■理由2~chapter#14~

『アナタは子供が欲しいですか?』

そう聞いたら、すぐに返事は返って来ないと思う。
アタシはアナタが好き。
子供も好き。
アナタの子供が欲しいって思う。
アナタにそっくりな可愛い子供が。
でも、そんな事無理だってわかってる。
結婚もしてない、ましてや付き合ってもいない。
アナタはきっとアタシに子供ができたら、こういうはず。
『堕ろして欲しい』と。
そう言うと思う。
アナタはアタシに色々アナタの事を聞かせてくれたよね。
高校の時、彼女が妊娠してしまい堕ろしたことがあると。
その時は半分笑いながら2人話したね。

『ナマでヤッたのね、そん時。』
『うん。それで?』
『終わってから元カノに生理終わって何日?って聞いたら、アイツ1週間くらいって言ったんだよ。』
『んじゃ危険日近いじゃん。』
『俺、それ知ってたらナマでヤんなかったっつーの。』
『ゴムつける習慣つければいーのに。』
『ゴムのあるなしでは全然違うの。』
『そぉ?んで、デキちゃってどーしたの?』
『お母ちゃんはコワイからお父ちゃんに言ったの。』
『お母ちゃんコワイんだぁ。んで?』
『彼女がデキたって言ったらバカだなぁって。』
『そんなもんで済んだんだ。』
『うん。』
『それからしばらくして、○○(元カノ)んとこ行って来るわってお父ちゃんに行ったらさぁ、子供こさえてくんなよって。』
『あはは、何それ。オープンな家族だなぁ。』
『子供はこさえてこないけど、こさえる行為はしてくるって言ったわ。』
『それで?』
『お父ちゃん怒ったんだけど、おめぇーも若い時ヤッてたんだべ!って言い返したら、そうだなって。』
『(声にならない笑い)』

そんなこと聞いててその時は楽しかったんだけど、やっぱ堕ろすんだってそう思った。
同時、高校生だったから経済的理由もあったからそうせざるを得なかったかもしれない。
だけど、今のアナタだったらどうする?
高校卒業したとはいえ、まだ学生の身分。
無理…だろうな。
だから避妊はするよ。
新しい命を無駄にはしたくない。

そう思うのはフツーのことでしょ?


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