタクシの元に周ってきたのです。なんとも狂おしい。こんな僕に1コーナー任せるなんて編集部も冒険に出たものです。

こうみえても僕はテキストサイト管理人。ここはテキストサイト管理人らしくジョイフルな文章で1ページを埋め尽くさねばなりません。で、実際に書いて編集部に送ったのが下のようなテキスト

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「若手社員の声」 ○○部 pato(25歳)

お初にお目にかかります。○○部に所属するpatoと申します。まだまだ若手な僕ですが、
偉大な先輩たちに囲まれて、充実した毎日を送っています。やはり経験の差は大きい。
方々で、若手の力ですとか、柔軟な発想が必要だと言われる昨今ですが、冗談ではない。
年を経て蓄積された経験というのは、落ち着きや冷静さであって、それこそが大切なのです。
寄り合い所帯である会社においても、先達たちの助言は何より欠けがいのないものです。
リスクを伴わない、冷静な判断。全ての局面を見据えたマルチな決断。そして安心感。
はたして、これらの使命を若手が担えるのか。答えは否、あり得ない。僕たち若手の使命は
死にものぐるいで先達の教えに従って働くこと。そして忠実に教えを体現することなのです。
ネズミたちの社会ですら、それらの分担はあるという説があります。本当に大事なのです。

偉人達の功績や精神は脈々と次世代に受け継がれます。先輩達はそれを意識しています。
そうすることによって、若手は先輩の背中を見て育ち、成長し発展していくのです。
うるさく若手を注意してくれる先輩ほど、僕たちの事を考えてくれています。心配してくれる。
ニヒルに仕事をこなす先輩ほど、僕たちの目を意識し、無言で教えを体現してくれています。
スマートに仕事をこなす先輩ほど、裏では多大なる気遣いや苦労があるのです。
ルールを守り守らせるのも先輩の役割であり、その行動の一つ一つに責任が発生します。
なんだか、先輩という役割は、とても大変なものだと思います。ありがとう、先輩達。

バージニア州立大学では、既にMBAプログラムの中に「先輩と若手の垣根」といった精神的な
カリキュラムが組み込まれ、冷徹なアメリカ式経営哲学を覆すのではと言われています。

うるさく注意してくれる先輩に感謝をし、貴重な教えを活かせる若手になりたいと思います。
んでもって、若手特有の奇抜な発想や行動力を発揮したいと願って止みません。
これにて、私の先輩に対する終わりにしたいと思います。本当にありがとうございます。

                         尊敬して止まない先輩達へ

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こういった内容の原稿を編集部に送ったのです。まあ、ボツになるかな?的な軽いノリで送ったのですが、なんか採用されてしまったみたいで、そのまま掲載されてしまいました。

いや、内容こそは先輩を敬い感謝する素敵な内容ではないですか。僕も他の若手同様、先輩たちやお偉方、お年寄りどもに気に入られようと必死にお世辞を言っているように見えるではないですか。なんだ、patoといえども出世したいのかとかゲンナリするではないですか。

でもね、これって古典的な手法なんですよね。ネットではありがちの手法。書いてる内容と縦読みが別というありがちな手法。

思いっきり縦読みのテキストになってるんですよね。僕の投稿したテキストの各文の一文字目を上から読んでみると

「お偉方年寄りは死ね 偉そうにするな バカ ウンコ」

になるんっすよね。いやはや、過激な内容です。

で、このよくありがちな縦読みってのはネットでこそ良く見かけるんですけど、さすがに社内報とはいえ数千部の冊子に印刷されて配布されたとなると・・・・。

軽い気持ちで送ったのに、掲載された自分の文章を見たときはゾッとしたね。

で、最初はpatoもしおらしく先輩を敬った文章書いてるじゃねえか、とか話題になってたのですが、そのうち誰かが縦読みでトンデモないことが書いてあるってことを発見しやがって、エライ騒ぎになりました。わお。

もう社内中のお偉方はプンプン。怒りのアフガン。若手どもは大笑いと狂おしい状態でした。

勿論、上司に呼び出されて、泣くぐらい怒られました。でも「適当に書いたら偶然ああなったんです。偶然なんです」って涙ながらに訴えておきました。

たぶんボクチン、一生出世できないと思う、てへ

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相変わらずとんでもねえ日記だなあ、と思うこと山の如しです。

といったところで、今日はコレまで!


12/19 ある日突然に

「ワシ、プロのカメラマンになるわ」

小学生だったある日、朝食の食卓で竹下君のお父さんはそう言ったという。生真面目で物静か、典型的なサラリーマンで平凡を絵に描いたような竹下君のお父さんは、新聞を読みながら突如切り出した。

竹下君の家族は騒然とした。最初こそは「お父さんが冗談を言うなんて珍しい」などと一笑に付したらしいが、それでもお父さんの眼差しはひどく真剣だった。

「プロのカメラマンになるわ」という突然の宣言、いや、むしろその発音は「プロのキャメラマンになるわ」と本格的で、コイツはただごとではない、本気だ、と思わせたらしい。

その朝を境に、竹下君の父は豹変したようだ。会社を辞め、福山雅治みたいなカメラを買い、カメラマン修行の旅に飛び出した。もうそれっきり、家にも帰ってこなくなったらしい。

僕は最近になって、「退屈な日常」「変わり映えしない毎日」「同じことの繰り返しの毎日」といった、普段の日常を揶揄する言葉に途方もない違和感を感じる。なんだか、女子高生物のエロビデオに男子高校生役で出るからと、いい歳したオッサンAV男優が学生服を着てるのを見たような、そんな違和感を感じる。

本当は、僕らの毎日は新しいものだらけだし驚きの連続だ。二度と同じ日は繰り返されないし、失った時間はどんなことをしても取り戻せない。毎日の今日という日はいつも新鮮で新しく、驚きに満ち溢れたものなんだ。そう思うようになった。

ただ、ぼくらはそれらの驚きや変化を全て「日常」という名の分厚い箱にしまいこんでいるだけに過ぎない。毎日は少しづつ違ってきてるし、それなりに驚きもある。でも、変わらない日常を嘆く反面、僕らはどこかで変わらない日常を望んでいて、全てを日常というオブラートに包み込んでしまっている。

誰だって自分がその気になって動けば世界が動くし、見せる景色も180°変わる。動かないまでも、周りの変化を受け入れることが出来るなら、それだけで毎日は変化する。それすらしないで繰り返しの毎日を嘆く人、そういう人は自らがそれを望んでいるということに早く気がつくべきじゃないだろうか。

だから、今になって思えば、竹下君の親父さんの行動も評価できる。当時こそは「ひでぇオヤジだな、ウチのよりもひでぇじゃねえか」などと思ったものだが、彼は単に自分の周りの世界を動かしたかっただけなんだと思う。

退屈な日常に飽き飽きし、「同じ毎日の繰り返し」と嘆くことよりも自ら動いて毎日を変えることを選択した。その潔さ武士に通じるもものがある。ショッボイオヤジだなーってバカにしてたけど、なかなかやるじゃねえか、竹下のオヤジ。

しかも、竹下親父の潔さにはまだまだ続きがあって、今度はカメラマンを目指す毎日に飽きがきたのか、自分にはカメラマンとしての才能が無いことに気付いたのか、たぶん後者だと思うけど、3ヶ月もしたら潔くカメラマンへの道を諦め、

「やっぱ、キャメラマンはやめとくわ」

とか言いながらフラリと家に帰ってきたことだ。自分に向いてない、自分に才能が無いと気がついたら、意固地にならずまた世界を変える。積極的に動くことも大切だけど、こういった潔さも大切だと思う。

結局ね、竹下親父の凄いところは世界を変える勇気を持ってたことだと思う。そら、かぞくにしちゃ堪ったもんじゃねえけど、そういうのって大切だと思う。大切な毎日が嫌なら世界を変える、そして芽がないと思ったらまた世界を変える。ある日突然に世界を変える。それって出来そうでなかなかできないことだよね。

ということで、当サイトは今日から積極的に竹下君の親父を見習っていきます。昭和の益荒男と僕が勝手に呼んでいる竹下君の親父を見習っていきます。

我がNumeriは、日記サイト、もしくはテキストサイトとして活動してきましたが、そういった日々には飽き飽きしてきました。クソのような長文の日記を繰り返し繰り返しアップロードし、似たような表現、似たようなオチを多用する日々、そういうのに嫌気がしてきたのです。

ですから、ここは一発、竹下君の親父さんを見習って、退屈なら自分で世界を変えよう、その精神にのっとって一気に世界を変えてみたいと思います。

ということで、我がNumeriはこれまでの日記サイトといったカテゴリーを脱却し、今日から絵日記サイトとして活動いたします。

「ワシ、絵日記サイトになるわ」

と言わんばかりの勢いで、これからは絵日記の時代だよね!と言わんばかりの勢いでモリモリと絵日記を描いて行きますので。そのつもりでよろしくお願いします。

では、早速、本日分の絵日記をご鑑賞ください。業界騒然の9コマ漫画です。

やっぱ、絵日記サイトはやめとくわ。

日記サイトに戻る。やっぱ世界を変えるって大変なことだぜ。

(というわけで、第2話は永遠に書かれません)


12/18 炎の記憶

人の記憶というのは面白いものでして、普段は何も気にすることなく忘れ、忘却の彼方にある記憶でもあるキッカケによって突如思い出されたりするものです。それをフラッシュバックと言うかどうか知りませんが、とにかく、人の記憶とは完全に消え去るわけではなく、どこかの片隅に単純に置き忘れているだけなのかもしれませんね。

記憶が鮮明に蘇る際のキッカケ、つまりトリガーと呼ばれるものは山ほどあります。それが、懐かしい時代の歌だったり、懐かしい顔だったり、なんでもない些細な人との会話だったり。

もしかしたら、思い出や記憶といったものは、焚き火の後で燻っている炎みたいなものなのかも知れませんね。一見すると消えているように見せかけて、実は中で燻っている。それでもって、風が吹くとか燃える物を投下するとか、そんな簡単なキッカケで再度燃え上がる。そういうものなのかも知れません。

かくいう僕にも、そんな燻っている炎のような記憶は山ほどあるわけで、ちょっとクソガキが転んで泣いてるとか、茂みにエロ本が落ちてて雨に濡れてグジョグジョになってるとか、そういうのを見るだけでバシバシと思い出がフラッシュバックするんですよね。もう、燻ってる燃えカスに軽油をぶっ掛けたような勢いでバシバシと燃え上がるのです。

そんな僕の中の思い出達の中にあって、ひときわ強烈な存在感を示す思い出、いわばキッツイ思い出があるのです。街の至る所に存在するそれらの思い出のトリガーを見た僕は、その強烈な思い出を蘇らせ、切なくなったり悲しくなったり、大変なことになるのです。

僕が小学生の頃でした。まだまだファミコンがリトルブームといった時代で、ガキどもの遊び場は近所の公園だとか空き地だとか、そういった場所でした。

もちろん、僕も数人の仲間達と空き地でチャンバラゴッコをしたりキックベースをしたり、もっぱらアウトドアで泥だらけになりながら遊んでいました。

そんな僕らの仲間の中に赤木君という男の子がいました。彼はマンガに出てくるほど典型的なもやしっ子で、ひ弱でヒョロヒョロ、しかも気の小さいヤツでした。見てるこっちが心配になるほどのもやしっ子っぷりでした。

そんな赤木君なのですが、彼は少し不登校気味でした。放課後などに僕らと遊ぶ時は元気に家から飛び出してくるのですが、学校自体にはほとんど来ませんでした。なんというか、現代では不登校とか引きこもりとか割と普通ですが、あの当時はとても奇異な目で見られていました。

どうして赤木君が不登校だったのかと言いますと、実は彼、学校で虐められていたんですよね。なんというか、見るも無残、語るも無残、そう思うほど豪快なイジメを受けていました。

では一体、誰がそこまで無残に赤木君を虐めていたのか?いえいえ、僕らクラスの男子ではありませんよ。僕らクラスの男子は赤木君と仲良く遊んでましたし、彼も放課後の遊びには喜んで参加していましたから。

じゃあ、一体誰が赤木君を虐めていたのか。虐めていたのはクラスのとある女子でした。その女子1人が徹底的に赤木君を虐め抜き、それこそ赤木君が不登校になるまで追い詰めたのです。

この年代の子供と言いますと、体の発育が早いため女子の方が精神的にも肉体的にも大人であることが多分にあります。ですから、まだまだ僕ら男子がチンゲもクソも生えてない時期にも関わらず、ワキゲがボウボウに生え揃ってる女子とかいました。そう、この時期の子供って女子の方が強いのですよね。精神的にも肉体的にも。

で、そんな僕らよりちょっと大人な女子の中でも、一際たんまりと発育した大人な女子がいました。もう、体とかムチャクチャでかくて、スポーツやってたから筋肉ムキムキ、明らかにステロイド剤とか注入してそうな女子がいたのです。

で、その子が顔もゴリラみたいで肉感的、しかも男勝りの勝気な性格でいつもゴリラのように大暴れしていました。ちょうど今の僕の職場にいるB子みたいな、彼女をまんま小学生にしたような女子でした。僕は彼女の外見や暴れっぷり、そういうのを目の当たりにしながら心の中でヒッソリと「ゴリ子」と彼女のことを呼んでいました。

で、そのゴリ子ですが、何が気に喰わないのか知らないけど徹底的にひ弱な赤木君を虐めていたのです。それも陰湿な精神的イジメだけではなく、殴る蹴る殴る蹴るぶん投げる、ゴリ子らしく豪放なイジメでした。

女子が男子をイジメる絵図ってのも物凄いものがありますが、僕らは僕らで「赤木君かわいそう」と思いつつも、超人強度が2000万はあろうかというゴリ子の暴威に成す術なく、ただただ震えるのみでした。

ある日のことでした。

僕らがいつものように近所の公園でフラフープ(当時我が小学校だけ局地的なブームだった)をして遊んでいた時のことです。ヘルニアになるんじゃねえの?という勢いでフラフープを回し、「楽しいな」などと笑顔でこの世の春を謳歌しているときでした。

シュゴオオオオオオオ!!

圧倒的勢いでゴリ子登場!どっからともなくゴリ子登場!ヨーロッパ辺りの牛に追いかけられる祭の牛みたいな勢いでゴリ子登場!もうね、ほんと空気を切り裂く勢いで登場してきたんですよ。

でまあ、当然の如くゴリ子は赤木君を捕縛しましてね。それこそ、フラフープがひん曲がる勢いで殴る蹴る殴る蹴る。何でそんなに赤木君のことが憎いんだろう、ってレベルでちぎっては投げちぎっては投げ。赤木君、スウィング・バイしそうな勢いで投げられてた。

当然僕らは、その光景を目の当たりにしながら、「赤木君を助けなきゃ、こんな横暴許されるはずがない」とか思うのですけど、ゴリ子の持つまるで大人と子供と言わんばかりの圧倒的パワー、ブルースリーと言わんばかりの格闘テクニック、悪の華と言わんばかりの横暴、そういうのを目の当たりにして心の底からブルってしまったのです。もう、フラフープもしてないというのに、フラフープでバランス取ってる時みたいに膝がプルプル震えてた。

で、一通り暴力を受けてボロ雑巾のようになった赤木君、いつもの如く当然のことながら泣いてしまうわけなんですが、ゴリ子はそんな赤木君の泣き顔を確認すると

「これで満足、ウッホ」

と言わんばかりの満足げな表情で僕らを一瞥し、またどこかへと去っていくのでした。一陣の風の如くやってきて、また風のように去っていく。さながら季節外れの台風とでも言いましょうか、とにかく猛威を奮い、赤木君に甚大な被害をもたらしてゴリ子は去っていきました。

でまあ、僕らも突如のゴリ子タイフーンの到来に心底震え、またココで遊んでたらヤツがやってくるかも、しかも今度は僕らが殺られるかも、と気が気じゃない状態に陥り、さらに楽しかったフラフープ遊びも白けてしまったことから「もう帰ろうか」となったのです。

地面にうずくまって泣きじゃくる赤木君を抱え起こし、「大丈夫だって、いつか勝てるさ」などと意味不明な励ましの言葉を投げかけます。そして夕暮れの街をトボトボと歩いて家路へと着いたのでした。

何気ない夕暮れの放課後。トボトボと家に帰る少年達。そして涙で瞼を腫らした赤木君。そんなありふれた思い出が僕らの記憶に残されるはずでした。別に思い出すこともない、何てことは無い少年時代の記憶の1ページ。そんな思い出が記憶されるはずだったのです、この後に物語があんな展開さえ見せなければ。

トボトボと帰る僕ら、泣き止まない赤木君。そんな僕らの前に大きな問題が立ちはだかりました。僕らがフラフープをして遊んでいた場所と家との間にゴリ子の家があったのですけど、どうにも、ゴリ子の家の前を通らないと家に帰れなかったのですよね。ゴリ子の家の前を避けるとすげえ遠回りして帰ることになる、そんな状態だったのです。

おいおい、やべえんじゃないの。家の前なんか通ろうものなら猛り狂ったゴリ子が出てくるんじゃねえの。それで家の中まで引きずり込まれて殴る蹴る殴る蹴る。僕らでそれ何だから赤木君なんか僕らの目の前で殺されるんじゃないか。そんな風に心の底からブルってゴリ子の家の前を通過したのです。

刺激せぬよう、なるべく物音をたてぬよう。まるでフリーダムに扉が開放された猛獣の檻の前を通るように細心の注意を払い、口から心臓が飛び出しそうな勢いでドキドキしながら通過したのです。

その時でした。

僕らはすごくビビっちゃって、全員が小さな一団になりながらコソコソと通過していたのに、ずっと涙に暮れていた赤木君が突如リミットブレイクしやがりやがったのです。

もうね、「ウキー!」とか罵声なのかそういう鳴き声なのか分からない音声を発しながら半狂乱になっちゃって、道端に転がってた石をゴリ子の家に向かって投げる投げる。

「なんで俺ばっかりイジメるんだよ!このゴリラ!」

憎しみと悲しみと悔しさと、そういうのを込めて渾身の力で投げる投げる。涙ながらに投げる投げる。でも悲しいかな、そこはさすがにもやしっ子、泣けるほどに威力なのい石は全く家屋に届いてませんでした。

届かない石、こだまする渾身の負け惜しみ。それでも赤木は石を投げる手を止めなかった。

「いつも俺ばっかりイジメやがって!お前の家なんか燃えちまえ!

ゴリ子のイジメに対し、今まで全く反抗すらしなかった赤木君。この投石が初めての意思表示でした。「燃えてしまえ」はいささか過激すぎるセリフだとは思いますが、ゴリ子の家の前でそのセリフを言えるのはアッパレ。何もできずに震えていた僕らに比べれば何倍も勇気ある行動だと思います。

でもまあ、それに触発されて本当に猛獣が檻から出てきても困りますので、荒れ狂う赤木君を制止し、まるで彼を引きずるようにしてその場を離れるのでした。

そして、その日の夜。

僕は家の二階で弟と一緒に寝ていたのですが、けたたましく鳴るサイレンの音で目が覚めました。ウーウーと少し離れた場所で鳴るサイレン、それで目が覚めたのです。

なんだろう?と窓の外を見ると、何やら離れた場所の空が紅く燃えていました。

まさか・・・・。

「火事だ!近所が火事だ!うひょーーー」

なぜだか知らないけど異様に興奮している親父の自転車の後ろにパジャマ姿で乗せられ、火事現場を見に行くと、ゴリ子の家がメラメラと音をたてて燃え盛ってました。

音を立てて崩れるゴリ子の家、焼け焦げた匂い、何台も連なる消防車、そして焼け出されたパジャマ姿のゴリ子ファミリー。その呆然とした顔がなんとも印象的でした。

赤木君が悔し紛れに言った「オマエの家なんか燃えてしまえ!」の捨て台詞。そして本当にその日の夜に燃えてしまったゴリ子の家。僕でなくても誰でも「赤木のヤツ、やりやがったな・・・」と思うはずです。

結局、次の日に学校に行くと、当たり前のことですが、「オマエ、ゴリ子の家に火をつけただろう」と赤木君は皆に詰め寄られていました。不登校だったのに、こういうタイミングの悪い時だけ登校してくる、それが赤木君でした。

それでまあ、どんなに赤木君が弁明しても皆の追及の手は緩みませんでした。

「てめえが火をつけたんだろ!」

「そんなことしないよ!だって僕・・・ゴリ子のこと好きだもん

とか、赤木君のとんでもないカミングアウトが飛び出し、もうみんな「赤木が火をつけたのか」とかいう議題よりも、「あんなに虐められてるのにゴリ子のことが好きなのか、ありえない」というスキャンダラスな方面に話題がシフトしていきました。

結局、その後の調査で火事の原因はゴリ子のお母さんが夜中なのにテンプラ揚げようとして燃え上がったということが分かり、赤木君放火魔説は否定されたわけですが、オーディエンスにとってそんなことはどうでもいい話題に成り下がってました。

赤木が「燃えろ」と言ったその夜に本当に家が燃えた、なんていう天文学的な確率の下で成り立っている奇跡の偶然なんかどうでもよく、

「赤木とゴリ子はデキている」

そんな噂だけが子供達の間を駆け巡ったのです。

僕は未だに、ゴリ子のようなムキムキな女性(B子)を見ると思い出します。燃え盛る我が家を呆然と見つめるゴリ子の顔を。パジャマ姿で立ちつくし、ゴリ子のススだらけで煌々と炎に照らされた赤黒い顔を思い出すのです。そして、少しだけ心が締め付けられるような、なんとも切ない気持ちになるのです。そして、本気で赤木が放火したと疑っていたあの夜の自分を恥ずかしく思うのです。

毎朝、B子に会うたび、ゴリ子を思い出し、そしてあの日の炎の思い出が蘇ります。

思い出は燻っている焚き火の炎。ちょっとしたキッカケでまたメラメラと燃え上がるのです。毎朝B子を見て、炎の思い出が炎のように蘇るのです。

ちなみにその後、児童会の呼びかけかなんかで「家が燃えたゴリ子さんに募金をしよう!不要な物も寄付しよう」という、僕がその立場だったら「気持ちは嬉しいんだけどちょっとやめてくれないかな、そういうのは」と言いたくなるような途方もない企画が持ち上がり、皆がこぞって不要な品物や小銭を寄付する光景が見られました。

毎朝、下足場のところでゴリ子が箱を持って児童会の面々と立っていました。そこに混じってゴリ子募金を手伝う赤木君の姿が見られ、なんとかまあ、その後は2人仲良くやっていたみたいです。

今頃2人はどうしてるのか。今もどこかで2人仲良く愛の炎を燃やしていたら素敵だね、そんな思いも毎朝繰り返されるのです。B子の顔を見て。
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といったことで、このネタはサイトを開設して3週間ぐらいの2001年11月15日に「ゴリ子さん」というタイトルで書かれたネタです。それをもう一度書き直してみました。ええ、大幅に加筆しました。

当時はサイトで思い出話を書くことが初めてで、短い日記を書くことを心がけていたこともあて、今日の日記の1/4くらいの分量でこの事件を書き綴りました。すげえつまらないものに出来上がってて、自分で読んで唖然としました(僕は自分のログを滅多に読みません)。

家庭教師は見たもそうなのですが、この開設当初の時期は僕の思い出話の中でもセンセーショナルさで上位にくるものが登場するのですが、まだまだ文章書きたてで力量不足、全くと言っていいほど魅力を伝えきれていないのです。

でまあ、今でも力量がついたとは思いませんが、それでもさすがに2年以上やってればそれなりに進歩があるだろう、ということで、今のスタイルで書き直してみたわけなのです。

自費出版するNumeri本「ぬめり」ですが、この本では、こういった過去に書いたログを全て書き直しといったレベルで大幅に書き直して収録しています。あと、後日談もついていたりしますので、お暇でしたら是非とも読んで欲しいなあと思うのです。

