元教頭に免許停止３カ月要求　ボート衝突海難審判　

　昨年八月、姫路港の防波堤にプレジャーボートが衝突し、四人が死傷した事故の海難審判が十六日、神戸地方海難審判所（竹内伸二審判官）であり、刑事裁判の検察に当たる理事官が、ボートを運転していた三木市の市立小学校元教頭、蓬莱徳三受審人（５５）＝三木市大塚＝に小型船舶操縦士免許の三カ月停止を求めて結審した。

　審判の申立書によると、蓬莱元教頭は昨年八月八日夜、酒を飲んだ状態で、プレジャーボートを操船。防波堤に衝突し、同乗していた別の小学校の女性教頭（５３）を死亡させ、三人に重軽傷を負わせたとされる。

　理事官は、刑事裁判の論告求刑に当たる意見陳述で「前方に同乗者が座るなど視界が悪い状態であったにもかかわらず、船の位置をレーダーで確かめるなどの安全確保を怠った」と指摘。飲酒と事故の関連性については触れなかった。裁決は五月二十日に言い渡される予定。

　一方、同事故で神戸地検姫路支部は、蓬莱元教頭を業務上過失致死傷罪などで起訴。刑事裁判は既に検察側が懲役二年を求刑し結審しており、今月二十四日に神戸地裁姫路支部で判決が言い渡される。

(4/16 14:17)