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ネット規制についての論点整理
水曜に、民主党のプロジェクトチームのヒアリングで意見を述べることになった。いろいろな人からいただいた情報を総合すると、情勢はあまり楽観できないが、それほど差し迫ってはいないようだ。少なくとも、連休前の法案提出ということはないだろう。MIAUが5月1日にシンポジウムを予定している（詳細は未定）が、十分まにあうと思う。
まず自民党のプロジェクトチームのヒアリングで、インターネット・ホットラインセンターに続いて、携帯の自主規制団体EMAも「法的規制が必要だ」という意見を表明した。有害情報が膨大で、自主規制には限界があるということのようだ。他方、マイクロソフトは「有害情報は憂慮すべき問題だが、法的規制には問題が多い」として、ISPなどの自主規制の強化で対応すべきとの方針をヒアリングで表明した。
当ブログの記事でも、コメント・TBあわせて100以上の大激論が行なわれた。bewaad氏と大屋雄裕氏は「法的規制は必要ない」あるいは「なくてすむなら、それに越したことはない」という意見だが、小倉秀夫氏は「規制は必要だ」と主張している。主要な論点を規制賛成と反対に整理すると、
警察が２ちゃんねるを放置してきたのは、こういう法律を通すためだったともいわれている。事実、世論調査で「規制賛成」が圧倒的多数を占め、自主規制団体が法的規制を求めるほど、状況は悪くなっている。それなのに、ウェブに出てくる議論は「絶対反対」ばかり。昔の戦争のときと同じで、そういう強硬論は勇ましいが、自民党にも民主党にも相手にされないで「玉砕」するだけだ。
私の結論としては、まずISPが共同出資して自主規制の強化で対応し、それでも対応できないという状況になったら、あらためて法的規制を考えてもよいのではないかと思う。特に有害情報をISPが削除する権限ぐらいは、法的に決める必要があるかもしれない。これ以上、状況を悪化させないためには、ひろゆきの違法行為を英雄視するような幼児的な態度を改め、ネット・コミュニティに自治能力があることを示すことが重要だ。
まず自民党のプロジェクトチームのヒアリングで、インターネット・ホットラインセンターに続いて、携帯の自主規制団体EMAも「法的規制が必要だ」という意見を表明した。有害情報が膨大で、自主規制には限界があるということのようだ。他方、マイクロソフトは「有害情報は憂慮すべき問題だが、法的規制には問題が多い」として、ISPなどの自主規制の強化で対応すべきとの方針をヒアリングで表明した。
当ブログの記事でも、コメント・TBあわせて100以上の大激論が行なわれた。bewaad氏と大屋雄裕氏は「法的規制は必要ない」あるいは「なくてすむなら、それに越したことはない」という意見だが、小倉秀夫氏は「規制は必要だ」と主張している。主要な論点を規制賛成と反対に整理すると、
- フィルタリングの義務づけは必要か
- 賛：親がフィルタリングを知らないなど十分に監督しないと、子供は野放しになる。またPCには監督が行き届かない。
- 否：携帯端末は保護者しか買えないので、その段階でフィルタリングしたい親がすればいい。またPCにフィルタリング・ソフトの内蔵を義務づけるのは非現実的だ。
- ISPの規制は必要か
- 賛：自主規制だけでは、ルールに従わない悪質なサイトがもうかる。出口で規制するより、有害情報を送る側を規制したほうが効率的だ。
- 否：違法なサイトは刑法で取り締まればよい。刑事罰以外にも、悪質なサイト名を公表するなど制裁措置は可能だ。
- 「有害情報」の定義が曖昧ではないか
- 賛：法律で厳密に定義することは不可能で、通常の法律でもそういうことは要求されていない。その判断のために第三者委員会やホットラインセンターがある。
- 否：第三者委員会やホットラインセンターには警察の影響が強く、中立性に疑問がある。曖昧な基準で「有害情報」の流通を規制すると、無関係な情報の流通まで阻害される。
警察が２ちゃんねるを放置してきたのは、こういう法律を通すためだったともいわれている。事実、世論調査で「規制賛成」が圧倒的多数を占め、自主規制団体が法的規制を求めるほど、状況は悪くなっている。それなのに、ウェブに出てくる議論は「絶対反対」ばかり。昔の戦争のときと同じで、そういう強硬論は勇ましいが、自民党にも民主党にも相手にされないで「玉砕」するだけだ。
