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「画像伝送システム」で救命率向上へ―消防庁

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 総務省消防庁の「救急業務におけるICT(情報通信技術)の活用に関する検討会」(座長=稲葉英夫金沢大医学部附属病院救急部・集中治療部部長)は4月14日、救急搬送中の傷病者の心電図の波形や、カメラで撮影される傷病者の身体徴候を、搬送先医療機関の担当医の携帯電話画面上に表示する「画像伝送システム」を利用することで、救急業務における情報伝達の正確性に効果があるとする報告をまとめた。また報告では、「救急搬送および救急医療の迅速化と質向上が図られ、結果的に救命率向上につながるものと推測される」としている。

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 現在、救急現場にいる救急隊と医療機関の間の情報伝達は主に音声によることが多く、傷病者の負傷状況やバイタルサイン情報などの正確な伝達が困難な場合がある。また救急隊員が医師の指示、指導、助言を受ける場合も、医師が傷病者の状態、救急隊員の行う応急処置内容などを把握しづらい場合がある。

 検討会では、こうした状況を改善するために、救急隊と医療機関の情報伝達手段として「画像伝送システム」を補助的に活用する実証検証を行った。
 検証は、2008年11月1日−09年1月15日、石川県内の5消防本部が管轄する地域で、6台の救急車と4医療機関を対象に行われた。
 救急搬送中の心肺機能停止状態(CPA)、脳疾患、心疾患および重症外傷などの傷病者に救急救命処置を行う場合、医師が携帯電話の映像を見ながら容体などをリアルタイムに把握して行う指示、指導、助言などに関して、効果を検証した。
 検討会では検証の結果、「傷病者に対し適切な処置を医師の指示、指導、助言の下に迅速に実施できていること、また医療機関と消防機関との情報共有により、迅速な傷病者の受け入れ準備が図られていることなど、システム導入による効果が確認されている。これらにより、救急搬送および救急医療の迅速化と質向上が図られるものであり、結果的には救命率向上につながるものと推測される」とした。

 今後の課題としては、▽画像品質の向上▽安定した回線の確保▽医師との連携強化▽セキュリティー保護に対する対応▽個人情報保護に対する対応−が挙げられている。
 消防庁では、画像伝送システムの有効性・効果の向上を図るため、画像品質の向上などについて、引き続き検討を進めるとしている。

【画像伝送システム】
 ベッドサイドモニターに表示された心電図の波形や、救急車内のカメラで撮影された傷病者の身体徴候を、画像伝送装置で搬送先医療機関の担当医の携帯電話画面上に表示するシステム。カメラで撮影された動画像と、ベッドサイドモニターの映像出力端子からダウンコンバーターで変換された情報は、画像伝送装置に入力される。画像伝送装置にはデジタル携帯電話が搭載されており、医師が通信機器の端末番号に発信することで画像伝送装置に着信し、アクセス認証が許可されると、出力された生体データおよび画像を携帯電話の画面上で確認できる仕組み。医師は受信情報を基に、救急隊などへの指示、指導、助言を行う。


更新:2009/04/17 22:46   キャリアブレイン

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