のりこ基金立ち上げとご支援のお願い

2009-03-12 19:46:20 | 弁護士から
1 本日カルデロン一家の父アランと母サラが東京入国管理局に出頭しました。


2 本日の手続において法務省入国管理局による強制退去が一層現実的なものとなってきたと判断せざるを得ない状況になりました。

3 カルデロン一家は最後まで法務大臣に対して一家全員に対する在留特別許可をお願いしたいと考えています。この決断に現在も変更はありません。法務大臣にはぜひとも再考をお願いしたいと考えています。


4 この間,非常に多くの方から“(のりこの)里親になってもいい”,“支援をしたい”というありがたい申入れをいただきました。ただ,この間家族としては家族3名全員での在留を希望している家族としてはこれまで,お申入れに対して正面からお答えすることができませんでした。これまでのお申入れに心からの感謝を申し上げます。


5 ただ,現時点においてこのような状況を迎え,のり子の今後の日本での生活を支えるための経済的な基盤が必要になることは明らかです。
そこで,のり子の「就学費と生活費の援助」と,「のり子の本邦においての生活を援助」を目的としてのりこ基金を立ち上げます。

今後,ご支援は下記基金宛にお送りいただきますようにお願いを申し上げます。皆さんからの支援によって,のり子の日本での継続的な就学・生活を支え,ひいては家族を支援したいと考えます。

 心から,皆さんからの支援をお願いいたします。よろしくお願いします。


<のりこ基金>(ゆうちょ銀行) 

ゆうちょ銀行からお振込みの場合:10070 31787101 ノリコキキン
その他銀行からお振込みの場合:
   店名:00八(ゼロゼロハチ)店番:008
   口座番号:普通3178710
   口座名義:のりこ基金(ノリコキキン)


以上


2009年3月9日
弁護士渡辺彰悟

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ノリコの意思の尊重を!

2009-03-11 11:14:23 | 弁護士から
今般,人権理事会の特別報告者から日本政府に寄せられた照会の内容は下記のようなものであることが明確になりました。



 【ノリコ・カルデロンに関する照会

1 上記要約に主張されている事実は,正確か

2 カルデロン・ノリコ本人もしくは代理人から不服は申立てられたか?もしそうなら,本件に関して行われたと思われる何らかの調査,及び司法もしくはその他の審理の詳細を,そして可能であればその結果を教示されたい。もし審理が行われなかったならば,もしくは審理の結論が出ていないなら,その理由を説明されたい。

3 カルデロン・ノリコの教育の権利は貴政府によりどのように保障されているのか,情報を提供されたい。

4 (日本)政府は,子どもの最善の利益という法的原則の実施,ひいては少女カルデロン・ノリコが家族とともに過ごせ,学校に通い続け同世代の子ども達と社会的関係を発展させ,さらに彼女の両親の(入管法上の違法な)状態に基づいた差別から保護されるため,何らかの方策を講じたか。それらの方策の実施につき,詳細及び可能であればその結果を教示されたい。もし何の方策も採られていないなら,その理由を説明されたい。

5 日本で外国人の両親から生まれた子どもを保護するための法的枠組みにつき,情報を提供されたい。子どもの両親の入管法上の(違法な)状態を理由に適用可能な法律の違いが生じる場合は,その違いに言及されたい。】



 日本政府は,これらの照会に対して現在回答を準備している段階です。


 その回答をする段階である現在の時点で,入管はこの家族を丸ごと収容し退去しようとしているということです。



 この質問に示されている内容から,特別報告者の基本的な見解を読み取ることができます。つまり,この子どもに対して,「教育の権利が与えられなければならないこと」「ノリコが家族とともに過ごし,学校に通い続け同世代の子ども達と社会的関係を発展させることが,子どもの最善の利益にかなうこと」,さらに「両親の入管法上の違法な状態に基づいた差別から子どもは保護される必要があること」が示されています。


 今回の日本政府・入管がとろうとしている手続はこの見解に比べて異質のものとなっていることは明白です。両親の帰国意思の明示的な表明がなければノリコを保護しないと言っています。それは「両親の入管法上の違法な状態に基づいた差別から子どもは保護」されなければならないとする立場とは対極にあります。両親が自ら帰国する意思を明示しない限りノリコも収容・送還しようというのですから,それは教育の権利を奪い,同世代の子ども達と社会的関係を発展させようとする子どもの最善の利益を真っ向から否定するものです。

 しかも,今回私が最大の問題と考えるのは,ノリコの保護を両親の意思に従属させようとしていることです。子どもの権利条約12条1項には「締約国は、自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する」とあります。ノリコは自らの意思によって,どんなことがあっても日本に過ごしたい希望しています。そしてそのことは入管にも伝えています。法務大臣はノリコの在留を認めることはできるとしました。そのことを認めておきながら,その在留保護を両親の意思に従属させようとするのは矛盾です。




