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「日本人が日本人を救える国に」―臓器移植法の改正訴え集会

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 日本移植者協議会など5団体でつくる臓器移植患者団体連絡会は4月14日、東京都内で「臓器移植を進める会『日本人を日本人が救える国に!』―臓器移植法早期改正を」と題する集会を開いた。15歳未満での臓器提供の禁止などを定める現行の臓器移植法の早期改正を訴えるもので、同連絡会の代表幹事・大久保通方氏は、「1日も待てない。何としても今国会で、改正案を通してほしい」と求めた。臓器移植を受けられずに亡くなった子どもの親なども、「臓器移植法を改正し、日本人が日本人を救える国に」と訴えた。

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 現行の臓器移植法は1997年10月に施行された。しかし、15歳未満での臓器提供を禁じているほか、臓器の提供者本人が、提供の意思を書面で示すことを求めているなど、移植への壁が高いと言われている。このため、海外での「渡航移植」を目指す患者が後を絶たない。ところが、来月開かれる世界保健機関(WHO)の総会で、渡航移植が原則禁止される可能性が高く、今後、渡航移植は事実上できなくなる。
 また、現行の臓器移植法は附則で、施行後3年をめどに見直すとしているが、既に11年以上が経過。2006年にはさまざまな立場から3つの改正案が提出されたが、法案は「棚ざらし」状態のままだ。

 大久保氏は集会で、書面による意思表示を求める現行法について、「(法律の制定当時、)正直、『移植禁止法』ではないかと思った」と述べた。また現行法の内容について、「日本だけが海外と違う法律を作っている。そしてそのツケをすべて海外に預けている」と批判した。
 同連絡会幹事の見目政隆氏も、「渡航移植は、患者や家族にとってやむを得ないこと。しかし、一つの国として見た場合、緊急避難的に行うならまだしも、定常的に行われているのは異常でしかない」指摘。その上で、「国家として、大変失礼なことをしている」と述べた。

■「なぜ日本で助けられないのか」
 集会では、臓器移植を受けられず亡くなった子どもの家族や、子どもの移植を待つ家族らも発言した。
 中澤啓一郎さん、奈美枝さん夫妻は、1歳4か月の息子、聡太郎ちゃんを拡張型心筋症で亡くした。支援者らの協力で資金を集め、渡米した後のことだった。啓一郎さんは、「現地の医療スタッフに、『なんで日本の子供はこんな深刻な状況にならないと来られないのか』と言われた」と述べ、「聡太郎は日本人。なぜ日本で助けられないのか」と訴えた。
 岡田由紀さんも今年1月、生後9か月の長女を拡張型心筋症で亡くした。渡航移植を決意した矢先だった。「余命わずかとの宣告を受けた時は、信じられない気持ちだった。元気に過ごしている子どもがうらやましかった。なんでうちなんだろうと思った」と岡田さん。「娘は戻ってこないが、この改正案で、日本人が日本人の手で助けられるようになってほしい」と訴えた。


更新:2009/04/14 22:00   キャリアブレイン

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