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医療過誤:小牧市民病院に賠償判決 措置の遅れ認める

 愛知県小牧市の小牧市民病院に熱傷治療のため入院後、死亡した男性(当時49歳)の遺族が、病院に過失があったとして、約1億円の損害賠償を市に求めていた訴訟で、名古屋地裁(永野圧彦裁判長)は15日、市に男性の逸失利益など約6300万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 判決によると、男性は04年8月、自宅で天ぷら油の入った鍋を持って移動中に転倒。油を頭からかぶり上半身に熱傷を負い、同病院に入院したが、入院中に意識障害に伴う肺炎のため、07年1月に死亡した。

 判決は、遺族側の主張に沿い、意識障害の原因を低血糖による脳障害と認定。「医師、看護師は、低血糖の可能性を疑い、速やかに血糖値を測定して確認するなど適切な措置をとるべき注意義務を負っていた」とし、適切な措置を取っていれば、脳障害を回避できたと認めた。病院側は「救命可能性が極めて低い重篤な状態だった」などとして争っていた。

 小牧市民病院の末永裕之院長の話 病院側の主張が認められず、遺憾。今後の対応については判決文をよく検討して考えたい。【式守克史】

毎日新聞 2009年4月15日 14時15分

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