すき家裁判の意見陳述
意見陳述書
2008年7月10日
東京地方裁判所民事19部 御中
住所 ■■■■■■■■■
■■■■■■■■■
氏名 福岡 淳子
1 わたしは2000年10月ころにアルバイト従業員として牛丼すき家仙台
泉店に入社し,そこで,調理・接客・事務に携わってきました。すき家では,
入店した当初からほぼ無償で残業をさせられることが当たり前になっていて,
すべての従業員が給料にならない仕事を長時間させられていました。
いまでもそうですが,排水溝の掃除をしながら,接客をし,さらには調理を
するということを強制させられており,たいへん不衛生な状況にあります。排
水溝の掃除をすると,体中が汚水で汚れ,きつい臭いもついてしまうために,
調理や接客は避けなければなりません。いわば便器を磨きながらそのままの手
でお米をとげと言われているのと同じです。あまりにも不衛生だし,いつも従
業員がたった一人であったために,「その仕事内容には無理があります,人を
増やすか,改善してください」とマネージャーに言うと,「できないのはおま
えたちの能力が低いからだ」と言われて取り合ってもらえません。
2 2005年5月ころ,パート,アルバイトからスイングマネージャー(店長)
試験に合格しましたが,スイングマネージャーになってからの労働条件という
ものはあまりにひどいものでした。1時間に売り上げが5000円に満たない
ときには,2人目の従業員を使ってはならないという会社からの指示により,
すべて1人でやれということになりました。そうすると,2人出勤の予定で組
み実際に2人で仕事をこなした場合であっても,当日の売上金が目標額に満た
なかったときには,その都度その場で1人分の労働時間を削るようにと指示が
あります。要するに,1人については働いたのに給料がもらえないということ
です。当時,店長という立場のわたしは働いてくれた他のクルーの給料を削る
ということはとてもできることではなく,ではどうすればいいかといえば,わ
たしが自分の時給を削るということで目標の数字に合わせようとしていまし
た。そうして,日々の無償の残業が重なっていくことにより,お給料をいただ
けずに働くことが1月に100時間から多いときには200時間くらいにな
ってしまうこともありました。
3 同じ年の9月にお店の売上金の一部が紛失してしまうという事故があり,当
時,本部の社員に問い合わせたところでは,「紛失物として警察に届けを出し
ていることだし,会社の保険でまかなえるのではないか。なので,福岡さんは
自腹を切って弁償することはないと思われます」という回答でした。しかし,
当時の直属マネージャーの指示により,強制的に借用書を書かされ,全額給料
から分割にて天引きされる形となり,わたし個人が全額返済をすることとなり
ました。
4 わたしの心がとても傷ついたこととして,ある日突然のスイングマネージャ
ーからの降格ということがあります。本社からやってきた柳沼監査役に降格の
理由を聞いたところ,わたしが強制的にお店の一般従業員を労働させた挙げ句,
自分の分しか給料を計上しておらず,詐欺を働いたとのことでした。加えて,
1週間に100時間働いていたことについて,「そんなに働けるはずがないだ
ろう。お前は嘘をついている」とも言われました。わたしはこのときまったく
反論させてもらえないまま,スイングマネージャーを降格させられました。当
時,仙台泉店では,ISO監査に合格するために,徹底したグリストラップ清
掃を申し渡されていました。そのため,全身ヘドロまみれになって清掃をして
いました。わたし1人では仕事の手が回らないと見かねた一般クルーが続々と
手伝いに来てくれました。わたしが強制的にクルーを働かせたのではありませ
ん。
この事実をねじ曲げ,長時間労働と人員配置の極端な少なさという矛盾を棚
に上げて,会社は,わたしをスイングマネージャーから一般クルーに降格させ
たのです。とても1人では消化できない仕事量を押しつけておきながら,片づ
かなかったらすべて本人のせいにする会社の体質に対して,怒りを覚えていま
す。
5 わたしは今回の訴えのほかにまだ会社に対して納得できないことが2つあ
