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【FC東京ニュース】

北斗 グアムの誓い 「まずは試合に出る」

2009年1月28日 紙面から

サーキットトレで軽快な動きをみせるMF中村=グアム・レオパレスリゾートで(松岡祐司撮影)

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 【グアム松岡祐司】FC東京の新戦力MF中村北斗(23)が27日、「移籍元年」にかける意気込みを語った。悩み抜いた思い、新天地に臨む決意を明かし、「ポジションのこだわりより、試合に出ることを優先する」と所信表明。クールな印象がある半面、その口調は意外なほどに熱っぽい。言葉の端々に、揺るぎない覚悟をにじませた。

 グアムキャンプは4日目を迎えた。練習メニューにも慣れ、チームメートともすっかり打ち解けている。九州からやってきた「Vの使者」が、移籍決断に至るまでの心境を激白した。

 中村北斗「正直、迷った。福岡に残るべきか、出るべきか。シーズン中も、(福岡を)出ないといけないなと思ったり、残ったらどうなるのかなって考えたりしていた」

 それでも、熟考の末、新しい挑戦を選択した。

 「福岡でずっとプレーして終わる(引退する)のもいいかなと、自分の中で思っていた。でも、(福岡に)残ったら、その段階でサッカー選手として固まってしまうかなとも思った。まだまだ経験できることもあるし、レベルの高いところで試合に出ることを目標に頑張りたいと思った。J1で試合に出られれば伸びるし、出られなくてもJ1の選手と練習をやることが1番勉強になる」

 「ポリバレント(多様性)」を地で行く。ボランチ、サイドハーフ、サイドバック−。どこが適性なのか。中村自身はどの立ち位置を希望するのか。

 「まずは試合に出ることを何よりも優先したい。どのポジションでもやりたいし、こだわりはない。どのポジションも『ただ、できる』のではなく、すべて高いレベルでこなしたいと思う。中盤なら、ボールを散らすことより人をつぶして前へ出て行くことを意識している。サイドバックなら、守備から長い距離を走って攻撃に移行すること。サイドハーフなら、攻撃しながらバランスを見ること。特長がポジションで少し違ってくる」

 城福監督は中村をこう評している。「精神と肉体の限界値が一致している数少ない選手」−。この言葉を伝えると、少しだけほおが緩んだ。

 「ケガをする前はそういうことを特長にしていた。周りが動けなくなった時、自分がどれだけ動けるのかが楽しかった。でも、ケガをして、1年ブランクがあって、戻る動きがまだまだ遅いことがある。そう思われている分、そこを取り戻して、見せないといけない」

 06年11月に右ひざ前十字靱帯(じんたい)損傷、翌07年7月に右ひざ内側半月板損傷。故障は完治したが、動きの感覚は回復途上という。

 「まだ7割くらい。去年は夏には体を戻したいと思っていた。最後の2、3試合は動けるようにもなってきた。そこからもっとレベルアップするために移籍を選んだ。(体力、精神が)限界まで行くには上(J1)でやらないと難しいと思った。今から、そこを詰めていければいいと思う」

 「覇権」に手をかけるため、チームの力を押し上げる。期待は大きいが、「不言実行」を貫く。

 「『優勝を狙いたい』と言いたいけど、まずは試合に出ないと。試合に出ることで、そういうことを言っていきたい。試合に出られないところで、『優勝を狙う』と言っても、少し違うと思う。新しい選手は何かでアピールしないといけない。まずは試合に出ることを目標にしたい」

 

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