 これまで,家族は3人での在留を求めてきましたし,その考えは本日までのところ変化はありません。ただ,どんな形になっても,ノリコは残したいというのも両親の気持ちであり,ノリコの意思でもあります。

 このノリコの意思を尊重する手続のとられることをこころから願っています。


以上


2009年3月11日
弁護士 渡辺彰悟
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3月9日の出頭の前に

2009-03-06 09:30:20 | 弁護士から
3月9日の出頭日が迫っています。


前回仮放免の延長が9日まで認められた際に,今回の延長が基本的に最後であると入管で告知されています。次回の出頭の際に帰国日を決めるなり,入管の提示した二つの道のいずれかを選択しなければ収容という事態が現実的なものとなってきています。


この間,家族と話してきました。ノリコちゃんが今後とも日本において教育を受けたいという気持ちは強く,ノリコちゃんが帰国するという選択はありません。では両親は帰国するという選択は?といえば,それも家族において選択するということはできませんでした。両親にとっては,13歳の自分の子どもを自分たちの意思で日本に置いて帰国するという選択はできないのです。

この間,報道でも流れたように,国連の人権理事会の特別報告者が日本政府に対してカルデロン一家の問題について,その処分に関する説明を求めています。2月19日と聞いています。そこから30日以内に日本政府が回答をすることになっています。国際機関が関心を示し,条約の履行として問題があるとした案件について収容や退去を強行する姿勢を入国管理局が示していることに非常に驚きます。

この一週間,この問題に関心をもっていただいた多くの国会議員の方々や,NGOによって法務省・外務省に問題意識が伝えられましたが,3月9日に向けての姿勢は非常に厳しいとみられます。


法務大臣は子どもの在留を認めるとしました。その決断をしながら,なぜ両親を切り離そうとするのか私には理解できません。親子の分離を強制することは家族の保護をうたった自由権規約に反する結果となります。
そして何よりも私は子どもに対してそのような日本の姿勢を示すことが残念です。

ノリコちゃんの所属する音楽クラブでアンジェラアキさんの「手紙〜拝啓 十五の君へ」が歌われています。その中に「今 負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は 誰の言葉を信じて歩けばいいの?」というフレーズがあります。いろいろなことに自ら葛藤し乗り越えていく自然な成長の中でも,このフレーズは多くの中学生・高校生の心を捉えていると思います。しかしノリコちゃんは,国家という力によってこのフレーズの状態に置かれています。なぜ,13歳の彼女に日本という国はその状況を迫るのか。この子の平穏な成長のために,周りの大人たちの言葉を信じて一歩一歩前に進むことができるように受け止めてあげるのが日本という国の度量であってほしいと私は願います。

先日,イスラエルに文学賞受賞のために行った村上春樹氏は,講演の中で「私たちはそれぞれが多かれ少なかれ卵なのです。世界でたった一つしかない、掛け替えのない魂が、壊れやすい殻に入っている−−それが私たちなのです。私もそうだし、皆さんも同じでしょう」(毎日新聞社Webサイトからの引用)と語っています。そして、講演の最後に伝えたいのはたった一つであるとして「私たちは皆、国籍や人種や宗教を超えて人間であり、体制という名の頑丈な壁と向き合う壊れやすい卵だということです。どう見ても、私たちに勝ち目はなさそうです。壁はあまりにも高く、強く、冷酷です。もし勝つ希望がわずかでもあるとすれば、私たち自身の魂も他の人の魂も、それぞれに独自性があり、掛け替えのないものなのだと信じること、魂が触れ合うことで得られる温かさを心から信じることから見つけねばなりません」(同)と述べています。

法務省・入管は強い力を持って彼ら家族を引き離そうとしています。村上氏が語っているとおり,その力に抗するには,私たちがこの家族3つの「卵」を掛け替えのない魂を持つものとして尊重し,そして,ことのほか,ノリコちゃんというもっともやわらかく壊れやすい殻をもった子どもの「卵」を守る決断をすることだと私は思います。このやわらかな卵を守るために両親の存在が必要であることははっきりしています。同時に,たとえ彼らが不法入国という形態で入国した人たちであっても,その独自性があることを認めることも必要だと私は思います。
彼らを日本で保護することで,私たちも自分たちの独自性を確認していくことができる,一人ひとりを掛け替えのない個として認め合うことができるのだと思っています。そして,それは,何よりも子どもに優しい社会でもあると信じます。


皆さんの支援を最後まで心からお願いしたいと思います。


以上


弁護士 渡 邉 彰 悟
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Amnesty International(アムネスティインターナショナル)からの要望

2009-03-05 11:31:59 | 一家プロフィール
Amnesty Internationalとは:

アムネスティは、人権侵害に対する調査と、独立した政策提言と、ボランティアによる市民の力に基づいて活動する国際的な人権団体です。すべての人が「世界人権宣言」や、国際法に定められた人権を享受できる世界の実現をめざしています。
(アムネスティ・インターナショナル・日本ホームページより)