で原稿は大体出来てたりするのですが、実際のところ何冊刷ればいいのか見当もつきません。おまけにどこで印刷するとかも分かりません。できましたら、「○○冊くらい刷っても大丈夫だと思いますよ」とか「ここの印刷所が安いよ」とか教えていただけると有難いです。よろしくおねがいします。

まあ、勢いに乗ってすげえ印刷して、すっごく売れ残るってのもアリと言えばアリですが。


12/16 最狂親父列伝〜拳銃編〜

子供の頃、モデルガンが爆発的ブームになりました。

なんといっても僕らは男の子ですから、そういった拳銃だとかのハードボイルドな世界にたまらない浪漫を感じていました。拳銃は男の誇りだっていう勢いで、みんなこぞってモデルガンを購入し、近所の公園でバシバシと拳銃ごっこをしたものです。

まあ、このモデルガンというのが、所詮はクソガキが遊びに使うもの、なかなかチープな作りになっておりまして、本格派のオタクお兄さんなどが所有するマニアな逸品とは違い、とても子供騙しなものだったような気がします。

本物の拳銃のように重厚な雰囲気もなく、手に取ってみてもビックリ軽い。プラスチック丸出しのモデルガンは、引き金を引くとパシュトパシュと情け無い音を出してBB弾を飛ばす、そんなものでした。

そんなチャチなモデルガンでも、やっぱり僕ら男の子にとっては浪漫あるもので、皆がこぞってモデルガンを所持し、バシバシと打ち合っていました。男の子なら誰もが一度は通るモデルガン、きっとそんなものなのかもしれません。

友人達がこぞってモデルガンで遊んでいたのですが、もちろん僕の家は貧乏でしたので、僕だけモデルガンを買ってもらえる筈もなく、ただただ呆然と友人達の華麗なガンシューティングを眺めているだけでした。

ゴロゴロと転げまわって空き缶にシューティングする友人

2チームに分かれて戦争ごっこに興じる友人

撃たれて死ぬ真似まで年季の入っている友人

そんな魅惑の拳銃ごっこをいつも眺めていたような気がします。友人達の手に輝く黒光りするモデルガン、それがどうしても欲しくて、いや、どうしても拳銃ごっこに参加したくて、ただただ指を咥えて見ている日々が続きました。

けれども、「家が貧乏だから仕方ない」で引き下がる僕ではありません。例えどんな状況にあろうとも、例えどんなにも曲がった形であろうとも、僕は絶対に欲しいものを手に入れます。そんな子供でした。

ですから、割り箸と輪ゴムを組み合わせてモデルガンを作成し、拳銃ごっこに参加してやろうとも思ったのですが、さすがにそれは心の底から惨めになりそうなので止めておきました。

で、どうしたかといいますと、あれなんですよね。すごくスタンダードな手法で申し訳ないんですけど、お金を貯めて買うことを決意したんですよね。お婆ちゃんや爺ちゃんに貰う小遣いを貯めたりですね、洗濯機の底に沈んでいる小銭を漁ったりですね、弟の貯金箱からちょっとづつパクッたりですね、とにかく血の滲む様な苦労をしてお金を貯めたんです。全てはモデルガンのため、拳銃ごっこのため。

やっとこさお金が貯まった僕は、その金を握り締めてプラモ屋に猛ダッシュですよ。それこそもう、道端にいる乳母車をひいた老婆とか蹴り殺す勢いで猛然とダッシュしたんです。

小僧が握り締めるなけなしの貯金では、一番安いモデルガンの組み立てモデルを買うのが精一杯でした。他の友人達はそこそこ値の張るモデルガンを、それも既に完成済みで組み立てる必要の無い既製品を購入していました。できれば組み立てとか面倒なので、僕もソレが欲しかったのですが、無い袖は振れません。意気消沈しながら一番安い組み立てモデルを購入したのを今でも覚えてます。

さっそく家に帰って組み立てます。

子供騙しのモデルガンとはいえ、そこはやはりちゃんとBB弾が飛ぶもの、それなりに構造は複雑でした。オマケに一番チープなモデルだったのが原因なのか、それとも元々そういうものなのか知りませんが、説明書がひどく不親切でした。

それでまあ、僕も子供ですから、上手く組み立てられずに四苦八苦してたのですよ。もう、ハッキリ言って完成しないんじゃないか、そう思えるほどモデルガンの組み立ては難解でした。

「お!?何作ってるんだ?」

そこにウチのキチガイ親父登場ですよ。圧倒的迫力で、少し酒臭い匂いをさせつつ猛然と僕のモデルガン作りの場に踏み入ってきたのです。

「お!?プラモ作ってるんか!ワシにやらせてみんかい。こいうの得意なんだわ」

そう言って酒に酔った親父は、道端の小石を蹴り飛ばすかのように僕を押しのけると、猛然とモデルガンを作り始めたのでした。

ハッキリ言うと、ウチの親父はこういった工作物を作るのが大の苦手です。それこそ、アンタ、建設業とか営んでるんだろ、それって技術を売りにしてるんだろ、それなのにそんんあ不器用でいいのかよ。と問い詰めたくなるほど下手糞でした。

以前にも、夏休みの最終日、どうしても宿題が完成せずに追い詰められていた僕は、親父に工作を手伝ってもらったことがありました。

親父は何やら竹を炙りながら曲げていき、お面を作っていたのですが、それがもう言葉を失うぐらい下手、弥生時代の人の方が上手いんじゃねえ?と思うほど下手。言葉を失うくらい下手でした。

なんか、当人はドラえもんのお面を作ったらしいのですけど、見るからに貧相なお面で、ほら、ドラえもんって元気一杯でファニーなイメージじゃないですか、なのに親父の作ったドラえもんは凄く元気なかったんですよね。先物商法に騙された直後で人間不信に陥ったドラえもんみたいになってました。ありゃあドラえもんというより顔の青い人だったね。

そんな不器用な親父が僕のモデルガンを作っているのです。それも、僕が死ぬ気で貯めた金で買ったモデルガンを、それこそ僕の全身全霊を込めたモデルガンを、歴史的に工作が苦手な親父が作っているのです。

本当に不安でした。まるで心をレイプされているように不安でした。本当にモデルガンが完成するのだろうか、ちゃんとBB弾が打てるヤツが完成するのだろうか。不安で不安で、オロオロと親父の横で作業を見守っていました。

しかしながら、嫌な予感とは的中するものです。あまりに不親切な説明書のためでしょうか、あまりに親父が不器用だからでしょうか、とにかく思うように作業は進まず、接着剤で着けては剥ぎ、着けては剥ぎ、一向にモデルガンは完成しませんでした。

全く持って進展しないモデルガン製作作業。本来の短気な性格も手伝ってか、次第にイライラしはじめてくる親父。もうどうにも止まらない状況です。

横で見ていた僕も不安になってきて

「あ、その部品はソッチじゃなくてコッチに着けるんじゃ・・・・」

と申し訳なさそうに口を出したところ、

「うるせえ!黙ってろ!気が散るから向こう行ってろ!」

と一喝されてしまいました。ホント、不器用で短気な人って最悪ですよね。

そんなこんなで、僕はモデルガン製作の場から外され、その場を離れることを余儀なくされたわけです。向こうの方ではあまりに思い通りに製作が進まないためか、イライラした親父様が「ガッツン!バッキン!キエー!」とか、とてもプラモ製作とは思えないサウンドを奏でていましたが、もう気にしません。こうなってしまっては全てが手遅れなのです。

「ほれ、できたぞ」

1時間ぐらい経ってからでしょうか、得意気な、まるで何かを成し遂げたガキ大将みたいな顔をして親父がモデルガンを渡してくれました。苦労したのでしょう、手を接着剤だらけにしながら、完成したモデルガンを差し出してくれたのです。

・・・・・なにこれ?

その完成品を見た時の率直な感想でした。なんというか、明らかに箱に描かれている拳銃の絵と違うというか、異形の何かというか、そこにはモデルガンとは思えない何かが鎮座しておられました。

おまえ、コレ、明らかにどっかから持ってきた部品だろ。最初にこんな部品は入ってなかったもの。といった訳の分からない物体が無理矢理接着されていました。まるで翼を形成するかのように意味の分からない部品がガッシリと。頼もしいまでに強固に接着されていました。

おまけにガンの上部には、接着剤をこぼしちゃったのでしょうか、ベロベロになった接着剤の塊が形成されていました。

買って来たモデルガンはそれこそ西部劇だとかそういったものを連想させ、ハードボイルドで男の美学みたいなイメージだったのですが、完成したコレ(もはやモデルガンじゃない)は明らかに近未来の乗り物でした。ガンダムに出てくる乗り物みたいになってました。

「・・・・これ・・・撃てるの?」

せっかく苦労して買って来たモデルガンを異形の化け物にされてしまった僕は半泣きで問いかけるのですが、親父は、

「撃てるに決まってるだろ。それも改造してパワーアップしといたわ。さっき撃ってみたら空き缶を突き抜けたぞ」

とか、嘘か真か知りませんが、得意気に言ってました。得意気になるあまり鼻がヒクヒク鳴っててムカついた。

というか、子供達の拳銃ごっこに持たせるモデルガンなのに、そんな缶を貫通させるくらいの殺傷力にまで高めてどうするのか、明らかに危険じゃないか、下手したら喰らった友達が失明するぞ、と思うのですが、狂ってるウチの親父です。そんなことを言ってるようじゃ何も始まりません。

とにかく、異形の化け物とはいえ、当初の目的どおりモデルガンを手にすることができました。もう、嬉しくて嬉しくて、さっそくその異形のナニにBB弾を詰め込むと、そのままの勢いで大車輪の如く遊びに行ったのです。

いつも拳銃ごっこをやっている空き地。いつもの仲間が楽しそうに拳銃ごっこに興じています。いつもなら指を咥えて見ているのですが、今日の僕は違います。なにせモデルガンを持ってるのですから。

「今日は俺もモデルガンもって来たよ、ほら!」

嬉しそうに仲間に異形の化け物を見せると、明らかに仲間達は「うわ、なんだこれ。これでもモデルガンかよ」という顔をするのですが、根が優しいのでしょうね、それ以上は誰も何も言いませんでした。

それでまあ、念願叶って、ついに拳銃ごっこに混ざることが出来たのですが、それでもやはり心行くまで楽しむことはできませんでした。他の仲間はバシバシとBB弾を撃ってるのですが、僕は気さくに撃つことなどできなかったのです。

「改造してパワーアップしといたわ。さっき撃ってみたら空き缶を突き抜けたぞ」

親父のあの言葉がリフレインし、もしこの異形の拳銃で仲間を撃ってしまったら、下手したら友達の体を貫通して死んじゃうんじゃないだろうか。死なないまでも大怪我するんじゃないだろうか。あの親父のことだ、間違いなく途方も無いパワーアップを施しているに違いない。撃ってはいけない、撃ってはいけない。

そんなこんなでイマイチ拳銃ごっこを楽しめず、ただただ銃を片手に駆け回るだけの時間が過ぎました。

するとそこに、近所に住む中学生がやってきたのです。ちょっとばかり不良で、横暴で、それでいて暴れん坊なことで有名な中学生2人組みが。

「ここは俺達の場所だ、ガキどもはどけ」

そう言うと、彼らは僕らのモデルガンより数段上のエアガンで試し撃ちを始めました。

さすがに、いくらなんでもエアガンを所持する中学生には勝てないですし、彼らが丸腰でも絶対に勝てません。僕らはスゴスゴと中学生に言われるがままに退散をし、空き地を出ようとしました。

その時でした。

「あれ?おまえ、なんか変わった銃持ってるな」

明らかに異形の僕の銃に目をつけた中学生は、僕の手から銃を奪い取ったのです。

「ぶひゃひゃ、おい、これみろよ!なんだよこれー!ムチャクチャ下手じゃんか」

「接着剤がはみ出してるとかそんなレベルじゃねえよな!ぶひゃひゃ。っていうか銃かよ、これ」

親父が作った渾身の銃を馬鹿にする中学生。確かに僕が持ってる銃はすごく下手糞で、意味不明で、明らかに接着剤もはみ出してるとかいうレベルではなく、異形の化け物だったのだけど、馬鹿にされても仕方の無いものだったのだけど。

なんだか無性に悔しかった。すごく悔しかった。

確かに下手糞だけど、親父は下手なりに一生懸命作ってくれたし、僕のために頑張って作ってくれた。僕はそれを誇りに思うし、人の持ってるヤツとは違っててどんなに恥ずかしくても使おうって思ってた。

それをこんなクソみたいな中学生に馬鹿にされるってのが悔しかったし、何より親父自体を馬鹿にされたようで悲しかった。一生懸命プラモを作る親父の後姿が浮かんできて、何だか上手く言えないんだけど、悲しくて悔しくて、1人で泣きそうになってた。

「こんなの銃じゃねえよー」

そういって投げるようにしてモデルガンを返してきた中学生。僕はその時に思ったのです。

「こいつらなら撃ってもかまわない」

親父が改造したモデルガン。缶を貫通するほどの殺傷力を秘めたモデルガン。これで貴様らを打ち抜いて親父の力を思い知らせてやる。

空き地を出る素振りを見せ、中学生から少し距離をとると、僕に後姿を見せてエアガンに興じる中学生に向けて銃を構えました。

撃ってやる、お前らが怪我しても構わない。打ち抜いてやる。親父の力思い知れ。

渾身の力を込めて引き金を引きました。

バシュ!バキバキバキバキボキ!

物凄い音を立てて崩れ落ちる僕の手の中のモデルガン。ありえねー。

一発撃っただけでバラバラに砕け散るモデルガン。ありえねー。

弾なんか前に飛ばない。むしろ後ろに飛んでた。ありえねー。

砕けたモデルガンから排出され、地面の上を踊るように弾んでいたバネだけが妙に印象的でした。

結局、一発もマトモに弾を撃つことができずに天に召された僕のモデルガン。心行くまで遊べないし、バカにされるし、報復も出来ないし、全くいいところ無しじゃないか、などと泣きながら壊れたモデルガン片手に家に帰ると、ちょうど家に来客があったらしく、酒を飲んで上機嫌な親父の声が玄関まで漏れてきて

「ウチの息子がモデルガン作ってくれっていうかなあー、作ったんだけど難しくてなー。途中で接着剤がなくなるし。仕方ないから米粒でくっつけておいたわ、がはははははは」

とか話してました。米粒て。

あんたさー、学研の付録じゃねえんだから、いくらなんでも米粒で接着はないだろ。そりゃー、一発でバラバラになるわ。

やっぱ狂ってる、ウチの親父は狂ってる。そう思った事件でした。

ちなみに、涙ながらに事の顛末を親父に話したのですが、その時には叔父が我が家に来ていて、その人が現役の刑事だったのですけど

「そんなに悔しいなら、こんど署から本物の銃を持ってきたるわ。中学生のエアガンなんて目じゃねえぞ、なにせ本物だから」

とか、酒に酔って上機嫌で言ってました。

間違いない、ウチの叔父も狂ってる。


12/15 過去ログサルベージ10

「patoさんがトヨタカップに出てましたよ!ゴールキーパーで!」

「忙しい忙しい言ってたのはトヨタカップに出るためだったのですね、感服しました」

「ボカ・ジュニアーズのゴールキーパーとして大車輪の大活躍でしたよ」

「patoさんが!PK止めるから!ミランが負けちゃったじゃないか。patoのバカ!」

「patoさん、南米ナンバーワンゴールキーパーらしいじゃないですか。ミューラー君みたいじゃないですか」

なんのことだか分からないメールがメールボックスに100通ぐらいきてました。こんなにも意味不明のメールが殺到すると、僕としても質の悪いドラッグの蔓延や集団ヒステリーの存在を信じるしかないのですが、さすがにそこまで熱烈に言われるとアレなので調べてみました。

でまあ、トヨタカップというと、先日横浜で行われたサッカーのクラブチーム世界一を決める試合な訳で、ヨーロッパチャンピオンのACミランと南米チャンピオンのボカ・ジュニアーズが激しく激突する試合だったわけですよね。サッカーに詳しくないから良く分からないけど。

そこに僕が出場していたとか、一般的な社会生活を営む人なら「有り得ない」とすぐにでも分かりそうなものなのです。けれども殺到するメールの数々。どういうことだろう・・・と調べてみましたら

出てました。

ボカ・ジュニアーズの正ゴールキーパーとしてしっかりと「1番」を背負って出てました。

しかも、ファンインセーブを連発するわ、PKでも止めまくるわ、と大車輪の大活躍。見事ボカ・ジュニアーズを勝利に導いたようです。やったね、俺。

というわけで、僕はボカ・ジュニアーズの正ゴールキーパーとしてもうちょっと忙しい日々が続きますので、今日は久々にモリッと過去ログサルベージ。

ちなみに冒頭のメールですが、

「patoさん、南米ナンバーワンゴールキーパーらしいじゃないですか。ミューラー君みたいじゃないですか

ミューラー君(キャプテン翼)はドイツの選手です。全然南米じゃないです。といったところで、今日も元気に過去ログ読みましょうー。

過去ログサルベージ
思い出のナタリーランド(2002/3/13より)

僕は今現在、広島在住なわけですが、出身はもっともっと田舎な場所です。で、その田舎の中でもさらに過疎的な地区に住んでいました。小学校などは二クラスしかなかったですしね。で、そんな小さな小さな小学校でも修学旅行というのがあるんです。

そのときの修学旅行の行き先は広島でした。小学校の時に修学旅行できた地に大人になった今住んでいるわけです。なんだか子供の頃見た広島と現在見る広島は随分と違うなぁなどと思うのです。

その時の修学旅行のコースは、平和記念公園に行って原爆資料館を見たり、宮島の厳島神社を見たり、宮島水族館でウーパールーパーやカブトガニを見たりしました。で、宮島で木刀買って宿で大暴れしたり、女子風呂を覗こうとして捕まって朝まで正座させられたりしたのですが、この話はまた別の機会に。

で、修学旅行の最後に訪れたのがナタリーランドでした。広島の方ならご存知かと思いますが、宮島の対岸、広島市から外れた場所にある遊園地です。

田舎で育った子供達にとって遊園地とは正しく桃源郷でした。魅惑の地、永遠のネバーランドでした。お化け屋敷やメリーゴーランド。ループザループだとかいう360℃回転するような恐怖満点の乗り物もありました。

田舎者な子供達はたいそうはしゃぎました。修学旅行の疲れなど微塵も感じさせず、みな思い思いの友人達と手をとり、ジョイフルな乗り物に乗っていたのです。

あるものはスリル満点の乗り物に何度も乗り
あるものはメリーゴランドでうっとりと
ませたカップルどもは芝生でまったりと
中には全ての乗り物を制覇したものまでいました。

みなとても幸せそうで楽しそうで、なんだか遊園地って幸福の象徴みたいな場所だななどと子供心に思ったものです。

そんな中、僕は何をしていたかといいますと・・・・

1人でゲーセンで遊んでいました。

皆が馴れ合い、手を取り合って遊園地内を駆け回る中、そんなぬるま湯の様な遊びなどまっぴら御免だぜなどと見当違いなハードボイルドさを発揮し、ナタリーランドの片隅にあるゲーセンで1人黙々と遊んでいたのです。なんかゲームセンター内には人影がなく係員もおらず僕一人でゲームの音がピコピコと鳴っていました。

そんな孤独感溢れるゲーセンで一人黙々とゲームを。そんなに熱中するほど何のゲームをしていたのかといいますと。実写版の野球拳をやっていたのです。

画面にはAV女優崩れみたいなお姉さんがバカみたいに踊っていました。当時としては考えられない1ゲーム300円という値段設定も僕の好奇心をくすぐりました。お金を入れると画面内のお姉さんが喋ります。

で、いきなり音楽が流れ出して「アウト、セーフ」とかこれまたバカみたいに踊りだすのです。僕は画面下に三つだけ配置されているボタンを押してグーチョキパーを選択するのです。

で、画面内のお姉さんとじゃんけんで勝負し、5回負けるとそこでゲームオーバーで300円がパアになります。しかし、一回勝つと画面内のお姉さんが服を一枚脱ぐのです。

もう興奮しましたね。小学生には刺激が強すぎます。画面内のお姉さんはイカサマかというぐらいじゃんけんが強く、とてもじゃないが2回勝てればいい方なのです。これでは下着しか見えません。小学生にとって下着でも十分に興奮するのですが、やはりそれ以上も見てみたくなるのが男の性。僕は狂ったようにお金をつぎ込みました。

ええ、家を出るときに持たされたお小遣い全部を野球拳ゲームにつぎ込んだのです。その甲斐あってか、なんとかお姉さんに三回勝つことに成功。こちらのライフもまだ残っています。おっぱいを見ることに成功したのです。

さらにゲームは続きます。「アウト・セーフ」と踊るお姉さんの乳が揺れています。僕はかつてないほど勃起しておりパッツンパッツンで痛いほどでした。

アウト、セーフ、よよいのよい!僕はグーでお姉さんはチョキでした。今でも覚えています。人気のないゲームセンターの片隅で一人小さくガッツポーズ。

お姉さんがスカートを脱ぎパンツ一枚の姿に。こんな小さな布で隠せるのかというほどの過激なパンティエでした。もう僕の心臓は破裂寸前、思考回路はショート寸前。もう一回勝ってしまったら一体どうなってしまうのだろうか。期待感と恐怖感が入り混じります。

そして、いよいよファイナルバトルが始まりました。

パンティエ姿で踊るお姉さん。荒い息遣いでグーかチョキかパーか悩む僕。こんな遊園地の片隅のゲームセンターの片隅で人生をかけた真剣勝負が行われていようとは誰も思うまい。

アウト!セーフ!よよいのよい!
僕 グー
お姉さん チョキ

か・・・勝ってしまいました。僕の右腕は興奮に耐え切れず小刻みに震えています。お姉さんは「負けちゃった〜」とか嬉しそうに言っていました。黙れアバズレめ!

で、一通り負けのダンスを踊ったお姉さんは画面の端に姿を消してしまいました。さらに成り行きを見守っていると、画面の端からお姉さんの足だけが登場し、スルリとパンティが脱げたのです。もう興奮度1000%ですよ。全ての血液がティンポに集中してるのがわかったね。

この後一体どんな展開が・・・・・

などとドキドキと周囲を気にしながら見守っていると、画面には無常にも安っぽいフォントで「GAME OVER」などと表示されました。どうやらこれで終わりのようです。

なんだか安心なような残念なような複雑な心境でゲーム機の前に佇んでいました。見たかった、あの先を見たかった、でも見てしまってはいけないような気がする。なんだろうこの虚無感は。ただただ呆然と立っていると機械から安っぽい音声で

「クリアオメデトウ、ショウヒンダヨ」

などとアナウンスされゴロッと機械下部からカプセルが排出されてきました。

なんと、その小さなカプセルに入ってる賞品とは、さっきまで画面内でお姉さんがはいていたパンティエなのです。小さな布に、白色のレース模様。もはや何がなにやら分からない状況でした。なぜ?パンティエが?しかもコレはお姉さんがはいていたやつ?

