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障害者郵便の悪用が摘発された。この事件がどういうものかは、ニュースを読めばわかるから、そちらを参照。(ここでは説明しない。)
さて。このニュースを読むと、「悪いやつがいるものだ」と人々は思うだろう。だが、それと同様のことをやるのが、「太陽光発電への補助金」だ。
この両者はどちらも、善意のフリをして、国民の金を盗み取る。
対比すると、次の通り。
\ | 障害者郵便 | 太陽光発電の補助金 |
利益 | 郵便料金の割引 | その補助金 |
享受者 | 郵便利用社・媒介社 | 補助金をもらう人 |
原資 | 郵政公社の金 | 国民の税金 |
損する人 | 国民全体 | 国民全体 |
名目 | 障害者のため | エコのため |
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つまり、こうだ。
「障害者のため」「エコのため」という善意を標榜する。(そこは間違いではない。どちらも少しだけ、「障害者のため」「エコのため」になる。)
その善意を名分として、自分が多大な金をいただく。
その金の原資は、国民全体にツケ回しする。
これを一言で言えば、
「善意を名分として、国全体の利益を盗むこと」
である。善意を標榜する詐欺と同じだ。
自分は良いことをしているというつもりなる。しかし実際にやっていることは、制度や補助金を利用して、まんまと利益をちょうだいすることだ。しかも、その利益は、自分が生み出した利益ではなく、国民全体の利益を奪うことによって得る。
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参考で述べよう。
これに似た詐欺として、「エコキャップ」という詐欺がある。これもまた、「自分は善人だ」というフリをして、人々の金をだます。ただし、こちらは、桁が小さい。損をする人は、だまされた馬鹿な人だけだ。詐欺の規模も小さい。せいぜい数千万円ぐらいで、1億円にはなるまい。たぶん。(ま、どうでもいいが。)
一方、障害者郵便や、太陽光発電の補助金では、国民全体の金を盗む。その規模も、数十億円とか数百億円とか数千億円の規模になる。それほど巨額な詐欺なのだ。(世界中で言えば、兆円規模になる。)
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結論。
障害者郵便制度の悪用と、太陽光発電の補助金は、同様だ。いずれも、善意のフリをして、国民全体の金を奪う。ともに詐欺同然。
ただし、普通の詐欺と違うのは、なかなかバレないことだ。百人の被害者をだませば詐欺だが、国民全体をだませば詐欺にならない。被害者がだまされっぱなしならば、被害者が自覚しないので、被害が出たことにならない。(というか、気づかない。)
こうして、この世では、詐欺が堂々と出回る。そして、そのあげく、人々は「補助金をもらえた」と喜びながら、自分たちの財布から払った血税をどんどん奪われる。あげく、医療費を削減されたり、福祉を削減されたりして、いつのまにか富を奪われていく。
エコ詐欺。
【 関連項目 】
→ 善と偽善 (省エネをめぐる善と偽善)
※ 基本原理を述べる。善をなすとき、その費用を誰が負担するか。
他人の費用で善をなして、「自分が善をなしました」という
フリをするのは、善ではなく、偽善である。(独善。)
(例) 太郎が貧者に金を恵むとき、金持ちの金を勝手に盗む。
ネズミ小僧ふうの善行。(その陰で自分が利益を得る。)