国際的人権団体で、国連との協議資格を有するアムネスティが、今回のカルデロンさん一家の件につき、以下のような声明を公表しています。


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『日本 : フィリピン人夫妻の退去強制は人権侵害』


アムネスティは本日、日本政府に対して、アラン・カルデロンとサラ・カルデロンの夫妻が、13歳になる娘ノリコ・カルデロンと共に日本に残れるよう、2人に対する退去強制手続きを停止するよう求めた。

ノリコ・カルデロンは、日本で生まれ日本語しか話せない。彼女は法務省から、両親と共にフィリピンに帰るか、日本に残るために在留特別許可を申請するかのどちらかを選択しなければならない、と命じられた。しかし、政府は両親に対して、彼らが非正規滞在であることを理由に退去強制を行おうとしている。ノリコは、日本に残りたいという意思を公式に表明している。

「日本は、あらゆる政策において、子どもの利益を最優先に考慮する国際的な義務を遵守しなければならない。ノリコの両親に対する退去強制は、明らかに彼女の最善の利益に反するものである」と、アムネスティのアジア太平洋部副部長ロジーン・ライフは述べた。

日本も締約国である子どもの権利条約では、第9条において「締約国は、子どもがその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する。ただし、権限のある当局が司法の審査に従うことを条件として適用のある法律及び手続に従いその分離が子どもの最善の利益のために必要であると決定する場合は、この限りでない」と規定している。

日本は、同規定について、出入国管理法に基づく退去強制の結果として子どもが父母から分離される場合に適用されるものではない、との解釈宣言を行い、この義務を免れようとしている。

アムネスティは、この解釈は受け入れられないものであると考える。「子どもの利益を最優先とする原則は、子どもの権利条約の中核であり、絶対に拒否できないものである。私たちは日本に対し、国際的な義務に従い、人間としての良識と基本的な人道の観点に基づき、この家族が一緒に日本で暮らすことを認めるよう要求する」と、ロジーン・ライフは述べた。

背景:
子どもの権利委員会は、2004年に発表した日本に対する最終所見の中で、「国内法制度が条約の原則及び規定を十分に反映していないこと」について懸念を表明し、日本の法制度が移住労働者の子どもを差別していると指摘した。

*この件に関するアムネスティ日本支部の声明(2009年2月27日付)はこちらからご覧いただけます。

アムネスティ発表国際ニュース
AI Index:ASA 22/004/2009
2009年3月5日
******************************



また、アムネスティ・インターナショナル日本支部からも以下のような要請書が森英介法務大臣に提出されています。




******************************
『日本支部声明 : 森英介法務大臣への公開書簡』

アムネスティ・インターナショナル日本は、在留資格のない子どもとその家族に対する退去強制に関して、2月27日付けで以下の書簡を森英介法務大臣に送付しました。

法務大臣 森 英介 殿

拝啓 貴下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府に対し、在留資格のない子どもとその家族に対する退去強制に関して、国連子どもの権利条約に対して政府が行った解釈宣言を速やかに撤回し、関連する国際人権基準を遵守するよう要請いたします。

2月27日、東京入国管理局は、フィリピン国籍のカルデロンさん一家に対して、一家で帰国するか、娘のカルデロン・のり子さんだけが日本に残るのかを3月9日までに決めなければ、3人を入管施設に収容して退去強制手続きに入ると通達したと伺っております。

これまで、日本の教育機関で学んでいた多くの子どもたちが在留資格を問われ、退去強制処分を受けてきました。今回のカルデロンさん一家のケースのように、父母との分離を要求される事例も繰り返されております。このような状況は、日本政府が批准している国際人権基準に明白に違反するものであります。

特に「子どもの権利に関する条約」では、「子どもに関するすべての措置をとるに当たっては子どもの最善の利益が主として考慮される」(3条1項)、および「子どもがその父母の意思に反してその父母から分離されないことを確保する」(9条1項)等の義務を締約国に課しております。

日本政府は9条1項について、「出入国管理法に基づく退去強制の結果として児童が父母から分離される場合に適用されるものではない」との解釈を宣言しています。しかし、このような解釈は、「子どもの利益の優先」を規定する同条約の趣旨と両立しえないものであり、今回の事案のような、就学中の子どもに対する退去強制や父母からの分離を正当化することはできません。

そもそも、日本政府の解釈宣言については、国連子どもの権利委員会が、1998年および2004年の日本政府報告書審査の際に発表した最終所見の中で、二度にわたってその撤回を日本政府に明確に求めております。

アムネスティ日本は、日本政府が子どもの権利委員会の勧告を受け入れ、速やかにこの解釈宣言を撤回すること、そして出入国管理における在留資格の認定や退去強制手続きにあたって、子どもの権利条約に明記された義務を誠実に遵守するよう要請いたします。今回の事案に関しましても、これらの点を踏まえ、子どもの権利を最優先に考えた対応を取られるよう、謹んで要請いたします。

