【大紀元日本4月16日】(一部訂正)ロシアのテレビ局など各メディアの報道によると、4月15日、シベリア鉄道ウラジオストク発モスクワ行きの列車の中で中国人女性が高熱で突然死亡した。遺体解剖の結果、死亡原因は重症急性呼吸器症候群(SARS、Severe Acute Respiratory Syndrome)の可能性があることがわかった。女性と同行していた中国人数名にも高熱の症状が出ていたことがわかった。
4月15日午前8時ごろ、同列車2号車内で中国人女性が乗務員に目まいと高熱を訴えたが、まもなくして車内で死亡した。同乗していた他の中国人にも高熱症状が出ていたことが分かった。
ロシア防疫衛生部門はこの事件を高度に重視し、キロフ駅で列車を緊急停車させ、隔離処理を行った。感染防護服やマスクを装着した医療関係者らは2号車両にいた約60人の乗客全員を救急車に乗せ、付近の伝染病専門病院へ送り、隔離検査を行なった。一方、他の車両に乗車していた中国人乗客57人も旅行を中止させられ、検査のため病院へ搬送された。今のところ、他の中国人らにSARS感染者は出ていないという。
2002年11月、中国広東省でSARSが最初に発見されたが、中国当局の情報隠蔽によりSARSは瞬く間に中国全土および世界中に広がった。当時、海外メディアにSARSの隠蔽を暴露した蒋彦勇医師の行動に対して、中国当局は非常に危険であるSARSを治療可能で命の危険のない「非典型肺炎」であると称した。
今回中国人女性のSARS感染が発覚したのは、ロシア行き列車の中で死亡したからである。しかし中国当局の慣例から見ると、SARSが中国国内で再び頭角を現したにもかかわらず、また隠蔽されている可能性があり、それがロシア専門家に偶然公表されてしまった可能性も否定できない。
SARSとは、近年アジアで出現し、世界各地へ感染拡大した呼吸道伝染病に対し世界保健機関(WHO)がつけた名称であり、まだ有効な治療薬はないとされている。 | 医療関係者らがSARSに感染し死亡した中国人女性が乗っていた車両及び全列車を隔離した(newsyu.comより) |
| 感染防御服を着用した医療関係者らが2号車に乗車していた乗客60人を全員救急車で付近の伝染病専門病院へ運び、隔離検査を行なった(newsyu.comより) |
| ロシア新聞ネットの中国語版の報道 |
| ロシアのメディアの報道 |
(記者・呉興、翻訳編集・余靜)
(09/04/16 19:53)
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