興奮と混乱が入り混じり、僕は泣きそうになったのです。

「どうしたのpato君?」

僕が一人ぼっちでいるのを心配した担任が僕に声をかけてきました。僕はとっさにパンティエをポケットに隠し取り繕いました。子供心にも、ここでパンティエを発見されようものなら変態扱いされるということが分かっていたのでしょう、それだけは避けねばなりません。

こうしてナタリーランドでの自由時間も終わり、バスで我々が住む地に帰る事になりました。バス内で楽しく盛り上がる子供達、無邪気なものです。僕はポケットに忍ばせたパンティエを握りずっと考えていました、こいつをどう処理したらよいのだろうか。

どっかに捨てる?
いやいや、発見されたら目も当てられない

どこかに隠しておく?
いやいや、この当時の僕は自分の部屋と言うものがなかった。プライベートな空間などなかった。隠し場所なんてあるはずもない。

友達にあげちゃう?
いやいや、そんなことしたら大騒ぎだ。パンティエ祭りで僕は社会的に抹殺されてしまう。

どうしたらいいんだ。どうしたらいいんだ。悶々と悩んでいました。しかし、隣の友人がトランプゲームを始めたため、僕も混ぜてもらい、一生懸命帰り路のバス内の遊びを楽しんでしまったのです。パンティエのことなどすっかり忘れて

帰宅後、風呂に入り、旅行の疲れからかすぐに眠りについた僕。母親は僕の服を洗濯しようとポケットを調べていました。ゴロリとポケットから飛び出してくる白い布。レースとフリルのついたパンティエ。母親は洗濯機の前で悲鳴を上げました。

すぐさま担任に電話連絡をした母。もしかしたら息子が修学旅行でクラスの女子のパンティエを盗んで持って帰ってきたのかもしれない。そんなことになったら世間様に顔向けできない。ただただ必死だったのでしょう。その夜は女子だけの連絡網により、「下着がなくなってるものはいないか?白のレースつきの下着」という確認電話が女生徒宅を駆け巡ったそうです。

そしてにわかに噂される。pato下着ドロ説。僕は一気に女子達の嫌われ者スターダムにのし上がったのです。

次の朝、神妙な顔で僕に下着について問いただす両親。必死で誤解だと説明する僕。親にパンティエの話をするだけで死にたいぐらいに恥ずかしかったです。しかし、パンティエがなくなっているという事実が無いこと、さらに僕の証言どおり、ナタリーランドにそういうゲームがあると電話をかけて確かめてくれた担任の弁護により、はれて僕は無罪となりました。しかし、パンティエは没収されました。

今、この思い出のナタリーランドは業績不振から閉園し、取り壊されてマンションが建っています。しかし、未だに跡地の前を通ると、あの興奮と混乱、そしてパンティエのことを思い出すのです。つぶれる前にもう一度行っておきたかった。そんな切なさに胸キュンしながら通り過ぎるのです。

どんな思い出だって時がたてばきっと美しい。さらばナタリーランド。
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といったところで今日はこれでおしまい。

明日は僕がボカ・ジュニアーズで正ゴールキーパにつくまでの苦労話を綴った感動の名作が登場予定です。


12/14 手作り忘年会

「今年の忘年会は、手作りな感じでアットホームにやります」

突然のB子の宣言だった。

我が職場の忘年会の幹事は、毎年持ちまわり制になっている。去年は僕が幹事で、「しゃぶしゃぶ&カニ食べ放題」なんていう節操の無い店に行ったし、その前の年は潰れそうな居酒屋に行った。毎年、その年の幹事が趣向を凝らして忘年会を企画する、それが我が職場の鉄の掟だ。

で、今年は我が職場のマッスル事務員B子が忘年会幹事の大役を授かったというわけだ。「幹事、張り切ってぃやります!」とやりがいを感じてだろうか、彼女はご自慢の筋肉を揺さぶって張り切っていた。そして、件の「手作り忘年会」宣言だ。

未曾有の大不況にあえぐ偽りの経済大国日本。我々の生活がどんどん苦しくなるにつれて、手作りだとかハンドメイドとか、そういった昔ながらの風潮が見直されてきているようだ。

例えば人に贈るプレゼントなど、バブル経済真っ只中な頃は、とにかく高級品、一流ブランドの既製品などを贈るのが当たり前の世界だった。恋人には一流ブランド品を贈り、恋人ではないにしろ人に物を贈る際には体裁の良い既製品を贈る。それはわりと当たり前のことだった。

しかしながら、バブル経済が崩壊し、庶民の生活が苦しくなると共に、そういった物質的豊かさを求める風潮はなりを潜め、今度は精神的豊かさを求める風潮に様変わりしてきた。

手作りのセーターだとかマフラーだとか、そうでなくとも何か特技を活かした手作りの品物を相手に贈る。それはまさに物品を贈るのではなく、気持ちを贈る行為に他ならなかった。誰かを喜ばせるため、自分が一生懸命何かを製作する。その気持ちを贈るのだ。

バカ高い一流ブランド品を贈るのをやめ、手作りの品を相手に贈る。それは経済的に助かるだけでなく、なんというか、血が通い、心のこもった物品を贈る行為に他ならないんじゃないだろうか。

そういった事情もあってか、昨今では温かみのある「手作り品」が見直されていると聞く。街では女の子が愛情のこもった手作りのセーターを恋人に贈り、怨念のこもったセーターを片想いの相手に贈る。一昔前では割と稀だったが、最近では普通に見られる光景になってきた。

それを知ってか知らずか、B子の手作り忘年会宣言。早い話、居酒屋やら宴会場、しゃぶしゃぶの店なんかに行くとどうしても割高になってしまう。だったら皆で食い物や酒を持ち寄ってオフィスでやれば安上がりで済むじゃない、そういった主張のようだった。

そこに血は通っているのか、はたまた温かみのある忘年会になるのか、少しだけ疑問符がつくところだが、とにかくB子は言い出したら聞かない。手作り忘年会はもはあ決定事項で、だれも覆しようがない状態で粛々と進行されていった。

「会場はここです。机を並べ替えてパーティースタイルでやりますから」

もはや決定事項で、筋肉を震わせながら淡々と説明するB子。もう彼女を止めることなどできない。

「それでですね、各自でお料理やらお酒を持ち寄ってもらうんですけど、皆が持ってくる品物がかぶってたら嫌じゃないですか。だから、分担して持ち寄ることにしました」

そう言って彼女は何やらテクニカルに折りたたまれた手紙みたいな紙を皆に配り始めました。

「この紙に私が割り振った分担が書いてありますので、みなさんそれに従って色々と買ってきて下さいね」

もはや投げっぱなしジャーマンといった勢いで「買ってくる品を書いておいたから勝手に買ってこいや」宣言。そのあまりの放任主義に僕らオフィスの面々は驚きを隠せなかったのです。

しかもまあ、各自に渡されたその「用意するものリスト」ってのが酷いものでございまして、なんというか、明らかに不公平なんですよね。しかもなんか、そのリストアップされた品物を総合して考えるにつれて、「いったいB子は忘年会をどんな宴にする気なんだろう」とミステリアスな気分になるばかりなのです。

例えば、とりあえず無難な線で書かれている配布リストを見てみますと

「酒(日本酒 3本、ビール5本)」
「おつまみ(辛いのはダメ)」
「お菓子(パーティーサイズのヤツ10個くらい)」

とか割かし普通に書かれているのですが、Y君に配られたリストには

「寿司」

とだけ相撲取りみたいなフォントでかかれてました。いや、「おつまみ」と「寿司」じゃ明らかに値段が違うじゃない。明らかに不公平じゃない。

けれどもまあ、配布リストに書かれている品物が購入可能な物品なら良い方で、今年配属された新人なんかは

新人1「出し物(コミカルなモノマネなど)」
新人2「出し物(手品など)」
新人3「出し物(笑えるやつ)」

とか、もはや用意する物品ですらないものが書かれてましたからね。内容まで指定されて出し物を要求される。もはやB子が忘年会をどんな宴にしようとしているのか我々には想像もつきません。

しかも大崎に配られた配布リストには

「クラッカー、シャンパン、鼻とメガネが一緒になったコミカルな道具

とか、どこで売ってるんだよ、そんなもの。それにそれはわざわざ指定するほど重要な物品なのかよ。と激しくツッコミを入れずにはいられないものが書いてありました。

それでもまあ、出し物やら鼻とメガネが一緒になったコミカルな道具なんて金がかかるものじゃありません。「寿司を人数分用意せい」と要求されたY君に比べたら何倍も楽です。

B子が配る恐怖の物品リスト。それぞれが悲喜こもごもの表情を見せ、あちこちで「うわ、なんか俺だけ高価じゃないか!」「出し物・・・手品なんてできねえよ・・・」などと悲鳴が聞こえてきます。この時点で楽しいはずの忘年会がB子のプロデュースによって悲劇の宴になることは間違い無く、それでいて「一体彼女はどんな宴を計画してるのだろうか・・」などとミステリアスな気分にさせてくれるのです。

しかしながら、そんなものとは別次元で、もっと恐怖のズンドコに、もっとミステリアスな気分に叩き込んでくれる物品リストが存在したのです。

いや、早い話、僕に配られた物品リストなんですけど、これがもう有り得ないくらいに凄かった。もう、途方もなく凄かった。寿司なんて比にならないくらい恐怖だし、鼻とメガネが一緒になったコミカルな道具以上にミステリアス。そんな物品が僕の物品リストには書かれていたのです。

配布リストを見た皆の恐怖や驚き、有り得ない不公平感からくる心の叫びを目の当たりにしていた僕は、恐怖におののきながら物品リストを開きました。もしかしたら、「ドンペリ(すげえ高いシャンパン) 5本」とか何のためらいもなく書かれているかもしれません、単にB子が欲しいからという理由で「プラズマテレビ(42インチ)」とか書かれているかもしれません。おいおい、そんなもの要求されても用意できないぞ、などと手を震わせながら物品リストを開くと・・・・

patoさんが用意するもの

割り箸(50個入りくらい)
紙コップ(100個入りくらい)
紙の皿(20枚くらい)
出し物(とにかく笑えるの)
         ・
         ・
         ・

とか、おいおい普通じゃないか、しかも安くて用意しやすそうなものじゃないか、と拍子抜けするほど普通すぎる物品がリストアップされていました。

しかも、最後には「出し物(とにかく笑えるの)」という要求。他に出し物を要求されているのは若手ばかりだというのに、なぜかベテランおよび中堅クラスの社員の中で僕だけ出し物を要求される。良く分からない理不尽な感覚を覚えつつも、それでも「寿司」よりマシといえばマシです。

こりゃあ、忘年会の前日ぐらいにスーパーに行って準備すればいいな、全部合計しても1000円もかからないじゃないか、出し物も適当にお寒いの考えればいいし。ラッキー。とか思っていたのですけど、リストの一番下にはとんでもない物品がリストアップされていました。

もう、見た瞬間、驚きのあまり腰が抜けるとかそういったのとは別次元で、腰が粉々に砕けるんじゃないかというほどの衝撃がありました。ハッキリ言って、その物品を見た瞬間に震撼した。間違いなく全米が震撼した。

patoさんが用意するもの

割り箸(50個入りくらい)
紙コップ(100個入りくらい)
紙の皿(20枚くらい)
出し物(とにかく笑えるの)
         ・
         ・
         ・
コンドーム(12個入り)

コンドーム?

いやいや、ちょっと待って、明らかにちょっと待て。大黒摩季的にちょっと待て。

おかしいじゃない、忘年会にコンドームとかおかしいじゃない。厳粛なる職場の忘年会、そこにコンドームとかおかしいじゃない。そりゃね、狙ってる娘が参加者にいて、よーし、酔った勢いでアイツを喰ってやるぜー、なんて意気込んでるサムライだったらコンドームを準備するのも分かりますよ。でもね、オフィシャルに準備する物品としてリストアップされるのは明らかにおかしい。

一瞬、コンジローム(性病)と見間違えたかな?とか思ったのですが、リストに書かれているのは間違いなくコンドーム。見紛うことなくコンドーム。っていうか、コンジローム(性病)だったら、それはそれで嫌すぎる。準備しようがないわ。

おいおい、ヤツ(B子)は忘年会をどんな宴にするつもりなんだ。コンドームを準備させてヤツは何を企んでるんだ。もしかして、酔った勢いで酒池肉林の大乱交大会になっちゃって、上司も僕も大崎も、みんな入れ替わり立ち代りでB子を貫くとか、そういうのを想定してるのか。うわー、ありえねー。

結局ね、これってばB子の要求ではないのですよ。いくら彼女が、麻薬やってるかもしれないって心配するほど言動がおかしい女性でもですね、忘年会の物品リストに「コンドーム」を書くなんてのはありえない。ちょっと考えれば誰でも分かることなのです。

僕はですね、物品リストを受け取った時、ちょど死ぬほど忙しかったので中身を見ずにデスクの上に放置しておいたのですよね。それで何度か席を外したりなんかして、帰ってきてからそのリストを開いた。そしてそこにコンドームの文字。

多分ね、誰かがイタズラしたんだと思う。僕がまだリストを見てないのをいいことに、デスクの上にリストを放置してるのをいいことに、こっそりとリストを開いて誰かがコンドームを書き足したんだと思う。だって「コンドーム」だけ明らかにB子の書いた字と違うんだもん。絶対に誰かのイタズラだよ。僕の予想では理不尽に寿司を要求されたY君あたりが怪しい。

あのですね、いくら僕がバカだバカだって言ってもですね、こんなイタズラに引っかかるわけ無いじゃないですか。アホ面下げて「リストにあったのでコンドーム買ってきましたー」とか言うわけないじゃないですか。ホント、僕を見くびるのもたいがいにして欲しい。買ってくるわけないじゃない。コンドームなんて買ってくるわけないじゃない。

買って来ました。

しかも見栄張って、「BIG BOY」とかいうチンコが大きい人がつけるようのLサイズのコンドームを買って来ました。近所の薬局で買ったのですけど、エロ本買う以上に恥ずかしかったわ。しかも、「おれ、チンコでかしいです」と言わんばかりにBIG BOY。なんやねん、このデカイ鼻を写したパッケージは。

そんなこんなで、明らかに寿司を要求されたY君のイタズラだとは分かってますが、あえて「リストに書いてあったから」と忘年会の席で厳かにコンドームを提出したいと考えてます。

理想としては、

「いやー、なんかこういった手作りの忘年会っていいですよね。さすがB子さん。手作りには味がある。といったことで、要求されたコンドーム、しかもLサイズを買って来ました。これで手作り忘年会も完璧ですね。あっ!しまった!これじゃあ子作り忘年会じゃないか、いやいや、コンドーム使うから子作りでもないよな、てへっ」

とかやって、リストに書かれていた「出し物(とにかく笑えるの)」もクリアしたいと考えてます。たぶん、全然笑えなくて、乾いた笑顔だけが錯綜することになるだろうけど。

ということで、B子プロデュースの手作り忘年会。決戦は12/25。何が起こるか今から楽しみでなりません。


12/13-2  巨星落つ

広末涼子電撃結婚、妊娠も

今日は、何も、する気が、起きま、せん。しばらくそっとしといてやってください。


12/13 習慣という名の病

めっきりと寒くなりました。比較的雪が降らないとされる広島県でも山間部では猛吹雪、スキー場は大喜びのようです。そんな寒い12月ですが、街中を歩いていてこんな場面に遭遇しました。

なにやら女の子3人組が暖かそうなコートを着て談笑していたのです。そこまでは普通に良くある光景なのですが、その会話の内容がとにかく凄かった。僕の心を締め付けて止まなかった。

3人組の婦女子は見るからにアンバランスな構成でした。見るからに不釣合いというか何というか、とにかく注目せずにはいられない異次元が存在していたのです。

3人組のうち、2人はムチャクチャカワイイ娘でした。もう、なんというか、今時の女子大生といった感じで、イイナオンを地で行く感じでしたね。1人が矢田亜希子似、もう1人が若槻千夏似という鉄壁のシフト、この2人がいれば何度でも勃起可能、そう思わせるほどのポテンシャルでした。

そして、残ったもう1人は・・・。いやいや、僕のようなカスが人の容姿をとやかく言えるようなレベルではないのは分かってるんですけど、なんというか、その、あれなんですよね。すっげえブスなの。とにかくブスなの。別な意味で鉄壁のシフトだったよ、あれは。

そりゃね、僕かて「ブスは存在するな」とか「町を歩くな」とか「やーい、ロボット超人」とか言わんですよ。自分がそんな事言えるポテンシャルでないことは重々承知してますし、それに、そういうので人を判断するのは悪いことだとは言わないですけど、良くないことだって分かってますし。

でもね、どんなに綺麗事で「人間は顔じゃない、内面だ!」って言っても、それってやっぱり限度がありますやん。やっぱ人間が他者に好感を持つ時って、顔による影響に拠る部分が大きいと思いますから。それってば仕方ないことだと思うのです。性格良ければいい、そんなの、うっそ!だと!思いませーんかーって広瀬香美さんがお怒りなのももっともだと思います。

だからね、さすがにこれはあんまりだと思うんだ。見るに見かねてあんまりだと思う。だってさ、すっげえカワイイ子2人に、島田伸介みたいな女の子が1人だぜ。矢田に若槻、それに島田だぜ。さすがにそのトリオってのは無しだろ、そう思うじゃない。

しかもその3人の会話が物凄くて、

矢田「イブさー、彼氏がパーティしてくれるみたいでさー」

若槻「ウチは家族と過ごさなきゃなんないからなぁ。でも、夜には抜け出してドライブに行くんだけどね」

矢田「あ、いいなー。夜景とかみちゃうんだ」

若槻「去年のクリスマスプレゼントがさあ」

とか、島田そっちのけでクリスマストーク。もうモロにクリスマス彼氏とラブラブトーク。これにはもう涙を禁じ得なかったね。涙で前が見えなかった。

だってよ、島田の気持ちにもなってみろよ。カワイイ2人に挟まれて、クリスマストークかまされてる島田の気持ちにもなってみろよ。それはもう、童貞がヤリチンに挟まれてコンドームの装着の仕方とか語られるのと同じだぜ。俺なら耐えられん。斬る、間違いなく斬る。

しかも、その後に島田が放ったセリフってのが涙もんで

島田「わたしは・・・イブは1人でプレイステーションやってるかなぁ・・・」

とか、もう涙無しでは語れない、聞くも涙、語るも涙のセリフを放つんだよ。もう聞いた瞬間に、真っ暗な部屋で薄ら笑い浮かべながらゲームやってる島田の顔が浮かんだもの、ブラウン管の光だけが反射する島田の顔が浮かんだもの。もう涙で前が見えない。

矢田「うっそー、じゃあさー彼氏が要らないって言ってるプレステのゲーム貸してあげようか?」

そこに矢田がトドメの一撃ですよ。綺麗な顔しやがって、鬼のようなトドメの一撃ですよ。

そりゃな、親切心から「彼氏のゲーム貸してあげようか?」って言ってるかもしれませんよ。でもな、明らかに自虐傾向に走ってる島田に対してそこで親切心は大きな間違い。俺だったら間違いなく言われた瞬間にナタで頭の皮剥いでるわ。それぐらい怒りをかうセリフだよ、これは。

でも、当の島田は怒る様子なんて微塵もなくて

「ありがとう、じゃあイブはずっとそのゲームやってる。クリアーしちゃうぞー」

とか、少し自虐的にはにかみながら、それでも目は笑ってなくて、なんだか悲壮感漂う感じでコントローラーを握る仕草をしてました。これを悲劇といわずして何を悲劇というのか。

習慣って怖いよな。僕はその光景を眺めながら、その島田を眺めながら、ただただそう思ったのでした。

きっとさ、島田は自虐的に自分を貶める習慣がついてるんだと思う。自分はいつだって喜劇のヒロインで、自分を貶めて嘲笑う、カワイイ友人に挟まれるうちにそういう習慣がついてるんだと思う。

だってさ、別に適当なこと言っておけばいいじゃない。イブの予定ぐらい、見栄はって、「イブの夜は彼氏と野外おセックスにチャレンジ」とか、「イブの夜は彼氏と組体操おセックスにチャレンジ」とか言っておけばいいじゃない。それぐらい誰も咎めないと思うよ。

なのに島田は自らを嘲笑する自虐的な習慣があるから、半ばピエロみたいになっちゃって「イブの夜は1人でプレイステーション」とか言っちゃってるわけ。カワイイ友人2人がイブの夜は彼氏と別の意味でプレイステーションだっていうのに、自嘲と自虐を込めてプレイステーション。

いやな、正直なことはいいんだけど、もっと前に歩き出さなきゃ。そうやって習慣的に自虐したって全然前に進めないよ。一歩も前に進めないよ。もっとこうさ、自分の容姿なんかで自虐的にならず、どっかの女子柔道選手みたいに豪胆に野球選手を捕まえるとかしなきゃ。いつまでたっても進まないよ。

とまあ、単にすれ違っただけの島田に対してすごく心配するのですが。彼女があらゆる場面で自虐的であるように、そうやって生じるある種の習慣というのは、とても恐ろしいものだと思うのです。習慣という名の病というかなんというか、とにかく恐ろしいものだと思うのです。

僕は今のところ狂ったように書類を書きまくり、それこそ仕事の鬼、鬼の仕事と言わんばかりに働いているわけなんですけど、そこでもげに恐ろしき習慣という名の病が顔を覗かせることがあるのです。

「高機能性な感光樹脂の開発」

僕が今やってる仕事はこれなんですよね。感光樹脂とは読んで字のごとく、光にセンシティブに反応して何らかの変化を見せる樹脂でして、これを利用して製版システムとか色々な分野で応用されているものなのです。で、それを色々と改良して高機能化するのが僕の仕事。

それでまあ、現在狂ったように書いてる書類も当然ながらそれに関することでして、100枚近い書類の中に狂ったように「高機能性感光樹脂」って単語が出てくるんですね。今検索してみたら563個出てきてました。

それでまあ、その書類を直しつつ、ざっと眺めていたのですが、そこで途方もないことに気がついてしまったのです。

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

とか、書類に書いてたりするんですけど、なんか改行が凄い場所があって、

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感
光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

とかなってるんですよ。ページの横幅の都合で仕方なく改行されているんですけど、とにかくとんでもない場所で改行されてるんです。

え?なにが凄いか分からないって?えっとですね、

結論を述べると、今回合成を行った高機能性感
光樹脂は、従来の物に比べ・・・・

ですよ。なんかも「性感」って言葉が真面目な書類に踊り狂ってるんですよ。いやいや、「性感」っていったら「性感マッサージ」だとか「性感ヘルス」だとか、エロスな風俗店の枕詞ではないですか。それがもう、何十個も真面目な書類に踊り狂ってるの。数えてみたら51個ありました。

いやな、習慣って恐ろしいよな。ホント、恐ろしい。普通だったらさ、そんな「性感」の部分で改行されてようがなんだろうが、全然気付かないじゃない。気付いたって特段気にしたりしないじゃない。

でもな、こんな下劣なるサイトで文章書いてるもんだから、下劣なワードにセンシティブに反応する習慣がついちゃってるんだな。これが。もう、童貞中学生の如く「性感」にビンビンに反応しちゃってるの。教師ビンビン物語かってんだ。

そうやって見てると、もう書類見るだけで、上みたいに「性感」の部分だけが太字に見えちゃってさ。さすがにサイトの日記ならまだしも、真面目な書類で「性感」で改行はマズイだろ、とか思っちゃうわけ。

それでまあ、色々と文章を弄ってみたり、フォントの大きさを変えてみたり、横幅を変えてみたりして、「性感」の部分で改行が入らないように頑張るんだけど、やっぱ500個以上も「高機能性感光樹脂」って単語があるからな、絶対に何個かは「性感」になっちゃうんだわ。ただでさえ終わりの見えない仕事なのに、さらに大変なことになっちゃってるの。ホント、習慣って怖いよな。

でまあ、上司とその書いてる書類についてディスカッションするんだけど、

「さすがに、ここで改行はいるのマズいっすよね?」

「なんで?なにがまずいんだよ?」

「いや・・・あの・・・その・・・」

「何か変な場所あるか?」

「ですから・・・・・」

「煮え切らないヤツだ、言ってみろよ」

「ですから・・・その・・・せ・・・せ・・・性感とか」

とか、オマエは女の子にエロい言葉を言わせたいセクハラオヤジかっていうやり取りがあって、徹底的に辱められたりするのです。ホント、習慣って怖い。

下劣なるワードに反応する習慣さえなければ、書類の仕上がりが遅くなることも、上司にエロい言葉を言わされて辱められることもないのです。そして、冒頭の島田も、自虐的になって自分で自分を傷つけることもないのです。本当に習慣という名の病は恐ろしいものです。これはもう病気ですよ。