敬具

2009年2月27日

社団法人アムネスティ・インターナショナル日本
事務局長 寺中 誠

*****************************

**内は、アムネスティインターナショナル日本ホームページより抜粋しました。
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2月13日のご報告

2009-02-20 13:53:44 | 活動
2月13日に、一家は再び仮放免の手続のため、東京入国管理局へ出頭しました。

その際に、2,212人分の署名を追加提出し、
署名の総計は、18,405名の署名を提出しております。

その際、一家に与えられた答えは、

フィリピンへ3人揃って帰国か

または、

のり子さんのみ残って勉強を続けさせてあげるか

のどちらかの選択をしなさいというものでした。


ご両親としても、13歳の娘を一人残していくことは考えられず、
のり子さんとしても、今、親と離れ、一人日本に残ることは
考えられない―考えたくない選択です。

13日以降も、のり子さんご家族が3人が日本に残れるよう、
家族離散という結果に終わらないよう、何とかならないものかと
たくさんの署名をいただいており、
その数は一週間で502名となりました。
また、数々の励ましやご意見のメッセージをいただいております。
大変ありがとうございます。

ご家族も、最後の最後まで家族が3人揃って日本に残れるよう、
のり子さんが安心して今までの環境で勉強を続けられるよう努力していきたい
気持ちには変わりがありません。


なお、署名活動は、継続して行なっております。

今一度のご協力を何卒よろしくお願いいたします。

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法務省へ嘆願書・追加分7,422名分を提出いたしました!

2009-01-09 11:42:42 | 活動
署名のご協力をありがとうございます。

2009年1月7日に、カルデロンさんご一家は、集まった署名を再度法務省へ提出いたしました。
昨年11月27日に提出して以来、皆様のご協力のおかげで、約1ヶ月半の間に7,422名分ものご署名をいただきました。

重ねて御礼申し上げます。

法務省では、入国管理局総務課の方がご対応くださり、皆様の嘆願書を提出いたしました。再びのり子ちゃんとご両親の思い、また、嘆願書の数が衰えることなく伸び続けていること、それだけ多くの方がのり子ちゃん家族を応援してくださっているということをお伝えいたしました。

一家は、来週の14日に東京入国管理局へ仮放免の手続のため、出頭いたします。
今後も、在留特別許可の判断がなされるまで、署名活動を続けてまいりますので、ご協力よろしくお願いいたします。



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署名活動継続のお知らせ

2009-01-06 16:09:33 | 活動
署名活動は、1月14日の出頭以降も、結果が出るまで継続して行います。ご協力の程よろしくお願い申し上げます。
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ノリコちゃんの家族の保護のために

2009-01-06 15:54:53 | 弁護士から
                   2009年1月6日 弁護士 渡辺彰悟
 

1 不法入国の背景
 
この間,この問題を訴える中で,ノリコちゃんは日本で教育を受けてもらいたいけれども,両親は不法入国者であって,これは帰国してもらうしかないという意見も聞きました。
その中で,率直に不法入国をした経緯・背景も問われることがありました。

 私からフィリピンの状況に詳しい人に問い合わせたところ,以下の様な回答を得ました。
 
************************************************************
 フィリピンは発展途上国といわれるように,貧しい国の一つに位置づけられています。

失業率が約10%と高く,また貧困率(Poverty Incidence)も28.4%(2000年,フィリピン政府発表。

但し,都市部では15%である一方,農村部では41.4%)と高いフィリピンは,マルコス時代からの国策で海外出稼ぎを積極的に奨励してきました。

フィリピン人にとっての出稼ぎはいわゆる日常化しており,出稼ぎ者からの外貨送金で国に残る家族や親戚たちの生活が支えられているのが現状です。

例えば,2003年には海外送金の規模は76億4000万ドルと過去最高になり,この額はGDP(国内総生産)の約1割に相当します。

いわば,フィリピン人にとって貧困から脱却するための方法の一つが海外出稼ぎであるといえます。


出稼ぎ者の中には,
1) 出稼ぎ国で市民権を得て家族などを呼び寄せ,完全に移住しているもの,
2) 雇用契約期間があり,契約期間終了とともに帰国することを繰り返すもの,
3) 正規の手続きを経ず出稼ぎ国に入国するもの,
がいるのだと思われます。


 日本に出稼ぎのために入国するものの多くは,
2)または3)の手続きを経て日本へ入国しています。
2)または3)の手続きを経る者たちは,エイジェンシーやブローカーなどを通じた代理申請によって査証を得て入国するケースが多く,個人での査証申請によって就労可能な査証を得ることはあまりないように思います。


 なぜ,個人での正規の申請を経て入国することができないのか。

 短期滞在(観光や親族訪問)であれば,日本からの身元保証人などがいる場合,個人申請でも入国することは可能です。ただ,個人が就労可能な長期の在留資格を得て入国することは,非常に困難なことです。それは第一に,出稼ぎ国の会社や雇用先からの正規の招聘状などが必要であり,そうしたことが可能なのは,優秀な技能や技術を持つ一部のエリートたちに限られます。

