今回から連載企画「ハイペリオンへの道」を始めます。
映画「時空警察ハイペリオン」の企画のはじまりから公開までの道程を書いていきたいと思います。
こういうオリジナル作品が成立するまでの悲喜こもごも、いやさ艱難辛苦の道…やあの人やあの子がキャスティングされた理由?とかなど、そういう事に興味ある方は読んでください。
作り手の苦労話とか興味ない人はスルーしてください。
背景スキンもなんか不評だったのでまた変えました。そのうちオリジナルにします。
それではまずは、これは書かずに済まされまい、「時空警察ヴェッカー」映画化!!の話。
某有名特撮誌で公開されちゃったり、畑澤自身がイベントで何度も公言したりしてたあの話です。
これは07年に放送されていた「時空警察ヴェッカーシグナ」の続編スペシャル的な位置づけの作品でした。それと「ヴェッカーシリーズ」の最新作映画デビューを同時にやります!と云ってたのが、その話でした。
三部作で!という景気の良すぎる話もしてましたね。
その話…映画「時空警察ヴェッカー」と、「時空警察ハイペリオン」はまったく関係ありません!!
映画「時空警察ヴェッカー」(特に新作の方)の企画も、もの凄く水面下でですが、密かに進行しています。「ハイペリオン」には一部、そちらの企画からの流用もありますが、企画としてはまったく別物です。
では、ハイペリオンとは何か?ダン・シモンズの名作SF?スパロボ?ガンダムの名前?…そうですね…て!違いますって!!
ハイペリオンとはハイパーオリオン、超オリオンです!!
「オリオン」とは「時空警察ヴェッカーシグナ」にサブキャラクターとして登場した「時空刑事オリオン」の事です。
「ヴェッカーシグナ」の熱心なファンの方はご存知だと思いますが、最後に出たキャラクターソングCDアルバムに
(だけ)収録された森久保祥太郎さんによる時空刑事オリオンのテーマ「Who am Ⅰ?」(名曲です!)とそれに寄せた畑澤のコメント「僕の中で本編中で描けなかったオリオンの物語がさまざまに去来しています」っていうのがありましたよね?それからすべてが始まりました!
森久保さん、和田(三四郎)くんらと飲みながら「CDドラマにでも出来ればなぁ…」なんて話してました。…そして、そういう話で原案を書き始めてもみました。
ちょうど新作「ヴェッカー」の話が膠着状態に陥った頃でもありました。
あにはからんや、実際そういう企画で進行、とある方と、CDドラマと舞台の融合で…なんて話にもなりました。
そうやって原案(台本にしかかってました)を書きながら、やはりどこまでも映像屋でしかない畑澤の中で、実写で動くオリオンの物語がさまざまに去来(笑)してしまいました。
どうしてもやっぱり映像にしたい!いや、何がなんでもやりたい!!という気持ちがフツフツと湧き上がってきました。
そしてついに、「自主製作でやるぞ!」と決心させてしまうのです。
思い立ったが吉日!で「とにかく主演俳優は押さえねば!」と和田三四郎くんに有無を言わせず、ろくに説明もせずОKさせ、もう一人の主役であり、この企画をやらねばならぬ!と決意させた張本人である(自覚はないと思うが)森久保祥太郎氏に即℡!!森久保氏から「カントク、それはやった方がいいですよ!心残りはなくした方が!俺、なんでも協力しますから!」と心強いお言葉。いきなり発想をわめき散らす畑澤に何がななんだかわからなかったと思いますが、さすがスーパースターです。
思えば最初の「時空警察ヴェッカー」も自主製作だった。初心に帰るべし!!
…と思って改めて原作書き始めると、これが事のほか楽しい(^O^)
仕事じゃない仕事って、なんて楽しいんだろうって感じでどんどん発想が膨らんでいきます。
そういう訳で「時空警察ハイペリオン」はCDドラマ企画として、そして自主映画としてスタートしました。
無名(ごめん)の主役、和田三四郎主演映画はこうして始まったのです。そして、こうして始まらなければ主演:和田三四郎は難しかったと思います。
でも、和田三四郎が演らない光四郎なんて、和田三四郎が入らないオリオンなんて絶対ありえないですからね!
四十路男が始めた三十路男ふたりの自主製作作品、どうなる事やらと思っていたら、どこで聞いてこられたか(笑)しほの涼サマから「光四郎主役でアタシが出ないなんてありえないわよね」と頼もしい参加表明!あ、でも自主製作ですよ、これ。
…そして最初の奇跡が!!
その頃、ある方のご紹介で10年ぶりぐらいにご挨拶に行ったマクザムさんで、会長のKさんに10年分の世間話をしているウチに、俺的「今やってること」最前線の話である「ハイペリオン」の話をすると…。
「それ、ウチでやろうよ。おもしろそうじゃん」
とK会長の何気ないお言葉!一瞬蒼ざめるお隣のK窪プロデューサー(笑)
「やろうよ」
…その一言を聞きたくて新作「ヴェッカー」の営業で、どれだけの会社を渡り歩いた事か…。
「ОV(オリジナルビデオ)2本分ぐらいならやれるんじゃない?」
というお言葉が続き
「はい!やります!!やらせて頂きます!!」と超即答。
最後に「あんまり予算出ないよ(笑)」
とのお言葉も、もはや怖くない!最初から自腹で作ろうと思ってたんだから!!
内容に関しては
「畑澤の思うように作りたいもの作ればいいじゃん」
というこの上ないお言葉!いや、何気にもの凄いプレッシャー!!
という訳で、「時空警察ハイペリオン」は30分のオリジナルビデオ2本、という形で正式に企画がスタートしました。
チラシやHPなどの告知が「全2部作がついに…」みたいに書かれてるのはそういう訳です。
そして、2度めの奇跡!「え?劇場で公開するんですか?映画ぁ!!??」
に続きます。…とこれが約半年間の出来事でした。こんなに簡単に書ける程簡単ではなかったのですが、要約するとこんな感じでした。
次回以降、もう少し詳しく書いていきます。面白ければ、次回も読んでください。
それでは、以下次号にて!!
■待ちに待ってた・・・。
『シグナ』の頃から監督のブログを読んで、続編・舞台化をホント待ち続けていました。(待つことしか出来ないもんで・・)紆余曲折の経緯も読んでたので『ハイペリオン』の製作決定を読んだときはホント嬉しかったです。今回の記事で『ハイペリオン』が『シグナ』の正統な続編ではないことを知りましたが、監督が「自分がやりたかった、自分にしか出来ない」カタチ(企画)で製作出来るようになった今回の映画、楽しみにしています。・・・と言いながら水面下の『シグナ』続編の方も絶対引き上げてくださいね。