でもまあ、最も恐ろしい習慣といえば、上記の様な徹底的に恥ずかしい体験があったにも関わらず、「これは面白い、早く日記に書かねば!早く!早く!」と、心ここにあらず、とにかく日記を書きたい衝動に駆られたことでした。ありゃ病的だった。

面白いことがあったら書かずにはいられない。その習慣に襲われ、忙しい仕事そっちのけで日記を書いてる、それこそが最も恐ろしい習慣だと思いました。もうこりゃ病気だ、病気。

ということで、サイトくらいしか心の拠り所のない僕のようなカスは、クリスマスイブは1人で寂しくネットラジオやろうと思います。(島田より自虐的な習慣)


12/11 幸せ家族計画

「私たち、結婚しました」

結婚したことを報告する結婚報告ハガキが僕の元に届きました。

冒頭の文章と共に、披露宴の時の写真でしょうか、仲良く寄り添う二人の写真がハガキの裏に印刷されていました。

幸せそうな新婦に幸せそうな新郎の顔、少しドレスアップした2人は恥ずかしそうに、それでいて満面の笑みで写っていました。これから始まる結婚生活に対する期待、漠然とした不安、それでいて安らぐ何か、そういうのが詰まっている素敵な写真でした。

「私たち、これからずっと2人で歩いていくんです。苦しいことや悲しいこと、いっぱいあるだろうけど、それでも歩いていくんです、ずっと2人で。」そう声高らかに宣言するその写真は、なんだかとっても素敵なものに見えました。

「ははは、アイツら、結婚したのか。こりゃ目出度い目出度い。絶対に幸せになって欲しいな」

郵便受けの前でそのハガキを読み更けていた僕は、なんだかすごく優しい気持ちになれたような気がしました。

人が人を心の底から祝っている瞬間、それはこの世のどんな時間よりも優しい時間だと思います。何の打算もなく、駆け引きもなく、掛け値なしに諸手を挙げて誰かを祝う瞬間、それってすごく大切で、失くしてはいけない最後の優しさなのだと思います。

「ははは、俺にも誰かを祝う優しい心があったわけか」

自分の中の人間臭い心に気がつきつつ、少し照れ笑いしながら、そのハガキを眺め、アパートの階段を昇る僕。

「私たち、結婚しました。

        平成十五年十二月○○日
        広島県広島市○○区○○
           大田原 義文
                 奈央子(旧姓 石川)」

写真の横には、綺麗にプリントされた活字で上のように書かれていました。そして、その横には頭の悪そうな手書きの丸文字で

「また新居に遊びに来てくださいね。二人で待ってます!」

と、書かれていました。

新婚夫婦の新居に遊びに行く。それは非常に甘美で魅惑の情事。なんというか、この言葉の響きだけでご飯三杯くらいはいけそうな気がしてきます。

2人だけの新生活、そこにはお揃いのスリッパやらコップがチョコンと並んでいるはずです。そして、家の中には2人で選んだ家具がシックなまでの装いで並んでいるはずです。

「わたし、結婚したら新居に部屋に観葉植物とか置きたいな」

「おいおい〜大丈夫か〜、奈央子はズボラだからな〜。枯らすなよ〜」

部屋の隅にはサンスベリアの鉢が置かれているはずです。

そんな2人だけの愛の巣にお邪魔虫と言わんばかりの勢いで遊びに行く僕。旦那とリビングで酒を酌み交わしながら結婚について取り留めの無い話を。新妻はキッチンでツマミを作りながらそんな僕らの話に耳を傾けているはずです。

「いやー、なかなかいい新居じゃないの」

「まあな、ほとんどローンだからこれからが大変なんだけど」

「これからもバリバリと稼がなきゃだな」

「おれ、家族のために頑張るよ」

「子供とかどうすんの?」

「うん、おいおい頑張っていくよ」

「金かかるぞー」

そんな話をしながら、ビールを注いでは飲み注いでは飲み。新妻の作るツマミが思いのほか美味しく、酒も進む進む。そのうち飲みすぎた旦那はそのままその場で寝込んでしまうのです。

「ありゃりゃ、寝ちゃった。コイツ昔から酒弱かったからなあ・・・。奥さん奥さん!旦那さん寝ちゃったよ!」

「あらら、普段はこんなに飲まないんですけどねぇ・・・」

新妻はエプロン姿で困った顔をしながら、寝込んだ旦那に布団をかけます。なかなか旦那思いの新妻でいいなあ・・・と思いながらその光景を眺めていると、新妻が僕の横にやってきて耳元で囁くのです。

「patoさん、今日は泊まっていってくださいね、むふん」

少しだけ肩をはだけさせながら、濡れた瞳で迫り来る新妻。ふっと耳に息を吹きかけてきます。

「ちょ、ちょっと、奥さん。ダメですよ。アナタ新婚じゃないですか」

「旦那も寝てるし大丈夫よ。あの人のセックスじゃ物足りないの。それにわたし・・・前からpatoさんのこと・・・」

「奥さん!」ガバッ

理性という名の弦が事切れてしまった僕ら2人は、旦那が寝ているその横でまぐわうのです。新婚の新居で、旦那が寝ている横で、新妻を、エプロン姿の新妻を!徹底的に辱めるのです!

徹底的に乱れる2人、それでも起きない旦那。そのスリルが布袋以上に興奮を与え、テーブルの上のコップが倒れようが構わず絡み合う。部屋の隅のサンスベリアの葉だけが二人のリズムに合わせるように揺れているのです。

うおー、興奮するなあ。すげえなあ、新婚の新居に遊びに行くって。下手なエロマンガより興奮するじゃないか。と、妄想と性欲を大爆発させて興奮するのですが、ここで得も知れぬ漠然とした違和感に気がつくのです。

はて?新居に遊びに行く?

なんだか途方も無い違和感を感じました。なんというか、なんで今までこんなことに気がつかなかったのだろう、というくらいに自然すぎて気がつかなかったのですが、明らかにおかしいのです。

いやな、新居になぞ遊びに行ったことない。

よくよく考えてみると、僕はここ最近、誰かの新居に遊びに行ったという記憶はございません。しかも新婚さんの家とかにお邪魔した記憶など毛頭御座いません。なのに、ハガキには「また新居に遊びに来てくださいね」と書かれています。

おかしい、何かがおかしい。

漠然とした不安を感じつつ、もう一度送られてきた結婚報告ハガキを凝視します。そして、そこで僕は途方も無い事実に気がついてしまったのです。

結婚報告ハガキの裏面にプリントされた幸せそうな2人の写真。タキシードを着た新郎は少し固い表情をしながらも、それでも精一杯の微笑で笑いかけています。その新郎の顔を見て気がついてしまったのです。

・・・・・誰だコイツ?

落ち着いて新婦の方も見てみます。ドレスアップし、少しポッチャリしていますが、なかなかカワイイ顔した新婦。少しおすまし顔でブーケを持って写真に写っています。それを見ながら思います。

・・・・・誰だコイツ?

もうね、2人とも明らかに見知らぬ他人なの。どっからどう見ても僕のこれまでの人生で関わったこと無いような人がモロロンと写ってるの。おまけに、よくよく考えてみるとこんな名前した知り合いなんているはずが無い。間違いなく100%見知らぬ他人。

おいおい、なんで見知らぬ他人から結婚報告ハガキが来てるんだよ!とか震える手ではがきの表を見るのですが、そこには見知らぬ男性の名前が宛名として書かれていました。

住所だけは僕と同じなのですが、名前だけが見たこと無い男の名前になってました。きっと、僕の前にこの部屋に住んでいた人物宛に届いたのだろうと思います。僕がこの部屋に住んでもう7年になるのですが、それでも前の住人の手紙が届いたのだとお思います。というか、そう思いたい。

全く見ず知らずの人間の結婚報告ハガキを受け取り、「ははは、アイツら、結婚したのか。こりゃ目出度い目出度い。絶対に幸せになって欲しいな」とか呟いた自分のいい加減さを呪いました。さらに良からぬ妄想まで爆発していた自分を恥ずかしいと思いました。

とりあえず、「新居に遊びに来てくださいね」とか住所と共に記載されてましたので、ちょっと遊びに行ってみようかななどとおもう次第なのです。結婚祝いにサンスベリアの鉢でも持って。

ということで、これも何かの縁だと思います。とにかく結婚おめでとうございます。>見知らぬ2人


12/10 今日は連絡事項だけです

ということで、なんとか仕事のマウンテンは越えたような気がします。相変わらずすることはマウンテンのようにあるのですが、これまでのようにシュラバラバンバの大惨事にはならないような気がします。今日は赤紙来なくて本当によかった。

ということで、モリモリっと日記を綴りたい所ですが、さすがに今日は気力が無いので連絡事項だけ。「Numeriオフスペシャル-全国縦断オフ-」と「ぬめぱとクリスマスレィディオ」に関する連絡です。

「Numeriオフスペシャル-全国縦断オフ-」

さてさて、2月中旬辺り、もしくは下旬あたりに開催される「Numeriオフスペシャル-全国縦断オフ-」ですが、これは僕が全国の主要都市を一気に回って、自費出版するNumeri本を売り歩くという企画です。

基本的に旅費は本の売り上げのみで、売れなきゃホモなトラック運ちゃんの車にヒッチハイクして飯抜きで野宿ですが、すごく売れたりしたらゴージャスに過ごすというものです。基本的に売上金は全く残さず、全て旅に使います。

それでまあ、全国の主要都市の集まれそうな場所などを皆さんに教えてもらいまして、それを基に旅程表を作成いたしました。これに従って各都市を移動していきたいと考えています。

ちなみに、最初は1日に1都市づつ攻めて行く予定だったのですが、さすがにそれじゃあ何ヶ月経っても終わりそうにないですから、1日に数都市訪問することにしました。

お昼ごろとか夕方頃に訪問する都市が多いですので、その際には集まってくれた方とお茶したり食事したりしたいと思っております。時間が押し迫っていたら本を売って終わりという途方も無い事態にもなりかねません。

また、一日の最後に訪れる都市の場合は、そのまま飲み会にGOということも可能です。まあ、それはその場のノリでなんとかなるのではと思っております。

ということで、気になる旅程表と集合場所ですが、以下のように決定しました。具体的な日程はまだ決まってませんが、この順序に沿って各都市を周りたいと思っております。

Round 1
広島市 中区アリスガーデン
山口市 維新公園
下関市 駅前の変な塔の立っている公園
北九州市 JR小倉駅の広場

Round 2
鳥栖市 サッカースタジアム前
佐賀市 ジャスコ佐賀店駐車場
長崎市 長崎駅前かもめ広場

Round 3
熊本市 熊本城公園
鹿児島市 天文館公園
宮崎市 駅前の公園

Round 4
大分市 ジャングル公園
福岡市 警固公園(天神)

Round 5
那覇市 パレット久茂地前

Round 6
松山市 松山城の城山の広場

Round 7
高松市 花まるうどん(インター近く)
徳島市 徳島城公園
高知市 中央公園

Round 8
岡山市 岡山駅前の噴水
松江市 松江駅前

Round 9
鳥取市 鳥取砂丘 ラクダ前
福井市 三方五湖にある山頂公園の誓いの鍵
京都市 円山公園

Round 10
神戸市 ハーバーランド キリン像の前 
大阪市 大阪ドーム(Numeri-OFF Osaka 2004 )

Round 11
和歌山市 和歌山城公園
奈良市 奈良公園
大津市 琵琶湖湖畔プリンスホテル周辺

Round 12
四日市市 諏訪公園
津市 未定
名古屋市 オアシス21

Round 13
岐阜市 岐阜アリーナ
長野市 長野駅善光寺口前広場

Round 14
甲府市 甲府駅南口武田信玄像
静岡市 駿府公園

Round 15
茅ヶ崎市 茅ヶ崎海岸
逗子市 逗子市役所前
横浜市 山下公園

Round 16
千葉市 千葉中央公園
市川市 市川市文化会館前
柏市 JR柏駅東口出口付近の広場
つくば市 中央公園

Round 17
水戸市 水戸駅北口黄門像前
郡山市 ビックパレットふくしま
福島市 福島駅前
仙台市 仙台駅

Round 18
盛岡市 盛岡駅西通 マリオス
青森市 アスパム前

Round 19
札幌市 札幌駅前広場

Round 20
秋田市 アゴラ広場
山形市 山形ビッグウイング

Round 21
新潟市 新潟駅南口の噴水周辺
富山市 CIC前広場
金沢市 石川県産業展示会館

Round 22
小松市 小松ドーム
宇都宮市 JR宇都宮駅東口の餃子像

Round 23
前橋市 前橋公園
高崎市 もてなし広場

Final Round
さいたま ソニックシティに隣接している公園
東京 新宿 新宿コマ劇場前広場

Extra Round
New York City "Ground Zero"

以上、61都市 25 Round

ということで、アナタのお住まいの近くに寄った際は、是非是非来ていただけると嬉しいです。本を買わなくとも、来てくださるだけでも結構ですので。

「ぬめぱとクリスマスレィディオ-グノーシスナイト-」

さあ、今年もやってまいりました。もはや恒例になりつつあるクリスマスレィディオ。今年も聖夜の夜、12/24夜に途方も無い勢いで放送させていただきます。もう、クリスマス?なにそれ?といった構えも辞さない覚悟ですので、イブに寂しい思いをしている方は是非是非聞いてやってください。

ちなみに、リスナーさんの投稿ネタを中心に放送を展開させていきます。皆さんの投稿だけが頼りですので、モリモリと投稿してやってください。投稿テーマは以下に示す通りです。

1.クリトリスの思い出

クリスマスの思い出じゃないですからね、注意してください。

2.初めてオッパイを触った時の思い出

どういうシチュエーションで、どんな感触だったか。その時何を感じたか、宇宙を感じたのか。小宇宙(コスモ)を燃焼させたのか、詳細に教えてください。

3.patoさん恋愛相談室

クリスマスを寂しく過ごすサムライどもの真剣な恋愛相談待ってます!

これらは放送前日辺りに正式に募集をかけますので、今から練りに練っておいてください。募集前に送られてきても紛失しちゃう恐れがあるので、できればご遠慮くださいね。

ということで、女人禁制カップルご法度、世界で一番硬派で下劣なクリスマス、男の魂がほとばしる「ぬめぱとクリスマスレィディオ-グノーシスナイト-」お楽しみに!イブの夜に会いましょう。

といったところで今日はこの辺で。また明日!


12/9 過去ログサルベージ9

僕は毎日毎日鬼のように書類を書いては上司に提出しているわけです。提出しては修正され、提出しては修正され、それをここ10日間ほど狂ったように繰り返しています。

この無限連鎖とも思える執筆→修正→書き直しのラビリンスは、上司が合格サインを出すまで永遠に続きます。そう、永遠に。なんだかもう、嫌になってきました。

僕が数十枚の書類を書いて提出すると、上司はそれを読み、赤ペン先生ヨロシクで赤で修正を入れていきます。その赤で修正された箇所をまた直すことになるのですが、あまりに赤い書類が帰ってくると本当にやる気がなくなります。

日曜日、僕は休日など関係ないといった気概で狂ったように書類を書き上げました。それを今日の朝に提出したのですが、昼ごろには修正が入って返ってきました。

もう、真っ赤かな書類が、容赦ないほど赤で訂正された書類が帰ってまいりました。その赤さは尋常じゃないレベルで、黒で書いていた活字が見えないほどでした。赤紙が来たかと思ったわ。

ということで、またもや泣く泣く書類の修正をしてるので、今日も日記どころの騒ぎではありません。気力がなくてクソした後にシリを拭いてないほどです、日記など書けません。

ということで今日も過去ログサルベージ。

正直言ってサルベージしてくる気力すらないですから、今日は一本のみです。それではどうぞ。

思い出の三番アイアン(2002/7/21より)

僕の住んでいる場所は山間部の田舎ですので、近くに文字通り山ほどゴルフ場があるんですよ。それに伴ってゴルフの打ちっぱなしなんかも沢山あるんです。まさしくゴルフ王国の名にふさわしい。

で、週末ともなると、裕福そうなオッサンやら接待族やら知りませんが、高級車に乗って朝も早くからゴルフにやってくるみたいです。都市部に住む人間はアウトドアやらゴルフの時だけ田舎町を訪れるんですよね。

そもそも、ゴルフというスポーツは豊かさの象徴であるように思います。僕が子供の時代はバブル経済真っ只中、ゴルフの会員権が何千万円もするような時代でした。ほんとうにゴルフは貴族のスポーツだった。

○○君のお父さんはゴルフをやってるらしい

なんて噂がたとうものなら、○○君の家はなんて裕福なんだろう。などと感嘆したものです。

当然、僕の家は貧乏でしたので、ゴルフなんかとは無縁で、ゴルフのゴの字もありませんでした。オヤジは休みの日は酒飲んだくれて寝てるだけ、早朝からゴルフに出かけるブルジョワジーな世のお父さんとは根本から違っていました。

ブルジョワジースポーツ、ゴルフへの憧れは子供たちの間にも根強く、誰しもがゴルフというものをやってみたいなどと不相応にも思ったものでした。サッカーや野球というのはやろうともえばいくらでもできるのですが、ゴルフはなかなかそうは行かないものです。

ある日、友人のK君が、ゴルフクラブを持って遊びに来ました。なんでも、お父さんがいらなくなったクラブをくれたらしく、ボールも一個だけ貰ってきたようです。憧れのゴルフが急に身近になった僕らは、喜び勇んで初体験のゴルフを楽しんだものです。

広い広い空き地で、変わりばんこにショットを行う子供たち。

ゴルフボールというのはベストショットをすると驚くほど飛距離が出るものです。そして何とも言えぬ快感がそこにはあるのです。驚くほど飛ぶボール。最高の感触。ボールが一個しかないので打つたびに取りに行かねばならないのですが、それでも僕らは何度も何度も打ち続けました。日が暮れるまでアホのように打ったのです。

その日、家に帰った僕は興奮冷めやらずといった感覚でした。興奮して眠れない。どうしてあんなにゴルフボールって飛ぶんだろう。ベストショット時のシュポッ!というヒット音が耳からはなれない。

ああ、ゴルフがしたい。ゴルフがしたい。

できればあんな空き地ではなく、ちゃんとしたゴルフ場でやりたい。ああ、やりたいやりたい。

僕のゴルフに対する欲求は抑えが効かないところまできていました。しかし、我が家は貧乏。ゴルフなどのできるはずがありません。ゴルフクラブの一本も買えやしない。コースに出るなんて考えられない。

もしかしたら、僕にはものすごいゴルフの才能があったのかもしれません。けれども貧しさによって諦めざるを得ない。こうしていくつの有能な才能が埋もれていくことだろうか・・・。

などと全てを貧しさのせいにして諦めてしまうのは面白くありません。なんとか工夫してやるしかない。

こうして僕と弟の貧乏兄弟はなんとか工夫してゴルフをしようとするのです。捨ててある傘をバラバラにし、一本の棒だけにしてクラブを作りました。ボールは弟が卓球をやってたのでピンポン玉を採用しました。これでゴルフができる。

貧乏兄弟はお手製のゴルフセットを持って、空き地に行き、狂ったように打つのですがやはり面白くありません。傘で作ったクラブは使いにくく、棒から飛び出した金属片で手を切ったりします。さらにボールがピンポン玉なので思いっきり打つと凹みます。全然面白くない。

兄弟2人で意気消沈し、家に帰ったものです。ああ、ゴルフがしたい、ゴルフがしたい。

すると、驚くことに、家に帰るとゴルフクラブとボールが玄関先に置いてあるのです。ボロボロになった三番アイアンと、汚れたゴルフボールがあったのです。なんでも、ゴルフがしたいと言い出した僕の言葉を聞いて、親父は考えたらしいのです。子供にはどんな才能があるかわかったものじゃない、なるべくやりたいと思うことはやらしてあげたい。貧しさを理由に才能を潰してはいけない、と。

けれども貧しい我が家でゴルフセットなど買えるはずもありません。そこでオヤジは知人に頼んで回り、使い古してゴミのようになっていた三番アイアンとゴルフボールを貰って来てくれたようなんです。

本当にボロボロで、鉄くずのようにしか見えない三番アイアン。けれども僕には最高の宝物のように思えました。ありがとうお父さん、ぼくゴルフ頑張ってみるよ。プロになってお金稼いでお父さんに楽させてあげるよ。

その夜は三番アイアンを抱えて寝ました。大切に大切に離すことなく抱えて眠りました。明日になれば、この三番アイアンで思う存分球を打てるのです。興奮して眠れない。

次の日、朝も早くから僕と弟は空き地に出かけました。もちろん、ボロボロの三番アイアンとゴルフボールを抱えて。二人ともものすごい笑顔で、これから始まるゴルフワールドに思いを馳せ、駆け足で空き地を目指しました。

空き地に着き、ワクワクしながらボールをセットし、三番アイアンを構えました。弟はその横でワクワクしながら見ていました。

「お兄ちゃん、次は僕にも打たせてね」

「わかってる、わかってる。まあ見てろって」

貧しさに負けず才能を開花させようとするぼく、きっとこのエピソードは僕がプロになりツアーで優勝した際に美談として語られるはずです。子供のときからゴルフをしたかった、貧しさゆえにできなかった。でも、オヤジがボロボロの三番アイアンをもらってきてくれて・・・。あの三番アイアンがあったから僕はこうしてプロになれたんです。と。そのインタビューをテレビで見て年甲斐もなく涙する初老の父。なんて素敵な話なんだろうか。

さあ、これが僕のゴルフ人生の始まりだ。ボロボロの三番アイアンだけど、コレで練習して僕はプロになるんだ。新しい人生の幕開け、才能の開花。そして美談。思いっきり打とう。記念すべき第一打になるように思いっきり打とう

ビュウウウウウウン

カコーーーーーン

手応えアリ。物凄く乾いた音が空き地に響き渡る。ベストショットだ。もしかしたら空き地を越えて敷地外までボールが飛んだかもしれない、それほどの手応えだった。ボールは何処に行ったのかな・・・・。

などと見るんですが、ボールがどこにもないんです。そこまで飛距離が出たのかな・・・。などと思うんですが足元を見るとボールがあるんです。最初に置いた場所にそのままボール様が鎮座しておられるのです。

全然ボールが飛んでない・・・・。

じゃあ、さっきのベストショットは?手応えは?などと不思議に思い弟の方に目をやると弟が地面に倒れこみ、うめいておりました。

ううううううう、いたい・・・いたい・・・・・

弟は地面を転げるようにして痛がっております。どうやら空振りした僕の三番アイアン。振りぬいた後の三番アイアンのヘッドが横で見ていた弟の眉間にベストヒット。乾いた音に最高のインパクト手応えは弟の眉間を叩いた感触のようです。

いたいよう・・・いたいよう・・・・

弟は眉間から噴水のように血を噴出させております。ピュッピュッと血が出ております。白いゴルフボールが弟の血で赤に染まっております。

怖くなった僕は、三番アイアンと弟を放り出して、逃げ出しました。

それから何処をどう彷徨ったか分かりませんが、家に帰ると、頭に包帯を巻いた弟が桃を食べてました。そしてその横には怒りのアフガンと化した両親が。

結局、眉間から血が出るほど両親に殴られ、勿論三番アイアンも没収され二度と打たせてもらえることはありませんでした。

あの時、弟さえ横に立っていなければ、弟が血を流さなかったら。弟が両親に密告せずに我慢していれば、僕はずっと三番アイアンを打って練習することができ、今頃タイガーウッズとラウンドを共にしていたかもしれません。

貧しさによって才能の芽が摘まれることはありませんでしたが、弟によって才能の芽が潰された気分でイッパイです。

一生弟を恨みつつ、華やかのプロゴルフの世界を夢見て生きていきたいと思います。

またゴルフでもやってみようかな、もちろんあの血染めの三番アイアンで・・・。

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ちゅーことで今日はこれまで。明日、また赤紙が来てなかったらお会いしましょう。