 多くの一般市民は大学を卒業してもコネなどがなければよい仕事をみつけることができません。1980年代から増加してきた日本への興行ビザでのフィリピン人女性の入国は,決して個人申請ではなく,リクルーターやエイジェンシー,ブローカーやプロモータなど,彼女たちの出稼ぎを利用しお金をもうける仲介業者の存在があります。その仲介業者の中には,悪徳業者もあり,やくざなどの暴力団関係の業者も少なくありません。

 他方,海外へ出稼ぎに行く人たちがリクルーターやブローカの悪質性まで判断することは非常に困難です。彼女たちはリクルーター,エイジェンシーまたは,知り合いの親戚や友人などを通じて,日本への出稼ぎを勧められますが,その時点で正規の手続きではないとはまったく知らされません。誘いを受けた多くの女性たちは貧しい家族を支えるため出稼ぎを決心します。リクルーターやエイジェンシーは彼女たちに対して,まとまったお金を払う必要はなく,日本で働いた中からその費用は払えることや,引いたとしても彼女たちのお給料は3ヶ月で500ドルはもらえることなどの話を持ちかけます。

 500ドルという金額が日本で3ヶ月働いていかに低賃金だったとしても,彼女たちがフィリピンでどんなに働いてもこれだけの金額はもらえないので,彼女たちにとってはとてもいい話です。興行ビザでの日本への入国前に彼女たちは一定の期間,歌や踊りのレッスンを行いプロとしての意識を培います。いつ来日するのかは,エイジェンシーやプロモータ任せです。パスポートの申請も査証申請も同じようにエイジェンシーやプロモータに任せます。


次に,彼女たちの違法性に関しての認識について感じたことを述べます。


ほとんどのケースで,フィリピンを経つ日または直前にブローカーなどから本人のパスポートを渡され,その時点で,自分の名前が違うことや生年月日が違うことなどに気づきます。
しかし,たとえその時点で苦情を言っても,同じように名前や生年月日の違う旅券を渡された仲間たちと一緒がいること,ブローカーからは「契約期限内に戻ってくるのだからまったく問題ない」などと説明を受け,また,親戚家族からは日本行きを歓迎され送迎会まで開いて送り出してくれたために今更キャンセルはできないこと,ブローカーにお願いしたことによる借金の返済の困難性,など諸々のことを瞬時にして考え,日本へ行くことを決心します。この瞬時に「偽名での入国が日本の法律を犯すことになる=犯罪」ということについてどれだけの人が深刻なことだと判断できるでしょうか。ほとんどいないと思われます。

 ほとんどのケースで日本へ着くと空港でブローカーなどからパスポートを取り上げられています。基本的にパスポートという自分のIDはその本人が携帯する義務があること,それを取り上げられることが違法なのだと判断できる人,さらに,それに対して抗議できた人もほとんどいないと思われます。なぜなら,本人たちはブローカーなどにその身分も存在も束縛されている状態のために彼らの指示に従わないことは許されないからです。

 また2度3度偽名のパスポートで入国し,日本で働きお金を稼ぎフィリピンへ帰国した経験を持つものは,違法性への認識が薄れ,ブローカーなどに任せておけば,偽名のパスポートを使っても日本で捕まることはないから大丈夫だと安易に考え,不法入国を繰り返すものもいます。

 もちろん,彼女たちの中には日本で束縛されながら働く中で,ブローカーの話が聞かされていた事実とは異なることが徐々に分かってきて,勇気を持って逃げ出すものもいます。
たとえば,
1)仕事の内容が違う(歌や踊りだけでなく買春や裸になることを強要された),
2)給料の未払い,
3)雇用主からの暴力(性的暴力を含む)などが多くの原因です。


 しかしながら,逃げ出した彼女たちはその後,日本にいる友人や親戚,恋人を頼っての暮らしが始まりますが,自分のパスポートを持っておらず,在留期限がいつなのかさえ分からないものもおり,多くのものは在留期限を越えて日本で働き続けることを決心します。送り出してくれた家族や親戚のこと,貧しい家族のこと,帰国しても仕事がないこと,などを考えると,ある程度まとまったお金を稼がずに帰国することはできません。そして,多くのものが,オーバーステイであることや不法入国した事実を認識をしていますが,「捕まるまで働き続けよう」と決心するのです。

 彼女たちの不法入国に至った原因が,不法入国と知りながら来日を決心した彼女たちにまったくないとはいえませんが,その背景には,彼女たち(弱い立場)の無知や貧困を利用した「業者」の存在があり,さらには,日本という先進国が「興行」という査証を利用して彼女たちの労働力を大量に受け入れたという事実があります。ゆえに,その違法性を一人ひとりの個人に押し付ける前に,違法へ至った個人の経緯や背景だけでなく,違法性へのアクセスが非常に容易な社会的要因や背景,さらにはフィリピンという国家の社会・経済的要因,また日本の国の海外出稼ぎ労働力受け入れ事情も十分に考慮に入れる必要があると考えます。