私の結論としては、まずISPが共同出資して自主規制の強化で対応し、それでも対応できないという状況になったら、あらためて法的規制を考えてもよいのではないかと思う。特に有害情報をISPが削除する権限ぐらいは、法的に決める必要があるかもしれない。これ以上、状況を悪化させないためには、ひろゆきの違法行為を英雄視するような幼児的な態度を改め、ネット・コミュニティに自治能力があることを示すことが重要だ。
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「ひろゆき」という人を英雄視する人達というのは、実際どのくらいいるのでしょうか？ここにコメントするようになって感じたのですが、「ネット・コミュニティ」というものが何か実在するかのような、またこの法案問題に関しても、その「ネット・コミュニティ」側が反対しているかのような見方が一方的になされている気がしました。ネット利用者側に、もしかするとそういった連帯意識を持った人たちが存在するのかもしれませんが、そういった所に視点が収束していくことには、全く意識の無い自分からすると、とても違和感を感じます。
（私は「２ちゃんねる」というものは感性的に合わないので、ほとんど日常的に利用することもありませんし、「ひろゆき」という人の発言や行動を見ても、独善的なものを強く感じ、正直あまり好きではないです。）
すみません。あくまでも個人的な意見なのですが、状況をどう把握すべきなのでしょうか？法案規制という話がいきなり飛び出てきたので、
総合的に考えてまだ納得が十分にいかない私としては、反対の意思を表明するしか術が無いのですが、何か物事が急速に判断されていくことにはただただ疑問を感じます。(こんな風に書くと、また、「事業者を野放しでいいのか」と言われそうですが、一ユーザーとしては主観的な意見を提示することが限界かとも思います。)
今回の記事で纏められていた視点や意見についてもまた参考に、一個人的に関心を持ってこの問題を見つめていこうと思ってます。
現状を鑑みるに、やっぱり問題なのは既存の悪法と「お役所仕事」と「性善説」だと思います。
例えば、お役所と縁が深い業者は何を言っても摘発されませんし、お役人の対応が遅いのは有名です。そして、ひろゆき氏のように、「払わない事に罰則が無い」という馬鹿げた性善説が既存の法にあります。
これらの悪法を改善し、お役所が必ず動かねばならないようにすれば問題は少しは解決すると思います。
海外については、各国に協力してもらうべく、外交努力をするべきです。
ついでに住所も。
個人情報保護されかつ匿名掲示板があることが事態を悪化させている。
匿名情報の有用性とネット加害性との比較になる。
なお、実名表記の実現可能性の法的技術的ハードルは意外に低そうだ。
＜「死ねばいいのに」って書いてるユーザーのアカウントを削除するとか、「これはひどい」というタグを付けられなくするとか、あるいはそういうタグやコメントを見られなくするとか、システム的な対応をしてしまうと、対応全部がアドホック的になっていっちゃう。そうなると、多分はてなブックマークが本来持っている価値まで全部失われてしまうと思うんですよね＞
http://ascii.jp/elem/000/000/119/119192/index-3.html
「はてなブックマークが本来持っている価値」とは何なのか。他人の迷惑もかえりみず、悪口をいうことなのか。はてなが身内のおもちゃではなく、社会的な「悪口のプラットフォーム」になっているという自覚が欠如している。前から近藤氏には言っていますが、少なくともdiggのように減点も可能にし、点数の低いものは隠すなどの工夫をすべきです。それは「はてなの価値」なるものに優先する、彼らの社会的責任です。
道徳の教科書みたいなことや、理想論を吐くつもりじゃないんだけど、自分の主張をちゃんと表現できる社会も有益でとっても大切ですよね。だけどそれと同じくらい他人に対しての思いやりとか、優しさや配慮もないといけないと思う。
今の日本の社会に欠落してるのは、ソレじゃないのかな・・・
悲しいね。
に賛成です。付け加えるとすればISPの削除権については「削除者側からの請求がある場合は削除の妥当性をISPが証明(説明)する」、「不正な削除をISPが行った場合は罰則を与える」を付け加えるべきだと思います。
