今何位?そうね大体ねー→
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と、いうわけで、前回に引き続き、サンパウロで飲んだ、日系人のじっちゃんたちのお話です。
今日のお話は、昔っから商売をやっていたじっちゃん。
この人もいろいろです。
このじっちゃんは、日本で電気関係の工場で働いていたため、ブラジルでウォークマンのパチモンを作って生活していました。
「でもさー。ブラジル人との商売はきついんだよ。
地元で売っている分には自分で金の回収が出来るからいいんだけど、遠くの町で売った場合金払わないんだよ。
結局資金がショートして、商売だめになっちゃった。」
アメリカでサブプライムローンがあぼーんしていることや、クレジットカードの焦げ付きがびっくりするぐらい多いように、ブラジルでも、人はそう簡単に借金を返済してくれないみたいです。
(ちなみに、アメリカでは、ブッシュが「職があるうちは自己破産できない法」を作ってしまったため、金払わない人が自己破産も出来ずに、にっちもさっちも行かなくなっています。)
で、あえなく倒産しちゃったこの方、次の商売を考えます。
「工作は得意だったからさ、家具を作ることにしたのよ。
貧乏人と商売するとろくなことないからね。金持ち用の高級家具を」
高級家具なんて、そんな簡単につくれるものなのか・・・。
「ブラジルは、森だらけだから、木がたくさんあるだろ。
樹齢何千年って木がたくさんあるんだけど、それを平気で切り倒しちゃう。
ただ、ブラジル人は、腰を曲げて仕事するのがいやだからって、根本から1mくらいのところで切っちゃうのよ。だから、1mの切り株が残る。
直径数メートル、高さ1mの切り株を、スライスして、足をつければ、高級テーブルのできあがり。
これが、よく売れてねえ・・・。」
おっちゃん・・・すげえ。。。
いい加減なブラジル人の残り物を、頭を使って再利用。
しかも、前回の失敗の教訓を生かして、顧客層をしっかり変更。
たくましすぎる・・・。
そんなじっちゃんは、今は、農業関連の管理をやってるんだそう。
「農協みたいな仕組みを作って、農家と小売りをつなぐ流通ルートを作ったのも日系人。今、その関係の仕事をしてるんだけど、日本政府が全然援助してくれないのよ。
ブラジルでは、今、大豆がいっぱい出来てるんだけど、これを作り始めたのも日系人なわけよ。
あれって、土が肥沃になってないと出来ないから、3年間米を作って、その後の土地に作ったわけ。
で、その流通ルートも作ったのに、日本政府は何の支援もなし。その間に、アメリカの巨大資本が入って来ちゃって、畑も流通ルートもみんな買われちゃった。
ホント、日本政府は金の使い方がわかってない。」
ちなみに、大豆の自給率は4%。いかに輸入ルートを確保するかが、日本の醤油や豆腐や納豆の未来を決めるのですが・・・。
「だからさー。日本の役人さんも、もちっとブラジルに来て状況を知ってほしいんだよね。援助がほしい訳じゃなくて、日本のために。」
とにかく、食糧自給率が馬鹿低い日本。
そもそも、石油自給率が0%な時点で、輸入停止されたら終わりなわけですが、石油も食料も自給できないとなると、国として弱点が大すぎるんですよね。。
逆に、日本が鎖国しても、車とテレビとウォークマンとNintendoがなくなるだけで、韓国と中国とマイクロソフトで十分補完が効くわけで。。。
日系二世から三世になってくると、日本語しゃべれる率も減っていき、こんな風に日本のことを考えてくれる日系人も減っていくことになるわけです。
そうなる前に、なんとか、ブラジルとの架け橋を上手いことつくれないもんでしょうか・・。
次回、そんなブラジルの経済のお話を。
2009.04.08
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こんにちは。
やっとこ運転免許を更新し、住民票も日本に移し、健康保険証ももらいました。なんというか、普通の日本人になった感じです。ニートだけど。
ってなわけで、海外でもっとも日本人らしい移民の皆さんについて少し書いてみます。
