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割りばし死:遺族側の控訴棄却 東京高裁「予見は不可能」

 東京都杉並区で99年、のどに割りばしが刺さり死亡した杉野隼三(しゅんぞう)君(当時4歳)の両親が杏林大付属病院(三鷹市)を開設する杏林学園と担当医に8960万円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京高裁は15日、請求を棄却した1審(08年2月)を支持し、両親側の控訴を棄却した。小林克已裁判長は「診察は慎重さを欠き、カルテ改ざんも疑われるが、割りばしによる頭蓋(ずがい)内損傷を予見することは不可能だった」とした。

 両親は上告せず判決が確定する。刑事裁判でも医師の無罪が確定。発生から約10年で一連の訴訟が終結する。

 隼三君は99年7月、盆踊り会場で転倒し、担当医がのどに薬をつけて家に帰したが翌朝死亡。解剖で口に入れていた綿あめの割りばし片が脳内に残っていたことが判明した。【伊藤一郎】

 ▽杏林大付属病院の東原英二院長の話 過失がなかったことが認められ感謝している。隼三さんのご冥福をお祈りし、医療の安全に一層信頼を得られるよう全力で取り組む。

 ▽隼三君の両親の話 血も涙もない判決で無念。私たちの闘いが何らかの意味で医療にとって意義があったと認めていただける時が来るよう、今後も努力したいと思います。

毎日新聞 2009年4月15日 21時15分

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