今の聖火リレー問題ではないですが、不正な圧力によってISPが削除を実施することが想定されますので、それを防ぐ事が必要と思われます。
zeronemaxさん
＞サイト運営者にあらゆる情報発信ごとに実名表記を義務づけしたらどうだろう。
まずは既存メディアに義務付けした方が良いのでは？
全ての新聞記事・週刊誌の記事に実名を記載し、TVのニュースも原稿を書いた人間の実名を表記する。
ついでに住所も
既存メディアで実施されていない規制ををネットだけでやってもしょうがないですよね。
メディアが原則として責任を負わないネットの側が，メディアが原則として責任を負う既存メディアを指さして，「俺たちに実名の開示を求める前にあいつらに実名開示させろ」というのは，不誠実な言い分だと思います。
まず行なわなければならぬのは、情報の分類。そして、それによるタグづけ、リンクでしょう。
透明性は必ず持たせて欲しいです、
自分達の都合の悪い動画だからといって
一方的に削除できないようにして欲しいです。
「既存メディアの場合，匿名記者による記事が第三者の名誉を毀損した場合，その記事を載せたメディアが法的責任を負います。」
その場合はメディアは内容を把握した上で載せることを承認しているのですから、その例を以って２ちゃんねると比較するのは無理があると思います。そもそも現在の法律は「誰の承認を得ることもなく多数に情報を発信することが可能なメディア」というものを想定して作られていません。
私は、２ちゃんねるの例はあまり今後の参考にならないと感じています。そもそもひろゆき氏が負った損害賠償の判決自体が法的にグレーではないでしょうか？全ての事例を知っている訳ではないですが、ひろゆき氏が訴えられた件の多くでは以下のような流れがあります。
原告側は２ちゃんねるに定められている削除のためのガイドラインに沿った手続きを踏まず、ただ「削除しろ」「書き込んだ者のＩＰを開示しろ」と要求した。
↓
しかし２ちゃんねる側は「削除要請の手続きを踏んで下さい」と突っぱね続けた。
↓
その結果、書き込み当事者が判らない原告側はひろゆき氏を被告とする損害賠償請求を行ったが、ひろゆき氏は裁判に全く顔を出さない。
↓
被告が裁判に出てこないため、自動的に原告勝訴
となっています。
つまりこの原告勝訴はひろゆきが裁判に顔を出さなかった結果に過ぎず、法的に「掲示板の書き込みは誰に責任があるのか？」ということを吟味した結果ではありません。未だに「掲示板の書き込みは誰に責任があるのか？」に関してはグレーのままです。インターネットというメディアを「内容を吟味し掲載することを決定する責任者がいるメディア」と同列に扱うべきなのか、それとも新しいメディアとしてその責任の所在を明らかにする新しい法律を作るのか、という問題は全く解決していないのです。これは有害情報規制とは別問題として議論する必要があると思います。
ＩＳＰや掲示板運営者への法的規制と自主規制は過剰なる萎縮作用或いは脱法更には事後処分などのリスクがある。
ネット被害にあっても個人情報保護を錦にあげて匿名者を保護する。
単純にネットへの情報公開者には個人情報保護法の対象外にするだけでいい。
ネットには、ポルノなど明らかに未成年に相応しくない情報が氾濫しています。
よく米国では、書店でポルノなどは法律で厳重にしきいがされているといいますが、
その米国のネットでは、ポルノ情報などが無法地帯です。
なぜ米国は放置してるのでしょうか？
これでは、漠然としたネット規制への世論が高まってしまいます。
そしてその、米国や欧州では児童ポルノの所持規制という物が実行され、
日本にも規制を要求しています。
文字通りの児童ポルノなどは良く無い物と思いますが、
この法律は質が悪く、おそらく警察国家化が目的だと思います。
公権力による家宅捜査を許す所持規制より、蛇口規制が先だと思います。
つまり、ポルノ情報などを未成年からフィルタリングしてしまえば、
世論の漠然としたネットへの危険視が消えると思います。
実現方法は、情報発信者に１８禁タグを義務付け、ブラウザにも対応を
義務付ければいいのです。
そして、日本の基準と明らかに違う外国とは、
未成年限定でフィルタリングしてしまえばいいのです。