サンパウロの日本人街で、毎週金曜にあるイベント。県人会。
今週は、宮城県人会があるということで、いってみました。
宮城県とか全く縁もゆかりもないけど。。。
宮城県人会会館がある外国というのもすごいですが、
屋上に上ると、すっかり屋台です
ここには、宮城県人もそうでない人も日系人のじっちゃん、ばっちゃんがてきとーに集まっててきとーに食って、飲んで、帰って行くというゆるい会です。
まあ、日本でいうところの病院の待合室みたいな会のため、旅人の日本人なんかが行くと非常に歓迎してくれるわけです。
で、このじっちゃんたち、大体現役を引退しているわけですが、伊達に異国の地で長いこと生き抜いているわけではなく、今でもいろんなことをしています。
例えば、最初にあったじっちゃん。
「今ね、日本の高校生をサッカー留学生として受け入れるってことの窓口やってんのよ」
私からすると、ブラジルといえばブラジリアン柔術なのですが、一般的にいえば、ブラジルといえばサッカーですね。
翼くんが中卒後即サッカー留学したように、今、日本の高校が一年間サッカー留学させるということをやっているそうです。
「やっぱりね。ブラジルに来ると、上手くなるのよ。
それは、技術的なこともあるけど、精神的な自立がね。
こっちは、何をするにしても自由だから、自分でものを考えるようになる。
サッカーは、技術だけじゃなく、考えることが大切だからね。
だから、ここに人を派遣した高校は、次の年からぐーんと強くなるのよ。
そして、1年間勉強はこっちの学校でやるけど、成績も上がるんだよね。
数学や理科なんかは教えてるけど、教えていない国語とかも成績が上がる。
自分で考えて勉強するようになるから。
ただね。ひとつ問題は、一年間留学して、日本に帰った後、あんまり伸びないみたいなんだよね。日本で生活してるうちに、また普通に戻っちゃうみたい」
たしかに、その感覚はわかります。
私も、今、日本に帰ってきて3週間くらい。かなり神経がゆるんでいることに気づきます。
何の緊張、調査もなしに電車に乗れること、店に行っても全ての言葉が聞き取れること。全てが楽すぎて、とにかくだれています。(花粉症で脳みそがやられているというのがそこに追い打ちをかける)
「だからさ。人間って、やっぱり緊張感があるところにいなきゃいけないと思うんだよね。
ただ、問題は、本当にやばいことが起こることもあるってこと。異国では日本の常識が通じないから。俺も商売を始めた時、苦労したよ。誰も金払わないんだもん。
だから、ブラジルにもっと来てほしいんだよね。ここなら、いろいろ大変なこともあるけど、でっかい日系人のコミュニティがあるから、留学生が困ったときに、助けを求めにくるところがある。
こんな国は、ブラジル以外ないよ。」
きっと、このじっちゃんも、ブラジルでいろいろ苦労してきて、その中で得るものがたくさんあって、周りでしっかりやっている若者を沢山見て、さらに留学生の姿を見て、それで、日本をチョット心配しながらこんなことをやっているのだと思います。
私は、昔から、
「英語を学ばせるには、まず海外に行かせることだ」
と、いっています。
言葉ってのは通じれば楽しいもので、勉強する気にもなるわけですが、日本の学校での英語の授業って
「どーせこんなんやっても、通じるわけがない」
って雰囲気が漂いまくっていて大嫌いでした。
そして、教育の最初は、
「やろうと思えばなんでもできるってことを、海外の子供たちと交流させて知らしめるべきだ」
と、思っています。
日本にいると、「子供のくせに」「子供だから」ってのが横行していて、子供時代に「自分は保護されなければ何も出来ない生物だ」ってのをたたき込まれる気がします。
しかし、海外に行けば、5歳児が、外人相手に英語で商売したり、炭鉱で真っ黒になって働いたり、人混みで財布を盗んだり、あらゆることをやっていることに気づきます。
「学校に行って、勉強して、いい成績をとるだけでいい」
っていう価値観で固まった子供を、こういうところに連れて行くだけで、世界観が一気に広がると思います。
その一環としての、このじっちゃんがやってるサッカー留学。
すごくいい取り組みだなあと、感心しました。
