追い出し屋:不動産管理会社などを提訴 被害の大学生ら

2009年4月15日 11時41分 更新:4月15日 12時0分

 短期間の家賃滞納を理由にアパートから追い出したのは違法だとして、東京都内の男子大学生(25)と60代の営業職の男性が15日、不動産管理会社など4社を相手取り、1人あたり200万円の慰謝料などを求めて東京地裁に提訴した。不況の影響で家賃支払いが遅れ、退去させられるケースが増えているといい、大阪や宮崎など3府県でも近く元派遣社員らが同種の訴訟を起こす予定。原告側弁護団は「一斉提訴で『追い出し屋』への法規制を促したい」としている。

 訴状などによると、大学生は05年に杉並区のアパートに入居。生活苦のため、今年1月末に2月分の家賃7万7000円の支払いが遅れた。管理会社は2月中旬、ドアを開けられないようにする器具を設置。大学生は滞納分を払って3月下旬に部屋に戻ったが、撤去されたパソコンなどは返還されていない。

 60代の男性は昭島市のアパートに住んでいたが、昨年12月分の家賃を滞納したところ、鍵を交換され、荷物も撤去された。現在は別のアパートで暮らしている。

 原告側はこうした管理会社の「追い出し」行為により、原告の居住権が侵害されたとしている。

 60代男性は記者会見し、「自分がだらしないのが原因だとは思うが、会社の対応は納得できない。他にも同じ立場の人がいると思うので、少しでも良い結果が出るようにと提訴した」と話した。

 不動産管理会社側は「訴状を見て対応を検討したい」などとしている。【工藤哲】

 ◇無料で被害相談

 住まいの貧困問題に取り組む「全国追い出し屋対策会議」など3団体は19日午前10時~午後6時、家賃滞納を理由とする高額な違約金請求や、鍵の無断交換・荷物撤去の被害相談に無料で応じるホットライン(0120・442・423)を開設する。

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