肛門の構造について

各部位についての解説

歯状線(しじょうせん)

 肛門縁(肛門上皮の出口)から約2cm奥にある肛門上皮と直腸粘膜の境界部分。

肛門(こうもん)
   痛みを感じる知覚神経が来ている為、ここにできる病気は強い痛みを伴う。表面は皮膚に似た肛門上皮で覆われている為、丈夫で出血しにくい。

直腸(ちょくちょう)
 知覚神経が来ていない為、ここにできる病気は、周囲を圧迫しない限り痛みを感じない。表面は粘膜で覆われている為、もろく出血しやすい。

肛門小窩(こうもんしょうか)
 歯状線の所に5〜8ヶ所前後ある窪み。その奥に肛門線が開口する。細菌が侵入して感染が生じると、肛門周囲膿瘍から痔瘻が発生する。

内括約筋(ないかつやくきん)
 直腸の壁を作っている筋肉が肛門の部分で厚くなったもので、自律神経支配のため意識によって動かすことができないが、意識しなくても肛門を閉じていてくれるのもこの筋肉の役割である。

外括約筋(がいかつやくきん)
 脊椎神経支配の為、意識的にしめる事のできる強い筋肉。

静脈叢(じょうみゃくそう)
 肛門周囲に、網の目のように存在する血管。この部分が瘤状の静脈瘤となったものが痔核である。