最近、外国が日本に要求してる法律は、
児童ポルノの所持規制、人権擁護法案、外国人参政権、
など、明らかに質が悪い物です。
外国は、日本のネットを見たくないなら、
外国が勝手に日本からの情報を遮断すればいいのです。
人の国の法律を変えさせるなど、傲慢極まりない話です。
規制賛成派も規制反対派も『インターネットの情報規制自体は一定限度必要であり、その程度は現実社会と同様とするべきである』といった主張で一致しているのではないでしょうか。
池田先生や小倉先生のご主張をからすると『絶対反対』＝『インターネットの無法地帯・無政府地帯化の要求』とする主張であるとの表現が多々あるのですが、実際には『“現実社会以上の規制強化は”“絶対反対”』なのではないかと存じます。この場合、既に現実社会と同程度（場合によってはより厳しい規制）が既に施行されているのですから、『これ以上の強化は何らかの科学的エビデンスがない限り一切無用である』とする意見はごく必然の事でしょう。これは当然、無法地帯化の要求ではありません。
一方、『インターネットに法規制が必要か否か』であれば、それは規制は完全に不要と返答する人物はほとんど居ないでしょうから9割超の肯定になることも自然です。むしろ、『インターネット社会には現在、現実の社会と同様の（場合によってはより厳しい）規制が行われている。ここで表現の自由や利用者の利便性を害し、莫大な社会的コストを要してでも更なる規制を行うべきか否か』と問えば、それこそ否とする返答が大半を占めるのではないでしょうか。正に設問の段階でバイアスが掛かっている訳です。
次にADRによる自主規制も母体をISPとした場合では、（与党や民主党の対応からも）業界団体の一つであるインターネット協会を形式上の母体とするインターネット・ホットラインセンターが中心となることは火を見るよりも明らかです。しかしご存知のようにこの団体は（本来の監督官庁である総務省ですらない）警察庁直下の機関であり、協力団体には恣意的な情報操作を行っていることで知られる団体も名前を連ねているなど、とてもではありませんが利用者からみて中立な対応は期待できず、事実上の御用機関として情報規制のためだけに機能することも確実です。
よって、ADRなのですから当然の事として“官の影響力”を徹底排除したうえで、それこそMIAUのような“利用者を中心とする団体”がISPの代表者らと協議を行う様な場が用意できなければ、ADRによる“自主規制”は事実上の検閲を合法化でしか有り得ません。
一方で個別のコンテンツプロバイダが事前に“自社基準による情報削除を行うこと”“削除基準”“異議申立ての手続き”について明確に示すことを前提とし、自主的に“違法ではない”表現について規制を行う自由については、確保されるべきであると感じます。また、携帯電話のような一律のフィルタリングを行う場合でもホワイトリストに載せることが容易くなる効果も期待できるでしょうから、差別化自体を目的として一定の業者がそういった選択を行うこと自体は想定されます。
逆にそういった削除を“一切行わない（違法な情報以外は放置する）”ことを明言するサービスも必然的に発生することも確実です。そして差別化が進んだ後は、市場原理が淘汰を行うことになるだけの事でしょう。
こういった対応は既に利用約款などによって確保できるのですから、今更行政が介入する必要は全く存在しないと存じます。
最後に、ISPに対するフィルタリング要求については、携帯電話の場合は（携帯電話端末には後付のアプリケーションを入れることが困難ですから）仕方のない面があること、携帯電話会社であれば通常は一定以上の大企業であり、相応のリソースを用意できることから、ある程度の対応は可能でしょう。
一方で、PCを主なホストとして想定する一般のISPに対する要求としては、その金銭・ハード・ソフト全ての面でリソース不足を起こす可能性が高く、超大手ISP以外は廃業を余儀なくされることになります。
PSE法と同様の無理難題であり、あまりにも現実を知らない（あるいは恣意的に無視している）要求ではないかと存じます。
結局は、教育の問題かと思われるのですが、コンピュータが絡んだ途端に、そのことが分からなくなる風潮があるのではないかと実感します。
それに、ネットの悪い点ばかりが取り上げられるのは不公平です。