そして、その取り組みを、ほとんど無償でやっているじっちゃん。
何十年も異国の地で暮らしてきて、それでもなお、母国を愛する心。そして、具体的な働きかけをする行動力。
異国は人を強くする。
海外移住願望が、とても強くなる夜でした。
移民のじっちゃん編。もうちょっと続きます。
2009.04.07
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なんか、北朝鮮がよくわからんものを飛ばしてきました。
あの国は、論理的に交渉したら勝てるものが何もないので、とにかくむちゃくちゃをやって相手をびびらせることでしか、自国に有利な結果を引き出せないという理由で、何をやってくるかわかりません。
今回のよくわからんものに関しても、
「俺が切れたら、ミサイル飛ばすかもしんないよ」
という脅しをするための布石であり、過剰な反応もよくないですが、完全無視することも危険です。
日本としては、
「自衛隊は完全捕捉しており、いつでも迎撃できた」
と、発表できればベストなのですが、迎撃弾の性能がそこまでいいとは思えないので、実際のところどうだったかが気になるところです。
日本に住んでいると、ミサイルが自分の国に飛んでくるなんて想像だにしないことですが、世界にはミサイルが飛んでくるところがたくさんあります。
アメリカでは、9月11日に、限りなくミサイルに近いものが、ワールドトレードセンターに飛んできましたが、
そのアメリカは、宣戦布告もなしに、イラクやアフガニスタン、スーダンにミサイルを撃ち込んでいます。
アフガニスタンや、スーダンにミサイルを撃ち込んだ理由が、
「ワールドトレードセンターやアメリカ大使館をぶっ壊したやつが、アフガニスタン人やスーダン人っぽい」
という理由だけ。
大半の国民にしてみりゃ、そんな理不尽な身に覚えのない理由でミサイルが飛んでくるのだからたまったもんではありません。
理屈から言えば、オウムが毒を撒いたのが、ニューヨークの地下鉄だったら、日本にミサイルが飛んでくるってことになります。(もちろん、それ以前の外交の経緯からいって、すぐにそんなことになるとは思えませんが)
また、イスラエルとパレスチナ自治区のガザ地区なんかは、しょっちゅうミサイルを撃ち合っています。
これも、お互いが「相手が先にやったから報復だ」と言い合っている状態で、どっちの国民にしてみても、わけわからんけどミサイルが飛んでくるわけです。
世界を旅していると、やたらとイスラエル人に会います。
これは、イスラエルで徴兵後は「世界を見てこい」ってことで、国の援助で海外旅行が出来るからです。
そこで、徴兵後の若者と話をしていると、ミサイルとか戦争ってのは場所によっては日常茶飯事なんだなってことがわかります。
もちろん、911で世界中があれほど震撼したことから、世界のほとんどの場所では、「映画の中でしか起こりえない事態」であると思われているのですが、場所によっては、リアルに訪れる可能性がある危機なんです。
今回、世界を回ってわかったことは、「映画の中の世界」は、ものによっては思った以上に「リアル」なんだなということ。
道を歩いていて首を絞められてものを盗まれることも、
国家が破綻して、いままでためていた現金が紙くずになることも、
いきなりミサイルが飛んできて、町が吹っ飛ぶことも、
自分が生きているこの世界で普通に起こっていることであり、自分のすぐそばでも起こりうることであるわけです。
テレビで、UFOがどうとか、大予言などの超常現象がどうとかやっていると、
「そんな、実際に起こっている確率が限りなく0に近いことを心配する前に、やることがあるだろう」
と思うことが多々あります。
そして、今回の、北朝鮮のミサイルは、「リアルな危機」と捕らえられるのか、「超常現象」と捕らえられるのか、非常に気になるところです。
「リアルな危機」として国民の元に届き、「国防」というものに関して、
「バックパックを背負って歩くときは、全てのチャックに鍵をかける」とか、
「ロサンゼルスや南米の首都で夜出歩くときは、必ずタクシーを利用する」といった、