12/8 トラとライオン

自分は怒りっぽい性格だなって思うんです。

人間としての器が小さいというか、怒りの許容範囲が狭いというか、怒りの沸点が低いというか。とにかく怒りっぽいなって感じるようになりました。

やっぱり人間ってのは我慢する生き物なわけで、どんなに腹立たしい事があってもジッと堪える、それって大切なことなんじゃないかと。小さなことでギャーギャー騒いで怒ったりせず、動かざる山の如くドッシリ構えていたいものです。

先日、いつものようにレンタルビデオショップに行き、予定調和の如く猫まっしぐらにエロビデオコーナーに行ったんですけど、そこで見てはならないものを見ちゃったのですよね。僕の怒りの導火線に火をつける、そんな起爆剤を見ちゃったのです。

いやね、巨乳ものコーナーに美里真里のビデオが置いてあんの。

もう、これにはご立腹だったね。ひどく遺憾だった。明らかに許しがたい何かが沸々と湧き上がってた。

だってさ、美里真里といえば、もう引退してしまったものの、明らかに時代を代表する稀代のAV女優じゃないですか。そのルックスに醸し出すセクシャルな雰囲気、そして隠微な絡み。どれをとってもAV女優として必要な要件を満たしてる、間違いなくAV界のゴールドセイントみたいな女優ですよ。確かに乳も大きかったですけど、いくらなんでもそれで巨乳ものコーナーはないでしょ。

あのですね、エロビデオコーナーの巨乳ものコーナーなんてですね、乳がデカイ以外に何の取り得も無いような女優が納まるべき場所なんですよ。コイツから乳を取ったら何も残らない、そんなAV界のMEGUMIみたいな女優が鎮座する場所。それが巨乳ものコーナーなんです。

そんな場所に美里真里を納めてしまう分類センス自体がナンセンスだし、ひどく腹立たしい。誰が分類したか知らねーけど、いくらなんでもそりゃねーんじゃねえかと。オマエ、パッケージ見て乳がでかそうだから巨乳ものコーナー、なんて短絡な思想を持ってんじゃねえかと。とにかくプリプリと怒ってた。

そうやって怒りながらエロビデオコーナーの中を見回して見ますと、明らかにおかしい箇所が山のように出てくるんですよ。

内容自体は全然SMじゃねえのに、パッケージの写真がボンテージ風衣装ってだけでSMコーナーに分類されてるとか。

「ときめきメモリアル」のコスプレもののエロビデオで、コスプレのアニメチックな制服を着てるだけなのに、女子高生ものに分類されてるとか。

清純派女優が出演する「すましてお漏らし」っていうビデオが、内容はお漏らしもクソも無いのに、タイトルだけでスカトロものに分類されてるとか。

借りよう借りようと思ってた「奥さんアナルです!スペシャルエディション」がいつ行ってもレンタル中だとか。

最後の違うんですけど、とにかく分類がメチャクチャ。ロクに内容も見もしないでパッケージやタイトルから適当に分類してるんですよね。明らかに節操が無いというか、なんというか。とにかく、エロビデオの無法地帯みたいな状態になってるんです。無法も法だって言ったりしますけど、いくらなんでもこりゃないんじゃないかと。

今をときめくソフトオンデマンドが放った話題作「女柔道家VSレイプ魔」も、下手したらタイトルから判断されてPRIDEやK-1のビデオの横に並べられる日が来るかもしれません。

とにかくね、その節操の無いカオスな分類に怒り狂った僕は、「こんな店で借りられるか!」と修羅の如く怒ってましたよ。「最近のエロビデオ屋の教育はどうなってんだ」ってブツブツと呟きながら怒りの大車輪、間違った分類をされてるビデオを勝手にあるべき場所に並べ直してましたよ。美里真里も「永遠の名女優コーナー」にちゃんと並べなおしといた。

とまあ、巨乳ものコーナーに美里真里のビデオがあったっていうだけで、荒ぶる神々のように怒り狂う僕なんですけど、それってやっぱり人間としての器が小さいんだと思うのですよね。確かに許してはならない悪行、繰り返してはならない悲劇なんですけど、そこまで怒るほどのことじゃないかと、ましてや怒りに打ち震えて並べ直すまでしなくてもいいんじゃないかと。

怒っている人間ほど醜いものはありません。笑顔ってのは美しいですし、泣き顔も美しい、人間が見せる表情ってのはどれも美しく絵になるものなんですけど、怒りの表情だけは絵にならないし美しくない。

きっとね、怒りやすい人って人間としての底が浅いんだと思う。人間として何かが薄っぺらなんだと思う。我慢という思考回路が欠落し、許すっていう思想が存在しないんだと思う。なんだかつまんないよね、怒りっぽい人って。

そもそも僕は、幼い頃から怒りやすい子供でした。

まだ僕が青っ鼻を垂らしてるようなクソガキだった頃、僕ら兄弟の一番のオモチャはぬいぐるみでした。貧しい我が家にあって、オモチャが買い与えられるようなことはほとんどなく、そのぬいぐるみは何よりの宝物でした。

そのぬいぐるみというのが、西武ライオンズのマスコットキャラであるライオンと、阪神タイガースのマスコットキャラであるトラでして、それらを模ったそれはそれはチープなぬいぐるみだったのです。ちょうど、今で言うUFOキャッチャーの景品みたいなヤツでしたね。

そんなチープなぬいぐるみとは言え、僕ら貧乏兄弟にはそれが何よりの遊び道具でした。僕がライオンを所有し、弟がトラを所有する、お互いがそれはそれは大切にそのぬいぐるみで遊んでいたのです。

いや、大切に遊んでいたというよりは、僕ら兄弟のぬいぐるみに対する愛情は常軌を逸していました。寝る時も遊ぶ時も食事の時も、とにかく肌身離さずぬいぐるみを手にし、まるで我が子のように大切にしていたのです。僕はライオンの人形を、弟はトラの人形を、それぞれが本当に大切に大切に愛していました。

そんな折、弟が不注意から僕のライオンを汚してしまったのです。確か、弟が飲んでいたナメコ汁がこぼれたかとかだったと思うのですけど、ほんのちょっぴり、たかだか1mmくらい、僕のライオン人形が汚れたのです。

あの時の僕はすごかったね。とにかく怒った。烈火の如く怒った。大切な大切なライオン人形が汚された、それが何よりも許し難いことだった。もう、「ごめんなさい」と泣き叫ぶ弟をちぎっては投げちぎっては投げ。僕に雷を落とせる能力があるのなら、幾度となく弟の頭上にイカズチを落としてた。神の裁きの名の下、何度も何度も落雷を起こしてた。それぐらい激しい怒りっぷりだった。怒りに身を任せて大暴れする、ホント、今思い出しても恥ずかしい限りです。

それから数日後ですよ。

僕が居間のテレビでアニメを見てて、ふと何気に横を見たんです。そしたらそこに弟が大切にしてるトラの人形が落ちていたのです。

僕は自分の所有するライオンの人形こそが最上級だと思っていますから、弟が大切にするトラ人形の良さが分からないのですけど、何だか興味があって弟のトラ人形を手にとってみたのです。

そしたらアンタ、トラ人形の首のトコに解れがあるじゃないですか。首の所が1ミリぐらい破けてて、ビローンとか糸が出てるんですよね。

「アイツも大切にしてる人形だしな、直しておいてやるか」

珍しく妙に兄貴っぽい感情を剥き出しにした僕は、裁縫道具を手にとってトラ人形の修理にかかったのです。裁縫なんてしたことないんですけど、とにかく見よう見まねで直せるだろう、漠然とそう思って直したのです。

ビリビリビリ

いやな、直そうと針を刺すたび、明らかに裂け目が広がっていくのよ。最初は1ミリくらいの解れだったのに、もう2センチくらいの大きな傷になってるの。

さすがにそれはヤバイって思うんだけど、もう手遅れ。もはや裁縫未経験のクソガキにどうこうできるレベルは軽く超えてて、触る度に裂け目が広がっていく始末。しまいにゃボロリと首が落ちたからな。容赦なく裂け目が広がり、ボロリとトラの首が落ちたからな。

あわわわわわわ、やばい、弟に殺される

明らかに焦っちゃって、出来立てホヤホヤのトラの生首持って一人で右往左往してた。弟が僕のライオンを少し汚しただけで僕は烈火のごとく怒った。弟を殺しかねない勢いで怒った。弟が僕と同じくらいそのトラを大切にしてたことは知ってたので、間違いなく殺されると思った。

それでまあ、弟に、「スマン!」とか言いながら、天に召されたトラの生首を渡したのだけど、弟は全然怒らなかったね。ピクリとも怒らなかった。笑顔で「いいよ、お兄ちゃんも直そうとしてくれたんでしょ?なら仕方ないよ」とか、どこの貴族ですか?って聞きたくなるような高貴な笑顔で言い放ってた。

きっと彼だってすっごく怒ってたのだと思う。大切にしていたトラ人形を亡き者にされて、それはそれは怒ってたのだと思う。それでも笑って僕のことを許す。弟に後光が挿して見えたものな。

その時思ったね、コイツはできた人間だと。人形をちょっと汚したぐらいで怒り狂った僕とは違い、あきらかに人間としての底が深いと。間違いなく僕とは育ちが違うと、血統が違うと思ったもの。兄弟なのに。

結局ね、怒れる場面で我慢できるかどうか、相手を許せるかどうか、それで人間としての底が知れるのだと思う。許し難い時ほど、相手のことを殺したいほど憎い時こそ、笑って許せる。そういう人ってすごく人間的に魅力があるなって思うんです。

とまあ、長々と書いてて何が言いたかったかといいますと、

同僚のY君。君が生真面目で仕事の鬼だって事は良く知ってる。それにふざけた行為が大嫌いだって事も良く知ってる。

そりゃな、日曜の朝に「たまってる仕事バリバリ片付けちゃうぞー」って君が出勤してきたら、変態同僚が床に寝転がって職場オナニーしててな。それを目撃してビックリする気持ちも分かる。神聖な職場で不埒な行為を!って思うのもごもっとも。それよりなにより、爽やかな朝っぱらから途方も無いもの見ちゃって気分が悪いのも理解できる。

だからってあんなに怒ることないじゃないか。泣きそうになったわ。

ホラ、僕だって仕事が大変で家に帰れなくてさ、週末だろうがなんだろうが家に帰れなくてさ、その、あの、溜まってた情熱というか生命エネルギーって言うか・・・・

とにかく、あんなことで烈火の如く怒るなんて、人間としての底が知れてるぜ。笑って許そうや、Y君。

ということです。はい。もう死にたい。


12/5 BAAD

なんか、臭いみたいです。

何が臭いかって、他でもないこの僕が。

どうもここんとこめっきりと家に帰ってないせいか、風呂というものに全く入ってないんですよね。ずっと職場にこもりっきりですから、着てる服もずっと同じ、頭もボサボサ、汚れも落としてない。

そんなこんなで明らかに腐臭を放ってるわけなんですけど、僕自身は別に何てことないんですよね。自分の臭いってのは自分ではなかなか認識できないもので、周り中が臭さで悶絶しているというのに、僕自身は全く平気なんですよね。

でまあ、ウチの職場の同僚どもも、そこまで鬼ではありませんから、ほのかに臭いくらいなら我慢してくれると思うんです。patoさん、仕事大変みたいだから臭いのも仕方ないよね、って大らかな心で許してくれると思うんです。

でもね、今の僕の臭さは、明らかにその許容範囲を超越してるみたい。同僚どもはあからさまに顔をしかめるし、僕に近寄らないし、とにかく臭さが許せないレベルに来てるらしい。そのうち、害虫ヨロシクで、消臭スプレーとか直接噴霧されるかもしれない。そう、今の僕は明らかに「臭い」を超えた臭さ、尋常ならざるレベルに達しているらしい。

僕が高校一年の頃、テレビにとあるバンドが出てました。当時山田邦子がやっていた「カウントダウン100」みたいな音楽番組だったのですけど、その番組にとあるバンドがゲストライブとして出ていたのですよね。

それが「BAAD」ってバンドだったのですけど、もうソイツらがとにかくふてぶてしい。明らかに舐め腐ってて、「俺達ってワルだぜ」って雰囲気を醸し出していたんですよ。なんというか、悪者系バンドはしりみたいなバンドでしたね、彼らは。

そいでもってソイツらが司会の山田邦子に、「どうしてBAADっていうバンド名なんですか?」とか尋ねられていたんですけど、もうすごかったね、その時のBAADの返答はとにかくすごかった。

「BADって悪いって意味じゃないすか?でも、俺ら、それ以上に悪いんすよ。だから、BAD以上に悪いって意味でBAADなんすよ

BADよりも悪いと何でBAADになるのか見当もつきませんけど、得意気に言う彼らを見て思いましたよ、この人達は悪いは悪いでも頭が悪いんじゃないかと。頭がBAADじゃないかと思ったんです。

でね、思うわけなんですよ。BADよりも悪いのがBAAD。ならば、「くさい」以上に臭い今の僕は「くささい」くらいじゃないかと。

さすがにそんな「くささい」状態では、色々と問題があります。あまりのスメルに同僚どもも仕事にならないみたいですし、明らかに嫌そうな顔をしています。このままでは僕自身も差別の対象になったりするかもしれません。

だからね、家に帰りましたよ。いっちょ風呂に入ってやろうと思って、バリッと帰宅しましたよ。6日ぶりだとか1週間ぶりだとか知りませんけど、とにかく久々にマイアパートに帰宅。モリッと風呂に入ってやろうと目論んだのです。

眠たくても家に帰らなかった、オナニーしたくても家に帰らなかった。全てを捨てて仕事に打ち込んでいたのですけど、お風呂に入るためだけに帰宅しましたよ。どんだけお風呂好きやねんって話じゃないですか、まるでシズカちゃんじゃないですか。

それでまあ、バリッと風呂に入ろうと風呂の準備をしたわけなんです。けれども、そこで1つ、大きな問題が。

賢明なヌメラーさんならご存知かもしれませんけど、僕ってば7月くらいからずっとガスを止められているんですよね。料金を払ってないものだから、ものんお見事にガスを止められてる。

で、ウチはガス給湯器なもんですから、もう当たり前のように湯が出ないんですよね。湯の部分の蛇口をひねっても水しか出ない。

いやいや、払う金がないとかそういうわけじゃないんですけど、料金を払いに行くのって面倒じゃないですか、口座引き落としにするのも面倒じゃないですか。決してお金がないわけじゃなくて、払いに行くのが面倒なんです。

それに、お湯が出ない生活ってなかなかいいですよ。以前に携帯電話を止められ、電子音のない生活を余儀なくされたことありますけど、そういった移動通信手段に縛られない生活って中々のものなんですよね。それはそれで趣深くて大切なんです。

それと同じで、お湯のない生活もなかなか趣深い。お湯が出ないから風呂は必然的に水風呂になるのですけど、それはそれで何となく良いんです。

真夏なんて水風呂のほうが気持ちよかったですし、何となく身が引き締まる思いもします。凍てつくような寒さの昨今であっても、水風呂であることはさほど苦ではないんですよね。寒い時期にプールに入ったりすると、最初は死ぬほど冷たくて嫌じゃないですか、でも、入ってるうちに段々と慣れてきちゃって、最後の方は水から出る方が寒かったりするじゃないですか。あれと同じなんですよね、水風呂って。

そんなこんなで、今や「くささい」クラスの僕は、今日も水風呂はいちゃうぞーとお風呂の蛇口をひねるのでした。

きゅきゅ・・・・チョポチョポ

蛇口をひねった瞬間、少量の水が蛇口から排出され、そのまま水が止まりました。いくらひねろうと蛇口がピクリともしやがらない。

「ま、まさか・・・」

悪い予感がした僕は、急いで郵便受けへと走ったのです。そして、そこには驚愕の事実が。

給 水 停 止 執 行 通 知 書

ぎゃー、水道止められたー!

待てよ待てよ、落ち着け落ち着け。とりあえず気を落ち着かせよう。

高ぶる気持ちを抑えようと、一杯の水を飲もうと蛇口をひねったらやっぱり水が出ませんでした。死ぬる死ぬる。

とにかく、これでは風呂はおろか、水風呂すら不可能です。それどころかウンコをしても流せないし、洗濯も出来ません。ガスはまだしも、水だけは止められたら命に関わる。

なんとかならないものかと、水道局に問い合わせようとしたのですが、電話機の受話器を上げると見事に電話も止められてました。

ガス、水道、電話

公共料金滞納のトリプルクラウンを達成してしまった僕は、水風呂を諦め、泣く泣く職場へと舞い戻るのでした。「くささい」臭いをプンプンに放ちながら。

ちなみに滞納料金は

31850円。

こんなのどうやって払うんだよ。

まさにBAADだよな。いや、下手したらBAAAAAADぐらいかもしれん。


12/4 過去ログサルベージ7

鬼のように追い込まれている仕事ですが、全盛期に比べてだいぶ楽になってきました。現状は何も変わってないのですが、「大丈夫、大丈夫、きっと間に合うさ」と何の根拠もなく思い込むことで幾分か楽になった気がします。

ちなみに僕の高校時代の同級生に「丈夫(たけお)」という名前のヤツがいたのですが、そいつが新学期最初の自己紹介で、

「僕の名前は丈夫(じょうぶ)と書いて丈夫(たけお)です。いつだって大丈夫なのが取り柄です」

と物凄く元気なさそうに発言していたのを思い出しました。その丈夫君は見るからに病弱でヒョロヒョロ、明日にでもサナトリウムに入ってもおかしくない風貌でしたが、根拠もなく「いつだって大丈夫です」とか言ってました。

それを聞いて僕は呆然とするしかありませんでした。「彼は一体何が大丈夫なんだろう」と、ALIVEのプロモーションビデオの時のSPEEDぐらいの勢いで呆然とするしかありませんでした。

そんなこんなにで、在りし日の丈夫君バリに何が大丈夫なのか分からないのに自分に大丈夫と言い聞かせていますが、今日も僕は元気です。そんなこんなで張り切って過去ログサルベージ行きましょう。今や読めないNumeri過去ログをガシッとサルベージ。

No.1 居間が学び舎(2002/9/10より)

僕はそれこそ、アホの子バカの子ですので、それはそれは勉強ができませんでした。両親も誰も「オマエはバカだから、勉強を諦めて何か特技を身につけないと生きていけないぞ」などと言われたものです。その反面、我が弟は幼い頃から神童と近所の評判で、誰もが認める優等生でした。

僕自身、馬鹿と言われるのには抵抗がなく。自分は馬鹿なのだから仕方ない。などと感じていたものですが、あまりバカバカ言われ続けるのもちょっと心外でした。なんというか複雑な気分。

僕は、学習塾や予備校と言った類の、学校以外で勉強する場所に行ったことがありません。そんな場所に通うようなお金がないほど貧乏だったというのもありますが、バカだから行っても仕方がないという理由の方がメインでした。

当時、我が田舎町でもお受験の波は確実に押し寄せ、皆がこぞって良い学習塾を選び通う現象が起こっていました。それこそ、学習塾の教室は第二の学校みたいな雰囲気で、放課後の課外授業のようで楽しそうだったのを今でも覚えています。

「おい、早くファミコンのカセット返せよ!」

「あ、ごめーん、忘れちゃったよ」

「しょうがねえなあ」

「あ、今日塾じゃん。塾に持っていくよ、それでいいだろ」

「ぜったいぞ」

とか、

「昨日塾で○○先生がさー」

「ああ、あれ傑作だったよな!」

「ムチャクチャ笑ったよ、ありえないよな」

など、こういった会話が学校の教室でも成され、塾自体がもう一つの学び舎として確立されている状況でした。

僕も、勉強こそはしたくなかったですが、そういった勉強以外の塾の楽しい面。仲間がいて友達がいて楽しく話をするといった面で、塾に通いたいと熱望するようになりました。

けれども、「塾に通いたい」などとは親には言い出せず、ただただ悶々と学友達の塾トークを聞く毎日が続いていたのです。

そんなある日、母親がとんでもないことを言い出しました。

「わたし、学習塾を経営するわ」

いきなり何を言い出すのか、といった感じなのですが、彼女は本気でした。うちはオヤジも狂ってますが、母親もたいがい狂ってたのかもしれません。まるで天からのおぼし召しがあったかのように彼女は学習塾をやると言い出したのです。

僕は大喜びでした。ええ、たいそう喜びましたよ。あれだけ憧れた、あれだけ恋焦がれた学習塾が我が家にやってくるのです。例えるならば、サーカスが家にやって来るような、思い焦がれるアイドルが居間のコタツの上でライブをしてくれるような、ものでした。よくわからんけど。

早速、母親は教材会社に連絡をし、学習塾開設の準備を進めます。教材を買ったり看板をつけたり生徒を集めたりと大忙しでした。

そしていよいよ、学習塾オープンの日。朝から我が家は大騒ぎで、居間を大掃除したり、長机を運び込んだり、オヤツを用意したりと大変な騒ぎでした。なんか、うウサギ小屋のように小さな家でしたので、家族の生活空間である居間で塾をやらざるを得なかったようです。家族にしてみたらとんだ迷惑です。それでも母は頑なに学習塾をやろうとしてた。何が彼女をそこまでさせるのか。

最初に、我が家の塾にやってきたのは、中学校に通う女の子2人組。生徒数たった2人だけの船出でした。それでも母は生き生きと、普段から体の弱い人でしたが元気一杯で教えていたように思います。

僕も、憧れの学習塾が我が家にやってきたことで大興奮。さらに中学生のお姉さんが習いに来ているということで大興奮でした。それこそ、その授業に混ざって勉強とかしたかったのですが、「お姉ちゃん達が勉強してるから邪魔しちゃダメよ」と母にキツク言われていたため、塾開催中は居間に入ることすら許されていませんでした。しかしまあ、自分の家に他所のお姉さんが来るってのは興奮するものです。なんていうかブスだけどいい匂いがするもんな。ほのかな花のような香りがする。しかも、お姉さんは勉強が終わったら僕と遊んでくれたし、なんか毎週塾が開催されるのが楽しみでした。

家に他所のお姉さんがやってきて遊んでくれる。そんな狂おしい日々が数ヶ月続いた後のことでした。お姉さん達は中学三年ということもあり、受験を控えている身です。最初の頃は和気あいあいと合間合間に遊んでくれたのですが、受験が近づくにつれて鬼気迫る表情に変わっていました。もう、合間にも終わったあとにも遊んでくれなくなっていた。

そうなってくると、塾開催中は居間の雰囲気は殺伐としたものがあり、近づきがたい雰囲気がムンムンとしておりました。どうせ僕は勉強には混ぜてもらえないし、お姉さんたちにも遊んでもらえない。どんどんと塾への興味関心はなくなっていきました。もう、我が家で開催されてようがお姉さんが来ていようが関係ないという状態に。まったく興味なしといった状態でした。

これまでなら、塾が開催されお姉さんがやってくる日を心待ちにしていたのですが、もういつ来るかすらも気にも留めない状態で、たまに開催されてることを忘れて居間にアイス食いながら突入してしまい、修羅場を目撃したりするようなこともありました。それほど無関心なものに成り下がってしまったのです。

そんなある日、朝から鬼のようにアイスを食いまくってた僕を、ものすごい腹痛が襲いました。二階の部屋で漫画を読んでいたのですが、マンガなんて読んでられないというほどの腹痛です。

まずい・・・これは・・・そうとうの下痢だ・・・・。

健康的なウンコなら、固いですから幾分かは我慢できます。しかし下痢はいただけない。液体のウンコはいただけない。あいつらはサラサラの液体なのでいくら肛門を締め付けようともジャジャ洩れになってしまう。まずい・・・ほんとに肛門から茶色いパーフェクトウォーターが出てしまう・・・。

腹を押さえ、よろよろと歩きながら便所を目指します。やはり「手当て」と言う言葉は本当で、腹部に手を当てるだけで幾分かは楽になるから不思議なものです。

そんなこんなで遂にトイレに到着。もう我慢の限界だ。きっとパンツを下した瞬間に液体が流れ出てくるに違いない。早く、速く。

物凄い勢いでトイレのドアを開けます。人生においてここまでパワフルにドアを開けたことはないといった勢いで。そしてそこには信じられない光景が!!!!