２ちゃんねる発で、チベットの弾圧に抗議デモを行うなど、良い点は過小にしか取り上げられません。
ここになんらかの悪意が感じられてしまうのです。
それはいくら何でも・・
今話題の靖国の報道に関して責任の「せ」の字も無い存在の責任を仰られても・・
法的責任以前にモラルのレベルも何も無い存在を比較対象にされて述べられるのは抵抗を覚えます。
一定の責任というのは同意しますし池田さんの仰られている様に提案していっていくのにも頷けますがね。
実際分類するにせよ何を基準にするかで決まってくるでしょうね。
例えば歴史で言えば南京を取り扱っているサイトとかどう運営するとかで大変でしょうね。
ところが、「２ちゃんねる」にしろ「はてな」にしろ、そのようなことを気にするはずもなく、法規制の話が出てくるのもむべなるかなという気がしないでもありません。（できることならやらないでほしいのですが）
ただ、フィルタリングについては、技術的に見ただけでもかなり無理があるように思われます。特にPCでの利用となった場合、プロバイダー側からフィルタリングするとなると、利用しているユーザーがわからない以上、原則フィルタリングをかけざるを得ないでしょうし、フィルタリングソフトがPCローカルで組み込まれている場合は、子供の使うPCは、子供に制限ユーザーのIDを与えた上（他に方法があるかもしれませんが、無断でのアンインストールを防ぐと言うことで）で、ソフトを親が運用する必要が出てくるように思います。規制賛成派の方ほどこれらの運用に不慣れなのではないでしょうか。
最後に与野党の国会議員の方にお願いがあります。「やらないよりましでしょ」的な感覚で法律を作るのだけはやめてください。
つまり記者個人は間接的に守られていると言うことですよね？
それ以前に、ネット側、メディア側という分類が古くさく感じます。
メディア会社もネットを利用しますし、メディアの中の個人も、プライベートにネットが浸透しています。
同列に置いて、どっちがどうという話ではないと思いますが。
個人的には「ネット」とは「会話」と同じ、「知覚の産物」であり、それが技術で拡大したものと考えます。世界中の人間の目が良くなり、声が拡大したもので、その使用法は、個人のモラルと欲求バランスで様々でしょう。
（そこまで考えると、法の問題ではなくその運用執行システムこそが、ネット時代に遅れていると考えられます。法自体を新たにするのはばかげています）
ネット側と、一括りにするのに無理があります。
というか、ネット発言の多い小倉さんは、その区分けでは間違いなく「ネット側」ですね。
いつも記名しているのに、です。
「匿名の陰に隠れて安心して他人を誹謗中傷してストレスを発散させる場」としての２ちゃんねるの存続を願っているのでないならば，西村さんに対して，クレーム処理のための常勤のスタッフを雇い，電子メールやファックス，郵便等による削除要求や発信者情報開示請求に迅速に応じられるような体制作りを行うように，利用者の側から要請するのが筋というものです。
「しかし，被害者側がこのガイドラインに従う必要がないことは法的にはほぼ確定しています。」
それは仰る通りです。しかし、同様に２ちゃんねる側が被害者側の要求に応えなければならないという法もまだありません。つまりこの分野の法律は未整備のままなのです。今の法律では「被害者は２ちゃんねるの削除ガイドラインに従う必要があるか？もしくは２ちゃんねる側が被害者の要求に応える必要があるか？」という問題に答えは出せないのです。
損害賠償請求訴訟とは別の話になりますが、２ちゃんねるにおける殺人予告や爆破予告でひろゆき氏が訴えられたという例も有罪判決を受けたという例もありません。これらの書き込みに関しては、小倉先生が上で仰っられたような「既存メディアの場合，匿名記者による記事が第三者の名誉を毀損した場合，その記事を載せたメディアが法的責任を負います」という考え方が適用されておらず、書き込んだ者本人が法的責任を負っています。つまり司法はインターネットを既存のメディアとは別物と捉えているということになるのではないでしょうか？
司法はインターネットを既存のメディアとは別と考え「書き込んだ者本人が法的責任を負う」と考えているようですが、これは司法が目の前の現実に対応せざるを得ないためこのような判断を下しているだけで、立法による裏づけはまだありません。先ほど書いたことと重複してしまいますが、有害規制とは別枠で「インターネット上の発言の法的責任の所在」を立法によってはっきりさせる必要があると思います。現状のままでは責任のありか云々を言っても水掛け論になるだけだと思います。