具体的な対応策まで踏まえた対策を、国民全体の総意として持てるような議論が高まってほしいのですが、ちょっと無理そうですね。。。
せめて、「自衛隊の「軍隊」としての位置づけの明確化」
できたら、「日本国としての、核兵器保有の是非」まで、きちんと国民全体で考えられるといいんですが・・・実際にミサイルが落ちてこないと無理ですかね。。
そんな日本は、桜が満開です。
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2009.04.05
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壮絶な幕切れを迎えた、今回のWBC。
あまりにも壮絶すぎて、イチローのことしか書かなかったので、その他のことも書いてみようと思います。
今回の決勝戦のスコアおよび安打数を観ると、あれだけの接戦でありながら、安打数が、日本15と韓国5と、大きく離れているのが気になります。
これは、韓国チームの「切れない心」の表れだったと思われます。
今回、準決勝で敗退したアメリカやベネズエラは、途中、大量失点を許すことで、試合を決定づけられ、敗退しています。
北京オリンピックの3位決定戦の日本や、前回WBCの韓国も同様。
「最後まで何が起こるかわからない」スポーツであるが故に、「これはあかん」と思ってしまった瞬間に試合が終わってしまうわけです。
逆に言えば、勝てるチームは、「これはあかん」と思わせるところまでたたき伏せるのが上手いのですが。
今回の韓国チームは、たたき伏せることが出来ないチームでした。
日本が追加点を挙げ、さらにランナーをため、さああと一点!と思ったところで、投手の素晴らしい低めへの落ちる球が、城島の内野ゴロダブルプレーを生み、
イチローの、心を切り裂くような、まっすぐなライナーの2塁打のあと、同じく1,2塁間を切り裂く中島の打球を、横っ飛びで止めるセカンドが、流れをぴたりと止めます。
打たれても、打たれても、点を取られても、「もう一点」を押さえる韓国チームの、「切れない心」は圧巻でした。
しかし、その「切れない心」
目立たないところですが、一番に見せてくれた人がいます。
あの劇的なヒットの後、送球がホームに送られるのを見て、しっかり2塁に進み、
球場全体が完全に浮き足立っている中で、しっかりと3塁に盗塁しているイチロー。
塁上のあのクールな表情は、あれほどまでに劇的で、決定的な2点のあとでも、さらに「もう一点」を狙う、本物の「切れない心」の体現でした。
10回打って4回ヒットを打てば神、2回ならクビというスポーツ、野球。
その中で、長期間打ち続けることは非常に難しいです。
私があれほどまでに絶賛した青木ですら、準決勝、決勝では少しブレーキがかかりました。
しかし、そんな彼をフォローするかのごとく、すぐ後ろで打つ、稲葉が、小笠原が、決勝ではすぐ前を打つ中島が、イチローが打つことで得点を重ねることが出来ました。
そんな風に、順番で好調選手が生まれてきた打線。
原監督が上手くコントロールしていたのか、選手個々の実力なのか、そのどちらもあるのでしょうが、素晴らしいチームに成長しました。
そんな中で、「最後はイチロー」になったのは、こんな、「切れない心」を、不調のどん底でも、歓喜の絶頂でも、持ち続けていた、彼の精神が持ってきたような気がしてなりません。
イチローはこういっています。
「普段と変わらない自分でいることが、僕の支え。この支えを崩してしまうと、今回のような個人的にタフな状況の中で、自分を支え切れないと思っていたので、常にそれを考えていました」
常人では考えられないくらいのプレッシャーにさらされ続けている選手がたどり着いた、悟りの境地。
その悟りは、こうやって形に表れてきているのです。
結局、この文章も、「最後はイチロー」になってしまいました。
2009.03.25
| Comments(0) | Trackback(0) | 野球!
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イチローだ!
最後には、イチローだ!!
やっぱりイチローだ!!!