いやね、お姉さんがウンコしてた。

なんか、今日は塾の開催日だったらしく、お姉さんがモロンとうんこしてるんですよ。うちは和式の汲み取り便所ですから、お姉さんが向こう側向きながら便器にまたがってるわけなんですよ。ちょっとブツがぶら下がったりしててな。こっちもこっちで、もう半分ぐらいパンツ下してて、チンコとか出てるんよ。

もうなんていうか、ウンコスタイルのままで振り返って驚きの表情をしているお姉さん、その光景が未だに忘れられない。

「あ、ごめんなさい」

さすがに下痢で緊急事態とはいえお姉さんを押しのけてウンコするわけにはいきません。大人しくドアを閉め、トイレの前でうんうん唸りながら待ちます。悶絶しそうな便意におそわれながらも待ちます。っていうかな、お姉さんもトイレの鍵ぐらい閉めてやれ!とか思うのですが、よくよく考えたらウチのトイレは鍵が壊れてるんでした。お姉さんも災難に。

で、浮かない表情で出てきたお姉さんを押しのけ、やっと便器にありつけた僕は、もう腸内の全ての液体を出さん勢いで踏ん張りました。至福のとき、恍惚のとき。

事が済み、幸せな表情でトイレから出ると、先ほどのウンコ姉さんが居間でワンワン泣いてました。この世の終わりとばかりに泣いてました。余程ウンコ姿を見られたのがショックだったのでしょう。中学生女子と言えば多感な時期ですからね、ウンコを見られるなんて死ぬほどのショックに違いない。ってか見た自分もショックと言えばショックなのですが。

泣きじゃくるお姉さん、それを慰めるもう一人のお姉さん。その横で阿修羅のような表情をしている母。鬼の形相で僕を睨んでいる母。間違いない、お姉さん達が帰った後は怒りのアフガンと化した母に死ぬほど怒られるに違いない・・・。なんかまた腹が痛くなってきました。

結局、ウンコを見られたお姉さんは、余程ショックだったのか二度と我が家の学習塾に来ることはありませんでした。それに伴って、もう1人のお姉さんも生徒が1人だけではやりにくかったらしく、フェードアウトするかのように辞めて行きました。

2人しかいなかった生徒が続けざまに辞めてしまったことにより、我が家の塾も見事に廃業となり、山のように購入した教材も庭で燃やしたりとかしてました。

焚き火の横で、寂しそうに教材を火にくべる母の横顔が未だに脳裏から離れません。ごめんね、お母さん。

結局、あれほど待ち望んでいた学習塾。我が家にやってきて大喜びした学習塾。それをいとも簡単に破滅へと追いやった僕は、やはりアホの子なのかもしれない。一生学習塾には縁がなかったんだろうな。-------------------------

もう一本、思い出話

No.2 居間が学び舎(2002/6/2より)

今だから笑って話せる。そういう思い出というのはとても貴重なものだ。オンタイムではシャレにならないような事柄であっても、時が経てば笑い話に昇華される。なんとも貴重でかけがえのないものだと思う。ポジティブにポジティブに、なんでも笑って話せる。そんな前向きな自分でありたいと思う。

小学生の頃、ピアニカの演奏会というものが全校レベルであった。遠い遠い記憶ではあるが、必死で練習したのを今でも覚えている。ピアニカとは不思議な楽器で、鍵盤の他に息を吹き込むチューブが接続されている。そこから息を吹き込みつつ、鍵盤で音を奏でる。なんとも肺活量を要する楽器だ。

これらのピアニカを各パートに分けてクラス全員で演奏する。僕は下手糞だったので一番簡単なパートをやらされていたような気がする。

必死で毎日、音楽の時間に練習をし、放課後すらも居残って練習した。全ては全校発表会に優勝するためだった。

そしていよいよ本番。全校発表会の日がやってきた。やはりというかなんというかどのクラスも上手で、なんとも緊張した。で、いよいよ我がクラスの順番となり、壇上に登った、もう緊張度もマックス、ドキがムネムネ。

壇上ではなんかオーケストラみたいな隊列になるんですけど、女子が前方の椅子に座ってピアニカを吹き、その後ろに男子がスタンディングで吹くという隊列だった。

僕は何故かスタンディング隊列の前方。僕の前にはクラス一の美少女R子ちゃんが座って健気にピアニカを吹いていた。なんとも何かが起こりそうなシチュエーション。

いよいよ曲が始まり、クラスの全員が練習の成果をいかんなく発揮し、必死で曲を演奏する。不良のYも、おちゃらけSも、変態Rも今日だけは仲間とばかりに必死で演奏する。そう、曲を通じてクラスの心が一つに。ウィアーザ・ミュージック。

もちろん、僕も必死で演奏しましたよ。僕のありったっけの心を鍵盤に込めて、必死で息を吹き込みながら演奏しました。まるでバイオンリン奏者がその演奏に自分の全てを表現するかのように必死で演奏しました。

もちろん、前に座る美少女R子ちゃん、僕のビートを見せ付けて、いいところを見せたかったのかもしれません。男なんてしょせん格好つけたい生き物なんです。

満員の観衆の前で極度に緊張した僕
クラス全員のモチベーションの高さに異常に興奮した僕
R子ちゃんの前で良い所を見せようと入れ込みすぎてしまった僕

何故か、いつもの五割増で口から唾液が生産されるんです。もうなんかピアニカ吹きながらジョルジョルと口から唾液が生産されてるのが分かったね。

当然、その唾液はビアニカの管を伝ってピアニカ本体へ。徐々に奏でる音に唾液が混じり、異音を発し始めます。

プーピープーープー♪ブチョビチョ

プーピープーープー♪ブチョビチョビチョ

プーピープーープー♪ジョルジョルビチョ

明らかに異常な音を発してるんですが、クラス全体の演奏が盛り上がっている今、吹くことをやめることなどできません。そんな非国民なことできない、僕だってクラスの一員だから。そんな想いでさらに吹き続けているとさらに事態は悪化の方向へ。

なんかピアニカって鍵盤の下部の方に穴みたいなのがあるんですよ。空気が抜ける穴というか、唾液が抜ける穴というか。普通はそこを押したりとかしないと中のものが抜けないんですけど、あまりにフィードされた唾液の量が多すぎて臨界点を越えたのかブチョビチョと穴から唾液が飛び始めたのです。

必死で僕が吹くたびに飛び散る唾液。

もうどうしようもありません。こうなったら知らぬ存ぜぬで吹き続けるしかない。などと図太い神経で吹き続けてると、さらに噴出される唾液の量は増加の一途を辿り、何故かその活火山のごとき噴出具合を見てさらに興奮したワタクシは、また唾液を分泌しピアニカに送り込むという悪循環でした。もうやってらんない。

で、ただただ噴出してるだけならいいのですが、演奏している曲が中盤に差し掛かった頃でしょうか、気付いてしまったのですよ。前に座ってる美少女R子ちゃんの肩が濡れてるんです。

いやね、椅子に座って健気にピアニカを吹くR子ちゃんの可憐な白いブラウスの肩がビショビショに濡れてるんですわ。ええ、間違いなく僕の唾液です。

ハァハァ、僕の分身である唾液たちが、ピアニカを通じて美少女R子ちゃんの肩に・・・ハァハァ・・・・。異様に興奮度を増した僕はさらに唾液を分泌。ドコドコとピアニカに送り込みます。もう止まらない。

さらに、曲がサビ部分に突入し、吹き込む力も増大せざるを得ません。かつてないほどの量の唾液がピアニカから噴出。そして飛距離も増す。

R子ちゃんの肩にかかる程度だった唾液も、なんか彼女の黒髪にビチョビチョ飛んでいます。サラサラで艶のあるキューティクル抜群のロングヘアーを汚す僕の唾液たち。興奮してさらに排出される唾液。もうどうにもとまらない。

相当量の唾液に見舞われたR子ちゃんは、見る見る僕の唾液まみれになっていくのです。髪なんか唾液で真っ白。それでも止まることない演奏。もう演奏とか優勝とかピアニカとかどうでもいい。今はただR子ちゃんに唾液を吹きかけることに夢中だ。

きっとR子ちゃんも、背後からベシベシと唾液が飛んで来ていたことに気が付いていたんだと思う。だけども演奏を止めることもできず、心優しいがあまり露骨に嫌な態度も取れない彼女はただただ我慢。そのいじらしさが狂おしいほど萌ェ。

そうこうするうちに、演奏も終わり。唾液まみれのR子ちゃんができあがりました。なんとも満足。唾液まみれの美少女の後姿・・・・ハァハァ・・・・・。

「ちょっと!R子ちゃん!ビショビショだよ!!!!!どうしたの!!?」

不意にR子ちゃんの隣に座っていたブスが騒ぎ出しました。まあ、ブラウスが透け、髪も風呂上がりのように濡れるほどビショビショでしたし、騒ぎ出さない方が可笑しい。

ああ、僕の青春は終わった。

きっとブスが大騒ぎをし、僕は壇上で満員の観衆が見守る中で糾弾されるに違いない。「あんた、ワザとR子ちゃんにツバをかけたでしょ!!」とかブスに責められ大騒ぎ。先生方も父母たちも大騒ぎ。観衆の中にいる下級生の笑いもの。その中にいる弟は哀れツバ魔人の弟ととして虐められるに違いない。なんということだろうか。

そこでR子ちゃんが言った一言ですよ

「うん・・・ちょっと暑くて汗かいちゃった」

明らかにそんな粘っこい汗など有り得ないのですよ。なのに僕をかばってか頑なに汗だと主張するR子ちゃん。まるで天使のような子ではありませんか。

僕はそんな天使を、ピアニカにかこつけて唾液で汚したのです。ものすごい罪悪感だった。

当時は、死にたいと思うほど悩みました。美少女に唾液をかけるという快楽に身を委ね、落ちていった自分の不甲斐なさを忌み嫌いました。僕はなんてことをしまったのだろうかと。

ほんと、少年だった僕は本気で悩んだんですよ。R子ちゃんが先生とかに「唾液かけられました」とか言ったら僕は逮捕されるんじゃないかと。怖くて怖くて、さらにR子ちゃんに悪くて卒業まで彼女の目をまともに見れませんでした。

だけども、今はこうして笑い話にできるし、ネタにだってできる。もはや良い思い出になっているんです。

人間というのは基本的にポジティブ思考なのだと思います。辛い思い出も時間が経てばきっと良い思い出に、美しい思い出に、オナニーネタになるものです。でなければ人生なんて辛すぎて生きていけない。

きっとR子ちゃんも浴びるほど僕の唾液をかけられた思い出が、美しい思い出に変わっているに違いない。きっとそうだ。

そう思う僕はポジティブすぎるかもしれない。

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といったところで今日はこの辺で。

明日はたぶん普通の日記書きます。たぶん。

あ、ちなみに大丈夫だ大丈夫だと言ってた病弱な丈夫君、彼は入学して3ヶ月ぐらいで入院して学校辞めちゃってました。全然大丈夫じゃねえよな。


12/3 緊急指令

もはや何度も説明する必要ないのですが、非常に仕事が忙しいです。とにかく忙しいです。シャレにならないくらい忙しいです。

別に電話対応やら会議、プレゼンにあれやこれやと大車輪に忙しいわけではなく、ただただ漠然と書類を書いていたりするだけなんですけど、とにかく忙しいんです。

だいたい、12月中旬までにA4用紙100枚程度の書類を完成させねばならず、完成させるべく日々ガリガリ書いてるんですけど、とにかく上司のチェックが厳しすぎるんですよね。

オマエは姑かといったレベルでこと細かくチェックし、50枚くらい書いて持って行ったら書き直し、また書き直して持っていったら書き直し。すごく精神衛生上よろしくない状態になってるんですよ。50枚の書き直しって言ったら、Numeri日記を一か月分ぐらい書き直すようなもんですからね。そんなのやってられない。

挙句の果てには、よほど僕の書く文章が気に入らないのか上司のヤロウが顔を真っ赤にしながら言いやがるんですよ。

「お前は文章が下手すぎる。もっと文章書く練習しろ」

とかなんとか、リアル世界で「テキストサイト管理人失格」の烙印を押されちゃったりしてるんです。もう泣くに泣けない。

僕も僕で、「ほぼ毎日、日記書いてます」と反論できるわけも無く、ただただ頭を垂れて「精進いたします」と言うことしかできませんでした。

というわけで、連日連夜徹夜必須、深夜のひとりぼっちオフィスで泣きそうになりながら書類を作成してるのですが、そうなってくると途方もない問題が浮上してくるんですよね。

いやな、ぜんぜんオナニーしてない。

もうね、全然やってない。とにかくやってない。無性にやってない。ひとこすりもしてない。もうね、先週末からかれこれ5日間くらい家に帰ってないですから、全くと言っていいほどオナニーしてないんですよね。

人間ってね、どんな着飾ってみてもやっぱオナニーだと思うんですよ。最近ではやけに人生の勝ち組だとか負け組みだとか言う風潮があって、僕はあまり好きではないんですけど、オナニーしない人ってやっぱ人生の負け組なんだと思うんです。

僕ら人間、どんなに気取ってみても一皮剥けば所詮はオスとメスでしかありません。昔、中山の秀ちゃんが「オス・メス・キッス」なんていう、とんでもないタイトルのラジオ番組をしてましたが、とにかく、そういうことなんだと思います。よくわからんけど。

全然関係ないですけど、秀ちゃんの資料を探すためにネットサーフィンしてたら秀ちゃんのオフィシャルページがエライことになってました。何でか知らないけどトップページ見て30分くらい一人で笑ってた。きっと今の僕は、それぐらい精神が病んでるのでしょうね。

話を戻しますが、結局僕らはオスとメスでしかありえません。つまり、そのオスとメスの関係を築きあげる上で最も基礎となる「性」からは逃げられないのです。そう、つまりはオナニーの呪縛からは絶対に逃げられないのです。

先週末から職場に篭り、5日間ほど家に帰ってない僕。もはや5日間もオナニーをやっていない計算になります。オナニースキルを手に入れてから14年になりますが、5日間もオナニーをしなかったなんていう公式記録はありません。

このままでは僕はどうにかなってしまう。そう思いましたね。そりゃあ14年間もの間、1日に2回も3回も、時には8回くらいオナニーしてた僕が5日間もしてないのです。タンクも満タンになりますし、頭の中もオナニーのことばかりになります。仕事をしててもオナニー、飯を食ってもオナニー、仮眠をとっててもオナニー。

もうこうなってくるとオナニーをするしかないんですけど、仕事が忙しくて家に帰れない。睡眠時間やらサイト更新の時間を削って仕事に勤しんでいるというのに、オナニーのためだけに家に帰宅とか有り得ません。

しゃあない、ここでやるか。

こうして僕は、禁断の職場オナニーに手を染めることを決意するのでした。いつも皆が真面目な顔して仕事をする戦場、そこでチンコを出してオナニーするのは間違いなく人間として最低ランクの気がしますが、オスとしては上級な気がします。

こうして僕の職場オナニーチャレンジは始まったのです。

単純に考えて、職場オナニーにえお行うには3つの障害があります。これらを一つ一つクリアしていかねば、職場オナニーへの道が開かれないと言っても過言ではありません。

まず初めに、オナニーに用いるオカズの問題。

大抵の場合、オナニーにはエロ本やエロビデオ、盗んできた下着などのオカズが必要とされます。これらを用いて己の中のエロスな気概を燃焼し、ほとばしる波動をブレイブさせてオナニーをするわけなんですが、職場にはそういったオカズが存在しません。

いくら僕とはいえ、職場にエロ本やエロビデオを常備しているわけではありません。もちろん、盗んできた下着なんてあるわけありません。あるほうが怖いです。

そういったオカズが存在しない場合、想像を膨らませてオナニーをするイマジネーションオナニーという奥義がありますが、これもさすがに職場では難しいです。いくら僕とは言え、男の戦場である職場でイマジネーションオナニーをするほど豪傑ではありません。

そうなってくると、自ずと答えは出てくると思うのですが、職場のパソコンを利用してエロ動画をダウンロードするしかないという状況になります。僕はエロ動画に対して否定的な立場ではあるのですが、背に腹は変えられません。「動画ファイルナビゲーター」さん(18禁なので非リンク)にアクセスして目ぼしいエロ動画をダウンロードしました。

これでオカズの問題は解決かと思うのですが、なんか職場のネットワーク環境が極度に悪いのか、異常にダウンロード速度が遅かったです。3KB/秒とかのくせに数百メガクラスの動画を落とそうとしてるのだから、お里が知れるってもんです。とにかく、物凄く時間をかけてエロ動画をダウンロードしました。

二つ目に、職場ゆえに誰が来るか分からないといった問題。

今は深夜の職場に一人ぼっち、誰もいないフリーダムな状態ですが、我が職場は深夜といえども油断は出来ません。仕事に対して妙に血潮をたぎらせている若武者が多数在籍しておりますので、

「残ってた仕事思い出しちゃった」

「眠れないから仕事しに来ちゃった」

なんて、脳の回路がショートしてるとしか思えないことを言いながら深夜でも普通に出勤してくるヤツがいますからね。深夜であろうとも気が抜けません。

いくら僕がもう捨てるものなど何もない人間と言えど、深夜に出勤してきた同僚に職場オナニーしてる姿を目撃されるとか耐えられません。ブツを握った状態で同僚に見下ろされるなど耐えられません。見られるくらいならその場で自害する道を選びます。なんとかしてこの真夜中の訪問者問題を解決せねば、安心してオナニーに勤しめません。

まあ、オフィスの入り口にガッチリと鍵をかければこの問題も解決するのですが、それは素人考え。そんな簡単なことではこの問題は解決しないのです。

良く考えてもみてください。例えば同僚が急に思い立ち、深夜にオフィスに来たとします。するとオフィスには電気が灯っており、「ああ、誰か遅くまで残ってるんだな」と思います。

しかしながら、ドアを開けようとすると中から鍵がかかってる。あれ?電気がついてるのに何で鍵がかかってるんだろう?不審に思いながらも、同僚は鍵を取り出してオフィスのドアを開けます。

そこには明らかに息を弾ませた僕の姿。急にドアをガチャガチャされて焦ったのか、明らかに着衣が乱れている。その姿を見て同僚は思うはずです、

ああ、この人は鍵をかけて職場オナニーしてたんだな、と。

現場を押さえられるまでではないものの、これでは見られたも同然です。いくらなんでも鍵をかけるってのはやり過ぎですし不自然すぎます。

この問題は、入り口にバリケードを作ることによって解決することにしました。鍵をかけるってのはやりすぎですけど、椅子かなんかを並べて入り口にバリケードを作っておけばドアを開けるまでに数秒の時間が稼げます。その間に動画の再生を止め、着衣の乱れを直せば大丈夫なはずです。入り口にバリケードをはるという僕らの七日間戦争ばりの不自然さも、「椅子に乗って滑って遊んでた」といえば解消するはずです。やや不自然ですが、鍵をかけるよりかはナチュラルです。

こうして、僕は入り口にバリケードを張るべく、同僚どもの椅子を不自然ではないレベルで入り口付近に並べました。これでドアを開ける際には椅子がブロックしてくれますので、目撃されるといった問題点を解消できます。

最後に、体勢が難しいといった問題点が挙げられます。

僕は半身で寝た体勢、いわゆる涅槃型でしかオナニーをできない子ですので、寝転ぶ必要があります。しかしながら、エロ動画をオカズにオナニーをしようとしている以上、デスク上に置かれたパソコンを見ながらオナニー体勢になる必要があります。

そうなってくると、どうしても寝転ぶのが無理なんですよね。どこをどうやってもパソコンを睨みながら涅槃型になれない。どうやっても無理なんです。

これはもう禁断の手で回避することにしました。デスク上にパソコンがあるから涅槃型になれないのです。ならば、デスク上にパソコンがなければいい。

そういうわけで、ディスプレイだけを移動させ、床の上に置きました。床の上にディスプレイを置き、床に寝転んで涅槃型になります。これで万事解決です。

ここで、床の上にディスプレイというと、二番目の問題で同僚が来た際に不自然さを目立たないようにしなければならない、とした問題点が再浮上します。いくらなんでも床にディスプレイってのは不自然すぎるし、椅子のバリケードで稼ぐ時間では原状回復するのも難しいです。

まあ、これは開き直ることにしました。完全に開き直り、例え同僚が現れて床にディスプレイを置いてる所を見られたとしても、「いやいや、疲れてる時は床にディスプレイ置くと良いんだぜ、知らなかった?」などと強引にごり押します。いくらなんでも「床にディスプレイ→オナニーしてた」などと直接的に考える人は少ないと思いますので、なんとかゴリ押せるかと思います。

さあ、これで全ての問題点は解決です。もうこれで職場オナニーを邪魔するものは何もありません。極度に遅いダウンロードを行い、入り口に椅子を並べてバリケードを、そして世紀末的に絡み合ったコードをほどき、床にディスプレイを移動させます。あと、床に寝転ぶことになりますので、寝転ぶ辺りの床を掃除しておきます。

これで準備が整いました。ここからはめくるめく職場オナニーワールドが繰り広げられるのです。普段は皆が真面目に仕事をしている場所、上司が難しい話しをし、B子が書類を手に右往左往、大崎とヘルスズキが議論する、そんな場所で床に寝転がってオナニーしてるのです。何か知らんけど、無性に興奮する。なんだ、この背徳感は、癖になりそうだ。

そんなこんなで、実に5日ぶりのオナニーに勤しんだ僕でしたが、途中、他の部署で残業してるヤツが廊下を歩いたりとかしてて、その音に怯えて神の如き素早さで元の体勢に戻ったりしたのでなかなか果てませんでした。いつもなら瞬殺なのに、邪魔が多すぎてなかなか果てませんでした。

それでもなんとか頑張って果てましたところ、五日ぶりの欲望というか、ドロドロとした何か、物の怪や怨念といった類のものが己の中から放出されていきました。

最後に、放出したブツを処理するティッシュがないというハプニングに見舞われましたが、これも後輩のデスクの上にあった書類を代用することで解決。「重要」とか赤で書いてありましたが、知ったこっちゃありません。

そんなこんなで、ついに職場オナニーを達成した僕。これで悶々としすぎて仕事に集中できないという問題も解決しました。出すもん出したし仕事頑張るぞー!と窓の外を見たら、見事に夜が明けてました。

動画ダウンロード、バリケード作成、ディスプレイの移動、そして果てないオナニー、これらが異常に時間がかかったらしく、何も仕事が進まないまま朝を迎えてました。

全然仕事が進んでない。こんなことなら家に帰ってやりゃよかった。

眩しすぎる朝日を浴びながら思いました、こりゃ今晩も徹夜だな、と。


12/2 過去ログサルベージ6

仕事のペースが徐々にいい感じになってきたので、ここらで普通の日記とサルベージ日記を上手に織り交ぜるスタイルに移行しようかと思います。

さすがに連日連夜の過去ログサルベージとはならないでしょうが、いましばらくお付き合いください。ご迷惑おかけいたします。

といったところで、今日はシリアスな日記特集。あまり長くなく、しかも笑いどころ皆無の日記たちですが、まあ読んでやってください。それではどうぞ。

NO.1 未来のためにできること(2002/6/1の日記より)

僕如きの凡人が未来のためにできることはあるのか、少し考えてみた。特に特技もなければ特筆すべき特徴もない僕。そんな僕が唯一できることは、きっと日記を書き続けることだと思う。少しでも多くの人を楽しませ、少しでも多くの人に自分の考えを分かってもらう。それが僕に唯一できることなのかもしれない。

特に、未来のためにできることなると、これはもう未来を担うであろう子供達に向けて言葉を発するしかないのかもしれない。未来のテキストキッズ達に向けて、僕の言葉を少しでも少しでも。

幸い、何故か当NUMERIは多くの10代のキッズを初め、高校生、中学生、小学生に見られているらしい。なんとも嬉しいことであるが、少々不安を覚える。

確かに、僕の思ってること、僕の生き様を未来あるキッズ達に伝えられるというのは嬉しいことこの上ない。だけども、当サイトは全国のPTAから有害サイト指定を受けてもおかしくないほどのオゲレツサイトだ。そのうちサイトの右上に「成年コミック」とか書かれて未成年閲覧禁止になってもおかしくない、そんなサイト。

これはとてもマズイ。未来あるテキストキッズ達に心を、思いを、言葉を伝える前に、かなりの悪影響を与えかねない。そのうち幼女レイプとかやらかした今時の17歳が「NUMERIを見てたらムラムラきて」とか供述して、徹底的に各メディアから叩かれるかもしれない。それはマズイ。

というわけで、当サイトでは未来あるキッズのために極力性的表現を自粛した日記を書き続けて行きたいと思います。性的表現を使わない潔癖な日記サイトを目指します。

「性的表現のないNUMERIなんてNUMERIじゃない」そういう方もいるかと思います。大丈夫ですご安心下さい。内容は変わりません、キチンと性については書きます。

内容は同じで、キワドイ単語を避けて表現すればいいのです。というわけで、我がNUMERIでは性的表現をファンタジーな表現に置き換えて日記を書きます。

オナニー → 月夜のトロピカルマッサージ
セックス → 欲情平安絵巻
おっぱい → とれたてピーチパイン
アナルセックス → 神への背徳
スカトロプレイ → 春の木漏れ日
SMプレイ → 魔法の剣と勇者の盾
チンコ → もぎたてバナナ大使


というわけで、NUMERI独自の性的表現を使いつつ、エロ日記を書いて見ましょう。

僕は家に帰ると、待ってましたとばかりにミントブルートルネードを脱ぎ去り、もぎたてバナナ大使を刺激した。そう月夜のトロピカルマッサージの始まりだ。頭の中は既にとれたてピーチパインでいっぱいで、まだ見ぬ秘密のオアシスを想像しながら、欲情平安絵巻を思い描いた。そのうちエスカレートした僕は神への背徳や春の木漏れ日を必死に想像し、バナナ大使もかつてないほど怒張していた。それでも、自分の中に眠る魔法の剣と勇者の盾を手に入れる願望は抑えがたく、尚且つエスカレートした僕の脳髄は既にタイガーアイ。コロラドタイフーンが吹き荒れる中、モーリスダンガンガ魔法の杖を振りかざして、僕を刺激する。そのうち、魅惑の桃源郷が見え始め、フルーティーなスメル漂う、パトリオットミサイルが幾度となくバナナ大使から発射された。ああ、こうして僕の月夜のトロピカルマッサージは終わったのだった。最高、あしたもやろう。

・・・・・・・。

いやね、もはや何書いてるんだか・・・。全然意味不明ではないですか。やってらんない。

というわけで、我がNUMERIでは青少年が見てようがPTAが怒ろうが、オナニーオナニーと連呼していこうと思います。青少年は閲覧禁止!