それにもかかわらず、小倉先生は何故国家権力介入に抵抗感がないのでしょうか？
不思議でなりません。
市場競争原理のみでは，企業や私人が個人のプライバシーや名誉を踏みにじる行為に出ることを抑止し得ない以上，一定の限度で国家権力が介入せざるを得ません。抽象的な国家権力懐疑論を表明して自分が高見にたった気分に浸るのは快適かもしれませんが，そんなことをしている間に，現場では，私人が私人の人格を踏みにじる事件が次々と発生していきます。
匿名とプライバシーは違う概念。それを混同しているからものの理が見えないのでしょうね。
ただ、現在呈示されているその方法が、ネットという物を理解していない、全く大ざっぱで乱暴な方式であることを疑問に思います。
国家権力に保証されてきた暴力機関は、基本的にそれを行使することでなく、まず誇示することで、犯罪者を萎縮させ、通常の人を安心、もしくは教導するのが順番だと思います。
しかし、いま提案されているのは、今まで放置した街区がハーレム化したから、いきなり街区を住民毎爆撃しましょう、位の乱暴な提案です。
その前に、国家権力は、パトロールし、交番を作り、等などやるべき事、やれることがいくらであるのではないでしょうか？
警察が人材的問題で処理仕切れないなら、なぜ新しい機関を作らないのでしょうか？
２ちゃんの削除義務についても、
庭で暴れている人が居たら、そこの大家が自分で捕まえてください、怪我しても知りません、捕まえないと大家を逮捕します、と言っているようなもので、明らかに法曹界のネットに対する理解が古いため、既存の間違ったモデルを使用した判例に見えます。
そんなものを「法的に確定している」というのなら、その法律は改正すべきでしょう。
また、検察側ならともかく、その手の訴訟を弁護側として何件も扱っている小倉さんが「現実と法律の乖離」に全く触れず「法で決まっています」で、おしまい。そこで言葉を切るのも、違和感があります。
あなた個人の意見はどうなのでしょう？データベースを探せば解るような「記憶している記録の呈示」しかできないなら、この問題のスーパーバイザーから降りて欲しいのですが。
匿名性、マルチハンドルネームの許容は必要と考えています。実名による人格概念などは、カントを始めとする西洋思想が、作り上げてきたもので、ハンドルネームに一人格を与えることを否定できるものではありません。ただし、国家としては、いち住民としてのハンドルネームの生存権を許容する代わりに、タックスを要求するのが妥当です。新しいウェブ世界の管理は、ウェブ世界からの歳入でまかなうべきです。法人を含めて、ハンドルネームから住民税を請求すべきです。マルチハンドルネームに対しては、累進的に課税し、一定の現実的な制限を設けるべきです。この課税処置により、それぞれの”人格”に対する、トレーサビリティーを確保し、ネット犯罪に対する抑止力を担保します。もちろん、脱法行為には、脱税に対する処罰方法で対処することも可能となります。
万が一、潤沢な歳入が確保できるなら、一般財源化するなり、福祉・医療・年金などに振り向ければよいのではないでしょうか・・・・・・。
「２ちゃんねる側に被害者の要求に応ずる義務があることもまた法的には確定しています」
それは著作権侵害に関する裁判の以下の下りのことでしょうか？
ttp://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/127A1B93B2E2D861492570FC000222F7.pdf
「また，被控訴人は，本件掲示板の運営者として，削除依頼は削除依頼掲示に記載すべきものとするガイドライン（甲９）を設定しており，これ以外の方法による削除要請を受理しなくともよいかのごとく主張するが，これは，被控訴人が一方的に取り決めた通告方法にすぎず，本件掲示板に何ら特別な関係を持たない控訴人らに法的な効力を及ぼすことはできない。被控訴人は，少なくとも，著作権者と称する者から通知があった場合には，その通知者が連絡を取れる実在の者であることが明らかに分かり，かつ，当該発言を読んで明らかに著作権侵害の可能性が高いと判断されるときには，発言者にその旨を通知して対応策を問い合わせる必要がある。」