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さらに,父親,つまり男性についていえば,女性との最大な相違は,合法的に入国する手段がほとんどなかった,という点を指摘されました。つまり『日本では単純労働は認められていませんが,そうしたことを知識としてしっかり理解している男性たちはどれほどいたのか。そもそも,ブローカーは貧しくて海外出稼ぎに行きたい彼らの弱みを利用して,「任せておけばいい。心配するな。仕事はたくさんある,問題ない」と言って不法性にはまったく触れずに彼らを誘引し日本に連れてくる』ということです。

適法な手続によらず入国するに至った個人の経緯や背景だけでなく,そうしたことが容易に行われている社会的要因や背景,さらにはフィリピンという国家の社会・経済的要因,また日本の国の海外出稼ぎ労働力受け入れ事情も十分に考慮に入れる必要があるということも,彼らの問題を考察する際に考えるべき事情として入れてよいのではないかということです。
 
 そして,この外国人労働が日本において果たしてきた役割も正確に見る必要があると思います。
 私は,不法入国を問題にする必要がないとは言いません。しかし,本件を処理する際に,過去の個人の力ではどうにもならない事象を,その個人の責任に負わせようとすることによって,その以後のすべての状況を斟酌せず非人道的な結果を導くことはしたくないのです。不法入国をしたことの一事で,日本で生まれ育った中学生にもなるノリコちゃんの最善の利益を脅かし,そして一生懸命日本社会に溶け込んできたこの家族を見捨てる日本社会であってほしくないのです。



2 お願い


 再び,仮放免の出頭日が14日に迫ってきました。

 署名は継続され,前回と同数程度の署名が集まっていますし,現在も署名に関する問い合わせは続いています。


暉峻淑子著書の「豊かさの条件」(岩波新書)には次のような記述があります。
1997年8月6日,福岡県の小学校2年生の女の子が登校途中に行方不明になったときに,夜になっても行方のわからないその子を心配して同じ学校の父母や地域の人たち1000人余りが懐中電灯をもって学校の校庭いっぱいに集まり手分けして夜中遅くまで探したという話です。

「懐中電灯の光がゆらゆらと,まるで海のようにはるか彼方までひろがり,子どもを探してくれたその光景を,両親は,娘が他殺死体で見つかったあとも思い出しては,なぜか心が支えられたという。悲しみのどん底にあるとき,多くの人がその悲しみを共有してくれたことが,その後の人生を支えてくれたと,母親はのちのちまで語っている」(同書125頁)。

私はこの文章を以前キンマウンラ家族の保護を訴えるときに使いました。
今回もまったく同じ感覚を持ちます。
皆さんの署名のひとつひとつが,メッセージのひとつひとつが,ノリコちゃんとこの家族にとって懐中電灯の光なのだと思います。
この光はノリコちゃん家族を支えているし,そしてなによりも一番ノリコちゃんの心の傷を癒していると思います。

もっともっと署名だけではなく支援を広げることでこの懐中電灯の光を増やしたい。懐中電灯の光が増えることによって,法務大臣の心も溶かすことができると思うのです。皆さんの協力が必要です。

よろしくお願いします。

以上
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カルデロン一家への支援のお願い

2008-12-02 10:11:28 | 弁護士から
私は,この事件を担当してきた代理人として,この事件についての私なりの考え方を述べておきたいと思います。そして,皆様からの心からの支援をいただきたいとお願いをする次第です。(今回のこの取組みに対する消極的なご意見に対してもお答えをしたいと思い書いたものです。)


1 現在の状況


行政及び司法の判断はカルデロン家族に対して退去を命じています。
しかし,私は,この家族の中の特に子どもについて,子どもの権利条約3条の「最善の利益」に照らして,日本での教育の継続こそが必要であると考えてきましたし,その考えは現在も変わりません。
この主張が認められなかったことはそのとおりですし,彼ら家族に対する退去強制令書の効力を争う手段は存在しないことも事実です。

だからこそこの段階でお願いをしているのは,「法務大臣の裁量に基づく在留特別許可の付与」ということになります。


2 「法治主義」という言葉について

日本は「法治主義」国家なんだから帰ってもらうしかない,ということがよく言われます。

ただ,ここに言われる「法治」が,「法律」による支配のみを意味しているとすれば,その主張に対しては,日本における「法治」はあくまで,憲法・条約を含めた「法」によるものであることを私は訴えたいと思っています。だからこの家族のことを考えるときに,子どもの権利条約が定めている子ども権利に対する最大限の考慮が必要であるにもかかわらず,その考慮が充分になされた処分・判断であるのかとの疑問があります。

