■避妊~chapter#12~
アナタはよく言う。
『ナマの方が気持ちいい。』
これだけは譲れなかった。
どうしても譲れない。
アナタのことが大好きだけどこれだけは出来ない。
ヤる時よくナマで入れられそうになったけど。
雰囲気に流されて許してしまいそうになるが、ほんの少しの理性でストップをかける。
『待ってよ。』
『待てない。』
アナタは可愛くアタシに言いながら強く力を入れてくる。
アタシも強く力を出してアナタを引き離す。
『ナマはいやだってば!』
そうするとしぶしぶアナタは了解する。
『でもゴムないんだよねー。』
ってまた可愛く笑ってみせる。
その笑顔に何度だまされかけたかわからない。
でもそんなことは始めから承知してる。
だからアタシは常に準備しておいていた。
いつアナタとこうなってもいいようにと。
『アタシもってるからつけてネ。』
『えー。』
残念がるアナタも可愛い。
暗闇の中バッグからゴムを取り出しアナタに渡す。
そこで言ったアナタの一言が悲しい事を今でも覚えている。
『ゴムつけんのひさびさだ。』
アタシ以外のオンナとは避妊をしていないということだ。
その前にアタシ以外のオンナともしてるって証拠だ。
わかっているから仕方ないことだけど、なんか悲しかった。
そして行為の続きが再開する。
再び部屋の中ではアナタとアタシの言葉じゃない声が聞こえはじめた。
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