「スローターハウス5」ようやくDVD化
ここのところBDではなくDVDの方で「あれ?」という商品が多く出て、目が離せません。カート・ヴォネガットの小説を原作にジョージ・ロイ・ヒル監督が映像化した映画も、ようやくDVD化。
原作は第二次世界大戦ドレスデン爆撃というヴォネガット自身が体験した大惨事を、時間旅行という題材を交えて描いたSF小説です。ヒューゴー賞も受賞。
それでこの映画化がなんで長年入手したかったかというと、今 敏監督の『千年女優』に関連してるからなんですね。実際にインタビューでも題名が上がってましたが、晩年の老人になった主人公がオバカなTVだったかを観ていると、ぷっと意識が過去の大惨事に戻って若者になってたりする。そうした時間の往還というのを人間の記憶にリンクしているわけなんですが、これを映画の方では「カットつなぎ」で表現しているわけです。実際、リアルタイムでない人間の意識ってそういうつながり方をしてるんですよね。
SF大会で『時をかける少女』にもからめて似た話をしましたが、時間と記憶と映画というのは実はそういう強い関連があって、この『スローターハウス5』もそういう観点で再検証しないとなーとずっと思ってたわけです。高校生のときにTVで放送されたカット版しか観たことなかったんで。
ということで、『千年女優』が好きな方は気に入っていただけるかなと思います。原作も傑作です。
P.S.『王立宇宙軍』のオープニングにも影響を与えているとの情報もいただいたので、追記します。
P.S.2 いっしょにキングレコードから出るのが『イルカの日』なので、ちょっと笑いました。高校生のころのSF体験が一気によみがえります。
| 固定リンク