FC東京に移籍した中村
サッカーJ1のFC東京に、大けがからの完全復活を期す新戦力が加入した。J2福岡から移籍したMF中村北斗(23)。06年に右ひざ靱帯(じんたい)を断裂し、北京五輪出場を逃した。3月開幕の今季を「勝負の年」と位置づける。新天地には長崎・国見高時代の同級生、FW平山もいる。
「昨季は7、8割。今季は完全に感覚が戻りそう」。ひざの状態をそう話す中村は北京世代の主力だった。食いついたら離れない「スッポン」と呼ばれる守備と豊富な運動量。05年の20歳以下世界ユース選手権(現U20W杯)にレギュラーで出場した。
順調な歩みが暗転したのは06年11月、U21代表の韓国戦だった。右ひざを強打し、診断は全治6カ月。無理して痛みを再発させる悪循環で、五輪の舞台は遠のいた。
人もボールも動くサッカーを掲げる城福監督のFC東京に「フル代表に通じる。ここで頑張れば代表への道が開ける」と魅力を感じた。もちろん平山の存在は大きい。「違うチームだった時も(平山)相太の調子は気になっていた。相太のゴールを僕がアシストできたらいい」
高校3年時には守備を中村、攻撃を平山が支えて総体と選手権の2冠を達成。今回の移籍が決まると一緒に自主トレをこなした。6季ぶりの「再会」を飛躍につなげようとしている。(中川文如)