本当に、最後の最後で見せてくれた、イチロー。
今大会、何度も何度も凡打を重ね、彼に寄せた期待と失望は、いつしか同情に変わり、
私の中で、イチローの打席は、「打ってほしい」と彼に頼む場ではなく、ではなく「打たせてあげたい」と神に祈る場に変わっていました。
単なるイチローファンの一人である私がこのレベルであるのですから、イチロー本人の気持ちは、察するに余りあるものがあります。
本人のインタビューの中のこの台詞が、彼の胸中のほんの一部を語ってくれています。
「苦しいところから始まって、苦しいがつらいになって、心が痛んで」
前回の話の中でも書きましたが、イチローは、不振から脱出するために、方法論を持っています。
それは、どこかが狂ってしまった自分の打ち方を、少しずつ少しずつ微調整しながら、狂ってしまった箇所を発見するという方法です。
それは、180cmの体の中にある、無数の筋肉と神経の動かし方を、ピンセットを持ちながら、何万通りもの組み合わせを作り、一つ一つ試していくような、気の遠くなる作業。
しかも、その作業は、静かな部屋の机の上で行うのではなく、世界中にテレビ中継され、日本中の視聴者と解説者が自分の意見を好き勝手にしゃべり、試合相手の選手がそうはさせまいと全力で対抗してくる、そんな環境の中での作業です。
シーズン中にスランプに入ったとき、この「辛い」作業を何週間も繰り返し、ついに正解を見つけ出し、本来の自分を取り戻しているのでしょう。
しかし、今回のスランプは、毎年のそれとは比べものにならないほどの注目の中、たったの20日しか時間がない中でのスランプ。
「苦しい」というのは、イチローですら、かつて経験したことがないほどの、とてつもない苦しさだったのだと思います。
しかし、その微調整の結果、イチローの調子は少しずつ上向いてきます。
キューバ戦での不細工なヒットから、いくつかのクリーンヒットを経て、
たくさんの人の期待を集めながら、ため息しか生み出せなかった、韓国戦、アメリカ戦の序盤のチャンスをつぶし続ける打席を経て、
微調整は、少しずつ、少しずつ進み、最後の決勝戦。
第一打席の、イチローらしいきれいな先制ヒット。
今大会、アメリカで初めて、一番バッターとして、彼が本来やらなければならない仕事を達成した瞬間でした。
7回の3塁手の前でポトリと止まる、芸術的なバントヒット。
キューバ戦で、3塁手に好捕された、あのときのバントとは似ても似つかぬ、イチロー本来のバントを見た瞬間、「最後に復活して、本当によかった」と、胸をなで下ろしたものです。
そして、そのバントヒットを受けて、中島が勝ち越しのタイムリーヒット。
このまま勝てば、最後に復活したイチローが見せた、芸術的な渋い仕事が呼んだ勝利だな、なんてことを考えていました。
しかし、野球というゲームは思った以上に困難で、まさか、また彼に打席が回ってくるとは。
延長10回ツーアウト2,3塁。
なぜか敬遠をしない韓国のクローザー、林は、全力でストライクゾーンにボールを投げ込んできます。
イチローの最後の微調整が始まりました。
一球一球、本来の姿に戻った、超人的なバットコントロールでファールを重ねながら、林の球に少しずつ少しずつタイミングを合わせるイチロー。
ほんの少しでもコントロールを間違えば、空振り三振という恐怖と一体になりながら、しっかりと集中力を高めていくイチロー。
そんな彼の打球は、きれいにセンター前に抜けていきました。
「自分は天才なんかじゃない。長い間、ずっと積み重ねてきたから今があるんだ」 と、言い続けているイチロー。
今回のWBCでは、スランプにより一時的に”天才"ではなくなったイチローが、微調整を少しずつ少しずつ繰り返し、積み上げ、本来の自分を取り戻し、最高の結果を紡ぎ出す。そんなすてきなストーリーでした。
その姿は、今上手くいっていない全ての人々に対するメッセージのような気がします。
毎日押し寄せてくる周りの雑音と、目の前に立ちはだかる沢山の敵のなかで、
少しずつ、少しずつ、微調整を繰り返し、前に進んでいく。
そうすれば、きっといつか、最高の結果を生み出すことが出来る。
そして、それを生み出した後の、イチローの素晴らしい表情。
![いちろー](/contents/012/100/774.mime4)
おめでとうございます。どうもありがとう。
彼のインタビューは、こんな風に続きます。
「苦しいところから始まって、苦しいがつらいになって、心が痛んで、最終的に笑顔になった。日本のファンの人たちに笑顔が届けられて最高です」
本当に、ありがとう、イチロー。
2009.03.24
| Comments(3) | Trackback(0) | 野球!
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