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顧客情報流出、80社に拡大 三菱UFJ証券、補償検討

2009年4月17日21時27分

写真:会見冒頭で頭を下げ謝罪する秋草史幸社長(左)ら=17日午後、東京都中央区、杉本康弘撮影会見冒頭で頭を下げ謝罪する秋草史幸社長(左)ら=17日午後、東京都中央区、杉本康弘撮影

 三菱UFJ証券の元部長代理が約5万人分の顧客情報を名簿業者に売っていた問題で、情報流出先が80社に及ぶことが明らかになった。顧客から7千件以上の苦情や問い合わせが殺到。情報を買ったとみられる業者から1日20回も勧誘電話がかかるような例もあり、三菱UFJでは金銭的な補償も検討するという。

 秋草史幸社長が17日、問題発覚後初めて記者会見した。情報の流出先は、元部長代理=事件発覚後に懲戒解雇=が直接売った名簿業者3社に加え、名簿業者から買った企業が14社、名簿業者から少人数分の見本提供を受けた企業が15社判明。さらに、顧客への勧誘電話の状況などからみて、情報を入手していると思われる企業が48社あるという。

 8日に情報流出を発表した時点では、名簿3社、転売先13社が判明し、さらに10社余りに流出している可能性があるとしていた。

 流出先の大半はマンションへの投資や先物商品取引の勧誘業者だ。三菱UFJは、「警告書」を送って情報を使った勧誘の中止と勧誘リストからの削除を求めているが、同意したのはまだ14社だけ。正式にデータ削除の確認書まで作った業者はゼロといい、収拾のメドはたっていない。

 三菱UFJへの苦情・問い合わせは16日までの1週間で7492件。秋草社長は会見で「(迷惑電話の)防止装置をつけた方もいる。事実が確定できた時点で、被害の度合いに応じて適切な対応をしたい」と発言。流出情報の買い取りも「検討せざるを得ない」と述べた。

 自身の経営責任については「事実の解明が先で、信頼回復に心血を注ぐことが最大の任務と考えている」と述べただけだった。ただ、今回の事態を受け、生損保など約30社が三菱UFJ証券との取引を停止。個人客が離れる動きもあり、「業績が大きな打撃を受けることは間違いない」(秋草社長)という。

 金融庁は、流出の規模に加え、顧客への情報提供や被害の防止策が十分だったかどうかを重視。重大な問題が判明すれば厳しい行政処分を出す方針だ。

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