2009年2月27日 21時45分
社会保険庁職員が給与を受け取る一方、無許可で労働組合活動に専念する「ヤミ専従」を行っていたとされる問題で、東京地検特捜部は27日、厚生労働省が背任容疑で刑事告発した職員と上司の計40人を「既に弁償を済ませている」などとして不起訴処分(起訴猶予)にした。
厚労省によると、告発された40人は実際にヤミ専従をしていた職員16人と、社会保険事務局の会計担当者や社会保険事務所長ら上司24人。一部は既に退職している。16人の専従期間は最長約8年で、支払われた給与の総額は約4億8000万円に上る。
同省の調査委は昨年11月、国の損害は自主返納などでほぼ補てんされているとして告発に慎重な意見をまとめたが、舛添要一厚労相は同12月に告発方針を指示。同省は最後に16人に対し給与が支払われた04年3月~05年3月の間(計384万円分)に限って、背任容疑で告発した。
特捜部は起訴猶予とした理由について▽積極的に国に損害を与えようとした跡はみられない▽減給処分などで一定の社会的制裁を受けた--などとしている。