小谷村の国道148号(小谷道路)を車で走った。国土交通省が「費用対効果」を理由に拡幅工事の凍結方針を打ち出した道路だ。残る区間1・2キロは狭く曲がりくねる坂道にもかかわらず、大型車が激しく行き交う。冬は雪でスリップし、頻繁に立ち往生。緊急車両も通れないという。
最近、行政でも「コスト感覚」が強まった。大切なことだ。でも本来、公共事業とは何だろう。「コスト」より「住民」が優先だったはずだ。それは過疎医療だったり、公共交通だったりする。採算主義も立派だが、時には基本に立ち返るべきではないか。(竹)
毎日新聞 2009年4月17日 地方版