救急科医師の当直回数は平均の2倍
「救急科」と「産科・産婦人科」に勤める非管理職の一般医師の1か月当たりの平均当直回数は、それぞれ5.48回、4.51回で、診療科全体の平均2.78回を大きく上回った。特に救急科では、平均のおよそ2倍に達した。4月15日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬改定結果検証部会で公表された「病院勤務医の負担軽減の実態調査」の結果(速報)で明らかになった。1か月あたりの平均連続当直回数でも、2つの診療科が他の科を大幅に上回っており、医療崩壊が叫ばれる中、特に事態が深刻とされる両科の実態が、数字で裏付けられた格好だ。
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同調査は、病院勤務医に対する負担軽減策の取り組み状況の把握などを目的に、昨年12月から今年2月に実施。「入院時医学管理加算」「医師事務作業補助体制加算」「ハイリスク分娩管理加算」のいずれかの届け出をしているすべての病院と、そこに1年以上勤務する診療科責任者、医師を調査対象として、それぞれ516施設、2389人、4227人から回答を得た。
これによると、直近1週間の平均実勤務時間は、医師責任者が58.0時間で、医師は61.3時間。
診療科別に見ると、医師責任者、医師のいずれも「救急科」が最も長く、それぞれ62.6、74.4時間だった。以下、医師責任者では「脳神経外科」(62.3時間)、「産科・産婦人科」(60.2時間)、医師では「外科」(65.0時間)、「脳神経外科」「産科・産婦人科」(それぞれ63.9時間)と続いている。特に、救急科の医師は、2番目に長かった「外科」の65.0時間を9.4時間も上回るなど突出している。
また、1か月あたりの平均当直回数を見ると、医師責任者は1.61回、医師は2.78回だった。
これを診療科別に見ると、医師責任者では「産科・産婦人科」が2.90回で最も多く、「救急科」(2.73回)、「小児科」(2.13回)と続いた。医師については、「診療科不明」を除き、「救急科」が5.48回で最多。「産科・産婦人科」(4.51回)、「小児科」(3.48回)がこれに続いた。
いずれも救急科、産科・産婦人科が他の診療科を大幅に上回っている。
同様の傾向は医師の1か月あたりの平均連続当直回数についても見られた。「産科・産婦人科」については0.40回、「救急科」は0.38回で、共に全体の平均値0.13回を大幅に上回った。
更新:2009/04/15 13:05 キャリアブレイン
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