さあて月夜のトロピカルマッサージでもして寝るかな。
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No.2 IT化社会(2002/4/26より)

「最近、なんでもパソコンになりつつある嘆かわしい」

とラジオで郵便局長が言っていた。最近はEメールや携帯メールなどで手軽に連絡をとる人が多く、めっきりと手紙をしたためる人が減ってるようだ。郵便局長さん嘆いてた。

IT化され便利になれば昔ながらの趣は失われていく。例えば、手紙を出して相手からの返事を待ちわびるもどかしい時間や、別れ話の書かれた手紙についた涙の跡など、手紙ならではの趣は失われつつある。今はピッと打ってバシッと送って終わりだもん。趣もクソもない。しかし、人間とは常に趣を作り出す生き物であって、そのうちIT社会に適応した趣が普通になってしまうのではないかと僕は思う。

で、郵便局長さんの話に戻るのだが、局長さんもこう言っていた「手紙を書くという行動は相手のことに思いを馳せながら行う行為です、大切にしなければならない」と。そりゃあ局長さん的には手紙を出してくれなきゃ困るわけで、こうも言うはずなんですが、よくよく考えると、とても説得力がある。

手紙を書いて出すという行為は、携帯のメールやEメールを出す行為に比べて面倒くさいし、時間がかかる。メールで済むならば手紙など書きたくないものだ。けれどもその「めんどくさい」というところにポイントがあるのだと思う。

面倒なのを乗り越えて、葉書を買い、文章を自らの手で書く。間違えないように注意して書く。このまわりくどい行為が実は大切で深いのだろう。それだけに手紙に込められる思いも深い。大切なことはメールではなくなるべく手紙で書こうと思った。

現代では手紙だけでなく、多くの行為がITに侵食され始めている。今は何だってインターネットを使ってできるし、なんでも手のひらサイズの携帯でできてしまう。どんな情報だって積極的に動きさえすれば簡単に手に入る。

図書館や学校、印刷された刊行物なんかはそのうち簡単になくなってしまうかもしれない。そして多くの趣が失われていく。その反面どんどん便利になっていく。なんとも複雑な心境だ。

いやいや、便利になることは良いことかもしれない。とりあえず使いこなせる人間にとっては便利であればあるほど手軽であればあるほど喜ばしいことだ。でも、世の中にはパソコンや携帯を全く使いこなせない人間が山ほどいる。

機械が苦手で、ボタンが三つ以上になるともうダメとかいうひとなんて僕の周りにも山ほどいる。

うちの親父は銀行のATMすら使えない。

うちの上司は携帯すら持ってない

友人のS君はパソコンなんて貴族の持ち物だと思っている。

そういった、いわゆるITに乗り遅れた人たちにもIT化の波は容赦なく襲い掛かる。親父は銀行に行くと「ATMで振り込んでください」と冷たく言われるそうだ。上司は「携帯が使えないなんて原始人じゃん」と子供に馬鹿にされるし、なにより連絡が取れないと皆に文句を言われている。S君は就職活動中なのだが、PCもメアドすら持ってないらしくかなり苦労しているようだ。

ここまで世間の風潮がITに傾き、なんでもITでが浸透してしまうと、上記のような人たちでも次第にITに傾きざるを得なくなってしまう。どんな頑固な人でもだ。当たり前だ、ITでないと何も身動きが出来ないのだから。

親父は必死にATMの練習中だし、早苗に教えてもらってPCの勉強もしてるらしい。

上司は遂に携帯を買ったらしい。だけど自分の電話番号すらわからないらしい。

S君は遂にパソコンを買うと言い出した。

みんなIT界の住人になろうと必死になっているのだ。僕は彼らにずっと自分を貫いてアナログな人間でいて欲しかったのだが、世間の風潮はそれを許さなかったらしい。皆挫折しITの軍門に下ることを決意したようだ。

特にS君の張り切りようは凄かった。

「中古のノートPCを知り合いに安く譲ってもらう!」

と息巻いていた彼は、これから広がるであろうPCライフに目を輝かせて期待していた。なんとも頑張って欲しい。

「おれ、パソコン買ったらインターネットとかやるよ」

彼はそう言っていた。心の底から頑張って欲しいと思った。それからも彼は自らのITライフ構想を語りつづけていた。

ホームページを作ってみたい
出会い系サイトとかやってみたい
彼女をそこでゲットしたい
で、インターネットを使ってホテルを予約
彼女と旅行に行く

などと彼の夢物語は途方もない場所まで行っていた。

「どんなPC買うの?バイオとか?」

彼の他愛もない夢物語にウンザリしていた僕は遮るように質問した。

「なんか、機種とか分からないけど、ノートPCを7万で打ってもらえる。中古だけど新品だと30万もするらしいからお得だよね」

などと鼻息も荒く言っていた。

 

一週間後、彼は遂にPCを購入した。

めくるめくITライフを堪能し、楽しいネットライフでも送っているのだろうと思い、

「どうだい?パソコンの調子は?」

などと声をかけた。しかし彼の表情は暗い。

買ったはいいものの、なんか使い方が分からないらしく、インターネットすらまだ出来ないらしいのだ。

「それは大変だな。OSはなに?98とか?Meとか?」

とか僕も親身になって相談にのるのだが。

「わからない。なんか色々メニューがある画面がある」

などと要領を得ない。さすがにIT化へ第一歩を意気揚揚と歩みだした彼にこの仕打ちは酷い。なんとか助けてあげたい。皆で助け合って理想的なIT社会を築こうではないか、などと変に義憤に駆られた僕は彼の家まで行って、彼にパソコンを教えてあげようと思いました。

彼のアパートに行き、部屋に上げてもらう。

「いや〜機種とかウィンドゥズとかも全然わからないんだよね。もうお手あげ」

彼は少しはにかみながらも照れくさそうに笑っていた。しょうがないやつだ。俺が今助けてやるからな。まかせろ、ちょっとはパソコンに詳しいんだ、俺。

彼が出してきたノートパソコンは想像を遥に上回る物体だった。

なんか黒っぽい物体。でも形状はノートパソコンっぽい。ちょっと古めかしい。なんか画面の後ろの方には印刷する部分までついてる、プリンタ一体型ノートパソコン。そして本体上部に煌く「書院」の文字

ワープロやん

これ、ノートパソコンじゃなくてワープロやん。文字打つだけやん。

いやね、今時のワープロって確かインターネットも出来るよ!とかいって便利そうじゃないですか、でもこの物体はダメ。古すぎてインターネットどころの騒ぎではない。ってかモジュラー挿すところがない。

試にワープロを立ち上げてみたところ、白黒の液晶みたいな画面で「文書作成」「文書呼び出し」「住所録」とだけ表示された。ありえない。

こんなマシンでインターネットなんて不可能。

それどころかメールすら不可。iモード以下。

「早くインターネットに繋いでよ!ワクワク」

モジュラー片手にSが嬉しそうにインターネット海原を待ちわびている。心が痛い・・・。お前はこんなワープロを7万も出して買ったのか?ゼッタイに騙されてるぞ。5千円でも高いくらいだ。俺なら逆に金貰ってもいらない。

このワープロではインターネットはできない。

メールも出来ない

ホームページなんか作れない

出会い系サイトなんかできない

ホテルの予約など不可能。電話の方が早い。

彼の描いた未来予想図はこのマシンでは不可能です。それを彼に教えるのにどんなに苦労したことか。説得するのに3時間かかったね。

「じゃあ・・・この機械ではダメなの・・・?」

知人に騙され7万出してウンコワープロ買わされたと理解した彼は涙目で言った。心底心が痛んだ。

とりあえず、彼は未だにIT化社会の波には乗り切れず、それどころか開き直ってそのワープロの使いつづけている。といっても住所録を作るぐらいだが。でも、そのままの彼でいて欲しいななどと所詮他人な僕は思ってしまう。

なんか彼が古めかしいワープロを打っている姿は趣があっていいのである。
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No.3 思い出は音楽と共に(2002/6/23)

人が生活していく上において音楽とはなくてはならいものです。日本だけでなく諸外国、はたまたアフリカ奥地の原住民ですら音楽と共に生きているのです。

人々は生活のあらゆるシーンで音楽を聴き、心を和ませたり高揚させたり恋焦がれたりするのです。これは古来からずっとずっと続く人類共通のものなのです。

人間の記憶と音楽は密接な関係にあると、外国のある教授が提唱したいたのを聞いたことがあります。皆さんご存知のとおり人間の記憶とは全てが脳の中にストックされており、ストックされている記憶を引き出してくることにより、古の思い出が蘇るのです。忘れてしまった記憶というのは、脳の中から消失しているわけではなく引き出せなくなっているだけなのです。

人間の体感できる状況をその年代に近いものすることにより、記憶の引き出しがスムーズに行われ、記憶を思い出しやすいと言われています。不意に忘れてしまった出来事を思い出そうと、その日一日の行動をもう一度なぞってみて思い出す、といった方法は状況をなるべく覚えてた時間に近いものにする行為に他ならないのです。

その上で、音楽は記憶と密接な関係にあるといえるのです。古い時代に何度も聞いた音楽を今一度聴くと、その時代の思い出が鮮明に蘇るというわけです。

例えば、26歳OLの芳江さんが、会社帰りに車を運転しています。そこでカーステレオから流れてくる8年前のミスチルのヒット曲を不意に聞いたとします。フラッシュバックされる8年前の思い出。歌と共に蘇る思い出。そういえば・・・・、8年前は彼とドライブしながらこの歌をよく聴いたなぁ。

優しい彼だった。素敵な彼だった。どうしてあの時、あんな酷いこと言っちゃったんだろう・・・。あんなこと言わなければ・・・・。切ない恋の思い出が蘇り、信号待ちの交差点でハンドルに突っ伏して涙する芳江さん。

高志に会いたい・・・・。声が聞きたい・・・・・。

涙で道路わきの外灯の光がにじむ。芳江は堪えきれずに、携帯電話を手にし、電話をかけ始めた。そう、8年前に何度もかけた高志の番号に。

プルルルルルルル

「もしもし」

受話器の向こうからは聞きなれた、けれども懐かしい彼の声が聞こえる。

「・・・・・・もしもし・・・・」

消え入るような声で芳江は喋りだす。今更電話なんかかけて何やってるんだろう、私。バカみたい。高志だって八年前の彼女が電話かけてきたって困るに決まってるじゃない。

できることなら電話を切ってしまいたかった。恥ずかしくて情けなくて涙が出てきそうだった。けれども電話を切ることができなかった。もう少しだけ、もう少しだ高志の声を聞いていたい。

「もしもし?芳江か?」

受話器の向こうの彼は、不思議そうな声で自分の名前を呼んでいるのだった。涙がとまらなかった。

「う・・・うん・・・元気してるかなあって思って・・・・」

涙を高志に悟られぬよう、精一杯に答える。狭くて暗い駐車中の芳江の軽自動車の車内が急に息苦しく感じる。横を通り抜ける車のヘッドライトが時折、車内を照らす。

「どうしたんだよ急に、ビックリしたぞ。芳江こそ元気か?」

元気に明るく、高志は返答する。その声は幸せそうで真っ直ぐ前を見ているように思えた。八年前のあの時から高志は高志のまま何も変わってないんだと思うと安堵感を覚える。

芳江は高志と別れた8年間、何一ついいことがなかった。言い寄ってくる男は何人もいたけど、イマイチ乗り気になれず独り身のままだった。高志以上好きになれる男なんていないって何となく気づいてた、わかってた。だけど、意地でその気持ちを抑え込み、独りで生きていくと無理をしていたのだ。高志の声を聞いてハッキリとわかった。

「わたし・・・意地になってたみたい・・・・。ごめんね、高志。わたし・・やっぱり高志じゃなきゃ・・・・ううん、なんでもないの、もう高志にも新しい彼女いるよね。ごめん、こんなこと言っちゃって、忘れて」

もう支離滅裂。何言ってるんだろう。わたし。なんか別れた後もシツコイ女みたいに思われちゃったかな。なんか情けないよ。情けないよわたし。情けなくて情けなくて、このまま消えてしまいたい。

またハンドルに突っ伏して、電話を耳にあてたまま涙を堪えていると、受話器の向こうの彼が、しばらく押し黙った後に喋りだした。

「さっきさあラジオ聞いたたらさ。古いミスチルの曲が流れてて、芳江とよく聴いた曲だなって思い出したんだよ。そしたら急に淋しくなっちゃって・・・。芳江に電話しようと思ってたんだ。そしたら・・・芳江から電話かかってくるから」

恥ずかしそうに、照れくさそうに言う彼の言葉を聞いていると、芳江は急に可笑しくなり笑い出してしまった。

「な・・・なんだよ!急に笑いだして。俺なんか変なこと言ったか?」

「ううん・・・・なんでもない、フフフ」

いつの間にか降り出した雨をウィンドウ越しに眺めながら、お互いの想いを八年間分語り明かしたのだった。いつまでもいつまでも・・・・。

その週末、海岸通りの国道をひた走る芳江の軽自動車があった。軽快に走り抜ける小さな小さな軽自動車。ハンドルを握るのは高志。その横には芳江が八年ぶりの笑顔で笑っていた。もちろん、カーステレオからは、八年前のミスチルのあの名曲が流れていた。

という風に、古いミュージックというのは不意に思い出をフラッシュバックさせることがあるのです。結局何が言いたいのかといいますと、

・・・・・・

えっと、何が言いたいのかといいますと、

・・・・・

・・・

すいません、例え話を長く書きすぎたために、何を言いたかったのか忘れてしまいました。

やべえ、オチがない。

えーと、えーと、うーん、うーん。何を言いたかったんだっけなあ。

いやね、ここで自分の音楽と思い出にまつわるエピソードを紹介して、バシッとオチをつけて締めるつもりだったのですよ。でも忘れちゃった。

たしか、徳永英明の「夢を信じて」を聞くと、中学生時代に部屋から女性の下着が見つかって大騒ぎだった思い出が蘇るとか

とんねるずの「がらがらへびがやってくる」を聞くと、女の子にふられて泣いた記憶が蘇るとか・・・・。

うーん・・・・・・・

ま、どうあがいても情けないエピソードしか出てこないのでどうでもいいや。今日はこれにておしまい!

結局今日の日記で何が言いたかったんだとかいうな
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なんか、あんまシリアスじゃなかったわ。


12/1 過去ログサルベージ5

なにやらこのようなメールを頂きました。

「patoさん、過去ログサルベージはつまらないです。早く新しい日記書いてください。っていうか書け」

うむ、貴様が書け。

あのですね、僕は週末、30時間不眠不休とかで死ぬ気で書いた50枚にのぼる書類をですね、上司に完膚なきまでに訂正されたんですよ。それこそ、全とっかえといった勢いで、全部直すなら最初からお前が書いたほうが早くねえ?って聞き返したくなる勢いで直されたんですよ。

もう、やる気はなくなるわ、体は疲れてるわ。あまりに疲れてるもんだからウンコした後に尻とか拭いてないですからね。ほのかにウンコ臭いですよ、今の僕は。明らかに腐臭を放ってますから。

というわけで、今夜も徹夜で書類直しです。非常に疲れているため、ピクリとも笑えません。YAWARAちゃん入籍!「料理も頑張る」という今世紀最大のコミックショー、核弾頭級のニュースを見てもピクリとも笑えません。普段なら腹から新生物が生まれてくる勢いで笑うのに。

ということで、今はもう、マジ日記とか無理っすから。ですから上記のようなメールを送ってきた方は早急に日記を書いて僕に送ってください。僕の代わりにモリッと掲載しますので。お願いします。

ということで、今日も元気に失われた過去ログのサルベージ。今日はエロビやオナニーについて語ってる日記のサルベージです。それではどうぞ。

No.1 ビデオ屋を見極めよう(2002年9/16より)

戦国時代です。戦国時代です。良くも悪くも戦国時代です。何が戦国時代かと言うと、レンタルビデオ業界ですよ。レンタルビデオ業界は今、未曾有の戦国時代に突入しているのです。

ビデオはもとより、DVDの普及は目覚しいものがあります。レンタルビデオ屋にとっても、ユーザー層の拡大に繋がり喜ばしいものです。しかし、安価なセルビデオやDVDの発売が一般的となり、多くのユーザーはレンタルするより購入する方に移行してしまったのです。

もう、一昔前のようにビデオ一本が1万円以上するような時代ではないのです。それだけに、何処のレンタルビデオ屋も苦戦を強いられているのが現状です。小さなレンタルビデオ屋は軒並み駆逐され、全国規模のチェーンを抱える大手ばかりだと言っても過言ではありません。

僕の住む街には、大手のレンタル店こそは進出していないものの、数あるレンタル店が次々と潰れていっています。小さなレンタル店だけでなく、そこそこ中規模のレンタル店までもが、ある日突然「テナント募集」などに変わっているのです。それだけ、レンタルビデオ業界というのは戦国時代なのだと思います。なんとも寂しいものです。

僕の行きつけのレンタルビデオ店は、昨年までは12店舗ありました。店によってエロビの得意ジャンルが異なるため仕方ないのです。全てを網羅しようとするならば、これぐらいの店舗は抑えておくのが常識。新作とかがレンタル中でも他の店を回って探せるという利点もあります。まあ、エロビ通にとっては基礎中の基礎ですな。

そうなると、財布の中にはレンタルビデオ屋の会員証だけで12枚。さらに各店のポイントカードが付属して12枚。合わせて24枚のカードがあるわけです。これはエロビ通には勲章みたいなものなのです。けれども、ココ最近は前述のように、多くの店舗が潰れてしまい、財布の中のカードも4枚ほどになってしまいました。なんとも心もとない。4店舗では、様々なエロビを網羅するなど不可能です。

というわけで、あまりにローテーションビデオ屋が減ってしまったため、あえなく新しい店舗の会員になることを決意いたしました。新規入会など数年ぶりのことでかなり緊張いたします。ちょっとモジモジしてしまいます。

というわけで、今日は、エロビ通から見た、レンタルビデオショップの店選びのポイントを皆さんにもお教えしたいと思います。エロビ通は何を基準に行きつけのショップを決めるのかご覧あれ。皆さんの店選びの足しになれば幸いです。

ポイント1 家から近い場所を狙え

とりあえず、家から近い場所、コレだけは外せません。もしくは職場から近い場所などなど、自分の日常に近い場所のビデオ店を選びましょう。なんでかというと、遠い場合、返しに行くのが面倒になるからです。

ポイント2 24時間営業の店は避けろ

24時間営業の店はダメです。一般的には24時間営業だと便利だと思われがちですが、エロビ通は違います。24時間営業だと、常にエロビを借りれる状態となるため自分に歯止めが効かなくなります。まるで猿のように一日に何度も返却とレンタルを繰り返す事態になりかねません。専門家はこれを「24時間営業におけるメビウスの輪」と呼び、あまり好みません。また、営業時間に終わりがないと、何時間もエロビコーナーで選別をしてしまう事態にもなりかねません。著者は4時間選別した経験があります。それもこれも店の営業が無制限なのが良くないのです。何でもそうなのですが、ある程度の不便がある方が趣があっていいものなのです。閉店時間を気にしつつエロビを選ぶ、これが通のスタイルです。

ポイント3 返却BOXがある店を選べ

店舗の営業時間外などに返却できるように店の外に置かれる返却BOX。コレがある店はポイントが高いです。エロビを借りたものの、返すのがちょっと恥ずかしい、などという素人の方にも最適です。誰にも見られることなくコッソリとエロビを返却できるのですから。しかし、通は違います。通はエロビの返却が恥ずかしいなどとウブなことは口が裂けてもいいません。むしろ返却する自分を誇らしく思っています。通は延滞しすぎたエロビを返却する際にBOXを使うのです。延滞に延滞を重ね、まさしく焦げ付いてしまったエロビ。これを窓口に返却しようものなら膨大な延滞料を取られます。そうならないためにも通は、閉店後のビデオ屋に行って「ごめんなさい」と呟きながらBOXに返却するのです。まあ、後日請求されるんですが。

さあ、ここまでである程度店舗が絞れたかと思います。上記のポイントに合うだけの店舗が見つかったら身分証明書を持ってビデオ屋に向いましょう。でもまだまだ、入会するには早いですよ。別に入会しなくても店舗内には入れるのですから、ジックリと店舗内をチェックしましょう。