他にもあるのかも知れませんが、私が知っている「被害者が削除ガイドラインに従う必要がない」ことに触れている判例は上記のものです。
しかし、この判例では削除義務を確認が容易な著作権侵害に限定しており、その他の誹謗中傷等に関して同様の義務があるのかには触れていません。これは著作権侵害の場合、書き込まれた内容が実際に出版されている文章からの引用であること、さらに書き込まれた内容が著作権を侵害していることという事実関係を第三者である掲示板管理人でも確認出来るのと比べ、誹謗中傷等が第三者からは事実関係を確認しにくいからと考えられます。
もし小倉先生が仰っているのが上記の判例に関してであるならば、この著作権侵害に関する判例を誹謗中傷等も含めた書き込み全般に対して一般化することは出来ないと思います。私が知っているのは上記の著作権侵害に関する判例のみなので、書き込み全般に関して「２ちゃんねる側に被害者の要求に応ずる義務があること」に触れている判例がございましたらご教示して頂ければと思います。
特に今回の法案は、行政が司法の役割を持つ大変危険なものです。日本の行政をこれ以上暴走させていいのでしょうか？
小倉先生達は善良ですが、事を急ぎすぎると思います。
行政の暴走によって、また誰かが犠牲になる事も忘れてはなりません。
まず、国に任せようというのは間違いで、「国民がするために邪魔をするな！」という態度が一番正しいと思います。
お上任せは何の問題解決にもならず、違う犯罪に利用されるだけですよ。
たぶん フィルタリングをもう少し普及させる方向性でもうちょっとがんばるのが正解でしょうね。その過程でいいフィルタリング、悪いフィルタリングといろいろでてくるでしょう。その辺の解が見えてこないと次の段階である削除どうこうは早すぎる。
（ああ、児童ポルノと定義できるうちの狭い範囲
のものなら削除対象でもよいかも。）
それに、大事なのは、未成年者にどういう罰則を課すか。児童は無垢であり、罰を与えてはならないと
考える限りどんな規制もうまくいくはずがない。
特に、単純所持を罰則化するなら、児童を対象と
するのが先でしょうに。
池田先生はISPによる使用者年齢によるネット規制（フィルタリング）の技術的側面をフォローしておられますか？以下のブログに簡単に書きましたが、ISP側が行える（家庭で使用する）インターネット回線の規制は、契約している家庭単位でフィルタリングのオン・オフを行う事は技術的にも運用上も容易ですが、使用者年齢による選択的な規制は困難を伴っており、用意に運用可能な現実的方法を思い当たりません。ユーザーやISPが運用困難な技術であれば、その法律を導入する事に意味があるのでしょうか？
http://bobby.hkisl.net/mutteraway/?p=380
「Unknown (シッキム王国)」さん、「長文失礼いたします。 (一技術屋)」さん、「どうあるべきか (infantrytank)」さん等が言及しておられますが、このブログの読者の中でISPの現役ネットワークエンジニアの方がおられれば、現実的に運用が可能な年齢制限によるフィルタリングの技術的方法について説明頂けましたら幸いです。
》現実的に運用が可能な年齢制限によるフィルタリングの技術的方法
ネットワーク設計を生業としていますので、僭越ながら。
最も簡易な手法としてはダイアルアップ接続を“個人契約専用”として用意することで、『特定IDを利用するのは必ず特定個人』と限定することで可能です。利便性は極端に低下しますが、最も簡便かつ安価です。
同様に個人単位の専用線を用意する方法もあり得ますが、利便性と莫大な費用がバーターとなります。
いま少し現実的な方法としては、WAN側のゲートウェイを常にISPのプロクシサーバとなる様に設計し、単位時間毎にパスワードを要求する方法も考えられます。
ワンタイムパスワードと知識認証を組み合わせれば、ホストの相手はほぼ一意に特定可能となります。同様に身体認証を利用する手段もありますが、親族間では簡易な認証機材ですと精確に判別することが困難な場合も多く、だからといって精度を上げると費用が高くつきます。
