マツダスタジアム(新広島市民球場、南区)で広島東洋カープの地元開幕3連戦があった10―12日、お祝いムードがスタンドを包んだ半面、観戦マナーや周辺道路の交通対策、施設運営の課題も浮き彫りになった。
試合後、真新しい観客席の周囲に、弁当がらや紙コップが散らばっていた。場内のごみ箱計80カ所の一部からは飲食物の容器があふれていた。球団によると「試合中は人波に遮られてごみ回収が難しい個所があった」という。今後は増設を検討する。
JR広島駅から徒歩で球場へ向かうメーンの市道約800メートルはファンで混雑した。歩道の大部分は幅員2、3メートル。車両通行止めとなる試合前後の各1時間以外の時間帯も、車道へ人があふれた。市は「地元住民の車利用にも配慮がいるが、混雑が続くようなら広島県警と規制時間延長も検討したい」とする。
内野砂かぶり席では10日、飛球から頭を守る貸し出し用ヘルメット約10個が持ち帰られるハプニングも。球団は「要返却」のシールを収容袋に張った。売店は30分―1時間待ちの列ができた。10日に観戦した広島市東区の女子大生(21)は、自分の席の上に靴跡を見つけた。いすを踏んで移動するマナー違反に「感動を台無しにされた」と憤る。
【写真説明】新球場が始動した10日のナイター後、観客席に残されたごみを集める清掃員(撮影・藤井康正)
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