ります。その1つは,わたしがスイングマネージャーから降格された後の時給
の問題です。スイングマネージャーになる直前の最後のチーフクルーとしての
時給は860円でした。しかし,クルーに降格されてからは,研修新人と同じ
800円に戻されておりました。これに対して納得がいかないために本部に連
絡をしたところ,理由は答えられないと言われ,柳沼監査役に直接電話をした
ところ,「お前は一から出直しなのだから,それが分相応である」と言われま
した。いまだにこれは違法であると思っております。
納得いかないもう1つのできごとは,すき家各店舗において年に2回行われ
るはずのクルーの昇級評価が仙台泉店のみ過去2年にわたり行われていない
という事実です。当時,マネージャーに「なぜうちはやらないのか」と聞いた
ところ,「もう全部の従業員と話し合いをしたということにして,おれが勝手
に作って本部に出しておいたから」と面接結果の報告書のねつ造を認めていま
した。
6 いままでわたしが述べてきたとおり,仙台泉店は人がそもそも慢性的に足り
ない状態でした。わたしの長時間労働も,売上金強制立替事件も,スイングマ
ネージャーからクルーへの降格事件も,結果的に見てみれば,人員配置のゆと
りのなさから生じているものでした。売上金の紛失事件で言えば,毎日せっぱ
詰まった働き方をさせられ,余裕がない中で,長時間労働をしていれば,起こ
らざるを得ないミスが発生するのも当然だと思います。
株式会社ゼンショーは,「世界から飢えと貧困をなくす」ということを掲げ
て,ポスターを作成し,店舗に掲示を義務づけていますが,足もとにいるわた
したちの労働条件がまさに「飢えと貧困」です。ぜひ裁判官には,このような
実態を取り上げていただき,全国1万人以上のすき家従業員の労働条件および
処遇を救済していただきたいと思います。なにとぞよろしくお願いします。
以上
管理人の声 : これが労働条件ですか、信じられません。
裁判官さん公正な判断を御願いします。
意見陳述書
2008年7月10日
東京地方裁判所民事19部 御中
住所 ■■■■■■■■■
■■■■■■■■■
氏名 福岡 淳子
1 わたしは2000年10月ころにアルバイト従業員として牛丼すき家仙台
泉店に入社し,そこで,調理・接客・事務に携わってきました。すき家では,
入店した当初からほぼ無償で残業をさせられることが当たり前になっていて,
すべての従業員が給料にならない仕事を長時間させられていました。
いまでもそうですが,排水溝の掃除をしながら,接客をし,さらには調理を
するということを強制させられており,たいへん不衛生な状況にあります。排
水溝の掃除をすると,体中が汚水で汚れ,きつい臭いもついてしまうために,
調理や接客は避けなければなりません。いわば便器を磨きながらそのままの手
でお米をとげと言われているのと同じです。あまりにも不衛生だし,いつも従
業員がたった一人であったために,「その仕事内容には無理があります,人を
増やすか,改善してください」とマネージャーに言うと,「できないのはおま
えたちの能力が低いからだ」と言われて取り合ってもらえません。
2 2005年5月ころ,パート,アルバイトからスイングマネージャー(店長)
試験に合格しましたが,スイングマネージャーになってからの労働条件という
ものはあまりにひどいものでした。1時間に売り上げが5000円に満たない
ときには,2人目の従業員を使ってはならないという会社からの指示により,
すべて1人でやれということになりました。そうすると,2人出勤の予定で組
み実際に2人で仕事をこなした場合であっても,当日の売上金が目標額に満た
なかったときには,その都度その場で1人分の労働時間を削るようにと指示が
あります。要するに,1人については働いたのに給料がもらえないということ
です。当時,店長という立場のわたしは働いてくれた他のクルーの給料を削る
ということはとてもできることではなく,ではどうすればいいかといえば,わ
たしが自分の時給を削るということで目標の数字に合わせようとしていまし
た。そうして,日々の無償の残業が重なっていくことにより,お給料をいただ
