ビジネススーツ、正しいボタンのかけ方は
ビジネスパーソンにとってスーツの着こなしは基本中の基本。しかしボタンの掛け方の常識を知っている人は少ないかもしれない。そこでビジネスシーンにおいて、ボタンの掛け方の基本を紹介しよう。
質問
最近、テレビや映画を見ていると、スーツのボタンの掛け方が気になります。段返りではない3つボタンなのに中1つだけかけていたり、2つボタンを2つとも止めていたり。最近の常識は変わってきたのでしょうか?
ビジネスシーンがカジュアルになってきてもスーツは基本だと思いますので、ご教示いただけないでしょうか。
読者の方のご質問にお応えします。ビジネスパーソンにとってスーツの着方は基本中の基本ですが、なかなか常識がなにかは分かりにくいところがあります。
常識とされている着方そのものも、もともとは着易いという観点で自然にそうなってきたものですので、環境の変化によって変わるのも当然。また仕事の種類によっても変えていってもいいでしょう。
ただし、正式な場所で自分なりの着方をして、常識が分かっていないと思われてしまっては損な話です。基本だけ知っておくといいかと思います。
本題のお答えをまずお伝えしますと、シングルブレステッド(ジャケットなどの前の打ち合わせがシングルになっているもの)の場合、すべてもっとも下のボタンは外しておきます。動きやすい点でそうなりました。
その上で2つボタンの場合、「2ボタン1掛け」といいます。3つボタンが曲者で、「3ボタン中掛け」と「3ボタン2掛け」、特殊なものとして「3ボタン中掛け段返り」があります。段返りの場合、当然一番上のボタンは飾りですから真ん中だけ掛けることになります。ちなみにカジュアルにある4つボタンの場合は、上から3つボタンを掛けることが基本です。
付け加えますが、普段、街中を歩くビジネスマンパーソン。すべてのボタンをあけたまま歩いています。仕事外では許せます。しかし、コンベンションや社内の会議の場で平気ですべてのボタンを外している男性を頻繁に見かけます。
これはまさに無礼そのものです。特に目上の人がいる前ではそうです。叩き上げで急に出世した営業管理職などに多く見られる姿です。パワハラやセクハラを連想する姿。気をつけましょう。
ダブルブレステッドの着用方法
欧米文化ではシャツは下着です。下着丸出しで商談をしているなんてちょっと恥ずかしいことですね。一方、ベストを着ていればジャケットのボタンは掛けていなくても大丈夫であることも覚えておきましょう。
最近ではシングルブレステッドが主流で、ダブルブレステッドを着用している若い方は少ないですが、念のためお伝えしておきます。ダブルブレステッドのボタンの数は左右に1つずつ並行についていて2つ〜6つが基本です。2ボタン1掛け、4ボタン1掛け、4ボタン2掛け、6ボタン1掛け、6ボタン2掛け、6ボタン3掛けです。8ボタンなんていうのもありますが、着ている人は少ないですね。
映画などで荒くれものの刑事などを演出するときなどダブルを前ボタンを外させて着せます。なぜか? シングルよりもダブルで前を開けっ放しにした方が無作法、つまり危ない感じがするからです。(唐澤理恵)
唐澤理恵(からさわ・りえ)さんのプロフィール
お茶の水女子大学卒業後、大手化粧品会社に営業として入社。1994年32歳で最年少同社初の女性取締役に就任し、6年間マーケティング部門を担当する。2000年同社取締役を退任し、サブリネット株式会社を設立、代表取締役に就任。政治家・経営者のヘアスタイル、服装、話し方、立ち居振る舞いを指南するパーソナルデザイン事業を中心に活動。2007年4月社名を株式会社パーソナルデザインに変更。「イメージプロデューサー唐澤理恵Blog」
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