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調書漏洩 鑑定人に有罪 奈良地裁判決「正当な理由ない」

奈良地裁に入る崎浜盛三被告=奈良市 奈良県田原本町の医師(50)宅放火殺人の供述調書漏洩(ろうえい)事件で、秘密漏示罪に問われた精神科医、崎浜盛三被告(51)の判決公判が15日、奈良地裁で開かれ、石川恭司裁判長は懲役4月、執行猶予3年(求刑懲役6月)を言い渡した。

 最高裁によると、記録が残る昭和53年以降、秘密漏示罪の判決宣告は初めて。報道・出版の自由や取材源の秘匿をめぐり論議を呼んだ異例の事件は、調書が引用された「僕はパパを殺すことに決めた」(講談社)を出版したフリージャーナリスト、草薙厚子さ(44)の刑事責任は問われないまま、取材源のみが有罪とされる結果となった。

 弁護側は、崎浜被告が草薙さんに調書などを見せたことは認めたものの、放火殺人事件の少年審判で精神鑑定を担当した医師の長男(19)に殺意はなかったことを社会に理解してもらうためで、正当な理由があったと主張。さらに治療行為を行わない鑑定人は秘密漏示罪の対象となる医師には当たらないとして、無罪を訴えた。

 これに対し検察側は「少年法の精神を破壊した前代未聞の事件で極めて悪質」と指弾。同罪の法定刑の上限である懲役6月を求刑していた。

 判決によると、崎浜被告は平成18年10月5~15日、京都市の自宅やホテルで、3回にわたり草薙さんらと面会。奈良家裁から鑑定資料として貸与された長男や父親らの供述調書を見せるなどし、業務上知り得た秘密を不当に漏らした。

【写真説明】奈良地裁に入る崎浜盛三被告=奈良市

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