利用者側に一定以上の知識が期待できるか、設置から設定、いざという時のサポートまで完全にフォローできる前提であれば、インターネットVPNを使う方法もあります。前者はハードルが高いですし、後者は極端に費用がかさみますので、これは利用者が限定されることになります。
いずれの場合でも原則的に契約者がIDやホストの共有を行わないことが大前提となり、仮に（事故か故意かは問わず）それが崩れてしまえば何の意味も成さなくなります。
そしてその場合、現与党による非効率的で他罰的・厳罰的な対応からすると、顧客起因でもISP側が罰せられる事になる可能性は決して低くないと予想できます。
いずれの手段も、私であれば危険すぎて顧客に提案できません。コンシューマ向け営業の原則廃業を前提とした対応を考えざるを得ません。
何にせよ、利用者側の責任者に一定のリテラシ能力が無いと何の意味も無いことになります。
どう選んでも利用者にリテラシ能力が要求されるのであれば、PCに対して普通にフィルタリングソフトを導入する手法が最も安価かつ確実であり、社会的コストも極小に可能となる道理です。
また、ISPを通過する全トラフィックを常にワイヤレートでテキストベースで監視する機材を導入するとなると、よほど小規模なプロバイダでも数億〜数十億単位のコストが要求されます。画像までチェックするとなると正に桁が跳ね上がるでしょう。これは現実的ではありません。
よって利用者の利便性を削ることを前提としてホワイトリストを利用するか、総務省・警察庁といった官庁の言質を取ったうえでお墨付きのある特定のブラックリストを利用するか、いずれかとなります。
前者は（DoCoMo社らがそうであったように）総務省から注意勧告が入る可能性が高く、後者は（どういう訳か）異常に高価なシステム導入を余儀なくされます。
結局のところネットワーク周りの技術は十分に成熟しており、コスト以外にボトルネックはありません。言い換えればお金に糸目をつけなければ大抵の事は何とでもなります。
したがって必要な機能を満たした上でのコストパフォーマンス重視が常識なのですが、政治家や官僚の常識は少々異なるのでしょうね。
ツールではアカウントの作成、端末側の制限、IEなどの設定を対話形式で記入するとセキュリティガードが出来るアカウントが作成できる。
というのはいかがでしょうか？
XPやVistaであればこれくらいのことはスクリプトやポリシーレベルで作成することが出来ますので、
どっかのISPがやってくれないでしょうかね？
LinuxやMacは判りません。
ネット規制の技術的方法論について議論できて光栄です。現在の目的に沿ってネット規制を行うには、フィルタリングとユーザー特定の2つの技術について考える必要があります。フィルタリングについては、ファイヤーウォールまたはプロクシサーバーを利用する方法があります。フィルタリングにおける問題点は、ブラックリストのメンテナンスでしょうね。それと、（後の述べる）ユーザーとフィルタリングを紐付ける技術です。
ユーザー特定については、非常に多くの家庭ではインターネット接続に使用するPPPOEのユーザーIDを利用できます。しかし固定IDを使用しているサービスもあり、全部を網羅できません。また、現在のユーザー特定は、契約家庭全体を含むの、その家庭内の個別の利用者（大人と子供）を区別できません。ですからフィルタ有りの場合、お父さんもお母さんも子供用サイト以外には接続できません。フィルタ無しにすると、子供を守れません。私のブログにも書きましたが、ユーザー認証を個人で行おうとすると、ISPはすべての契約家庭にブラウザ用のユーザーIDを申請させて、強制プロクシサーバー等のシステムへこのアカウントを登録します。仮にあるISPのADSL契約が50万あるとして、全家庭の利用者が200万人居れば、200万のユーザーIDとパスワードを新規にシステムへ登録しメンテナンスする作業が生じます。フィルタ用機器のハード投資だけでもかなりの額になるでしょうが、更にこの膨大な作業への人件費の投資は痛いですね。しかも、これで1円でも余分に収入が増える訳ではありません。
そして、ISPがこれだけ大変な作業をしても、学校内やアングラ掲示板などで大人用のIDが当然のごとく流通するので、自殺や援交したい未成年者を規制する事はできないのではないかと危惧しています。
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