けずに働くことが1月に100時間から多いときには200時間くらいにな
ってしまうこともありました。
3 同じ年の9月にお店の売上金の一部が紛失してしまうという事故があり,当
時,本部の社員に問い合わせたところでは,「紛失物として警察に届けを出し
ていることだし,会社の保険でまかなえるのではないか。なので,福岡さんは
自腹を切って弁償することはないと思われます」という回答でした。しかし,
当時の直属マネージャーの指示により,強制的に借用書を書かされ,全額給料
から分割にて天引きされる形となり,わたし個人が全額返済をすることとなり
ました。
4 わたしの心がとても傷ついたこととして,ある日突然のスイングマネージャ
ーからの降格ということがあります。本社からやってきた柳沼監査役に降格の
理由を聞いたところ,わたしが強制的にお店の一般従業員を労働させた挙げ句,
自分の分しか給料を計上しておらず,詐欺を働いたとのことでした。加えて,
1週間に100時間働いていたことについて,「そんなに働けるはずがないだ
ろう。お前は嘘をついている」とも言われました。わたしはこのときまったく
反論させてもらえないまま,スイングマネージャーを降格させられました。当
時,仙台泉店では,ISO監査に合格するために,徹底したグリストラップ清
掃を申し渡されていました。そのため,全身ヘドロまみれになって清掃をして
いました。わたし1人では仕事の手が回らないと見かねた一般クルーが続々と
手伝いに来てくれました。わたしが強制的にクルーを働かせたのではありませ
ん。
この事実をねじ曲げ,長時間労働と人員配置の極端な少なさという矛盾を棚
に上げて,会社は,わたしをスイングマネージャーから一般クルーに降格させ
たのです。とても1人では消化できない仕事量を押しつけておきながら,片づ
かなかったらすべて本人のせいにする会社の体質に対して,怒りを覚えていま
す。
5 わたしは今回の訴えのほかにまだ会社に対して納得できないことが2つあ
ります。その1つは,わたしがスイングマネージャーから降格された後の時給
の問題です。スイングマネージャーになる直前の最後のチーフクルーとしての
時給は860円でした。しかし,クルーに降格されてからは,研修新人と同じ
800円に戻されておりました。これに対して納得がいかないために本部に連
絡をしたところ,理由は答えられないと言われ,柳沼監査役に直接電話をした
ところ,「お前は一から出直しなのだから,それが分相応である」と言われま
した。いまだにこれは違法であると思っております。
納得いかないもう1つのできごとは,すき家各店舗において年に2回行われ
るはずのクルーの昇級評価が仙台泉店のみ過去2年にわたり行われていない
という事実です。当時,マネージャーに「なぜうちはやらないのか」と聞いた
ところ,「もう全部の従業員と話し合いをしたということにして,おれが勝手
に作って本部に出しておいたから」と面接結果の報告書のねつ造を認めていま
した。
6 いままでわたしが述べてきたとおり,仙台泉店は人がそもそも慢性的に足り
ない状態でした。わたしの長時間労働も,売上金強制立替事件も,スイングマ
ネージャーからクルーへの降格事件も,結果的に見てみれば,人員配置のゆと
りのなさから生じているものでした。売上金の紛失事件で言えば,毎日せっぱ
詰まった働き方をさせられ,余裕がない中で,長時間労働をしていれば,起こ
らざるを得ないミスが発生するのも当然だと思います。
株式会社ゼンショーは,「世界から飢えと貧困をなくす」ということを掲げ
て,ポスターを作成し,店舗に掲示を義務づけていますが,足もとにいるわた
したちの労働条件がまさに「飢えと貧困」です。ぜひ裁判官には,このような
実態を取り上げていただき,全国1万人以上のすき家従業員の労働条件および
処遇を救済していただきたいと思います。なにとぞよろしくお願いします。
以上
管理人の声 : これが労働条件ですか、信じられません。
裁判官さん公正な判断を御願いします。
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