佐藤優氏、公開質問状の受け取りを拒絶
『週刊新潮』編集部の佐貫氏との電話のやりとり(4月11日夕方)で、重要な事実が判明したので以下、記しておく。

佐貫氏によれば、3月14日の私と佐貫氏との電話の直後(14日当日か翌日)に、『週刊新潮』編集部の記者(佐藤優氏と大変親しいらしい)が、ウェブ上からプリントアウトした私の佐藤優氏への公開質問状を渡したい旨を、佐藤氏に(佐貫氏によれば、多分電話で)伝えたという。ところが佐藤氏は、この記者に対して、公開質問状を受け取らないと答え、受け取りを拒絶したというのだ。

公開質問状を受け取った上で黙殺する、ということですらないのである。受け取り自体を拒絶しているのである。これでは佐藤氏は、私の質問から逃げ回っていると言われても仕方がないのではないか。公開質問状は、ウェブ上で既に公開しているから、佐藤氏は、私の公開質問状の内容をウェブ上で見て、答えられないと考えたからこそ、受け取りを拒絶したのかもしれない。

これで、「左右両翼からの批判について、公共圏で論じる必要がある問題提起には、投書への返信を含め、時間の許す範囲で誠実に対応してきたつもりである」(『世界認識のための情報術』金曜日、2008年7月刊、8頁)、『週刊金曜日』の「編集部経由で筆者に寄せられた照会についても、すべて回答している。筆者の反論に、批判者がどの程度、納得しているかわからないが、筆者としては誠実に回答しているつもりである。いずれにせよ、編集部を経由して、このような形で読者との双方向性が担保していることをうれしく思う」(同書、222・223頁)といったこれまでの佐藤氏の大見得は、虚構であったことが完全に示された、と言えるだろう。

そもそも、佐藤氏は、私に関する虚偽の事実の記述を含む、『週刊新潮』2007年12月6日号掲載記事「佐藤優批判論文の筆者は「岩波書店」社員だった」において、私が『インパクション』第160号(2007年11月発売)に発表した論文「<佐藤優現象>批判」について、「私が言ってもいないことを、さも私の主張のように書くなど滅茶苦茶な内容です。言論を超えた私個人への攻撃であり、絶対に許せません。そして、『IMPACTION』のみならず、岩波にも責任があります。社外秘の文書がこんなに簡単に漏れてしまう所とは安心して仕事が出来ない。今後の対応によっては、訴訟に出ることも辞しません」などと発言しているのだから、最低限、


・金が「<佐藤優現象>批判」において、「私(注・佐藤氏。以下同じ)が言ってもいないことを、さも私の主張のように書」いた箇所はどこなのかを具体的に指摘すること

・その箇所が、単なる金の誤解ではなく、金による「言論を超えた」佐藤氏個人への攻撃であることを示すこと

・(「私が言ってもいないことを、さも私の主張のように書くなど滅茶苦茶な内容です」と、「など」と佐藤氏が発言しているので)金が「<佐藤優現象>批判」において、「私が言ってもいないことを、さも私の主張のように書」いたこと以外のどの箇所が、「滅茶苦茶」で、「言論を超えた私個人への攻撃」であるかを示すこと


は、佐藤氏の義務である。そうした義務を今日に到るまで果たすことなく、しかも、私からの公開質問状の受け取りまで拒絶しているのであるから、これでは、金の論文が、「私が言ってもいないことを、さも私の主張のように書くなど滅茶苦茶な内容」であるという佐藤氏の発言はデマで、『週刊新潮』上記記事での佐藤氏の発言は、金の論文に対して、自分の正当性を誇示しようと虚勢を張るためのものだった、と言われても仕方がないだろう。

また、『週刊新潮』上記記事を書いた記者は、佐藤氏と大変親しく、毎日のようにやりとりしているらしいと、『週刊新潮』編集部員は私に明言している。とすると、『週刊新潮』上記記事は、佐藤氏が『週刊新潮』の懇意の記者に書かせたものだとする、『実話ナックルズRARE』第1号(2008年10月売)や『中央ジャーナル』203号(2008年11月25日発行)の報道は、事実を伝えている可能性が高い、と言えそうである。

なお、前にも書いたように、自身のブログで佐藤氏を批判する記事を書き、佐藤氏批判の内容を含む本を刊行することを明言した原田武夫は、本の刊行直前、『週刊新潮』に大々的な中傷記事を書かれており、佐藤氏の怒りを買ったらしい『AERA』の大庭記者も、『週刊新潮』に中傷記事を書かれている。佐藤氏の怒りを買ったと思われる書き手について、『週刊新潮』が中傷記事を書くというケースが、私の件も含めて、3つも続いているのだ。佐藤氏と大変親しく、毎日のようにやりとりしているらしい『週刊新潮』の記者が、私に関する記事を書いているのだから、他の2つの記事に関しても、この記者の執筆、佐藤氏のこれらの記事への関与の可能性を疑う方が自然であろう。『週刊新潮』記事に佐藤氏が関与しているのならば、佐藤氏は、小林よしのりが佐藤氏を評したあだ名、「言論封殺魔」そのものである、ということになる。

以前の記事で、「今後、何らかの件で佐藤氏と接する機会のある人々は、佐藤氏に、金に公開質問状への回答を送るよう、佐藤氏に催促してほしい。佐藤氏の講演会で、この件に関して佐藤氏に質問をするのも面白いのではないか」と書いたが、改めてそのことをくり返しておこう。今後も引き続き、何らかの形で佐藤氏に回答させるよう、佐藤氏が自己の義務を果たすよう、行動していく。


by kollwitz2000 | 2009-04-13 00:00 | 佐藤優・<佐藤優現象>
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