今回のケースを考えるときに,参考になる前例があります。
 
皆さんもご承知のキンマウンラ家族,ジラン家族,ムスタファ家族です。
 
これら家族にもすべて退去強制令書発付処分が出されていました。ただ,夫がA国の国籍国,妻子がBという国籍国であるため,退去強制の執行によって家族離散という問題が起きてしまうという事例でした。これら家族もすべて裁判では敗訴していました。これら事件が問題となったとき,今回と同じように法務大臣は「日本は法治主義国家だから,お帰り願うしかない」と当初コメントしていました。しかし,家族離散という状況が世論を動かし,多くの人たちの共感のもとに,最終的に法務大臣の在留特別許可の判断がなされました。

これら事例の結末は,入国管理局と裁判所の判断が国民によって支持されなかった端的な例として考えることができるのではないでしょうか。つまり,これらの事例は,もともと,条約に基づいて保護される「家族の統合」と「子ども最善の利益」の観点から保護されて良かった事案だったのです。ある行政判断の誤りがその後是正され,そしてそれが運用の基準となりうる一つの例であると思います。

また,今回と同様の事案について,これまでの入管と裁判所の判断が絶対的なものではないことは,過去の判決にもみられます。例えば平成15年9月19日の東京地裁判決では「(退去強制は)原告長女のこれまで築き上げてきた人格や価値観等を根底から覆すものというべきであり,それは本人の努力や周囲の協力等のみで克服しきれるものではないことが容易に推認される。…イランに帰国した場合には,在学を維持することにすら相当な困難が伴い,就職等に際しても,日本で培われた価値観がマイナスに作用することが十分に考えられる。・・・原告長女に生じる負担は想像を絶するものであり,これらの事態は,人道に反するものとの評価することも十分に可能である」という判断を下し,行政の判断を取消しました。この地裁判決はその後高裁で覆っていますが,裁判所の判断にも,このように「子どもの最善の利益」を考慮して行政の判断を覆している判決が存在するということであって,今の時点のカルデロン家族に対する行政と裁判所の判断が,長い目でみて絶対とはいえないということなのであります。

さらに,別の同様の事案(摘発時に子ども10歳のフィリピン人家族)において,東京高等裁判所は,行政処分が適法であるとしつつ,「日本での生活が継続するにつれて、国籍国であるフィリピンとの関係が希薄になり、フィリピンにおいて生活することが次第に困難になりつつあること、控訴人(子)の周りの関係者は、同人の希望をかなえてやりたいと強く嘆願していることなどが認められる以上の本件各裁決等の後の控訴人らを巡る事情にかんがみると、・・・控訴人(子)をフィリピンに強制送還することにより、同人に日本で教育を受ける機会を失わせ、将来の夢を断念させるのは見るに忍びないものがある。ついては、出入国管理行政の最高責任者である法務大臣におかれては、控訴人らについて当分の間退去強制令書の執行を停止して仮放免措置を継続した上で、再度の考案として在留特別許可の付与の可否についての恩恵的な措置及び児童の最善の利益の観点から検討されること当裁判所として期待したい」(東京高裁2007年9月27日付判決)と判決中で付言をしたことがあります。そして,入国管理局はこの付言を受け止めて,この家族に在留特別許可を付与しました。

 
3 カルデロン一家の在留を現時点で求める理由

なんといっても第一にのり子ちゃんの「最善の利益」です。

言語能力には,対人コミュニケーションのような比較的具体的な言語活動にかかわる「基本的対人伝達能力」(BICSという)という側面と,抽象思考が要求される認知活動と関連のある「認知・学習言語能力」(CALPという)という側面があり,この言語能力の2つの側面は,同時に発達するわけではなく,基本的対人伝達能力の方が認知・学習言語能力に先行するものといわれています。
 そしてここで重要なことは,二つの言語の習得開始が異なる場合,はじめに一つの言語の習得が先行しているため,二つの言語の基本的対人伝達能力間,また認知・学習言語能力間の時差・発達差は大きいものと推測されています。つまり,後から習得される言語での基本的対人伝達能力については,ごく短期間にその言語のモノリンガルの人と同じレベルに達するが,認知・学習言語能力については相当期間が必要であると考えられているのです。つまり,のり子ちゃんがタガログ語の環境のなかに放り込まれた場合,多くの困難を伴うことが言語学的にも予想されます。

早稲田大学大学院 日本語教育研究科の川上郁雄教授も,直接のり子ちゃんからの事情を聴取した上で以下のように述べています。

『人間としての成長過程にある子どもたちの言語発達、認知発達および学力発達を考えたとき、現在の言語学習環境が変化することが子どもの成長に多大な影響を及ぼすと言わざるを得ません。これまで順調に成長している以上、この環境の維持こそ求められるところです。・・・
人間としてこの地に生を受けたなら、どのような理由があるにせよ、持っている能力を発揮できるような環境に育つことは人間の権利であると考えられます。それは、国籍の有無に関わらず、何人にも保障され、尊重されるべき人間の権利であります』。