ポイント4 エロビコーナーのポジションを確認

邦画や洋画コーナーには目もくれません。そんなものはどの店も同じです。ただただエロビコーナーに一直線です。この際に、どこにエロビコーナーがあるかでその店のエロへの力の入れようが分かります。大抵の場合、店の奥にエロビコーナーはあるのと思います。その際に、入り口からエロビコーナーまで歩いてみてください。4回ほど曲がらないとエロビコーナーに辿り着けないようでしたら期待度大です。店側はかなりエロビに力を入れてます。逆に真っ直ぐすんなりと辿り着ける店舗はあまり力を入れていないと言えます。店側の心理に立つと絶対的にエロビコーナーに自信がある場合は、ワザと分かりにくい場所にエロビコーナーを隠します。これは青少年や家族連れへの配慮なのです。逆に自分のエロビコーナーに自信がない店舗は、そこまで青少年への悪影響もないだろうということで、ユーザーに媚びるようにエロビコーナーを分かりやすくします。真に魅力的なエロビコーナーがあるならば、ユーザーは迷路を抜けてでも行きます。複雑な経路の先には最高のエロビコーナーが待ち構えている可能性が高いです。エロビコーナー入り口にノレンなどをつけて目隠ししている店舗も期待度大です。

ポイント4 品揃えをチェックしろ

さあ、ピンクコーナーに入ったらいよいよ品定めです。いい作品があってもまだ借りてはダメですよ。まだ入会してないのですから。エロビ抱えてカウンターに行って同時に入会手続きなど、まるで我慢しきれずに入会するみたいではないですか。焦っちゃダメダメ。どっしり構えておきましょう。さてさて、品揃えですが、エロビデオにも色々なジャンルがあります。女優物に企画物、インディーズ系にハード物。様々な起点に立ってチェックを怠らないように。この店は一体どのジャンルに強いのか。ロリ系、巨乳系、淫乱系、OL系、人妻系など細分化されて陳列されている店はポイントが高いです。ただ、たまに「これは巨乳じゃねえだろう」という作品が巨乳系に分類されていたりと杜撰な店舗もあります。細かくチェックしましょう。

ポイント5 中古販売の有無はシッカリと

店によっては、用済みとなった古いエロビを格安で販売していることもあります。これは頂けません。なぜなら、中古販売は在庫処分です。古い在庫を処分するということは、これ以上エロビの拡充を図るつもりは毛頭ないということです。このような店舗に未来はありません。それよりなにより、急に過去の名作を見たくなったのに、棚には新目の作品しかないという状態になりかねません。中古販売せずに旧作でもキッチリ棚に陳列する。それこそが理想の形態なのです。エロビは不動産なんですよ。

ポイント6 料金形態を調べろ

稀に、アダルトだけレンタル料が高い店があります。こういう店は頂けません。ダメです。レンタル料は高くてもダメ安くてもダメです。ほど良いレンタル料かどうかチェックしましょう。ちなみに延滞料のチェックも忘れずに。中にはバカのように高額な延滞料を設ける店もあります。料金チェックもさることながら、新作がどれだけの期間を経て旧作落ちしているかもチェックしておきましょう。新作はレンタル料も高く、宿泊期間も短いものです。入荷した作品がいつまで経っても新作設定では話になりません。新作棚にあるエロビの発売日をくまなくチェックしましょう。ヒドイ店だと、発売から三ヶ月経ても新作設定のままということもあります。見落としがちなので注意しましょう。

ポイント7 客層をチェックしよう

さてさて、ここまででエロビコーナー内のチェックはお終いです。一旦落ち着いてピンコーナーから出て深呼吸しましょう。落ち着いたら、ちょっと店内を歩きつつ洋画コーナーなどを見て回りましょう。その際に、どのような客層が多いか確認を忘れずに。客層に非モテ系独身男や大学生風の男性が多い場合は要注意です。自分と同じ境遇や近い人は趣味もかぶるはずです。そうなると性癖や好みがかぶることも大いに考えられます。そうなると、借りようとしたエロビを先回りされて、いつまで経ってもレンタル中、という状態になりえるのです。そのような悲劇を避けるためにも、自分と似た性癖を持ってそうなサムライが客層にいるかどうかチェックです。

さあ、ここまで厳しいチェックポイントを乗り越えたら、晴れて入会です。この店はアナタの厳しい審査に合格したのです。これからの目くるめくエロビライフに思いを馳せ心弾ませつつ、早足になる自分を抑えてカウンターに向いましょう。スムーズに入会処理ができるように身分証明書は出しておきましょう。

ちなみに、入会処理が終わるとカードを手渡され、カードの裏に自筆で署名をする場合があります。カード面に文字を書く場合、ペンが滑りやすく字がヘロヘロになるので注意しましょう。これでアナタが行う仕事は終わりです。存分に新しいエロビライフをお楽しみ下さい。おめでとう。

そうそう、冒頭で述べたように、僕も新たなローテーション店舗を見つけるべく、上記のようなポイントを検証し、まるで姑のような目ざとさでチェックいたしました。そして、少し家から遠いものの、他のポイントは全て合格点という店舗を見つけました。もう文句なし入会ですよ。

さあ、思いっきり入会するぞ。そして、この店舗でもエロビ大王として名を馳せてやる。ああ、なんて素敵なんだ。あらたなビデオ屋に入会するって。なんていうか、会員も店員もみんな家族だよな。まるで新しい家族を迎え第二の人生がスタートするような感じ。そう、言うなれば新規入会とは結婚と同じだ。僕と店との結婚。新しい人生のスタート。結婚はゴールじゃない、スタートなんだ。意気揚々とカウンターに向かい、免許証を印籠のようにかざしながら

「御免、入会したいのだが」

と貫禄タップリに。それを受けて店員さん

「すいません、当店は・・・・二週間後に閉店する予定でして・・・もう新規入会されても意味がないのでお断りしてるんです・・・・」

なんか、この店、経営不振から二週間後に閉店するそうです。なんていうか、ちょっと恥じかいた。

それにしても、僕のチェックに合格するような優良店舗が潰れるのです。やっぱりレンタル業界は戦国時代なんだなあって思います。ガンバレ!大手に負けるな中規模レンタル店。

チェックに費やした僕の2時間、返して欲しい。
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ここまで店選びについて語るなんてある意味バカですよね。

続いてオナニーについての日記

No.2 オナニーのブラックボックス(2002年4/3)

オナニーについて語ってください(うささん、[BBSにて]他多数[メールにて])
オナニーについて書籍を出してください、買います(洋平さん[メールにて])
オナニーを目の前でやってみてください(さちさん[オフ会にて])

このような熱烈オナニーコールにお応えして今日はオナニーネタで日記を書きます。一部の方々お待たせいたしました。包括的総合オナニー情報サイトNUEMRI、スペシャルオナニーアドバイザーpatoの本領発揮です。頑張るぞ。ではどうぞ。

一言に、オナニー、オナニーと言いますが、皆さんは本当にオナニーを分かっているのかと問いたい。知れば知るほど分からなくなるのがオナニー。オナニーの道は一日にして成らず。というわけで、今日はちょっと皆さんと一緒にオナニーについて勉強してみましょう。

オナニー―masturbation(英)、onanie(独)、自慰、手淫(日)

オナニーの語源は古く、旧約聖書の創世記38章にあるとする説が最も有力であります。ココに登場するオナン[onan]という人物は次男であり、死んだ長男の変わりに長男の嫁と子供を作り後継ぎを設けよと命令されます。しかし、出来た子供が自分の物にはならないことを知っていたオナンは、精液を「地に流す」という行為で抵抗します。この行為を取り、非妊的射精→オナン→オナニーになったと言われています。

しかし、38章の問題の箇所を見てみますと、

But since Onan knew that the offspring would not be his, he spilled his semen on the ground whenever he went in to his brother's wife, so that he would not give offspring to his brother.

とあります。つたない和訳で申し訳ないのですが、和訳しますと

しかし、授かる子供が彼のものにならないとオナンは知っていたため、オナンは長男の妻の中に入ったときは常に彼自身の精液を地面に流し、長男に子供を与えないようにしました。

これは間違いなく膣外射精です。やることやっといて外に射精。そんなのがオナニーの語源だとは認められません。オナンちゃんよ、あんたセックスしてるじゃねぇかと。しかも長男の嫁、ムチャクチャ興奮するシチュエーションじゃねぇかと。

あのな、オナニーってのはこんな聖書チックなものじゃねぇんだよ。もっとドロドロしたものなんだよ。義姉とセックスしまくりのオナンがオナニーの語源なんて絶対に認められない。オナニーはオナニーであってオナニーなんだよ、もう語源なんてどうでもいい。

で、語源の話は置いておいて、オナニーの意義について思案を巡らせるわけなんですけど、オナニーってぶっちゃけ人間の本能なわけですよ。中学生は誰に教えられなくてもオナニーを覚えるし、禁止されたってオナニーをしまくる。実は、この本能ってのは貴重な物だって思うわけなんです。

なんていうか、人間はどんどん本能を失っています。太陽と共に生きていた人類、しかし火を利用することを覚え、道具を利用するようになり、植物を栽培するようになった。そして、科学技術が発達し、古来から自然と共に生きてきたことを忘れ、文明社会で社会生活を営んでる。古くからの本能など置き忘れてしまったわけです。

唯一残った本能が性欲。漠然と子孫を残さなければならないと思う気持ち。そしてその性欲を発散させる行為がオナニーな訳です。いわばオナニーは人間に残された最後の本能。砦なわけです。

いやね、なんか人間って凄くカワイイと思いませんか。地球のリーダーと言わんばかりに地球を支配し、宇宙にまで飛び出して月面にも立った人類。そんな地球の支配者たる人類も性欲だけは忘れられず夜ごとオナニー。その姿がかわいくてかわいくて。

なんていうか、すごく怖い職場の上司が実は甘えん坊で、家ではワイフに赤ちゃん言葉、とかそういったアンバランスさを感じてしまいます。なんともカワイイ。人間なんて偉そうな顔してても所詮オナニーしてるんじゃねえかと。カワイイもんじゃねえかと。

そういった意味ではオナニーは人間がカッコイイ人間を演じるために必要な儀式であるわけですよ。儀式によって本能を発散させ、真面目な人類を演じる。とても重要なんです。子の儀式がなかったら人類は今のような社会は形成できていない。発情期の猫のようなフリーセックスな社会を形成していることでしょう。

しかし、一般的常識において、オナニーを口にするのはタブーとされています。なんていうか、みんなやってることなのに、人類が人類たる為に必要な儀式であるのに、通常の社会通念ではブラックボックス化してしまっている。なんでですか。

どんなに仲の良い友人間でも「オナニー」に関して情報交換したりとかはあまりしない。どんな気の知れた相手でもオナニー事情まではわからない。親も子のオナニー環境がわからない。これは由々しき問題ですぞ。

だってオナニーは恥ずかしいものでもなんでもないもの。人類が人類たる大切な儀式だもの。何も隠すことはないし、おおっぴらにオナニー事情を話したっていいじゃないかと思うのです。それを何故ブラックボックス化しやがるのかと怒りたい。

オフ会でもちょっと話したのですが、僕が日記上で「オナニー、オナニー」と連呼するのは理由があるのです。ブラックボックスと化してしまったオナニーをもっとオープンにしたい。誰もがオナニーを口にし、オナニーについて有意義に情報交換。そんな社会が築けたらと願ってオナニーを連呼しているのです。

オナニーについて口にするのは何も恥ずかしいことではない。
オナニーは人類に課せられた儀式だ、恥じることはない

もっとオープンに、そして楽しくオナニー談義できたら・・・なんて理想的でしょうか。僕はコレを1人で勝手に「オナニーエンターテイメント化計画」と呼んでいます。

このオナニーエンターテイメント化計画により、多くのヌメラー達は恥じることなくオナニーを口にしてくれるようになりました。しかし、まだ足りない。もっとオープンにもっとジョイフルにオナニーについて語って欲しい。

特に女性はブラックボックス化が著しい。男性はNUMERIがなくとも、オープンな人はある程度のオナニー談義をすることがあるのだが、女性は全くと言って良いほどない、皆無だ。何故か女性は頑なにオナニー話を拒み、人のオナニー話を聞くことはあっても絶対に自分からは喋ろうとしない。

これはもう巨大な女性特有のチカラが働いてオナニー話を拒絶しているとしか思えないのです。もっと女性もオープンにオナニーについて語って欲しい。恥ずかしがらずにもっともっと語って欲しい。

そういう事情もあってか、僕は男性のオナニーについてはそれこそ著書を二冊ぐらい出せるのではないかというぐらいに詳しいのですが、女性のオナニーについてはからっきしなのです。

というわけで、引き続きオナニーエンターテイメント化計画。

緊急企画 女性ヌメラーの方、僕にオナニーについて語ってください。

女性のオナニーについて赤裸々に語ってください。やり方から手順、シチュエーションに用いるメディア、さらに妄想の場合はその内容。などなど何でもいいので語ってください。何も恥じることはありません。迷わずメールミー
男から来たら迷わず殴り殺します。
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過去の日記だからもう企画は終わってるのだけど、まだまだ女性のオナニー話待ってるでよ。

もいっこサルベージしとくか

No.3 恋心(KOI-GOKORO) (2002年2/7より)

中学の頃、教育実習の女子大生が我がクラスに国語を教えにやってきた。とても美人でおっとりした先生だったが、中学生の僕から見た大人の年頃の女性というのは、いい匂いがしてセックスアピールがあり、色っぽく、すごい興奮した思い出がある。

なんというか、それまで「好きな子」というのは何度かいたが、同様に相手の子も子供であるためこれといった性的ななんとかがあるわけではなくセックスアピールは感じなかった。好きだけど、その先には何があるの?といった感じでせいぜい学校帰りに2人で帰るぐらいで興奮したもんだった。

そこに教育実習の彼女の登場である。初めて異性にセックスアピールというものを感じた。女の色香を感じた。思えばこれがはじめての大人の恋だったのかもしれない。本当の意味での初恋。なんというか上手く言えないのだが「好きだ」と初めて思った初恋の相手ではなく、「やりたい」と初めて思った初恋の相手である。

そんなこんなで彼女に恋心を抱きつつあった僕であるが、彼女のいた2週間はそれはもう夢のような時間だった。放課後は用も無いのに職員室に行って彼女と話したり、お昼に彼女と一緒にご飯を食べたり、それはもう楽しかった。彼女の授業時間は授業どころではなく常に勃起しながらうけたものである。

ライバルも多かった。クラスの半分以上の男子は彼女に恋心を抱いていた。彼女が胸を強調するような服を着てきた日にゃ、それはもう大変な騒ぎで、皆が勃起しながら彼女の授業を受けたもんだった。みんな彼女とやりたがっていた。

夢のような時間は矢のように過ぎる。いうまでもなく彼女の本職は女子大生である。二週間したら彼女は大学に帰ってしまうのだ。好きな相手が遠くに行って自分の前から消えてしまうというのは童貞中学生には受け止め難い事実で、みなが悲しみつつも自分の無力さを呪うようなやるせない感覚に襲われていた。

「先生のこと好きなのに」「先生は遠くに行ってしまう」「やりたい」様々な想いが童貞中学生達の中を駆け巡り彼達は最終兵器とも言える行動に出る。普段なら絶対にやりそうにない行為であるが、全員が1人の異性を好いているという集団心理が働き僕達は後ろめたさを感じることなく行動に打って出た。

職員用更衣室に忍び込み、彼女のロッカーを全員で漁る。

この目標を掲げ、僕ら20人からの童貞中学生は彼女が部活動のバトミントンに参加している隙に職員用更衣室に忍び込んだ。犯罪行為も皆でやれば怖くない、極めて人間らしい感覚を自覚しながら、性的興奮とスリルで今までに無いくらい勃起したのを今でも覚えている。

なんというか、学校の廊下までは至極日常的な空間なのだが、一歩更衣室に入るとそこは異質の空間で感じたこと無いような静寂と空気が漂っていて興奮したもんだ。それは20人の童貞たちも同じようだった。

彼女の名が記されたロッカーに近寄り、躍る心や背徳感を抑えながら扉を開ける。皆が注目の瞬間だ。この緊張感だけで射精しそうな感覚に襲われてしまった。なんとも癖になりそうな感覚だった。

ロッカー内には彼女の普段着が綺麗に畳んで置かれていた。今日の授業で彼女が着ていた服だ。魍魎と化した童貞たちは歓喜の声を上げその服を手に取り、皆匂いを嗅いだり股間に擦り付けたりしていた。興奮したとはいえ、友人達の目の前でここまで性に忠実に行動できる友人を羨ましいと思った。

さらに奥には、汗をかいた時の為の備えだろうか、下着とタオルが申しわけなさそうに置いてあった。しかも黒のゴージャスな下着だった。職人が作ったようなレース模様の目の細かい黒の下着だった。クラスメイトの女子がつけてるようなガキっぽいやつはブラとは言わないんだ、あれは胸当てだ、これこそが真のブラジャーだと興奮した。

僕も彼女の下着を手に取り、匂いをかいだり股間に擦り付けたり、変な液とかをつけたりしたかったが、多くの友人が見てる前で性の奴隷となることはできなかった。今一歩踏み出せないでいた。しかしKは違った。

彼は本当に自分の欲望に忠実に黒の下着を弄り、匂いをかぎ、股間に擦り付けていた。それどころか学生服の上からブラをつけたりパンツを履いたりしていた。皆が「バカだなKのやつ」と彼の行為を笑っていたが、本心では「羨ましい」と思っていた、複雑な表情だった。

その瞬間だった。廊下で下着の持ち主、つまり彼女の声がしたのだ。大ピンチだ。
僕達は狼狽し、パニックになった。逃げなくてはならない、こんな状態を見られたらせんし先生に嫌われてしまう。なんとかしなければ・・・。

窓から逃げるもの、物陰に隠れようとするもの、皆がパニックになりつつも冷静に行動した。僕と下着を着けたK、その他7名ほどの童貞たちは逃げ遅れた。もう彼女が更衣室の目の前まで来ている。窓から逃げているような時間は無い。とっさに僕達はロッカー内に隠れた。

おばちゃん先生などのロッカーに各々身を潜めた。僕とKは少し大きめのロッカーに窮屈ながらも2人隠れた。Kは既に黒の下着は脱いでおり、確実に証拠は隠滅したのだが、いまだ興奮している様子だった。ロッカー内の暗闇に響く彼の激しい吐息が何十倍もの騒音に聞こえた。

彼女は何も怪しむ様子も無く、更衣室に入ると自分のロッカーの前で着替え始めた。ロッカーのちょっとした隙間みたいなと所からその様子は丸々と見えた。見ると向かい側のロッカーの隙間からも血走った瞳が彼女を見つめていた。他の童貞たちもこのチャンスを見逃さない。

しかし、僕はKと2人でロッカーに入っている。狭いし、覗ける隙間の取り合いである。なんとも不便だが位置的に有利だった僕は覗き穴をほぼ独占状態だった。

しかし、暗闇に響くKの荒い呼吸は徐々に激しさを増していく。おかしいな、そう思って暗闇の中を目を凝らしてKの様子を見てみた。憧れの女教師の生着替えショーの興奮に耐えかねたKはチンコを出してしごき始めていた。なんてやつだろうか、どうして彼はここまで自分の中の獣に忠実なのだろうか。しかし、密室内で密着されてオナニーされちゃたまらん。変な液とかかかってしまったら目も当てられない。

僕は身を捩じらせ、彼のチンポが自分に当たらないように逃げた。なにが悲しくて狭いロッカー内でクラスメイトのチンコを触らねばならないのだろうか。しかし、そこはぎゅうぎゅう詰めのロッカー、どんなに頑張っても彼の生暖かいチンポとピストン運動が体のどこかにあたる状態で、なんとも気味悪かった。

耐えかねた僕は、断腸の思いで彼をロッカーから弾き出した。ええ、そんなことしたら覗きがばれます。彼女にばれます。Kは確実に捕まります、僕の身かて危険になります。しかし、そんな危険を考慮しても彼のチンポの感覚は耐えがたかった。

憐れKはチンポ丸出しの状態で憧れの女教師の前に躍り出てしまった。

時が止まった。

Kは右手でチンコを握った状態で猿のような表情で女教師をみている。
女教師は先ほどまでKが嬲っていた下着をつけた状態で丸い目をしてKを見ていた。
俺たち童貞はもうダメだと思った、捕まると思った。

しかしそこでKは意外な行動にでる。なんというか極度の緊張感や興奮、そして逃げ場の無い圧迫感から彼は壊れてしまった。

「先生、チンコチンコ・・エヘヘ」

彼は開き直り彼女にわざわざチンコの説明をしながらにじり寄った。まさに窮鼠猫を噛む。追い詰められた手負いの変態は何をするか分かったものじゃない。

当然、先生も悲鳴の一つでも上げ、それを聞きつけた体育教師(筋肉バカ)が更衣室に乗り込みKは逮捕されるだろうと思った。そして現場も調べられ俺たちも捕まるだろうと思った。しかし彼女は思いのほか豪胆だった。その清純そうな見かけとは裏腹に彼女の肝っ玉はすわっていた。

「あら、カワイイチンコね」

彼女ははにかみながら、指先でKのチンコを指でつまんだ。ハッキリ言ってKのチンコは毛も生えていたし剥けている完全体で、僕らから見ればかわいくなんかなかった。しかし、彼女から見ればカワイイチンコなのだ。さすが大人の女性は違うなと思った。

僕はこれで一件落着。きっと今日の事件は先生とKだけの秘密となって自分は捕まることはないと思っていた。ホッと胸を撫で下ろした。しかし、他の変態童貞たちは違っていた。

今、チンコを出して先生に迫ればチンコを触ってもらえる

とんでもない勘違いをした彼らは次々とチンコを出してロッカーから飛び出した。彼女はKだけでも相当に驚いたことだろう、生徒に舐められてはいけないと気丈に振舞っていたのだろう。しかしもう彼女は限界だった。次々とチンポ出した中学生がロッカーから飛び出してくるのだ。その数チンコ7個。しかも触ってもらえると勘違いしている彼らは半笑いなのだ。もう彼女は泣きそうだった。

よくもまあここまで欲望に忠実に生きれるものだ。僕は自分の身を危険に晒しながら性欲に忠実に行動することはできなかった。あまりに赤裸々な彼らを羨ましいと思った。

先生はさすがに耐え切れなかったようで、事切れたかのように泣き出した。そして大騒ぎしだしたのだ。もちろん、それを聞きつけて体育教師(筋肉バカ)が駆けつけ、更衣室はちょっとした騒ぎになった。野次馬も大量に流入してきた。僕は捕まった7人の童貞たちに注目が注がれている隙にロッカーからこっそり抜け出し、あたかも今駆けつけたかのように野次馬に混じった。

捕まった7人の童貞たちは、体育教師(筋肉バカ)によって頭の形が変わるぐらい殴られていた。なんか彼も今日は張り切っていた。きっと彼も女教師に惚れていて、怒りと羨ましいという感情から殴る拳にも力が入っていたのかもしれない。

その数日後、彼女は大学に帰っていった。

僕達の書いた寄せ書きと花束を持って泣きながらお別れ会をした。彼女は「本当の教師になってこの学校に帰ってきます。」と言っていたが、あんな事件があってもなお教師になりたいと思う彼女を凄いと思った。

彼女がいなくなり、捕まったKを含む覗き魔たちがクラスの女子から変態と嫌われる以外はいつもの日常が戻った。彼女に出会う前の変わらぬ日常であるのに、今ではなぜか寂しい。きっとそれは初めて感じる「失恋」というものかもしれない。僕は言い知れぬ虚無感と心に穴が開いたような感覚に襲われた。初めて感じる変な感情だった。

夕焼け落ちるグラウンドを見て涙が出てきた。

きっと本当に先生のことが好きだったんだろう。叶わなかった僕のホントの初恋。こんなことなら僕もチンコ出して触ってもらえばよかったと今でも後悔している。

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といったところで今日はお開き。明日はシリアス日記特集。もしくは合コン日記特集です。

そういや200万ヒットしてました。ありがとうございます。しっかし、こんな状態でいいんかいな・・・。


 

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