ただいまの展示 いままでの展示 注目の一品

ただいまの展示

 第一展示場では、伊達家の家紋に「竹に雀紋」にちなみ、雀をモチーフとして取り入れた調度類を展示します。
 宇和島伊達家の家紋としてお馴染みの宇和島笹をあしらった調度以外にも2羽の雀を対称に描いた「向雀」や、ふっくらした愛らしい姿の「ふくら雀」などいろいろな雀が描かれています。
 写真上の「天賜 向雀竹模様 手炉」は天皇より下賜された品物で、手炉とは手焙(てあぶり)とも称され、手をあぶるのに使う小型の火鉢をいいます。蓋の部分に金工の雀が模ってあるのが特徴的な手炉です。
 写真下の「竹に雀御紋入り 袱紗」は儀礼用の方形の絹布で「掛袱紗」として使用されたものです。「竹に雀紋」にちなみ、竹と2羽の飛び雀が愛らしく描かれています。
天賜 向雀竹模様 手炉
天賜 向雀竹模様 手炉
竹に雀御紋入り袱紗
竹に雀御紋入り 袱紗
 第二展示場では歴代藩主の干支の紹介いたします。その中から初代秀宗、七代宗紀、八代宗城、九代宗徳の干支が描かれた道具を中心に展示します。
 右上写真の「黒塗竹に虎蒔絵 盃」に描かれる虎は、寅年生まれである宗城と宗徳にちなんだものです。竹と虎は取り合わせの良いものとしても知られ、大変おめでたい盃です。
 右下写真の「水鳥鯉図 円山応挙筆」は今常設展の見所の一つでもあります。水鳥図6幅、鯉図6幅の計12幅は直接見ると大変迫力のあるものです。また、この画幅に描かれている水鳥(オシドリ)や鯉は今でも実際に天赦園にて見ることができます。
黒塗竹に虎蒔絵 盃
黒塗竹に虎蒔絵 盃
水鳥鯉図(水鳥図) 円山応挙筆
水鳥鯉図(水鳥図) 円山応挙筆
 第三展示場では、古来より良いことの前触れを表す吉祥動物を中心に展示します。吉祥動物とは大陸より伝わった瑞祥という思想をもとにイメージされた想像上の動物(麒麟、鳳凰、龍、亀など)のことを指します。
 写真右上の「金地菊に鳳凰文鎮」は取手の金具に優雅な菊紋が施され、吉祥文様のひとつである鳳凰と組み合わされた文鎮です。鳳凰は文様として日本で多様されたもので、写真右の「紫地鳳凰竹に雀文袿袴」にも用いられています。
 これらの吉祥動物(瑞獣・ずいじゅう)には様々なエピソードが残されていますので、そちらも合わせてご覧下さい。


 また、2月19日(木)からは「ひな人形とひな調度展」を併せて開催いたします。
金地菊に鳳凰文鎮 紫地鳳凰竹に雀文袿袴
金地菊に鳳凰文鎮
龍福禄寿図 狩野常信筆
龍福禄寿図 
狩野常信筆 (一部分)
紫地鳳凰竹に雀文袿袴
 伊達家とも縁の深い宇和津彦神社の祭礼や鹿踊りの変遷について、伊達家の動物にまつわる狂言面や楽器、十代宗徳(むねえ)夫人である孝子様の和歌や写生作品などを紹介していきます。
 宇和島地方に伝わる鹿踊りは、江戸時代に仙台より伝えられたとされ、五ツ鹿踊りは宇和島城下において江戸時代末から大正10年(1921)まで踊られていました。写真上の五ツ鹿古面は5頭のうち中央の1頭が雌鹿面で残りの4頭は雄鹿面です。
 写真左下は狂言「釣狐」(つりきつね)の専用面です。狂言では、一般に牛、馬などを表すときには、賢徳など人間的な表情をした面をつけます。それに対して、狐と猿の面は写実的なものを使用すると言われます。

五ツ鹿古面
五ツ鹿古面
狂言面 狐 朱塗鹿・鶴・寿老人蒔絵三つ組盃
狂言面 狐 朱塗鹿・鶴・寿老人蒔絵三つ組 盃

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