小学校高学年にもなれば様々な人格形成上重要な時期にさしかかっていく,そして言語能力も構築されていきます。のり子ちゃんは,まさにその時期にいます。この子どもを現在の教育環境,社会環境から切り離して,全く異なる言語的環境・社会的環境におくのは,この子どもにあまりにも大きな負担を強いることになります。実際に,タガログ語のできないのり子ちゃんがフィリピンに帰国すれば,小学校1年生に編入されることになり,一年生と机を並べて勉強をいちからやり直しということになります。このような状況に追い込むことはしたくありません。


4 親の不法入国の問題

のり子ちゃんの両親は確かに不法入国をしました。

しかし,その後15年以上の長きに渡り日本の社会の中で懸命に生き,そして子どもを育ててきました。父親であるアランさんは会社で信頼される人間であり,仲間に支えられ,そして職長として日本人の人たちに仕事を教えることのできる立場にある人です。

確かに,ご両親の入国時の行為は正しくなかった,これはそのとおりです。しかし,入国時の過ちのみによって,現在のこの局面で彼らを退去に追い込まなければならないほどのものでしょうか。日本社会の中で定住してきた彼らを日本社会から引き剥がすことは日本の社会にとって必要なこととは思えません。

非正規滞在者の資格を正規化するという方法はいろいろとあります。個別事案ごとに判断する手法を日本はとっていますが,諸外国には一定の基準を満たせば,在留資格の正規化を認めるというシステムを用意することもあります。例えば,「7年以上滞在している家族で子どものいる家族に在留資格を与える」というような基準を決めている国もあります。このように多くの場合に見られるのは,やはり子どもを抱えている家庭の保護です。そこに子どもの利益という観点があることはもちろんですが,それだけではなく,非正規滞在者の置かれている労働環境や社会環境の健全化ということが意識されています。長期に非正規滞在者が不健全な環境におかれていることを国が回避しようとする考えです。この考えには非正規滞在者であっても一人の人間であって,その人たちも人権の享有主体であるという考えが通っています。

このような考えを日本も取り入れていく時期に来ていると思うのです。


もちろん以上の考え方の前提には,家族全員の保護を求める考えがあります。のり子ちゃんだけを日本に残し,両親には帰国してもらうということも選択としてはありえます。イラン人家族について短大進学の決まった子どもだけに在留を認め,両親と他の子どもには退去を命じたということあったのは記憶に新しいところです。しかし,その判断の当否は別として,短大進学する年齢と中学1年ののり子ちゃんとでは事情が異なります。のり子ちゃんを日本で育ってもらうという決断をするのであれば,その両親の在留を認めるのは帰結といえるでしょう。


5 お願い

さまざまなメッセージをいただいています。署名は8000筆程に到達しています。この支援の輪をもっと広げたいと思います。その輪の広がりがのり子ちゃんとこの家族の保護につながります。

子どもたちは,学校や地域,自分をとりまく社会が自分を守ってくれる社会であると信じて暮らしています。のり子ちゃんもそうでしょう。そして,のり子ちゃんの友人・仲間も自分たちをとりまく大人たちの判断を見守っています。自分たちにとってかけがえのない友人のり子を自分たちの目の前から引き離そうとするのかどうなのか。のり子ちゃんや彼女をとりまく子どもたちの,地域・学校そして日本社会に対する信頼をそのまま維持したい,心からそう思います。そして願わくば,彼らの夢を日本という国が押し潰してしまうような結果にはしたくない,そう思っています。


皆様からの支援をよろしくお願いします。



弁護士 渡 邉 彰 悟
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PETITION FOR ENGLISH SPEAKERS

2008-12-01 15:00:12 | 活動
We have been asked whether or not people abroad can join the petition for the Calderon family.

And the Answer is YES!

Please copy and paste the following paragraph and write your name, address, and the date, and send it back to this email

izumibashilaw@live.jp or FAX: +81 3 5312 4543

Thank you!

*********************************************************
Honorable Minister of Justice, Mr. Eisuke Mori, Head of Tokyo Immigration Bureau:


We would like to ask you to reconsider the deportation order issued to the family of Mr. Calderon Alran Cruz and to give them special permission for residence in Japan.

Mr. and Mrs. Calderon have been living in Japan for more than 15 years and their daughter, Noriko, was born and raised in Japan. She has spent her entire life here in Japan, therefore Noriko knows little about her parents' mother country, the Philippines. She cannot even speak the language. Under the educational system in the Phillipines, Noriko will be forced to start her education over and enter school as an elementary school first grader because of her unfamiliarity with Tagalog. It is unconscionable that Noriko, who has grown up and attended school with many Japanese children, lose the opportunity to continue her education and be separated from her friends at an age when friends are a key part of development.

She currently attends Warabi Dai-ichi Middle School, where she is a member of the Choir. She studies hard and wants to complete her education in Japan with her friends in an environment that is conducive to positive growth into adulthood.

We strongly demand a special permission for residence for Mr. Calderon Arlan Cruz's family. It is Noriko's right under the Convention on the Rights of the Child that she be allowed to continue her life in Japan as it is in her best interest.

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