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金融危機、崩壊した自由市場主義 どこへ行く資本主義 (3/3ページ)
ヒルズディル大のバート・フォルソン教授(経済史)は、過去に景気後退から最も大きな回復を果たした政権は、減税策をとった1980年代のレーガン政権だと指摘。「市場は機能する、が歴史の教訓だ。政府の介入は大半の場合、効果よりも多くの問題をもたらした」と強調した。
資本主義は「成長と個人の自由を提供する最良の社会制度」(カーネギー・メロン大のアラン・メルツァー教授)なのは間違いない。しかし、新たな成長と規律回復の道筋がまだ明確ではないのも事実だ。
ノーベル賞学者のアマルティア・セン米ハーバード大教授は米紙ニューヨーク・タイムズに寄せた論文「危機を超えた資本主義」で、経済学の祖アダム・スミスへの回帰を唱えた。
スミスは、個人の利益追求が「見えざる手」に導かれて社会共通の利益を達成する市場メカニズムを説き明かした。だが、同時に「慈悲、正義、寛大さ、公共心」といった利益追求を超えた価値の重要性をも主張していたことは、あまり知られていない。社会の不安定化を防ぐため、金融規制の整備や貧者救済の必要性も唱えた。慧眼である。
スミスに習えば、現下の経済危機は、国家が市場メカニズムを過信して必要な規制を怠り、美徳を忘れた個人が過剰な投機に走った結果起きた。今こそ「無視されてきた古い意見に対する新たな理解が求められている」とセン氏は訴える。
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