基本診療料めぐる議論再開―中医協基本小委
中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬基本問題小委員会(委員長=遠藤久夫・学習院大教授)は4月15日、来年度の診療報酬改定に向けて基本診療料をめぐる議論を再開し、病院や有床診療所が算定する入院基本料について意見交換した。
【関連記事】
「手術症例割合」など7項目が“落選”―DPC新係数
「再診料」の議論が再開
08年診療報酬改定案を答申
診療所の再診料引き下げ、見送り
昨年度に実施した診療報酬改定を踏まえ、診療報酬改定結果検証部会が「外来管理加算の意義付けの見直しによる影響度調査」などを実施しており、部会がこの日明らかにした「病院勤務医の負担軽減の実態調査」で、昨年度に実施したすべての調査の結果が出そろった。小委では今後、中医協総会で調査結果が了承されるのを待って、来年度改定に向けた課題ごとの議論に入る。
厚生労働省側は、入院基本料についての論点などに関する資料を次回以降、提出する。同省の佐藤敏信医療課長は、「(厚労省による)社会医療診療行為別調査が出ないと分からない部分がある」とした上で、既存データに基づく入院基本料に関する論点整理を示すのは夏ごろになるとの見通しを示した。
これに対し藤原淳委員(日本医師会常任理事)は、「少しペースが遅い」と不満を示し、総会での了承を待たずに、検証部会の調査結果を使って個別の議論をスタートさせるべきだと主張した。
また、西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)は、入院基本料について「何が含まれているか、なかなかよく分からない」と述べ、内訳を整理して提示するよう厚労省側に求めた。
昨年度診療報酬改定をめぐる議論では、基本診療料のうち、診療所の再診料を引き下げるかどうかが最大の焦点になり、最終的に見送られた。中医協が2008年2月にまとめた答申には、「初・再診料、外来管理加算、入院基本料等の基本診療料については、水準を含め、その在り方について検討を行い、その結果を今後の診療報酬改定に反映させること」との文言が盛り込まれており、再診料をめぐる議論が今後、再燃する可能性もある。
更新:2009/04/15 23:19 キャリアブレイン
新着記事
救急科医師の当直回数は平均の2倍(2009/04/15 23:29)
基本診療料めぐる議論再開―中医協基本小委(2009/04/15 23:19)
介護分野の経済危機対策で事務連絡−厚労省(2009/04/15 23:08)
注目の情報
PR
記事を検索
CBニュース会員登録メリット
気になるワードの記事お知らせ機能やスクラップブックなど会員限定サービスが使えます。
一緒に登録!CBネットで希望通りの転職を
プロがあなたの転職をサポートする転職支援サービスや専用ツールで病院からスカウトされる機能を使って転職を成功させませんか?
【第56回】細谷明美さん(鎌倉市医師会会長) 神奈川県の鎌倉市医師会が市内に産科診療所「ティアラかまくら」を開院して1か月半余り。同診療所では現在、原則として正常分娩に対応しており、3月には12人の赤ちゃんが誕生した。今後は、麻酔医や小児専門医らのバックアップも受けられる見通しで、将来的な増床も視野 ...
医師不足が深刻化している地域やへき地の医療を支援するため、昨年7月に国が創設した「緊急臨時的医師派遣システム」。北海道や青森県など、これまで全国の6道県の医療機関に医師を派遣し、地域医療の緊急的な救済に成果を上げている。厚生労働省からの委託を受け、全国から医師を公募している社団法人「地域医療振興協 ...
WEEKLY
現在、「潜在看護師」は全国で55万人に上ると言われており、離職防止の観点から、24時間対応の院内保育所のニーズが年々高まっています。