北朝鮮が「自力の軽水炉検討」…韓国で核開発の懸念強まる
【ソウル=浅野好春】北朝鮮が6か国協議のボイコットや核開発再開を表明した14日の外務省声明で、「自力の軽水炉建設を積極的に検討する」との方針を示し、濃縮ウランによる核開発を目指しているのではないかとの懸念が韓国で強まっている。
北朝鮮は以前から、高濃縮ウランを使った核爆弾の開発を進めている疑惑が指摘されてきたが、近く「イラン方式の核開発」に着手するとの分析もある。
問題の軽水炉について、北朝鮮外務省の声明は「我々の主体的な原子力エネルギー工業の構造を完成させるため、自力の軽水炉発電所建設を検討する」と指摘した。
さらに、「(日米などの)敵対勢力によって6か国協議がなくなり、非核化プロセスが
北朝鮮は従来、6か国協議を通じ、究極的に他の5か国からの軽水炉提供を当て込んでいた。だが、声明からはこの方針を転換し、自前の軽水炉建設に踏み出そうとの意思が読み取れる。
韓国政府傘下の科学技術政策研究院の
イランは、中部ナタンツの核施設で濃縮ウランを生産する一方、南部ブシェールでロシア製軽水炉の運転試験を進めている。李研究委員によると、北朝鮮もイランのやり方を踏襲する可能性がある。
両国は核・ミサイル開発で緊密な協力関係にあると言われ、ウラン濃縮技術の相互利用を図る恐れは否定できない。しかも、北朝鮮北部では天然ウランが産出するため、北朝鮮はウランの調達も容易だ。
北朝鮮は2002年10月、訪朝したケリー米国務次官補(当時)に対し、高濃縮ウランによる核開発を続けていることを認めたが、その後は一転、否定している。6か国協議ではプルトニウム関連の議論が中心となり、濃縮ウラン疑惑の解明はほとんど進展していなかった。
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